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2020年4月17日 (金)

先行隠蔽配管は気密試験すべき

冷媒管の気密試験にも使用する窒素レギュレータ
[冷媒管気密試験などに使用する窒素ガスレギュレータ]

先行隠蔽配管は建物を建築時に冷媒管やドレン管、電線をあらかじめ壁や天井、床などの中に収めて見えないようにする配管方法です。

とくにバブル期の頃には一戸建てなどで美観を重視しよく行われていました。

いまでもマンションなどで外壁に面していない部屋に行われることがあります。

しかし新築で一度も使用されていない冷媒管は正常に使用できるものなのかわかりません。
たまにねじや釘が打たれて穴が開いていることもあるんですよ。

というのもほとんどのルームエアコンの隠蔽配管は気密試験が行われていないからです。

途中に接続なく一本もののパイプで通すため気密試験は必要ないと思っているのかもしれません。

またそれだけの費用や手間はかけられないというのが大きな理由でしょう。

先行隠蔽配管は躯体コンクリート打設後、室内の造作が行われる前に急いで配管します。
その後、造作工事が入り工期に追われたいろんな工事業者が出入りしドタバタになるため何があってもおかしくない状況となります。
(マンションの新築工事のドタバタかげんといったら凄まじいものがあります)

一方、業務用のエアコンでは多くの場合パイプを途中で溶接接続するため、室内の造作などが始まる前に圧力ゲージを取り付け窒素を入れて加圧し圧力をかけたままにします。

定期的にゲージ圧力を見て回りパイプに漏れがあれば圧力が下がるのでその時点で漏れ箇所を探し修理を施します。

これらのことがルームエアコンではほとんどされないんですよ。
またその技術を持った者もいないというのが現実です。

中には半端なパイプを使って途中(点検できない壁、床、天井内)でユニオン接続(メカニカル接続)するというとんでもない工事さえ存在します。

そのため当方では一度も使用されていない先行隠蔽配管は気密試験が行われていない場合、エアコンの取り付け工事は行いません。
万一そのパイプに漏れがあると、その後の対処がたいへんな事になるためです。

先行隠蔽配管へのエアコン設置を断る業者や販売店が増えてきているのも、それらのことに巻き込まれたくないといった事情があります。

当店ではこちらで事前に気密試験を行い問題なければ設置可能ですがその費用は安くはありません。

なので配管を施工した業者や建築会社が責任を持って気密試験を行い、問題の無いことを確認しデータを残して引き渡すというのが本来のあり方だと思います。

施工しっぱなしで確認せず引き渡すのは楽でしょうが無責任というものです。

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2020年3月 4日 (水)

化粧カバーの中は・・・

パイプを配管化粧カバーで仕上げると見た目がきれいになっていいものですね。

しかーし!中身のパイプが見えないということはどんな施工がされているかもわかりませんヨ😁

これなんかもその一例。
エアコンの配管穴がごみで穴埋めされている
これってアリ?

カバーを外すと穴にごみが詰められてました。

本来はエアコン用パテで埋めて空気の流入がないようにしますがこれじゃスカスカ。
しかも室内側(こちらも化粧カバー付き)は穴埋めされてませんでした。

換気扇で室内は負圧になり配管穴から外気が吸入されるので穴の中は真っ黒け。

何のごみか抜いてみると
配管化粧カバーの入っていた袋
配管化粧カバーの入っていた袋をまとめてつっこんでありました。
透明だった袋も真っ黒け。

工事をした人の発想は”パテの節約ができて持ち帰るゴミも減らせるし俺ってアタマいい!、カバーで隠れるしバレねーべ”って感じですか?

こんなことをしたら取り外すときにはバレるって思わないんですかねぇ。

工事はどこかの下請け業者でしょうが店や元請けに対していい思いを持っていないのかもしれませんね。
業者を大切にしないのでお互い様というところでしょうか。

でもそのあおりを食らうのはお客さんなんですヨ。

どうしようもないですね。

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2020年2月14日 (金)

エアコンの寿命は

古いエアコンでは故障して点検にきてもらったら部品がなくて修理できないと診断されるケースがあります。

現在主流のインバーター制御のエアコンでは室外機内部にある制御基板(インバーター基板)の不具合が一番多い故障ですね。

メーカー補修部品の在庫があれば修理は可能なのですが、ルームエアコンでは製造から10年程度でほぼなくなります。

長く使用することを想定していないからです。
近年では室内機に”設計寿命10年”と表示されてますね。

メーカーは長期の使用で事故などが発生することを警戒、責任の回避策を講じ、更なる利益につなげるのをビジネススタイルとしているようです。
長く愛用するのは望まれていないんです。(お寒い話でございます😅)

これは故障した室外機の制御基板です。
室外機内部の電気部品
十数年経過していると思います。

近づいてみると
エアコン制御基板部品の劣化
パーツが劣化してますね。

でもこの部品が故障の原因ではなく別のところでした。

目に見える劣化とは別に見えないところでも徐々に傷んできます。

たまたま運よく基板の在庫があってこちらのエアコンは修理できましたが。

基板には
室外機制御基板
このようにたくさんの部品が付いています。
(各パーツが大きいので古い世代の基板です)

メーカーの補修部品は基板まるごとアッセンブリー(組品)になっていて個々のパーツは部品設定がなく入手できません。

たとえこの中から故障部品を特定できて汎用パーツがあり交換したとしても、また別の部品が劣化故障なんてことになるでしょう。

またそのような修理はメーカーから改造とみなされる可能性がありおこないません。
技術があればなんでもやっていいというわけではないんですね。

ヘタなことして発火でもしたらおしまい😱
エアコンは電流量が多いので危険です。

いずれにしてもメーカーは10年以上のものはどうなっても知りませんよと宣言しているので、それを超えて故障したら寿命と判断したほうがよいでしょう。

それでももう少し使いたいという方はメーカーへ部品在庫を調べますのでご連絡いただければと思います。

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2020年1月31日 (金)

実験。コンバーターの倍電圧整流

先日こちらで交流を直流に変えるコンバーターの実験を行いました。

それに引き続き今回は”倍電圧整流”です。

すみません、電気回路が苦手な方にはちょっと難しい内容です。

前回の実験で交流を直流に変換し平滑すると交流電圧の最大値がほぼ直流の電圧になることがおわかりになったかと思います。

エアコンに搭載されているコンバーターからは直流約280V強の電圧が出ます。
インバーターで使用するにはこれくらいの電圧が必要。

でもエアコンで100V電源の場合、交流の最大値は約141V程度。
これでは直流もこの程度の電圧しか出せませんね。

まずは普通の全波整流回路を見てください。
全波整流、平滑回路
基本回路はこんなふうになっています。

これが前回の実験で使用した回路。

左の交流電源が100V(実効値)であれば右の直流出力は約141Vです。

この直流をオシロ(オシロスコープ)で見てみましょう。

コンセントの100Vをそのまま使うのは危険なので実験用電源を使用し1/10の交流電圧10Vで行います。
(実際には10V強出てますが😅)

すると
オシロに表示された14.5Vの直流
交流電圧(実効値)の√2倍(最大値)に近い14.5Vの直流が見えます。
(交流が10V強のため14.1より0.4V大きくなっています)

例えば電源の交流電圧を倍にすれば出力する直流電圧も倍になります。

エアコンで言えば電源200Vにすればインバーターに使用できる直流約283Vが得られます。
でもそれではエアコンは全部200V電源でないと使えませんね。
それとも大きなトランスを搭載して200Vに昇圧するか・・・そんなコストかけられません😆

そこで使用されるのが倍電圧整流回路。

これはエアコンでよく使用される倍電圧整流回路
倍電圧整流回路
これは部分的な基本回路です。

これを実際に作ったのがこれ
倍電圧整流回路の実験
実験なのでかなりテキトウ😅ですが回路は間違いありません。

そして今度は同じ交流10Vを加えこの倍電圧整流回路を通してオシロで見ると
オシロで見た倍電圧整流後の直流
前回の波形(?)もピンク色で同時に表示。

倍の29Vになってますね。

たったこれだけで倍電圧になりました。

どうしてこうなるのか・・・🤔

先ほどの倍電圧整流回路からコンデンサを外します。
倍電圧整流回路から平滑コンデンサを外した回路
直流出力側の1線を”a点”としました。

今度はこのa点を基準にオシロで見てみましょう。

a点を基準として+側にオシロのプローブを接続
オシロのプローブを接続

これでどうなるでしょうか。

波形を見てみます。
オシロで見たプラス側半波整流
あれ~、なんか山と山の間に平坦なところがありますね。

これを半波整流といいます。

では-側はどうでしょう。

a点を基準にプローブを-側に接続
プローブを接続

波形は
オシロで見たマイナス側半波整流
おっとこんどはさっきと逆に谷と谷の間に平坦なところがあります。

ここに+側の波形を表示させると
プラス側とマイナス側の半波整流波形を重ねてオシロに表示
交流電源の正弦波になりました。

なのでプラス側の山のてっぺんは14.5V。
そしてマイナス側の谷の底は-14.5V。

あ、わかっちゃいました?

プラス側半波整流波形にこんどはコンデンサを付けたときの波形を表示すると
オシロにプラス側半波整流の平滑前と後の波形を表示
平滑され14.5Vの直線になりました。

マイナス側も同様に
オシロにマイナス側半波整流の平滑前と後の波形を表示
-14.5Vの直線ですね。

+と-の直流同士は
オシロにプラス側とマイナス側の直流を表示
このように互いに29Vの電位差が生じています。

これが倍電圧になる仕組みです。

この原理で電源100Vのエアコンでも室外機の中のコンバーターには直流280V以上の高電圧がかかります。
開けると”!高電圧注意”や”直流300V注意”などと注意喚起してあります。
触ったらエライこっちゃです。

詳しい方は倍電圧整流回路を見てブリッジダイオードである必要はないことに気付いたかもしれません。
ダイオード2個でもできますね。

しかしエアコンではブリッジダイオード(ダイオードスタック)を使っています。
万一のときコンデンサ保護になるためでしょう。

ということで今回も実験終了です😊

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2020年1月27日 (月)

エアコン買うのは量販店?ネット通販?

エアコンを買うのは量販店?それともネット通販?

エアコンを買おう!、買い替えよう!となったとき、みなさんは量販店派ですか?それともネット通販?

インターネットの普及した現在では通販を利用して購入される方も大勢います。
当店へ工事を依頼されてくる方のほとんどはネット通販ですね。

でもたまに量販店で買ったものを工事はそちらに頼まずにこちらへ依頼されてくることもあります。
理由は多分書かなくても皆さんおわかりでしょう。

わたしがエアコンを購入する場合はやっぱりネット通販。

いままでも知り合いのところを含めて10台以上購入したことがあります。

インターネットが不得意なお客さんのところでは購入手続きを手伝うこともしばしば。

ネット通販を選ぶ最大の理由は価格の安さでしょう。
メーカーから直送されてくることも割と多いので倉庫や店舗、人件費といった経費を抑えられますからね。

それと店へ出向かなくても簡単に購入できる手軽さ。
手続きが終わればエアコン本体(室内機と室外機)が宅急便で送られてきます。

当店のお客さんにはいろんな量販店へ見に行ってどれにするか決めたらネットで買うという方もいます。

まあ、いまではメーカーサイトで機能やスペックを詳細に知ることもでき比較も簡単です。

― 量販店仕様のエアコン ―

エアコンには”量販店仕様”なるものがあるのをご存知でしょうか。

量販店仕様と本来のメーカー仕様(以下メーカー仕様)があります。

同じものなのに双方で型式(型番)が違うんですよ。

ネット通販ではどちらの仕様も購入することができます。

また、メーカーサイトを見るとだいたい初めに出てくるのが量販店仕様のページ。
そしてわかりにくいように”[その他の名称]仕様”で別ページが用意されていてそちらがメーカー仕様です。

それでも中には量販店仕様の型番を検索しても出てこないメーカーもありますね。

その他には量販店仕様に販売店の頭文字(アルファベット)が加えられたものも存在します。

では量販店仕様とメーカー仕様に違いはあるのでしょうか。

メーカーに聞いてもおそらく”同じもの。型番を分けているだけ”と言われるかもしれません。

でも業者の目はごまかせませんよ😁

調べると製品仕様や電気配線図をみてもほとんど同じ。
一般の方は流通ルートが異なるだけでやはり同じものと思うでしょう。

ところが詳細仕様をよ~く見ると許容配管長、許容高低差、チャージレス配管長(ガス補充不要の配管長)の欄だけが異なります。
(メーカー仕様の方が許容長などが長い)

やはりどこかに差があるということですね。
でなければ同じ型番を使うはずです。

これを見て何が異なるのか少し考えました。

電気配線図をみてもすべて同じ回路。製品質量や大きさも同じ。電気特性も同じ。封入ガス量も同じ。
ということで表立ってのちがいはありません。

量販店仕様は製造費を抑えて安く造られたものと思いますのでその辺をよく考えると・・・

コンプレッサー?・・・まじか・・・

う~ん、これしか思い浮かばない・・・

許容配管長などの差はこのほかの部品を変えてもあまり変わることはないでしょうし製造費用の節減にはほとんど寄与しません。

しかし心臓部ともいえるコンプレッサーは車でいうところのエンジンに相当するエアコンを構成する部品の中でも一番高いパーツ。
しかもモノによって許容配管長などの差になります。

これを安価なものにすればエアコンの価格を抑えられ実店舗で販売してもそれなりの利幅を確保できるのではないでしょうか。

あくまでも推測に過ぎませんが。

昔、某エアコンメーカーさんは冷媒の流れを制御する部品を、量販店仕様には安価な”キャピラリーチューブ”(細いストローみたいなもの)、メーカー仕様には高価な”電子制御膨張弁”を搭載していました。

さすがにこんなあからさまな違いがあるとまずいですよね。
それでも当時メーカーさんに確認すると”同じもの”の一点張りでしたから。

ネット通販ではメーカー仕様品を安く購入することができます。

あとはよく比較検討していただき、どちらを選ぶか、どこで買うかは自由です。

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2020年1月26日 (日)

交流から直流への変換実験

インバーターという言葉は多くの方がご存知と思いますがコンバーターというのはどうでしょうか。

ホームセンターやカー用品店でもインバーター電源とかは売ってますね。

インバーターは一般向けには直流を交流に変換して家庭用電気製品を使えるようにするものが多く出回ってます。

エアコンでは主に室外機の中でコンプレッサーを回すために使用されています。

ならばコンバーターとはなんぞや?
はいこれは直流の電圧を変えたり(DC-DCコンバーター)、交流を直流に変換するもの(AC-DCコンバーター)をいいます。

エアコンのインバーターは電源50/60Hzの電気をコンバーターで一旦直流にしてそれを再度インバーターで任意の可変周波数に作り直しコンプレッサーを回しコントロールしているのです。

ではコンバーターはどのようにして交流を直流に変えるのか、先日の修理で出た撤去基板があるこの機会にパーツを拝借し基本回路でその実験をしてみます。

波形を見ながらやろうと思うので
簡易型オシロスコープ
この簡易型オシロスコープを使います。(以下オシロ)

オシロの画面をカメラで撮るとよく見えないので本体で保存した画像を使用します。

エアコンの基板にあるダイオードスタック
エアコン室外機の基板に付いているダイオードスタック
これを拝借します。

この部品は整流ダイオードともいいますね。

取り外したダイオードスタック
基板から外したダイオードスタック
端子は左から+、~、~、-となっています。

この”~”(交流のマーク)へ交流を加えると”+”と”-”から直流を取り出すことができます。

なお、”+”と”-”へ直流を入れても”~”から交流は出てきませんのであしからず😄

ここで詳しくは書けませんが中に4つのダイオードがブリッジ接続されています。

実験にはまず交流電源が必要ですね。

コンセントの100Vを直接使用するような危険な事はできませんので
自作実験用変圧器から50Hz、13Vを出力
自作の実験用変圧器を使用します。

この変圧器から今回は13Vを出して使います。
(ロータリースイッチよるタップ切替式)
周波数はコンセントと同じ50Hzです。

ではまずダイオードスタックの交流入力に電源から来た13Vを接続し、同じところへオシロのプローブもつなぎます。
ダイオードスタックへ交流13Vとオシロを並列接続
はやい話がオシロで電源変圧器から来た電圧波形を見ようということです。

変圧器で100Vから13Vへ降圧されてますが波形は変わりませんので。

では正弦波の波形です・・・
やすものオシロの正弦波波形
あれ?なんかサインカーブというにはちょっと微妙ですねぇ😅

やっぱりこのへんが安ものオシロです。

まあいいか。いいものなんて買えません。

画面高さの真ん中あたりが0Vで上がプラス側、下がマイナス側となります。
時間は左から右へと流れています。左端を0とすると右端が0.12秒です。

正弦波交流なので山のようにプラスへ、そして極性反転してマイナスの谷へと連続的に繰り返しているのがわかります。

ではこのときダイオードスタックの出力はどうでしょう。
オシロのプローブをダイオードスタックの出力へ接続
プローブを出力側へつなぎました。

どれどれこれできれいな直流が・・・

あれ?
正弦波の全波整流波形
なにこれ?

山の連続・・・険しいなぁ

でもこれで正常なんですよ。

ここで前の交流波形と重ねてみてみましょう。

オシロの機能で以前の波形と重ねて表示できます。
正弦波と全波整流波形を重ねて表示
ピンク色の波形が入力側の正弦波交流。

こうするとピンク色の谷が水色の山へと反転したのがわかりますね。

マイナス側が無くなって山だらけになったわけです。

上がったり下がったり激しいですが極性反転しないのでこれも直流。

このような整流の仕方を全波整流といいます。
(ほかにダイオード1コだけで行う半波整流というのもありますが正弦波のマイナス側にあった谷が消えてその部分は0Vフラットになるため山と山の間隔が広くなり扱いづらくなります)

でもこれでは電圧変動が大きくて使い物になりません。

きれいにならして直流らしくしたいですね。

そこで登場するのがこれ
エアコンの基板に付いている平滑用コンデンサ
コンデンサです。

だれもが一度は見たことのある・・・そんなことないか😁

エアコン用なので容量も大きく1200μF×2つ。

でもこんな大きな容量を使うと危険。

うちにあった100μFの小さなものを使います。

これをダイオードスタックの出力へ接続
ダイオードスタックの出力へ接続したコンデンサ

コンデンサは加える電圧が上昇の時は電荷を蓄え(充電)、電圧が降下し始めると電荷を放出(放電)する性質があります。

この特性を利用すると波形はこうなります。
コンデンサで平滑されて一直線になった波形
一瞬、”波形はどこ?”なんてなりませんでしたか?

横一直線にきれいに平滑されてこれぞ直流って感じです。

前の波形と重ねます。
全波整流波形に平滑された直流を重ねて表示
全波整流波形の山のてっぺんがそのまま横一直線の直流になってますね。

コンデンサの作用で山のデコボコが埋められました。

電源が約13Vの正弦波なので山のてっぺんは約18V。
だいたい18Vの直流です。

エアコンの電源100Vの機種では全波整流して平滑すると141Vになります。

でも実際に室外機を開けて実測すると280V強程度になっています。
なぜでしょうか?これについてはまた別の機会へ。

割と簡単に直流に変換することができました。
ではこれをそのまま機器に使用できるのでしょうか。

最後にその実験をします。

小さな負荷に見立てた抵抗を接続します。
整流平滑している回路に負荷に見立てた抵抗を接続
これも転がってた適当な抵抗220Ωです。

さてどうでしょう。

ガタガタ・・・😱
負荷が接続されることでリップルが発生
せっかくのきれいな直線が台無し。

これをリップルといいます。
変化する電圧をリップル電圧。

これも全波整流の波形と重ねてみましょう。
全波整流とリップルの波形を重ねてオシロに表示
なんとなくわかりましたかねぇ。

220Ωの抵抗をつなぐ前は抵抗の高いオシロしかつながってなかったためほとんど無負荷でリップルは発生しませんでした。

しかし負荷となる抵抗を接続するとそこで電気を消費するため小さなコンデンサの容量(電荷を貯められる量)では放電量が不足し大きなリップルとなります。

しかも結構な発熱量。
やばい、早くやめないと破裂しそう💣

これでは使えませんね。

なぜエアコンでは大きく高容量のコンデンサが必要なのかこれでなんとなくわかるのではないでしょうか。

ちなみに半波整流の場合は山が全波整流の半分になって間隔が広がるのでリップルも更に大きくなります。

ちょっと長くなりました。これで今日の実験を終了します。

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2020年1月18日 (土)

今日は寒かったですね。

雪が降って寒い一日でした。

みなさん暖かく過ごされてますか?

エアコンの暖房があまり効かなくて・・・なんて場合はフィルターの状態を確認しましょう。

いまでは ”うちのエアコンは自動でフィルター掃除してくれるから大丈夫。” という方も多いのではないでしょうか。

ほうほう、電器店の店員さんにすっかり騙されて思わず買っちゃいましたか・・・失礼、ではなくて親切な店員さんの勧めでご納得の上購入されたんですね。
”エアコンが自動で掃除するのでいつもきれいで効率がいいですよ。当店のイチオシです。” なんて感じでしょうか。

あのオマケのような残念機能ではフィルターは掃除しきれないんですよ。

とくにキッチンのある部屋なんかでは調理の油がフィルターに付着してベトつき詰まりやすいんです。

放っておくと設置から3年位で徐々に詰まっていき、気が付いたら ”なんだかあんまりあたたかくならないなあ・・・” てことになります。

リモコンの設定温度もどんどん上がって ”30℃だけど効かない” なんてことにも。

そこでフィルターを見ても ”自動掃除できれいだよなあ・・・” と感じるかもしれません。

でも外したフィルターに息を吹きかけて裏側へほとんど通らなければ詰まっています。
フィルターの目が細かいので見ただけではよくわからないんです。
よ~く見るとわかりますけどね。

油が付着している場合は洗剤などを使用しないと詰まりは取れません。
洗剤を使う場合はフィルターを傷めないタイプを使いましょう。

フィルターが詰まると風の勢いが弱くなって高いところに付いているエアコンでは床まで暖気が届かず上昇してしまい天井ばかりがあたたかくなります。

ここでサーキュレーターを使用して空気をかくはんしても部屋の温度はあまり上がりません。

なぜかというとフィルターが詰まったエアコンは室内機の中で暖気がまわってしまい、内部の温度センサーをあたためてしまうため。

エアコンはすぐに ”設定温度になった” と判断して室外機を止めてしまいます。

部屋がひんやりしてきたところでまた室外機が動き出してまた止まる・・・あとはこの繰り返し。

当店のお客さんには自動フィルター掃除は信用してはならないことを工事や修理の時に説明するのでご自身で取り外して掃除を実践されている方も多いと思います。

やはり人の手で掃除するのが一番。

もしフィルターを掃除しても改善しない場合は別の原因が考えられます。
必要であれば点検依頼も受け付けてますので当店ホームページをご確認の上ご連絡ください。

急に寒くなりました。
風邪など召されませんように。

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2019年10月31日 (木)

電波リモコン確認用器具作成(試験段階)

これから増えるかもしれない電波式リモコン。

正常かどうか確認するにも従来の赤外線式リモコンと異なり電波はカメラを介しても光ではないので見えません。

そこで電波の出具合を目で見てわかる形に変換してみようということで測定器具を作りました。
とはいっても非常に簡単な回路なのでたいしたものではありません。

相対的にしかレベルが見れない簡易電界強度計です。

とりあえず2種類作りました。
電波の出具合を測るための器具を2種類作成
見るからに安っぽい😅

右は直流電流計を付けて無電源でそのまま測れるようにしています。

左は端子台を付けて外部計器で測定するようにしました。

しかし電波リモコンなどは手持ちがないので簡易無線機(UHF帯)で試しました。
出力が少し大きく(1W近い)周波数も異なるのでとりあえずの動作確認となります。

まずは右側のほうをテストします。

無線に他の使用者がいないことを確認して送信
19103110
こんな感じ。

車のルーフキャリアから上に伸びている棒がアンテナです。

メーターをアップすると
メーターのアップ画像
右いっぱいまで針が触れます。

でもアンテナから遠ざけるとあまり振れません。

う~ん・・・やっぱりちょっと感度が悪いかな。

強力な電波が入ると思いっきり針が振り切れてメーターが壊れるので左側面に押しボタンスイッチを付けて手を放すと回路が遮断するようにしてあります。

これはどちらかというと無線機(アンテナ)の電波の出具合を調べるのに重宝しそうな・・・
専門的な話になりますが八木アンテナで調べると電波がどの方向にどの程度出ているか確認できました。

左手に電界強度計、右手にカメラ、無線機のマイクにある送信ボタンは膝に挟んで押してます。変な人状態😅

そしてもう一つの方は
簡易型オシロスコープと組み合わせて電波の出具合を見る
簡易型のオシロ(オシロスコープ)と組み合わせて使ってみました。

無線機の送信をしていないとき
無線機を送信しないときはオシロのゼロライン
オシロはゼロのラインにあります。

さきほどのメーター付きよりもアンテナから離してします。

送信
無線機送信時のオシロ
ラインが上にあがりました。

電圧レンジはもっと小さくできるのでさらに離れたり微弱な電波も検知できます。

車内のシートに置いて無線機送信。
車内のシートにオシロを置いて無線機送信
ここでもしっかりと電波の出を確認することができました。

電圧レンジを少し上げても
オシロの電圧レンジを上げても感度がいい
感度がいいです。

これオシロの測定用のリード(プローブのコード)がアンテナになってますね。
後にオシロではなくテスター(回路計)をつないでもかなり強力に振れました。

一方同じ場所でのメーター付きの方は
メーターはほとんど振れない
微妙に動いたような動かないような・・・

実用性が高いのはやっぱり外部計器を接続するほうかな~
リードがアンテナになって感度がよくなります。

しかし同じUHF帯でも電波式リモコンは波長がかなり短め(周波数が高い)。
あとは実際にリモコンを現場であててみて双方にどんな反応が出るか確認しようと思います。

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2019年10月29日 (火)

隠ぺい配管はやめたほうがいい

壁掛け型ルームエアコンでのこと。

家を建てるときに設計サイドから建物の外観を損ねない等の理由でエアコンは”隠ぺい配管で”と勧められることがあると思います。

でもちょっと待ってください。
見た目だけで施工方法を決めると後でたいへんな思いをするかもしれませんよ。

ここで”隠ぺい配管”とは何ぞや?と思われた方へ・・・
隠ぺい配管は別名で埋設配管とか先行配管とも呼ばれて壁内、天井内、床下にあらかじめパイプを配管しておき、建物竣工後にエアコン本体を取り付けそこへ接続する方式です。

パイプがほとんど見えずすっきりとした仕上がりになるところが売りです。

日本がバブルの時は隠ぺい配管が当たり前のように行われていたわけですが・・・

その後10年20年と時が経ちエアコンが壊れ始めます。

新品に交換しようと思ったら工事を断られてしまいどこへ頼んでいいものかと悩んでおられる方も多いのでは。

泣く泣く諦めて電源増設工事と露出配管で施工したというケースも多発しています。

ではなぜ工事を断られるのでしょう。

― 銅管が再利用できないケース ―

エアコンの冷暖房に欠かせない銅管。
この中には冷媒ガスが流れています。

しかし金属であるがために経年劣化と共に工事をするたび硬化して融通が利かなくなり、果てには折れてしまいます。

またエアコン本体によって異なる接続位置で中途半端に足りなくなり接続が難しくなることもあります。

そのほかには現在の新冷媒は旧冷媒より高圧なため銅管自体が対応していないケースもあるでしょう。

― 電線が短いケース ―

これは量販店などで入れ替え工事を断られる一番の理由のようです。

電線は内外連絡線と呼ばれ室内機と室外機を結び電源供給と信号のやりとりをしています。

隠ぺい配管ではエアコンを取り付ける時にその本体に合わせて電線をカットするので別のエアコンでは短くなってしまうことがよくあります。
こうなると接続延長しなければ使用できません。

この連絡線は電気設備技術基準や内線規程に沿って施工する必要があります。

しかし電気とは畑違いの工事人が多いエアコン業界では電線をテキトウに接続してそのまま壁の中に押し込んだり、パイプと一緒にテープで巻いてしまい火災の原因となりました。
そこで経産省などから量販店などへ通達があったようで今では電線接続延長を断っているようです。

メーカーの据付説明書にも途中接続禁止となっていますが、そもそも電気工事士の資格を持った者がしっかりとした工事をしていればこのような注意書きは必要なかったと思います。

経産省から量販店などのエアコン工事人はまともな電気工事ができないとレッテルを貼られてしまったようなものですね。

以上により多くの業者は連絡電線を接続延長しなければならない場合工事を断ります。

(当店は安全な接続が可能であれば行います)

― ドレンが再使用できないケース ―

これは隠ぺい配管を施工(埋設)した業者が適切な方法をわかっていないことによるもの。

ドレン管は室内機から出る結露水(除湿した水)を排水するためのものです。

壁内に埋められたドレン管
壁内に隠ぺい配管されたドレン用塩ビ管
先端しか見えませんが本来このような塩ビ管を使用します。

これは水道用のVP管。
業務用エアコンのドレン管としても多用されています。

ここへ室内機から出ているドレンホースを差し込みます。

昔から据付説明書にもこのように塩ビ管を室内機裏に立ち上げて差し込む方式が出ているのでこれが基本方式といえるでしょう。

もちろん管の太さも大切。
通常は室内機近辺をVP管の30というサイズで行います。ひとつ下の25というサイズではドレンホースの断熱材を取らないと差し込めません。

困るのはこれを埋設している場合
断熱ドレンホース
断熱ドレンホースです。

断熱ドレンホースは塩ビ管と異なり壁内などに埋設するのが非常に楽なんです。

そこで”速さ”と”楽”を追求する業者は好んでこれを使うのですが・・・

この断熱ドレンホースは公的な規格品ではありません。
ホースを販売しているメーカーの独自規格品。

そしてこのホースは専用の接続部品を使用します。
断熱ドレンホース専用の接続部品
これはそのうちの一つですが、このようなものを断熱ドレンホースに接着してから室内機のホースなどと差し込み接続するようになっています。
ちなみに隠ぺい配管ではこのような通常の接続はほぼ不可能。

そこで室内機から出ているドレンホースを外してしまい、この接続部品でドレンパンの出口に直接つないでしまおうという安易な発想。

本来ドレンパン出口とそこにつながっている室内機用ドレンホースはねじなどでロックされて抜けないようになっています。
しかしこの部品を使うとロックできないので引っ張れば抜けてしまいます。

エアコンのメーカーによっては差さりません。

エアコン入れ替え時に長さが合わず短ければ継ぎ足す必要がありますがここでも問題が・・・

長年の使用で汚れて劣化し変形したホースにうまく接着接続できるのか?
ホースメーカーからしたらダメというでしょう。

またホースのメーカーが異なればこの接続部品も異なります。(若干径がちがう)
なのでもしこの部品が生産されなくなれば接続できなくなります。

さらに断熱ドレンホースにはメーカー名が出ていない。
どこのものが埋設されているのかわからないので接続部品もどれを使えばいいのか不明。

そもそもこの断熱ドレンホースは隠ぺい配管用に作られているわけではないと思います。

― やっぱり隠ぺい配管はやめたほうがいい ―

先々を考えれば隠ぺい配管がいかに無謀なことかが見えてくると思います。

どのように完璧な配管をしたとしてもいずれは使用できなくなります。

また配管工事から10年以上経って初めてエアコンを設置するということもあると思いますが、ルームエアコン用に先行配管しても気密試験はしておらず、もちろん途中につぶれがないかの試験もしていません。
設置してみて不具合が見つかるなんてことも。
そうなると責任はだれが・・・

エアコン入替えに際しお金に糸目をつけず壁や天井を壊して配管し直すほどの覚悟があれば構いませんが。

― 中にはやむを得ない場合もある ―

マンションなどで外壁に面していない中間にある部屋ではどうしても隠ぺい配管せざるを得ず、新築時にすでに埋設されているケースもあります。

そのような場合は通常、数回はエアコンを入れ替えられるような配管をしています。

 

建築のデザインをする方は自身の作品にエアコンのパイプが通ることを嫌うのだと思いますが、発注する側がそこを見極めて判断するしかないと思います。

エアコンは10年位で寿命を迎えるのでそのことをよく考えて設置方法を検討しましょう。

なお当店では隠ぺい配管への設置工事の際は事前に対応可能か判断のため下見に伺います。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2019年9月10日 (火)

エアコン無線LANアダプタ取り付け

エアコンに”無線LANアダプタの取り付けを”と依頼をいただきました。

エアコンを出かけ先から遠隔操作できるようになるパーツです。
ただし無線LAN親機とインターネット、スマホがないと操作できません。

またエアコン本体にそれ用の端子と、そこに接続、動作する無線LANアダプタが必要です。

お客さんが用意したアダプタ
無線LANアダプタ開梱前
これを取り付けます。

中身を取り出すと
無線LANアダプタ本体
こんな感じ。

本体からコードが出ていて先端にコネクタがあります。

このコネクタをエアコンに接続すれば使えるようになります。
(言うのは簡単!)

エアコン側のコネクタは室内機の制御基板上なのである程度分解しないと接続できません。

室内機はこちら
無線LANアダプタを取り付ける室内機
画像を撮る前に作業を始めてしまったので吸い込み口が開いてます。

お客さんご自身で取り付けを試みたそうですが、どうしても室内機前面パネルが外せなかったとのことです。

前面のパネルは外すのが結構難しいというか面倒なのが多いんですよ。

取れました。
室内機の前面パネルを外したところ
思っていたよりあっさり。

この機種の難易度はそれほどではないのですが天井との隙間が少ないので、それなりの工具がないと難しかったのだと思います。

それより厄介なのはこれ
基板が見えないところにある
基板は本体右側側面。

壁との狭間で直接見ることができません。

手もまともに入りません。

コネクタを差し込むのも一苦労
「もうちょっとオク・・・、いやテマエ・・・、ウエか・・・、入った?」ブツブツ・・・

なんとか差さりました。😅

鏡で見て
鏡でコネクタ接続状態を確認
コネクタの状態と配線のルートを確認します。

問題ありませんね。

室内機を浮かせてコードを本体背面に通しアダプタを取り付けます。
アダプタ本体を取り付け
お客さんのご希望する位置にしました。

コードを通したりアダプタをクリップで固定するために室内機を浮かしたりもするのでエアコンを知らない人では不具合を起こすかもしれませんね。

前面パネルも戻してこんな感じ
無線LANアダプタ取り付け完了
今回は一応、親機側と通信できることを確認していただきました。

設定はパスワードが必要な操作なのでこちらでは行いません。
これにて取り付けは完了。

こうした遠隔操作は今に始まったことではありません。

昔、インターネットが広がる数年前、N社が電話のプッシュ信号を使用して照明や家電製品などのON、OFFできるシステムを販売していました。

家屋内には専用の配線を必要とせず、電気の屋内配線(100Vなど)に信号を乗せて制御する方式です。

そのままでは近隣の家庭にまで信号が行ってしまうので、分電盤の幹線に信号をブロックするフィルターを付けていました。

新たに配線せずに済むので画期的な方式と思われましたがそれほど普及せず・・・
インターネット全盛の時代には考えられない方式ですね。

もしかするとまだどこかで使用されているかもしれません。

製造メーカー独自の規格だと汎用性が低いので普及も限定的になりますよね。
それに比べてインターネットは世界的に共通で使用形態も広がる一方。

とどまることを知りません。

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