前回に続いて室内外連絡電線

2.0mmと1.6mmではどう異なるのか見ていきましょう😊
計算がメインになりますのでご了承くださいませ😅
これは銅線の断面と思ってください。

2.0mm、1.6mmというのは電線の直径(太さ)です。
面積では

直径2.0mmは3.14m㎡、1.6mmは2.01m㎡です。
半径×半径×3.14で、別の表現ではπr^2ですね。
ここでは数値を小数第2位までで扱うことにします。
(その他計算においては電気のこまかな要素は省いています)
電線に使用される銅は電気をよく通すことで使われますが、そこにも電気の流れを妨げようとする抵抗が存在します。
これら導体は太さが1㎡、長さが1m、温度が20℃のときの抵抗を抵抗率”ρ(ロー)”として表されます。
今回は銅の抵抗率を

として計算してみます。
この抵抗率から電線の抵抗を求めるには

R:抵抗[Ω]、A:電線の断面積[㎡]、ℓ:電線の長さ[m]
この式を使います。
式からは電線が長いほど抵抗が高くなり、太いほど低くなることがわかります。
2.0mmより1.6mmのほうが抵抗が高いということですね。
ではここで室内機と室外機を接続する連絡電線の長さが5mだったときの抵抗をそれぞれ計算してみます。
5mの電線ということは電気を流すには往きと還りが必要なので往復延べ2倍の10mを使用したことになります。
先ほどの式に2.0mmの電線をあてはめると

5.48×10^-2[Ω](54.8mΩ)となります。
(3.14m㎡は3.14×10^-6㎡です)
1.6mmでは

8.56×10^-2[Ω](85.6mΩ)です。
1.6mmのほうが細い分1.56倍抵抗が高くなっています。
これらの抵抗に電気が流れるとどうなると思います?
抵抗というのは電気を熱エネルギーに変えます。
言い換えると電力消費します。
例えばあるとき室外機(電線)に15A流れていたとしましょう。
電線で消費する電力を求めるには

P:電力[W]、I:電流[A]、これが使えます。
「P=V×I(Vは電圧)は見たことあるけど・・・」、VはI×Rなので上式になります。
では2.0mmは

12.33Wです。
1.6mmは

19.26W。
その差6.93Wを1.6mmの電線は無駄に多く電力を消費していることがわかります。
6.93WはLED電球60W形相当に近い消費電力ですね。
連絡電線の長さが倍の10m(往復20m)になればその差も倍の13.86Wまで上がります。
省エネを考えるならば太い電線を使うほうがいいということです。
使用する電線の太さを決めるのは最終的にエアコンを取り付ける工事人。
材料費が高いからとか、太いと硬くて施工性が悪いという理由で1.6mmを使われてしまうケースがあります。
エアコンの連絡電線は2.0mmを使用するのが省エネのほか安全面においても優れます。

http://kato-aircon.com/