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2023年3月17日 (金)

室内機の重さと能力

近年、室内機の傾きや壁の変形に関する点検や調査依頼が増えています。

室内機は据付板という鉄板を壁に取り付けてそこへ引っ掛けるかたちで付きます。
室内機を取り付ける据付板
そのため上部の引っ掛け部には下方向への荷重とともに室内機の厚み(奥行き)による据付板を手前にはがそうとする力が加わります。

なので質量が大きく、厚みのあるエアコンではそれらの力も大きくなりしっかりした壁へ強固に固定しないといけません。

そうでないとねじなどが抜けて落下したり弱い壁では変形して次第に傾いてきます。

軽い室内機であれば住宅の壁に使用されている石膏ボードの変形も防ぐことができ落下の危険も少なくなります。

機種選定でお客さんから
「小さい冷暖房能力のエアコンを選べば軽いから大丈夫ですか?」
と聞かれます。

6畳用の小さな容量であれば軽いと思われるかもしれませんがそうではありません。

室内機の重さは冷暖房能力ではなくシリーズ(モデル)によります。

高機能な上位機種のシリーズは6畳用(冷房能力2.2kW)であろうと18畳用(冷房能力5.6kW)であっても大して質量は変わらず大きくて重いものです。

スタンダードモデルであればだいたいは能力に関係なく軽く造られています。

性能ばかりに目を向けず、建物(壁)の状況も考慮して機種選定することが大切です。

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2023年1月 6日 (金)

エアコン暖房の電気消費

冬は電気代が高くなりますね。

エアコンの暖房は効率がいいとよく言われますが、それでも電力消費が気になります。

夏に冷房を使うよりも電気代が高いと感じることが多いのではないでしょうか。

その理由のひとつとして考えられるのが温度差。

ここからは東京、神奈川の平野部での話になります。

多くのエアコンは冷房も暖房も同じヒートポンプという方式で熱を運ぶことで部屋を冷やしたり暖めたりします。

真夏の部屋の温度は30~32℃程度になりますが、冷房で27度前後まで冷やすと湿度も下がり涼しく感じますね。

下げた温度は3~5℃前後。

しかし真冬には室温が10~15℃のところから24℃程度までと、9~14℃も上げなければなりません。

外気温との差も大きいため部屋の熱もどんどん外へ放出していきます。

それだけヒートポンプ能力も必要になり時間もかかります。

これでは電気の消費量が増えるのも当然。

さらに部屋の大きさに対してエアコンの暖房能力が不足していると常時室外機のコンプレッサーがフル回転して電気を大食いします。

しかも短時間で室外機が凍り付いて”プシュー・・・(最近この音しないか😅)”と除霜運転になり室温低下😱

せっかく途中まで上がってきた室温がまた3~5℃ほど下がってしまうというループ。

エアコンは部屋に見合った能力と、可能であれば部屋(窓)の断熱性能を上げることが肝心です。

それと風量設定なんかも自動ではなく強めにしたほうが天井付近に暖気が溜まらず足元まで下りてくるので部屋全体が暖まることが多いようです。

また逆に強制的に微風を使ったり、フィルター掃除を怠ったり自動掃除に任せたままにして風量が落ちてくると暖房時は部屋全体が暖まらないだけでなく冷媒(ヒートポンプサイクル)の圧力が高くなります。

そうなるとどうなるか・・・

冷媒を圧縮するコンプレッサーはモーターで回転しているので圧力が高いと回転を維持しようと余計に力が必要になります。

するとその分電流が増大して電気を多く消費するようになります。

どのように使用するのがベストなのかいろいろ考える余地がありそうですね😊

さて近年では電気の需要に対し、発電所の発電量が限界近くまでなることがあります。

「節電を・・・」なんてよく聞くフレーズです。

融通してなんとか凌いでいるようですが、今後もしEV(電気自動車)などが急激に普及し始めたらブラックアウト(広域に及ぶ大停電)が起きるかもしれません。

もしそんなことになったらエアコンも使えず凍えてしまいますね。

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2022年12月10日 (土)

室内外連絡電線の太さは重要(2)

前回に続いて室内外連絡電線
エアコン室内外連絡電線の図
2.0mmと1.6mmではどう異なるのか見ていきましょう😊

計算がメインになりますのでご了承くださいませ😅

これは銅線の断面と思ってください。
銅線2.0mmと1.6mmの断面図
2.0mm、1.6mmというのは電線の直径(太さ)です。

面積では
直径2.0mmと1.6mmの断面積
直径2.0mmは3.14m㎡、1.6mmは2.01m㎡です。

半径×半径×3.14で、別の表現ではπr^2ですね。

ここでは数値を小数第2位までで扱うことにします。
(その他計算においては電気のこまかな要素は省いています)

電線に使用される銅は電気をよく通すことで使われますが、そこにも電気の流れを妨げようとする抵抗が存在します。

これら導体は太さが1㎡、長さが1m、温度が20℃のときの抵抗を抵抗率”ρ(ロー)”として表されます。

今回は銅の抵抗率を
銅の抵抗率
として計算してみます。

この抵抗率から電線の抵抗を求めるには
抵抗率から導体の抵抗を求める式
R:抵抗[Ω]、A:電線の断面積[㎡]、ℓ:電線の長さ[m]

この式を使います。

式からは電線が長いほど抵抗が高くなり、太いほど低くなることがわかります。

2.0mmより1.6mmのほうが抵抗が高いということですね。

ではここで室内機と室外機を接続する連絡電線の長さが5mだったときの抵抗をそれぞれ計算してみます。

5mの電線ということは電気を流すには往きと還りが必要なので往復延べ2倍の10mを使用したことになります。

先ほどの式に2.0mmの電線をあてはめると
銅電線、2.0mmの抵抗計算
5.48×10^-2[Ω](54.8mΩ)となります。
(3.14m㎡は3.14×10^-6㎡です)

1.6mmでは
銅電線、1.6mmの抵抗計算
8.56×10^-2[Ω](85.6mΩ)です。

1.6mmのほうが細い分1.56倍抵抗が高くなっています。

これらの抵抗に電気が流れるとどうなると思います?

抵抗というのは電気を熱エネルギーに変えます。

言い換えると電力消費します。

例えばあるとき室外機(電線)に15A流れていたとしましょう。

電線で消費する電力を求めるには
電力を求める式
P:電力[W]、I:電流[A]、これが使えます。

「P=V×I(Vは電圧)は見たことあるけど・・・」、VはI×Rなので上式になります。

では2.0mmは
2.0mmの消費電力
12.33Wです。

1.6mmは
1.6mmの消費電力
19.26W。

その差6.93Wを1.6mmの電線は無駄に多く電力を消費していることがわかります。

6.93WはLED電球60W形相当に近い消費電力ですね。

連絡電線の長さが倍の10m(往復20m)になればその差も倍の13.86Wまで上がります。

省エネを考えるならば太い電線を使うほうがいいということです。

使用する電線の太さを決めるのは最終的にエアコンを取り付ける工事人。

材料費が高いからとか、太いと硬くて施工性が悪いという理由で1.6mmを使われてしまうケースがあります。

エアコンの連絡電線は2.0mmを使用するのが省エネのほか安全面においても優れます。

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2022年12月 8日 (木)

室内外連絡電線の太さは重要(1)

エアコンの室内機と室外機はパイプ以外に電線が接続されています。
エアコンの室内機と室外機はパイプ以外に電線で接続されている
今回はこの電線のお話。

この電線を”室内外連絡電線(配線)”とか”渡り電線(配線)”などと呼んだりします。

いろいろなお宅に取り付けられているエアコンを見ているとこの電線の太さは2.0mmだったり1.6mmだったりと使用されているものはばらばら🤔

さてこの電線の太さはどのように選定されているのか、それによってどのような性能差があるのかを見てみたいと思います。

それにはまず電線のことを知らないといけないですね。

これがエアコンに使用されるVVFケーブルというもの。
エアコンの室内外機の連絡配線に使用されるVVFケーブル
コードではなくケーブルという部類になります。

切断面は
VVFケーブルの切断面
このようになっていて中央に電気を流す導体(銅線)、その周囲に3色のビニル絶縁被覆、そのまた周囲にビニル外装シースが被せられています。

VVFの名は
・ビニル絶縁のV(Vinyl)
・ビニル外装のV(Vinyl)
・平形(フラット)のF(Flat)
を並べてVVFです。

ケーブルの形が平べったいので平形です。

被覆をむくとこんな感じ。
ケーブルの被覆をむく
参考用なのでむき方はテキトウです😅

現在ルームエアコンで使用されるケーブルはこのように3心(3本線)のものが主流。

多くの機種ではこのケーブルに室内機から室外機への電源供給電流と室内外機相互の信号が流れます。

2.0mmや1.6mmと言っているのはこの導体(銅線)の直径を指します。

ではこの電線(銅線)の太さを比べてみましょう。
2.0mmと1.6mmの電線の太さを見比べる
その差0.4mm、なんとなく太さの違いがわかると思います。

ノギスで測ってみますね。

まずは2.0mmから
2.0mmの銅線をノギスで測る
ぴったり2.0mm。

1.6mmは
1.6mmの銅線をノギスで測る
ぴったり1.6mm。

ノギスの見方は下側のスライドする目盛りにある0点の指すところが大まかな数値でだいたい1.5あたりを指しています。

その右側を見ていくと6の目盛りと上の目盛りがぴったり合っていてこれが0.1mm単位の数値となり1.6とわかります。

切断面を並べてみます。
2.0mmと1.6mmの銅線の切断面を並べて見比べる
こうしてみるとたった0.4mmの差でもぜんぜん違いますね。

次回はこの太さの差がどのように作用するのか書いてみたいと思います😊

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2022年11月28日 (月)

洗浄でコーティングがはがれる?

これは室内機の熱交換器。
室内機の熱交換器
アルミフィンの中に銅管が通してあり冷媒との熱交換をしています。

近頃ではエアコンの熱交換器にコーティングがされている機種があります。

先日のこと、別件であるメーカーへ調べたいことがあったため問い合わせをした際についでにエアコン洗浄(掃除業者によるクリーニング)でこのコーティングがはがれないのか聞いてみました。

回答は
「使用する薬品や水圧によってははがれることもあり得る」
だそうです。

さらにこのコーティングがはがれても特に問題はないのか聞くと
「親水性の低下により吹き出し口から水滴が落ちたり飛んできたりする可能性がある」
とのこと。

この親水性が低下すると熱交換器のアルミフィンが水を保持できなくなります。

なぜそうなると吹き出し口から水滴が飛んできたりするのかというと・・・

熱交換器は室内機の前面をあけてフィルターを外すと見えますが、実際には送風ファンの上をまたぐようにぐるりと本体の背面側までつながっています。

親水性のあるうちは熱交換器で生じた結露水はアルミフィンを伝って本体手前と背面にあるドレンパンへ流れます。

しかし親水性が低下してくると熱交換器上部の水滴がフィンから滴下しファンにあたって吹き出し口から”ピッ、ピッ、・・・”と飛んできてしまうんですよ。

これは困りますね。

市販の洗浄スプレーでもコーティングがはがれることがあるとも言っていました。

エアコンの洗浄はある程度信頼できるところへ依頼したほうがよさそうです。

なお当店ではエアコン洗浄はお掃除屋さんではないので行っておりません。
(昔はやっていたんですけどね)

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2022年2月18日 (金)

URさんも大変だなぁ

お引っ越しにて当店で取り外したエアコンを転居先へ取り付けにお伺いしました😊

でも今回は工事の模様ではありません。

建物はUR住宅です。
UR住宅のエアコン用設備
ご覧の通り、室内機設置場所には公団ボルト(室内機を固定するためのボルト)、エアコン専用コンセント、配管穴があります。

数年前までUR住宅は普通の電源プラグ(15A平行形)であればエアコンのコンセントは専用回路でなくても問題ないという独自の見解をもっていました。

※専用回路とは分電盤の1つのブレーカーから単独で配線され、1つだけのコンセントなどを設置し使用するものをいいます。
(ブレーカーとコンセントが1対1)

かれこれ15~20年位前になりますが、エアコン用に設置されたコンセントが専用回路になっていないことをURさんへ問い合わせたことがありました。

その時の回答は「法律上問題ないから修正はしない」とのこと。

問い合わせたときの担当者からは”据付工事説明書の記載に従う必要はない”、”こちらは間違っていない”という感じが電話口からひしひしと伝わってきましたからねぇ😅

そのころはエアコン量販店をはじめ設置業者も電源プラグが15A平行形であれば専用回路ではない最寄りのコンセントに接続してOKみたいな風潮があり、それが火災事故などを発生させていました。

エアコンの据付説明書には私が知る限り35年以上まえから”必ず専用回路を使用すること”となっています。

しらばっくれて無視していたわけです。

理由は簡単、”量販店”なので数をこなしてなんぼの世界。

いちいちこだわっていられないわけですね。

しかし時代はかわって内線規程(省令を誰もがわかるように電気工事の方法などが書かれた書物)にも専用回路を設けるべきであることが記載されるようになり、遅れて量販店などもどこからかお達しがあったようでどの店もこれに従うようになりました。

そうなるとUR住宅ではリビングだけは専用回路ですが他の部屋のエアコン工事を依頼すると「専用回路ではないので設置できません」と断られてしまうわけです。

エアコン用コンセントなのに取り付けられない・・・🤔

さすがにこれはまずいということでURさんも対処することにしたようです。
(ちょっと遅かった・・・)

なので上の画像にあるエアコン用コンセントは後に露出で配線された専用回路です。

おそらく同じ位置に以前の壁内を配線された”なんちゃってエアコンコンセント”があったのだと思います。

専用回路は今回入居される際に配線してもらったそうです。

この修正工事は割と新しい建物でも必要なので全部を直すとなるとかなり大変なことでしょう。

据付説明書をないがしろにしたツケを払う時がきてしまったようです。

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2021年4月17日 (土)

アースがないとメーカー保証なし⁉

エアコンメーカー
エアコンメーカーはたくさんありますが・・・

今回はびっくり(残念)なメーカー対応のお知らせです😆

エアコンにアース線が接続されていない場合(D種接地工事がなされていない場合)は本体の保証が受けられないというあるメーカーからの正式な回答をもらいました。

何らかの影響が出るといけないのでここではどのメーカーかは伏せさせていただきます。

エアコンにはアースを接続することが義務付けられているのですが、建物の構造上どうしてもそれができないことがあります。

たとえばアパートや団地、マンションなどでアースを接続するところがない場合などです。

団地でアース工事するために外壁を配線して地面に接地極を埋設するなんてことは許可が下りませんよね。

だからといってこのご時世にエアコンなしで生活しろったって無理ってなもんです。

そのメーカーは工事説明書に従っていない場合はすべての保証は無効になるようです。

アースがつながっていないと直接関係のない本体でのガス漏れが起きた場合も無効とのことでした。
(まじか・・・😱)

厳しいですな~😅 何かあったのかな・・・

そこで他のメーカー1社にもそのへんどうなのか電話して聞いてみました。

回答はアースが接続されていないからといって製品の保証をしないという対応はしたことがないとのことです。

こちらのメーカーの方が安心ですね😊
(てか普通そうですよ)

取り付け場所の状況によってもメーカーを選ばなければならないようです。

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2021年3月10日 (水)

資料があてにならないことも

室外機移動(移設)の依頼で下見に行った時のこと・・・

室内機とを結んでいる電線(VVFケーブル)を延長するので太さを確認。
電線の太さを計測
電線に太さを表す数字の表記が見当たらないのですが見た目ではメーカー指定通りの2.0mmです。

今回は念のためノギスで計測しました(13.2mm)

厚みも計測。
VVFケーブルの厚み
6.4mmです。

外径は6.4×13.2mmですね。

その他一通り下見を行い、施工方法を打合せしてこの日は完了。

帰ってから内線規程(電気工事に関する詳しい本)の資料を見ると、
資料の電線太さ
一番右が計測したケーブルの仕上がり外径です。

えっ⁉

2.0mmは6.6×14.0mm・・・

1.6mmの6.2×13.0mmの方が近いですね。

1.6mmか?・・・もしかして判断ミス?

う~ん🤔・・・エアコンの設置は量販店の施工みたいなので1.6mmもあり得ます。

それでは容量不足なので室内機側から電線を入れ替えなければなりませんが、そうなると手直しやらが大変で費用も大きく変わります。

仕方ありません確認のため再訪問させていただくことにしました。

ここで余談ですがVVFケーブルの断面構造はこのようになっています。
VVFケーブルの構造
電気の流れる導体(銅線)の周囲にビニル絶縁物があり、さらにその周囲にビニルシース(外装)がついています。

エアコンでよく使われる3心(3本線)の場合は導体が一列に並んだ平形を使います。

この”VVF”というのは”ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形”の略号で、
V:ビニル(vinyl)絶縁
V:ビニル(vinyl)シース
F:平形(フラット flat)
というふうになっています。

VVF2.0mmであれば先ほどの資料から
資料によるVVF2.0mmの構造
このようになります。

さて現地へ戻りまして外装の仕上がり外径ではなく中のビニル絶縁の外径で確認します。
ビニル絶縁の外径
3.4mmでした。

導体の径が2.0mmであれば資料からすると3.6mmのはずですがその数値通りの電線は今まで見たことがありません。

この部分は3.3~3.4mmというのが普通でこの電線は2.0mmということがわかりました。

電線は交換しなくても大丈夫です。

ついでに別の電線メーカーのVVF2.0mmの外装のサイズも確認してみました。

幅は
VVFケーブル2.0mm3心の幅を計測
あらま13.0mm。

中の電線が見えませんが引っ込んでいるだけで空洞部ではなく中身のある部分で測っています。

厚みは
VVFケーブル2.0mmの厚みを計測
やっぱり6.4mm。

規格に準拠した製品でも資料と実際は異なるということですね。

肝心の導体(銅線)はピッタリ2.0mmなので絶縁物の厚みがちょっと薄いということです。

もしかすると製造後に少し縮むのかもしれませんね。

また資料の仕上がり外径には”約”がついているのでモノによりバラツキがあることを表しているのだと思います。

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2021年3月 7日 (日)

建築工事をみて思うこと

マンションに初めから開けられているエアコン用配管穴。

新築時そこには雨風が入らないようにキャップ(フタ)が付けられているのですが・・・

これは当方でのエアコン施工時の事例
金属の縁で傷が付かないよう電線を塩ビ管で保護
電線を保護するため塩ビ管を入れました。

なぜこんなことをしたのか?

穴のキャップには縁がセットで付けられていて、その部分が穴に差し込まれ固定されています。
(こちらのマンションでは金属)

この縁の形状によっては電線を保護しなければならない場合があるんです。

よく見ると
電線傷に傷が付く
縁の奥の方は内側にすぼんだ形になっています。

これはキャップの縁を穴に差し込みやすいように設計されているのです。

しかしその部分は先端が鋭利になっていて電線を傷つけてしまい最悪の場合、漏電やショートを引き起こす可能性があります。

建設会社もしくは設備施工会社の資材選定がよくないですね。

そこで塩ビ管を入れて防護しました。

エアコン工事をしていると”穴さえあればいいんでしょ”、”エアコン屋がなんとか付けてくれる”、”あとは知らん”といったテキトウな設計、施工をよく目にします。

今回は穴のキャップを一例としてとりあげましたが、その他の設計が悪くエアコンをどうにも取り付けられず泣く泣く設置を諦めているお宅もあります。

建築設計や設備設計、そしてそれらの施工をする人はエアコンのことをもっと勉強してもらえるといいんですが。

いまやエアコンはなくてはならない生活必需品なのですから。

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2021年1月27日 (水)

コンクリート用アンカー

数年前に当店で取り付けたエアコンの取り外し工事に伺いました。
(建物は東京都府中市のUR賃貸住宅)

取り外してみると
室内機固定用の穴が4つ?
室内機の固定用ボルトの穴が4つあります。

室内機は2本のボルト(公団ボルト、左右45cm間隔)で固定します。

”なんで余分な穴があるんだっけかな?”と考えていましたがだんだんと思い出してきました。

取り付け工事を行ったときに躯体コンクリートに打ち込まれているアンカーが抜けてきたんですよ😱

そこでお客さんからURへ連絡を入れていただき、アンカーの打ち直しを要請したためこのようになっていたんです。
(URさんの場合はそこの契約業者が打ち直しに来てくれます)

帰ってからデータを調べたら、途中で作業を中止して後日再訪問した記録が残っていました。

お客さんが保存していた穴のフタなどと一緒に抜けたアンカーもありました。
抜けたコンクリート用アンカー
このタイプはよく抜けるんですよ。

むか~しの業務用エアコンの室内機(天カセ形や天吊り形など)でもコンクリートスラブへこのアンカーがよく使われてました。
入替工事で吊っていたボルトを回して抜こうとするとアンカーごとスポンってとれちゃうことがあるんです。(こわ~)

構造に問題があるのだと思いますが・・・

このアンカーは
コンクリート用アンカー
(黄色の枠線がコンクリートに開けた穴だと思ってください)

奥にコーン(外部コーン式)があって、アンカー本体を打ち込むことでコーンに押されスリット部分が広がりコンクリートに固定されます。

この時点で”おや?”と思いますよね。

そう、周囲のコンクリートを削りながら打ち込むので抜けやすくなるのは当然。
どの程度打ち込めたか視認することができず、打ち込みが硬くなりやすいため途中で完了したと勘違いする。

URさんで打ち直してもらったアンカーもやはりこのタイプ。

昔(公団)からの仕様で決まっているのだと思います。

エアコン工事を始めてから30数年経ちますが上記のアンカーはほとんど使ったことがありません。

そのころには既にもっといいものが登場しています。

それがこれ
当店で使用しているコンクリート用アンカー
当店で使用しているタイプのアンカーです。

広がる部分は
アンカーの広がる部分
同じようにスリットが入っています。

コーンはどこにあるのかというと
アンカーの中にコーンがある
アンカーの中にある内部コーン式。

打ち込みは
内部コーン式のアンカー
打ち込み棒を使用して内部コーンを奥へ入れることでスリットが広がり固定されます。

打ち込みの完了もわかりやすく確実です。
このアンカーが抜けたのは見たことがありません。

いまでも外部コーン式は売られているので需要はあるようですね。
使う気にはなりませんが。

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