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エアコン電気工事

2024年10月 4日 (金)

「・・」そういうことか

エアコンの入れ替え工事(200V機から100V機へ)を終えて電源の電圧切替を行ったときのこと・・・

分電盤
分電盤
ここで電圧切替を行います。

カバーを外してエアコンにつながるブレーカーはこれ、
エアコンにつながるブレーカー
上の方に2Eと表示があります。

2Eは200V用のブレーカーで100Vにも使用できます。
(1Eは100V専用)

ブレーカーを外して切替部分を見てみると、
電圧切替のためブレーカーを外す
あーこれか・・・

ところで一般家庭に引き込まれている電源は、
単相三線の分電盤
単相三線式という3本の電線で、極性がL1・N・L2となっています。
(なお100Vのみの単相二線式の場合はLとNの2本)

L1-L2間の電圧は200V。

L1-NとL2-N間はそれぞれ100V。

なので200Vから100Vへ切り替えるにはエアコン回路のブレーカーを片側Nへ接続すればよいわけです。

でもここで疑問が。

このブレーカーはL1-NもしくはL2-Nのどちらへも切り替え可能で任意で選べるようになっています。

要は盤内L1とL2の電力平衡をとれるようにした設計なのですが・・・

しかし100Vから200Vへ切り替える機会は多いのですが200Vから100Vへは少なく、しかもあまり普及していないこの分電盤(ブレーカー)では初めて。

でもこれでは別のブレーカーがL1-NなのかL2-Nなのか、どちらを使用してるのかわかりません。

さてこのブレーカーはどちらにするか・・・

分電盤に貼られている説明には切替方法しか書かれておらず・・・(そんなのブレーカー見ればわかるし)

あーそういうことか、調べたらわかりました。

ブレーカー上部の”2E・・”の”・・”この2つの点がL2を表しているようです。

上段と下段のブレーカーを見比べると
上段と下段のブレーカー表示のちがい
上段は点が1つ。

なので単純に上段がL1、下段はL2で使用していました。

該当ブレーカーは点が2つなのでその表示に合わせL1をNへと切り替えることで
ブレーカーを100Vへ切り替える
L2-Nの100Vに。

新品のブレーカーにはこの点のシールが付属していて切替に合わせて貼り付けるようになっているようです。

でもねぇ、こんな暗号みたいな表示されてもわからんでしょー😞

だれでもわかるようにL1とかL2と表示しないと。

のちに知ったのですが、こちらのメーカーさんの住宅用分電盤やブレーカーの事業はすでに消滅(?)してしまったようです。

他のメーカーが引き継いで代替のブレーカーを出しているらしいのですが、そちらの仕様を調べると”・・”マークすらないような🤔

となるとテスターであたるしかなさそうですね。

ちょっと手こずりましたが切替完了。
200Vから100Vへ切り替え完了
ブレーカーの表示が赤色から白色に変わり100Vを表しています。

絶縁抵抗測定しブレーカーオン、電圧測定、極性確認しOK。

エアコンも問題なく作業完了となりました😊

Katoairconservice_mark160
http://aircon.la.coocan.jp/

2024年9月28日 (土)

ブレーカーがオンできない

3年前にこちらの記事で入替工事を行ったエアコンのブレーカーがオンできなくなったとの点検依頼をいただきました😊

エアコンはダイキン製でお客さんがストリーマー掃除を行うため取扱説明書通りに電源オフ(室外機直結電源のためブレーカーオフ)し、掃除完了後に再びオンにしようとしてもできなくなってしまったというもの。

ストリーマーの掃除の仕方などが悪かったのでは?と思われたそうですが、その程度でブレーカーがオンできなくなることはないでしょう。

点検に訪問。
分電盤のブレーカー
一番右上が該当の回路です。

試しにブレーカーを上げてみても手を離すと下がってしまいます😅

カバーを開けて
分電盤のカバーを外した
テスターでブレーカー2次側をあたりながらレバーを上げても電圧は出ず。

2次側の配線を外してもオンできずで、これはブレーカー自体が壊れています。

たまにあるんですよね、このようなブレーカー故障。

しかし最近のブレーカーは昔とちがって各メーカー互換性がないため、分電盤と同一メーカー、同一ブレーカーでないと付きません。

メーカーは”カワムラ”製。

これはそんじょそこらのホームセンターでは手に入りません。

品番を調べて資材店に発注することに。
ブレーカーの品番
電話をして注文し、しばらくすると折り返しの電話が。

すでにこのブレーカーは廃番で代替品番になっているとのこと。

なにか改良でもされているのでしょうか。

途中連休などがあったため数日後に入荷しました。
取り寄せたブレーカー
あたまの品番”NCS”が”NCB”に変わっています。

では交換作業へ・・・

故障したブレーカーを外しました。
故障したブレーカー
どういうわけか取り外したらオンできるようになりました🤔

でも故障したブレーカーではこれもよくあること。

再使用しないように処分します。

箱から出した新しいブレーカー
新しいブレーカー
仕様は同じ2P2E20Aです。

そして取り付け
(ブレーカーがオンになっていますがこれは交換完了後の画像です)
ブレーカーを交換
こちらには太陽光発電が導入されており負荷側(2次側)の1線に電流計測用の変流コイルが付けられていたのでまちがいなく取り付けます。

念のため負荷側の絶縁抵抗を測定して問題なし。

ブレーカーをオンしてエアコンを運転し冷房の効き具合もOK😄

分電盤にカバーを付けて
分電盤のカバーを付け戻す
作業完了です😊

ブレーカーにも寿命があります。

半世紀前のものが使われている古いお宅も見かけますが、はたしてちゃんと機能するのかちょっと疑問ですね。

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2024年8月12日 (月)

エアコン専用回路増設

神奈川県内の集合住宅でエアコン入替工事とエアコン専用コンセントの増設を行いました😊

撤去するのはこちらのエアコン。
撤去したエアコン
すでに冷房が効きません。

冷媒漏れで、使用年数から交換することになりました。

しかし問題が・・・

これまでエアコンの電源を専用回路(エアコン専用のコンセント回路)ではなく床付近にあるコンセントから延長コードで使っていたのです。

10年以上前はこのような施工をする業者が大多数を占めていましたが、当然ながら発煙発火やエアコンが停止するケースが発生。

いまでは量販店の下請け工事業者さんでも専用回路がなければエアコンの設置を断るようにしているそうです。

今回、エアコンの取り付け後にコンセントの増設工事も行います。

さていきなりですが新しいエアコンの取り付けが終わりました。
新しいエアコンを取り付けた
ここからは電源工事になります。

賃貸の住宅なので事前に専用回路の増設やそれに伴う穴開けの許可はお客さんより施設管理者に取っていただきました。

合わせて、ドリルでコンクリート壁面に穴開けを行うため施工音に関して周囲の方への声掛けもしていただいてます。

コンセントはエアコンの左につけます。
コンセント設置位置
そこから左に配線し壁が板の部分に穴を開けて貫通し分電盤へと配線する予定。

壁を抜けると左に分電盤があります。
分電盤への配線予定経路
壁の貫通部以外はコンクリートなのでコンクリートドリルで穴開けし電線をサドルでねじ固定します。

まずは壁貫通部の穴開け。
10mmの木工ドリル
10mmの木工ドリルを使用。

開けました。
壁に電線を通す穴を開けた

今回使用する電線はVVF2.0mm×2心。
VVF2.0mm×2心
コードではなくケーブルです。

コンセントボックスを取り付けて配線。
コンセントボックスを付けて配線

分電盤側も配線
分電盤側の壁を配線
分電盤からコンセントまでの距離が短いので楽です😄

コンセントを取り付けます。
コンセントを取り付ける
エアコンは15Aですが20A兼用を取り付けました。

15Aのコンセントではゆるみを生じやすく発熱することがあるため。

コンセント側はこんな仕上がり。
コンセント側の仕上がり

つぎは分電盤。
分電盤の中
3回路しかなく年代を感じますね。

一番右が空き回路で未使用なのでここをエアコン回路にします。

左の白いのは接続器(単に電線を接続しているだけ)。

以前はここに電力会社の電流制限器があったのですが、電力計がスマートメーターに変わりこれに置き換わりました。

そのため主幹電源を任意に切ることができないのでここは生かしたまま作業します。

ついている小ブレーカーは
小ブレーカーは昭和49年製
昭和49年製😅

50年前ですねぇ、機能するのでしょうか。

でもこちら漏電遮断器がないのでエアコン回路の小ブレーカーは漏電遮断器付に交換してしまいます。
小形漏電ブレーカー
正確には漏電遮断器にOC(オーバーカレント、過電流遮断機能)付。

仕様は2P1E20A30mA。

2Pは2極(2線)、1Eは1素子(過電流の検知素子が1つで100V用)、20Aは遮断電流、30mAは漏電遮断電流という感じ。

形状はついていた小ブレーカーと同じです。
小形漏電ブレーカー

交換して配線接続。
ブレーカーを交換して配線接続
電源側が切れないので慎重に行います。

このブレーカー(1E)にはLとNの極性があるので検電して間違いがないか調べます。
検電ドライバーでブレーカーの極性を調べる
L側で検電ドライバーが点灯しているのでOK。

たまに幹線側で配線が間違っていて逆になっている建物があるので確認します。

回路の絶縁抵抗を測定してからブレーカーON。
ブレーカーON
テストボタンを押して漏電遮断機能をチェックし再度ON。

コンセントの極性も調べます。
コンセントの極性を調べる
こちらは右側がLで検電ドライバーが点灯しているのでOK。

コンセントの電圧を測定し105Vで問題なし。

エアコンも絶縁抵抗測定したらプラグを差し込み運転開始。
エアコン運転開始
試運転確認も問題なく作業終了です😊

もしエアコンを延長コードなどで使用しているところがあったら早めに電源工事したほうがよいと思います。

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2024年8月 4日 (日)

コンセント100Vから200Vへ

200Vのエアコンを設置するとき、壁のエアコン用コンセントが100Vなんてことがよくあります。

今回もエアコンの設置が終わったところでコンセントを200Vへ交換します。

もちろん事前に200Vに交換できることや配線の太さなどは調査済みです。

エアコンを付けたのに200Vに切り替えできなかったらえらいこっちゃ😰ですからね。

まずついているのは
エアコン用の20A125Vコンセント
定格20A125V(100V用)のコンセント。

これは15Aでも使用できる兼用タイプです。

内部の配線の太さを確認。
コンセント裏の配線の太さを確認する
絶縁被覆を測っていますがこれで内部導体の太さがわかります。

いままで20Aのコンセントがついていたから同じアンペア数が付けられると思ったらいけません。

たまにエアコン設置業者が15Aまでしか付けてはいけないところ(配線)へ20Aのコンセントを設置してしまっているお宅があるのでそのようなことがないか確認します。

つぎに分電盤の内部。
分電盤内部
下段の左から3つ目が該当回路のブレーカー。

念のためこちらでも配線の太さを測定。
配線の太さを測定
測定の結果、20Aコンセントの設置は問題なし。

ということで200V用のコンセントに交換しました。
200V用コンセントに交換した
20Aと15Aの兼用タイプ

定格20A250V
定格20A250Vのコンセント
でもこれでは形だけが変わっただけで実際の電圧は100Vのまま。

ブレーカー上部の銅バーを切り替えて200Vにしました。
銅バーを切り替えて200Vに
この切り替えは分電盤のメーカーや種類で方法が異なります。

該当のブレーカーは20Aの100V・200V兼用なのでそのまま使用可能でした。

回路の絶縁抵抗を測定して問題なし。

コンセントの電圧は200Vになりました。
コンセントの電圧は200V
アナログテスターなのでわかりにくいですね。

300Vレンジに合わせているので黒い数字と目盛を見て20が200Vです。

なので正確に読むと205Vです。

すこし200Vをオーバーしていますがこれが普通。

エアコンを運転すると(電流が流れると)屋内配線やその他途中配線での電圧降下で数ボルト落ちます。

運転していないとき(無負荷)で200V丁度では問題はありませんがちょっと低めです。

これで200Vに交換完了😊

あたりまえのことですが、これらの工事は無資格ではできません。

電気工事士という国家資格が必要となります。

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2024年7月20日 (土)

エアコンに漏電遮断器を設置

こちらのエアコン撤去したお客さん宅へ今度は取り付け工事に伺いました😊

エアコンの設置はすでに終わって電気工事をおこないます。

まずはこのコンセントから
古いコンセント
かなり年季の入ったものでアース端子はありますがこのままではエアコンに接続することはできないので交換します。

それに古いコンセントは発熱や発火をしやすいので交換したほうがいいですね。

外してみると
配線ねじ止め方式の埋め込みコンセント
やっぱりねじ止め方式でした。

しかもねじの頭がマイナスです。

古さを感じますねぇ、昭和50年代前半かな・・・

しかしこのコンセントを設置した電気工事屋さん、この接続で電気工事士の試験受けたら落ちますよ~😆

古いコンセントを撤去して電線をむき直しました。
古いコンセントを撤去
新しいものは差し込みタイプなので電線はまっすぐでOK。

そして新しいコンセントを取り付け。
新しいコンセントを取り付けた
下にアースターミナル端子があるのでエアコンからのアース線をそこへ接続します。

また壁内の配線の太さから電流定格15Aではなく20A・15A兼用のコンセントにしました。

100Vの場合、左の差し込み穴がTの字を横にした形のものが20A・15A兼用タイプです。

ここがLだと20A専用、lだとよく見る普通の15Aです。

さて次は分電盤へ
分電盤
該当回路のブレーカーがオンになってますが施工前に撮影した画像のため。
コンセント交換の時には事前にオフにしています。

ここには左にリミッター(電流制限器40A)が設置されており、その右横の5つのスイッチは各回路へ分岐された小ブレーカー。

上段の左から2番目が今回エアコンを設置した専用コンセント回路です。

しかしこの分電盤なにか抜けているような・・・

そう、現在では当然設置されているはずの漏電遮断器がありません。

古い建物では現在でも漏電遮断器のないところがあります。

漏電遮断器はその名の通り、漏電が起きたときに素早く検知して回路を遮断し事故を未然に防ぐもの。

エアコンでは”水気のある場所”に設置する場合、アースに加えて電源側に漏電遮断器を取り付けることになっています。

はて?水気のある場所とは・・・

例えば雨のかかる場所や水が漏出するところなどもそれに入ります。

だいたいエアコンの室外機は雨のあたる場所(専門用語では”雨線外”)に設置されることがほとんど。
(こちらに設置した室外機も該当しています)

またエアコンからは室内機、室外機から排水が出てくるため水が漏出するところにも該当する可能性が高いと思います。

それらのことから基本的にアースに加え漏電遮断器の設置が必要となるのです。

なので確認して必要であれば漏電遮断器を取り付けなければエアコンを使用できません。

分電盤のカバーを外しました。
分電盤のカバーを外した
ご覧の通り漏電遮断器を取り付けるスペースなどはありません。

そこで用意したのがこちら
小形漏電ブレーカー
小形漏電ブレーカー。

こちらに設置されている小ブレーカーと同じ形をしているため交換することで漏電遮断器の機能を追加できます。

もちろんそれには過電流遮断機能も付いているタイプでなければなりません。

今回は将来200Vのエアコンを使用する可能性も考慮し100V・200V兼用、20A、感度電流(漏電)30mAを選定しました。

この漏電ブレーカーは価格が高めなので予め200V兼用を付けるのは後々交換せずに済むための配慮。

ブレーカーに付属の説明書にはこのような注意書きが
ブレーカーの説明書
これ分かり難い説明ですね。

「電源側と負荷側を間違いなく接続」するように書かれているのに次の行には「都合上逆に接続する場合は・・・」と。

どっちだよ😆

今回交換する上段ブレーカーは下が電源側で上が負荷側なので「電源側と負荷側を間違いなく接続」であればブレーカーを逆さまに付けなければなりませんね。

しかしそんな変な付け方はどうかと・・・

逆接続はしてほしくない何かがあるのか・・・メーカーへ事前に確認しました。
(何年か前にも同じことを問い合わせたような記憶が)

回答は、
このブレーカー(品番末尾N)はどちらに電源側、負荷側を接続してもまったく問題なく逆接続可能。

それなら余計なことは書かないでほしいんですけど、わかりにくいですねぇ😆

交換しました。
ブレーカーを交換した
逆接続の場合は電源側、負荷側のラベルを貼るよう説明書に指示があるので付けました。

こんなの貼らなくても電気工事士であれば一目瞭然。

意味不明ですねぇ。

線間絶縁も問題なく測れるし・・・

まあそれはよしとして漏電遮断器にはテストボタンがあります。
漏電遮断器のテストボタン
漏電遮断機能が正常に働くか試すボタンです。

このブレーカーのテストボタンは指や爪で押すと落ちたレバーがバチンッと指に当たるので痛い思いをします。

ボールペンなどでレバーが落ちても当たらないよう斜め下から押すのが安全。

あ、そんなことはどうもでいいか。

交換が終わったらバスバーに黒いカバーを付けて
バスバーに黒いカバーを付けて
下には200V切替用の銅バーがありました。

分電盤のカバーを付けます。
分電盤のカバーを戻した
ブレーカーの下にテストボタンのステッカーを貼りました。

そして設置したエアコンの試運転。
エアコン室内機
エアコン本体の動作や電気工事したところに異常な発熱などないか確認して問題はありませんでした。

室外はこんな感じ。
エアコン室外機
無事終了となりました😊

Katoairconservice_mark160
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2024年5月30日 (木)

エアコン4台の接地(アース)工事

さて前回準備したアース棒を使って接地工事を行います😊

4台ある各室外機の脇にD種接地工事を行い室外機のアース端子に接続します。

まず1台目は当店で取り付けたエアコンから。
コンセントのアースには接地線が接続されていない
コンセントには3つ差し込みの穴があり、そのうちの1つはアースです。

しかしそこへはコンセント裏に接地線が配線されていないため機能していません。

本当にそうなのか念のため工事にかかる前にコンセント裏を確認。
コンセントの裏にアース線はつながっていない
黒と白の電源線だけで接地線はありません。

ところが・・・壁のボックス内を見ると
コンセントのボックス内に緑色の線が
緑色の線を発見😮

なんで?

緑色の電線を接地抵抗計で計測してみます。
緑色の電線の接地抵抗値は100Ω
100Ωで接地線として機能しているではありませんか。

このコンセントを取り付けた人の手抜きですね。

コンセントに接続。
接地線をコンセントの裏に接続
このエアコンのアースはこれで完了です。

200Vエアコンなのでコンセントに電源プラグを差し込めばアースがつながります。

なので室外機に接地工事は必要ありません。

残り3台のエアコンは100V機で過去に他の業者さんで取り付けられたもの。

コンセントにはアース端子がありませんが、もしかすると同じくボックス内に接地線があるのかもしれません。

そこで確認しようとしましたがプレートが割れそうなほど引っ張ってもとれない。

壊しそうなのでやめました。

3台とも室外機のところで接地工事します。

なおエアコンは基本的に漏電遮断器の設置が義務(室外機が「水気のある場所」に設置されるため)になっており、もちろんこちらの分電盤(ブレーカーのところ)にも設置されています。

そしてルームエアコンで行うD種接地工事の接地抵抗値は100Ω以下ですが所定の仕様を満たした漏電遮断器が設置されているので500Ω以下でOKです。

2台目の接地工事作業中。
2台目のアース工事中
こちらの地面は非常に硬くなかなか掘れずたいへんでした😅

しかもアース棒がまったく刺さらない。

普通の土ではありません。
(出てくるのは白っぽい砂利のような土と石ばかり)

地中深く埋めるのはあきらめてしかたなく掘れるところまで掘って水平に寝かすように埋めました。

抵抗値が高いかも・・・500Ω超えか?

これは先が思いやられる・・・

おそるおそる接地抵抗測定
接地抵抗460Ω
おぉセーフ、460Ω😅
(接地抵抗計のレンジが×100Ωなので指針の4.6×100Ω)

よかった~、さて室外機のアース端子に接続を・・・しかし
アース端子のねじが回らない
こんどは端子のねじが回らずとれない。

なんてこった。

どうやっても回りません。

浸透性の潤滑剤を差してしばらく待ってもダメ。

エアコンはまだ古くありませんが。

真鍮のバルブやナットの色からしてもまだ新しいことがわかります。

これはエアコン製造時にねじを締めたとき焼き付いたのかもしれません。
(焼き付き・かじり:摩擦で金属同士が溶着する現象)

しかたない、バルブを固定している頑丈な太いねじへ接続。
あきらめてバルブを固定している太いねじへ接地線を接続
電気的にも機械的にもここのねじなら問題ないでしょう。

室外機の側面カバーを付けて2台目完了。
2台目の接地工事完了
ふぅ~😅

ちょっとたいへんでしたが気をとりなおして3台目
3台目のアース工事を行う
手前には雨水マスがあります。

ここからの排水管が地中にあるかもしれないので穴を掘る前にフタを開けてみます。
雨水マスは浸透マスになっていた
これは浸透マスですね。

右に見える管は雨どいからの出口で他に排水管は見あたりません。

これならば多少深くアース棒を差し込んでも大丈夫そうです。

もちろん差し込めればの話ですが。

砕石をよけてから穴掘りを開始
シャベルで地面に穴を掘る
2台目よりも土が軟らかめで掘りやすい。

アース棒を差し込んでみるとなんとか地中に押し込むことに成功😄

抵抗値は
3台目の接地抵抗値は400Ω
400ΩでOK。

つぎに室外機のアース端子に接地線を接続するのですが・・・
室外機の電線接続端子台への差し込みが不十分
その右横にある端子台の電線の差し込みが不十分(エアコン取り付け工事の施工不良)で3つの内、左の確認窓に銅線がみえません。
(残り2箇所は確認窓の左隅に少し見えます)

押し込みましたが電線の皮むき長さが短いようでだめ。

電線(ケーブル)の長さは余っています。
室外機の脇にケーブルが余らせてある
ならば気になるのでついでに直してしまいましょう。

接地線をアース端子に接続したらケーブルを切断。
接地線をアース端子に接続したらケーブルを切断
むきなおします。

このケーブル細いです。

太さを測ると1.6mm
電線の太さは1.6mmと細い
この室内外機を接続する電線は通常2.0mmを使います。

1.6mmを使うとそこでの電力損失(電圧降下)が大きくなります。
(材料をケチられたようです)

接続
電線を端子台に接続しなおした

カバーを付けて3台目も完了。
3台目のアース工事完了

最後の4台目はとくに問題なく接地線の接続までおわりました。
4台目の室外機に接地線接続
こちらの地面は他の2台より軟らかく穴掘りもアース棒の差し込みも割とすんなり。

接地抵抗値は3台目よりさらに低く
接地抵抗値は220Ω
220Ωでした。

接地抵抗は土の質にもかなり左右されます。

こちらもカバーを付けて作業はすべて完了です😊
室外機のカバーを付けて接地工事が完了
一時はどうなることかと思いましたが接地極を増やす必要もなく500Ω以下に収まりました。

これで安心してエアコンを使用できますね。

なお、たまに耳にする「漏電遮断器が付いていればアースは必要ない」というのは間違った考えです。

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2024年5月27日 (月)

接地(アース)工事の準備

先日こちらでエアコン工事したお客さん宅へアース工事を行うため接地極(アース棒)の準備をします😊

こちらは土に埋める接地極のアース棒
アース棒
長さ30cm位のものです。

先端を見るとこんなかたち。
アース棒の先端形状
単に棒状のものもありますが、S字状のこちらのほうが土との接触面積を大きくできます。

接地抵抗値を少しでも低くするため今回はこれを選択しました。

アース棒から出ている電線(5.5m㎡のより線)とそこから延長する電線(1.6mmの単線)を接続するためのP形スリーブと圧着ペンチ
P形スリーブと圧着ペンチ

そして圧着
電線を圧着接続

テープを巻きました。
電線接続部にテープを巻いた

エアコンは4台あるので同じ本数を準備完了。
接地極の準備完了
これを現場でやっているとごちゃついて大変なので先に制作しました。

もし接地抵抗値が規定内に収まらない場合は接地極を増やすなどしなければなりません。

さてどうなることやら・・・それは次回😊

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2024年4月30日 (火)

UR住宅で専用回路増設

前回の続きでエアコン専用コンセント(専用回路)の増設工事です😊

賃貸住宅なので退去時の撤去を前提としたケーブル露出配線で施工します。

エアコンの右隣に取り付けたコンセントボックスからVVFケーブルを使い配線します。
エアコンの電源配線をおこなう
廻り縁にステップル(コの字形の釘)を使い固定。

間仕切り部分(躯体の梁)をいったん下がり開口部に迂回
間仕切り壁をいったん下げて開口部に迂回
電線の曲がりが大きめですが、電源のほかにアース線も含んだ3心ケーブルのためです。

ケーブルは無理な曲げをすると絶縁被覆などに支障がでますので。

”内線規程”ではケーブルの太さに応じた最小曲げ半径が指示されています。

梁を超えたらまた上へ
梁を超えたらまた上へ配線

そこから左へ行くと分電盤があります。
分電盤まで配線した
盤の内部まで配線しました。

この盤は建設当時のものではなく現代の新しいものに付け替えられていますね。

次にコンセントの取り付け。
コンセントを取り付ける
アースに使う線には緑色の表示をしました。

コンセント設置後の画像は取り忘れました😅

これと同じものを設置
定格20A125V、アースターミナル端子付きコンセント
定格20A125V、アースターミナル端子付きです。

そしてまた分電盤へ
分電盤の空きブレーカーに電線を接続する
空きブレーカーに電線を接続します。

いったんブレーカーを盤から取り外して定格等に問題がないか確認しました。

接続完了
ブレーカーに電線を接続
緑色の表示を施したアース線(接地線)も盤の接地端子に接続。

これで電源工事は終わり。

ですがまだしなければならないことが。

ここ
電線に襖(ふすま)があたる
部屋の間仕切り部分を通した電線に襖(ふすま)を閉めるとあたります。

これでは襖を何度も開け閉めするうちに電線が損傷して危険。

それに襖自体も変形する可能性があります。

そこで柱側に事前準備しておいた木材を取り付けました。
電線が襖に挟まらないように柱側に木材をつけた
色が柱と合っているので目立ちませんね。

ホームセンター(いちおうプロショップ)にこの白い木材が売ってました😄

木材に割れ防止の下穴を開けて5か所ほどねじ固定。
木材をねじ固定
ねじの頭が表面にとび出ないように木材にザグリも入れておきました。

襖を閉めても
襖を閉めても電線にあたらず保護
電線にはあたらず保護できます。

上から下までピッタリ閉まります。
襖は上から下までピッタリ閉まる
ばっちり👍

その他測定を行ってからエアコンを試運転。

お客さんも共に確認していただき作業完了となりました😊

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2023年12月23日 (土)

エアコン4台にアース工事(2)

前回のアース工事の続きです。

一通りVE管(電線管)の取り付けが終わったのでこんどは通線作業。

今日はこれを久しぶりに倉庫から持ってきました。
通線ワイヤーを持ってきた
通線ワイヤーです。

管の中へ電線をそのまま押し込んで通そうとしても引っかかったり重くなったりでなかなか入りません。

先に通線ワイヤーを通してからその先端に電線を引っ掛けて引き込みます。

管内へワイヤーを入れます。
VE管の中へ通線ワイヤーを通す
ワイヤーは管内をよく滑るので短い距離であれば軽く入ります。

エルボも難なく通過してワイヤーの先端が出てきました。
通線ワイヤーの先端が出てきた
ここに電線を引っ掛けて

ワイヤーを引けば
接地線をVE管へ通す
通せます。

すべて通線が終わったら室外機のアース端子へ接続。
室外機のアース端子へ接地線を接続
この機種はバルブのすぐそば。

機種によってアース端子の場所がことなり、
アース端子が室外機の端子台にある
こちらは端子台にありますね。

つぎに各ボックス内で電線を圧着接続します。
接地線相互を圧着接続

ボックスには念のため水抜き穴を設けておきました。
ボックスに水抜き穴を開けた
雨水や結露水が溜まらないようにするためです。

VE管の途中も必要と思われる個所に水抜き穴を開けました。

圧着したところへ絶縁キャップを付けて電線をまとめます。
絶縁キャップを付けて電線をまとめた

そして蓋の取り付け
ボックスの蓋を取り付けた
ボックスは全部で3つあるので同様に行いました。

あとは給湯器下のコンセントにあるアースへ施工した接地線を接続します。

コンセントのボックス下面に接地線が通る大きさの穴を開けました。
コンセントのボックスに電線を通す穴を開けた
ここから入れて接続します。

その前にエアコン4台に接続した接地線の大地に対する抵抗値を確認すると1200Ωのメーターをパチンッ!と勢いよく振り切りました。

もちろんこれはアースへまだ接続されていないので当然の結果でOK。

なぜこんなことをしたのかというとエアコンのどこかにアースがすでに接続されていないかという再確認です。
(事前に各エアコンの接地抵抗を測定して接続されていないことは確認済み)

アースは別の2系統で接続することはよくないので。

接地線の接続も完了。
接地線の接続が完了
少し接地線が露出していますがこの部分は給湯器のカバーで隠れて見えず、電線を損傷させる恐れがないためOKです。

それでは最後に室外機の接地抵抗値を確認してみましょう。

とは言ってもそもそも接続したアースは700Ωだったので規定をオーバーしているわけですが・・・

あれ?
接地抵抗値は420Ωに下がっている
420Ωにいつの間にか下がりましたよ🤔

室外機を接続することで接地抵抗値が落ちたのか?

計算すると接続前に計測したエアコン4台の大地に対する合成抵抗値が1050Ωでなければ既設アース抵抗値700Ωと合わせて420Ωにはなりません。
(大地に対し並列回路)

先ほど接地抵抗計の指針が振り切った状況からそれはありえない。

ということは・・・

この給湯器のプラグを見てなんとなくわかりました。
給湯器の電源プラグの表面が腐食している
かなり表面が腐食して一部スパーク痕まであります。

接触不良になっていますね。

長年屋外に設置されているので防雨形コンセントでもやはり腐食が進みます。

今回、コンセントの背面の電線接続部を動かしたり増し差ししたりしたためアースも接触が回復して本来の接地抵抗値へ戻った可能性が考えられます。

給湯器のプラグを少し磨いてからコンセントへ。
給湯器の電源プラグを磨いてから差し込んだ

カバーを取り付けて
給湯器のカバーを戻した
施工完了。

仕上がり具合は・・・

給湯器横の2台の室外機まで
アースの設置状況

さらにプロパンボンベの裏を通過し手前2台
アースの設置状況
いまのところエアコンからの漏電はなく無事作業終了となりました😊

Katoairconservice_mark160

2023年12月20日 (水)

エアコン4台にアース工事(1)

先日こちらのエアコン入替工事をアップしましたが・・・

じつはアース(接地)が接続されていません。

というのも建物建築時の電気工事での不備と思われますがエアコンの電源のところに接地線(アース線)が施工されていなかったんです。

先日エアコンを入れ替えた室外機はこちら
先日エアコン工事した室外機
奥には既設の室外機(2室マルチ)があります。
(2室マルチは1台の室外機に2台の室内機がつながっているもの)

そして少し離れて手前にも2台(1台は2室マルチ)の既設室外機が設置されていました。

建物は2世帯住宅でこれら計4台の室外機で全室の空調をまかなっています。

しかしその全部にアースが接続されてないのです。

これはさすがにまずいですね🤔

ということで室外機4台にアースを接続する工事を行いました😊
(今回の工事にも電気工事士の資格が必要です)

でも建物の周囲は土ではなくコンクリート。

ここに穴を開けて接地極(アース棒など)を入れることは危険です。

建物の周囲はガス管、水道管、電線などが埋まっておりそれらに穴を開けかねません。

上の画像の一番奥には給湯器がありますね。

そこにあるコンセントには多分、アース端子があるはずです。

給湯器下のカバーを開けました。
給湯器下のカバーを開けた
この部分は配管用のスペースとなっています。

その中に埋もれてコンセントがあります。
給湯器下のコンセント

やはりアース端子がありました。
コンセントにあるアース端子
接地線が接続されているか接地抵抗計でこの端子を計測したところ700Ω🤔

抵抗値が高すぎです。

でもほかにやりようがないのでここから接続することになりました。
(後ほど抵抗値は下がります)

コンセントを外して裏を見ると
コンセントを外して裏側を見る
緑色の接地線が接続されてます。

そしてその上にもう1つ接続口が空いてますね。

ここは接地線の送りに使用できるのでここへ接続することにしましょう。

施工に入る前に1階と2階の漏電遮断器の設置状況を確認。
1階の分電盤に設置されている漏電遮断器
こちらは1階の漏電遮断器。

そして2階にも同じ仕様の漏電遮断器。
2階の分電盤に設置されている漏電遮断器
2世帯住宅では分電盤も分かれています。

今回の施工ではアースを全部同じ系統に接続するのですが、もし片方(1階もしくは2階)にしか漏電遮断器がなかった場合は同一系統のアースに接続するのはよくないのでそれを確認しました。

なお内線規程ではこちらの漏電遮断器の仕様から接地抵抗値を500Ω以下にすることになっています。

― 施工開始 ―

各室外機までの配線は硬質ビニル電線管(VE管・塩ビ管)で行うことにしました。
接地線の配線は硬質ビニル電線管(VE管)を使うことにした

途中の室外機での接地線分岐にはこちらのボックスを使います。
接地線の分岐に使用するボックス
3か所で分岐を行います。

VE管を曲げて加工しながらボックスの取り付け
VE管を曲げて加工しながらボックスの取り付け
他のボックスや金具などが途中にあるため曲げないと配管できません。

VE管とボックスなどは接着して接続。

VE管の曲げにはこちらのバーナーを使用しました。
VE管の曲げに使用したバーナー

給湯器に並んだ2台の室外機まで配管しさらにプロパンガスボンベの右にある室外機2台へ。
VE管の施工中

室外機裏を配管。
室外機裏のVE管施工
VE管を切断するのは塩ビカッターです。

サドルで固定していきますが室外機背面はドライバードリルがそのままでは立たないのでアングルアダプターを使用しました。

配管が完了。
VE管の配管が完了

ボックスやサドルの固定にはステンレスのねじを使用。
ボックスやサドルの固定にはステンレスのねじを使用した
外壁のサイディングには下穴を開けて、コーキングを塗布後にねじ固定しました。

さて次は通線作業ですが長くなったのでそれは次回アップします。

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