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エアコン電気工事

2023年4月11日 (火)

200Vコンセントはアースが・・・

世田谷区の一戸建てでエアコンの入替工事の依頼をいただき訪問しました😊

エアコンの施工内容は既設の3台を撤去し、そこへ新品を3台取り付けるというもの。

工事は何日かに分けて行いました。

そして最後の1台の設置が完了。
エアコンの設置が完了

なおこのエアコンは200Vで、既設のコンセントも200V
200Vのコンセント
アースはエアコンのプラグを差し込むだけで接続される方式です。

しかしそれはあまい考え😅

このコンセント形状の場合、アース端子にちゃんと接地線が接続されている保証はないんです。

なぜかって?

築10年以上経っている一戸建てではエアコンのコンセントに接地線が施設されていないことがあります。

とくにここは1階。
(2階はエアコンのコンセントに接地線が接続されていました)

1階の場合は室外機を地面に置くのでそこでアース棒(接地極)を地面に埋めれば接続できるじゃん、っていう電気屋さんの都合の良い考えからです。
(現在の新築では1階でもほぼコンセントにアースが来ています)

そこへエアコン設置業者が来てエアコンのプラグ形状に合わせてコンセントを交換すると接地線のつながっていないアース付きコンセントの出来上がり。

ここもそうなっているんじゃないかとエアコンを撤去に伺った際に接地線接続の有無を調べました。

案の定、やはり接続されておらず、以前設置されていた室外機周囲にもアースは施工されていなかったのでいままでアースなしで使われていたことになります。

別途アース工事が必要ですね。

ということで室外機の横で穴掘り😅
アース棒を埋めるため地面に穴を掘る
今回はこの程度で。

そこからさらにアース棒を地面奥へと差し込みます。
アース棒を差し込む
そんなのハンマーで打ち込めばいいじゃん?

建物の周囲ではアース棒を打ち込んではダメ。

水道管、排水管、電線管、ガス管などが埋まっていることがあるので、
「コンッ、コンッ、コンッ・・・ブスッ!😱あ~れ~~」
なんてことがないようにゆっくり差し込んで、もし何かにぶつかったら無理してそれ以上入れないのが基本。

何回か方向を変えてトライし一番深く入るところに差し込みました。

さて漏電遮断器の設置状況と種類を確認。
漏電遮断器の設置状況と種類を確認
ここは接地抵抗値500Ω以下であればOKです。

さきほどの入れたアース棒の接地抵抗値を測定。
接地抵抗値測定
380ΩでOK😄

地面を埋め戻して室外機のアース端子へ接地線を接続。
室外機へ接地線を接続
これで施工完了😊

今回のようなコンセント形状ではちゃんとアースが接続されているか確認する必要がありますね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年1月13日 (金)

あやしいアース

エアコンの工事をしていたところ、室外機の脇にある既設のアース線(接地線)を軽く引っ張ったら
アース線を軽く引っ張ったら接地極が抜けてきた
接地極(アース棒?)が抜けてきました😅

線がちょっと短くて室外機のアース端子に届かないので”もう少し”と引いてみたところこれ。

接地極は地面に埋め込まれて簡単には抜けてこないものですが、棒の乾き具合からして砕石の下に置いてあったという程度です。

これではアースとしての働きはありません。

しかもこれアース棒ではなくてエアコンの冷媒管(銅管)端材を20cm位に切ったもの。

そこにこれまた端材のケーブルを外装を剥いで使用したと思われる電線がつながれていました。

これで接地工事(D種接地工事)になるとでも施工した人は思ったのでしょうかねぇ?

もちろんこれをしたのは以前ここにエアコンを取り付けたエアコン設置業者。

このエアコンに関しては他の方法でアースを接続できるので後に施工することにしました。

こちらのお宅にはこのほかに2台、同じ業者が取り付けたエアコンがありそちらも”心配なので点検を”と依頼をいただきました。

2台目の室外機
アースの点検を行う2台目の室外機
これまたあやしい感じの電線ですね。

試しにこのまま接地抵抗計でアースの抵抗値を調べてみると指針の針が思いっきり右に振り切り計測不能。
エアコンの既設のアースを計測すると接地抵抗計の針が思いっきり振り切った
振り切った状態を長く続けるのはまずいので画像はありません。

バチンッ!と音がするほどの勢いで振り切るので少なくとも数kΩ以上ある感じ。

こちらの家の電気設備の場合、多くとも500Ω以下にする必要があります。

アース線を引っ張るとやはりスルリと地面から銅管が出てきたので地表面に置いて土をかぶせたような状況でした。

このまがいものの銅管アースは撤去して捨てます。

では新たに接地極の埋設工事が必要かというとその必要はありません。

なぜかというとこちらにはエアコン用のコンセントに接地端子が初めから設備されていました。
エアコン用のコンセントに接地端子があるのに接続されていない
(室内機はアース線接続のためすでに開けてます)

この接地端子から室内機のアース端子へ接続すればよいだけ。

さきほどの1台目も同じです。

なんでわざわざあんなヘンテコリンな手作りアース棒を作ったのか意味不明。

室内機の端子はここ
室内機のアース端子

電線を接続して
室内機のアース端子に電線を接続

コンセントにある接地端子へ接続
コンセントの接地端子へ電線を接続
これでエアコンのアースが接続されました。

「室外機はどうするの?」

大丈夫ですよ、室内機と室外機の金属部はエアコンが設置されると電気的に接続されているのでどちらか片方だけでいいんです。

さて3台目。
室外機に接続されているアース、3台目
これも同じ状況です。

とっととまがいものアースは撤去。

こちらはこれで完了になります。

なぜ?

室外機の銘板をみると
室外機の銘板を見ると単相200V
単相200Vとありますね。

現在の単相200V、室内電源(プラグ接続)の機種は電源プラグの形状が3極になっており、そのうち1つはアースです。

なので2台目と同じくアースがコンセントにきていればプラグを差し込むだけで接地されます。

エアコン工事した人はわけがわからず余計なことをしていったんですね。

まがいものアースを撤去した状態で接地抵抗計で計測。
接地抵抗は約200Ω
約200Ωで500Ω以下に収まっているので問題ありません。

このあと試しにお客さんに電源プラグを抜いてもらうとアースも切れて接地抵抗計の針は振り切り、コンセントのアースがちゃんと機能していることが確認できました。

なお、アースは室内機もしくは室外機のどちらか片方で接続するのが基本です。

両方で別のアースに接続するのはよいことではありません。

しかし今回のように頓珍漢な施工というのはよく見かけます😅

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2022年8月25日 (木)

アース工事は電気工事士

エアコンを設置するとアースを接続することが義務付けられてます。

正式には”アース”とは言わず”接地”と呼びます。

ルームエアコンのように使用電圧が300V以下の機器は”D種接地工事”を行うことになっています。

なおコンセントにアース端子がある場合はそこに接続するだけでOK。

地面に接地極を埋設してエアコンに接続する場合は簡単ではありません。

ホームセンターでアース棒を買ってきてハンマーでコンコンと地面に打ち込んだら完了というわけにはいきません。

実はここにも電気工事士というものが関わってきます。

地面に棒状の接地極(アース棒)を埋めて室外機のアース端子に接続しました。
アース棒を地面に埋めて室外機に接続
この緑色の接地線も太さが決められています。

それはエアコンの専用回路に使用されるブレーカーの電流容量によります。

一般にルームエアコンの回路は20A以下のブレーカーなので接地線は銅線の場合で直径1.6mm以上の単線または断面積2.0m㎡以上のより線です。

また、地面から機器までの間で電線が露出してよいのは60cm以内で、それ以外の部分においてはある条件下をのぞき基本的に合成樹脂管などで保護しなければなりません。

そしてこの接地線から接地極と大地の抵抗を測定するのですがD種接地工事の場合、基本は100Ω以下にすることになっています。

接地抵抗計で測定(回路計では測れません)
接地抵抗が280Ω
おっと、280Ωです。

この場合、接地極を増やすことで抵抗値を下げることができます。

しかし接地極を増やすということは工事料金もその分高くなります。

D種接地工事では先ほどの100Ω以下に加え”低圧電路において当該電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以下の漏電遮断器を施設するときは500Ω以下”となっています。
(難しい文章ですね😆)

電気設備では100Vや200Vは低圧電路です。

漏電遮断器を確認
主幹に設置された漏電遮断器
エアコンのブレーカーより電源側(主幹)に設置されたものです。

仕様は電流動作形、定格感度電流30mA、動作時間0.1秒以内、なので500Ω以下でよいので280ΩはOKですね。

電流動作形とは書かれていなくても回路図でわかりますが、まずほとんどがこの方式で他の方式(電圧動作形)は現在造られていないらしいです。

とこのように単にアース棒を地面に埋めると言っても色々な規定があり、計測器、そして電気工事士という資格が必要なんです。

加えてその工事をすることでお金をもらうということは電気工事業の届出もしなければなりません。

”アース棒なんかホムセンに売ってるよ”と気軽に工事してはダメなんですね。

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2022年8月 6日 (土)

エアコン工事と電源引き直し(2)

さて前回に続きまして電気工事を行います😊

いままであった延長配線はお客さんで撤去されたので配線工事だけをします。

まずはエアコン専用回路のブレーカーを切る(電源を落とす)ことから始めます。

どのブレーカーで切れるのか調べながら行うのですが、いちいちコンセントとブレーカーを行ったり来たりしていたのでは大変です。

そんなときはこれ
回路を調べるためブザーを鳴らす
ブザーを使います。

このブザーは本来このような使い方をするものではありませんが、20年位前に回路を調べるために汎用品を改造し作ったものです。

ブザーの音を聞きながら分電盤でブレーカーを切れば音の消えたところが該当する回路であることがわかります。

ブレーカーを切ったらコンセントを外します。
コンセントを外す
壁の中にボックスがありました。

もしもない場合はボックスを付けなければなりません。

コンセントは使わないので撤去
コンセントを撤去
電線は電源2心とアース(接地)線。

配線します。
ケーブル露出配線
3心のケーブルで配線です。

サドルを使用しネジ固定。

今回はケーブル露出で配線しますが樹脂のモールに入れる方法もあります。

エアコンの左脇まで配線し
コンセント用の露出ボックスを取り付け
露出ボックスを取り付け。

赤色の線は接地線として使用するので緑色の標識を付けました。

コンセントを取り付けてエアコンのアース線を接続。
接地極付きコンセントを付けてエアコンのアース線を接続
これでアースもばっちり😀

撤去したコンセントのところで
電線同士を接続する
電線同士を接続します。

もちろん安心の
電線を圧着接続する
圧着接続です。

圧着した部分は
圧着部分を確認する
圧着ダイスのサイズに間違いがないか刻印を確認。

その後ビニルテープで電工巻き・・・なんてことはいまどきしません。

絶縁キャップを被せるだけ
圧着部に絶縁キャップを被せる
ロックされるので簡単には取れません。

ビニルテープだとだんだん粘着が弱くなってはがれてくることがあるので、その点キャップのほうが耐久性が高いと思います。

ボックスの中へ
電線接続部をボックス内に収める
接続部を収めます。

カバーをつけて
電線接続部にカバーを付ける
配線完了。

分電盤で絶縁抵抗計を使用し線間、対地間の絶縁抵抗を測定したらブレーカーON
コンセントの電圧は103.5V
コンセントの電圧は103.5Vで正常。

コンセントの極性に間違いがないか検電器で調べて問題なし。

エアコンの絶縁抵抗も測定したらスイッチON
エアコンの試運転を開始
試運転を行います。

その後、お客さん立ち合いで動作確認し終了となりました😊

電源の配線はできるだけ短くすることが肝心です。

ご存じの通り、電線に使用される銅にも電気抵抗があるため長くなればなるほどその抵抗(電線)により電力が消費(熱に代わる)されます。

その分、エアコンには低い電圧(電圧降下)となって供給されるため、あまり長いと停止してしまうこともあります。

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2021年10月25日 (月)

接地抵抗、なかなか落ちない

エアコン2台の取り付け工事に伺ったのですが室内のコンセントに接地端子(アース端子)がありません。

室外機は2台とも地面に置くのでそこで接地工事(D種接地工事)をすることになりました。

地面に埋設する接地極(アース棒長さ30cm程度)を仕入れてきて工事します。

ところが・・・
棒状の接地極を3本埋設
穴から3本の接地線(緑色の線)が見えてますね。

棒状の接地極を3本埋設しました😅

こちらのお宅には
漏電遮断器
漏電遮断器が設置されているので接地抵抗は500Ω以下にすればOKです。

1本埋めれば十分だろうと考えていたのですが・・・

接地抵抗計で計測すると1200Ω越え😲
メーターの針が勢いよくパチン!と振り切れます。

確認のため建物建築時に接地工事された洗濯機のコンセントにある接地端子の抵抗を計測するとちょうど500Ω前後🤔

ということはここの地盤は接地抵抗を落とすのが難しいようですね。

いろいろと調べていると穴を掘って深く埋めるよりも地表面に近いほうが1000Ω前後まで落ちて良いようです。

でもその半分以下へする必要があります。

そこでもう一台分として買ってきた接地極も埋めてみると700Ω前後。

もう1本か・・・😂

ここで接地極がもうないので買い出し🚙💨

戻ってきて合計3本埋めると
接地極を3本埋めて470Ω
ようやく470Ω😅なんとかクリア。

接地線3本を
接地線3本を1本に圧着接続
1本に圧着接続。

こういう場所では強度を考慮しE形リングスリーブは使いません。

使用しているのは肉厚のあるP形スリーブです。

絶縁処理して埋設。

室外機の端子へ接続
室外機の接地端子へ接地線を接続
1台目ようやく完了。

そしてもう1台は
2本の接地極のうち1本は長いものを使用
2本の線が見えますが1本は長い70cm程度のアース棒を使用しました。

長いほうが接地抵抗を低くできます。

長い方1本で
長い接地極1本で580Ω
580Ω。

うーん・・・もうひといき

短いのを合わせ2本で
2本の接地極で450Ω
450Ωでこちらもクリア😄

1本にまとめて室外機へ接続
室外機へ接地線を接続
なんとかなりました😊

たまに今回のようになかなか接地抵抗が落ちないところがありますね。

ホームセンターで適当なアース棒を買ってきて地面にポンポンと打込むだけではだめなことがわかります。

そもそも簡単なように見える接地工事も電気工事士の資格がなければ禁止されていますので。

また電気工事士の資格を持ってる業者に頼んでも接地抵抗計は持っていないとか測り方を知らないということでまるで素人のような工事をする人がいますね。

エアコン工事は単なる”エアコン工事屋”ではだめで、電気工事そして建築にもある程度知識がないといけません。

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2021年10月 6日 (水)

どこまで信用するか・・・

エアコンの交換(入れ替え)工事が終わって試運転前に気になることがあるのでコンセントを調べます。
200Vエアコン専用コンセント
200V用のコンセントなのですが・・・

エアコンも200V仕様なので電圧は問題ありません。

コンセントが上下ひっくり返しに付いてますが以前コンセントの工事を行った人がエアコンの電源コードの取り回しを考慮しこのようにしたのでしょう。

ところでエアコン用の200Vのコンセントには
200Vコンセントのかたち
このように接地極(アース極)が必ず付いています。

それは200V仕様のエアコンの電源プラグにも接地極の棒が出ているため。

なのでたとえコンセントの裏側に接地線(アース線)が接続されていなくても接地極付きコンセントを付けなければなりません。

ということはもしかするとここへ電源プラグを差してもアースが接続されない可能性がありますね🤔

接地抵抗計で計測してみるとやはりつながっていませんでした😞

以前設置されていた某量販店さんで取り付けたエアコンはアースが接続されないまま使用されていたことになります😱

コンセントを外すと・・・あれ?
コンセントを外すと接地線はつながっている
赤色で接地線はつながってますよ🤔

通常は緑色を使用しますがケーブル配線の場合は他の色が使われていることが多くあります。

これは元の方で接続されてないですね。

このことをお客さんに説明して建物の電気工事を担当した人へ連絡していただくことになりました。

ところが後日メールが届き電気屋さんに連絡がつかないとのこと。

こちらで接地工事(アース工事)を行うことになりました。

D種接地工事です。

まずはコンセント側の接地線を外して絶縁処理。
コンセント側の接地線を外して絶縁処理
後に間違いなどが起こらないように外してしまいます。

室外機の脇に接地極を埋設
室外機の脇に接地極を埋設
(ここでいう接地極は地面に埋設する電極のことです)

接地極をハンマーなどで打ち込んではいけません。

すでの建築の終わった建物の周囲は設備配管などが張り巡らされているためアース棒などを打ち込むと危険です。

この時点で接地抵抗の測定
接地抵抗の測定
170ΩでOK😊

規定の漏電遮断器が設置されているので500Ω以下でOKとなります。

アース棒を地表面から”コンッ、コンッ、”とハンマーで打ち込んで接続するだけ(5分で完了)では電気工事士とは言えません。

地面を掘って接地極を埋設したら接地抵抗を測るのが当然です。

接地抵抗計を持っていないとか、測り方を知らないというのはもう論外ですね。

接地抵抗計を外して掘った穴を埋め戻します。
接地抵抗に問題なければ地面を埋め戻す

このエアコンの場合室外機のカバーを外して
室外機の接地端子へ接地線を接続
接地端子へ地面から出た接地線を接続します。

カバーを戻して工事完了。
カバーを戻して接地工事完了
これで安心して使えるようになりました。

コンセントにある接地端子はどこまで信用していいものか判断が難しいですね。

電気工事のミスにより接続されていない場合やエアコン業者により省かれているものなど様々です。

それに加えて勘違いを生む200V仕様のエアコンのプラグ形状(接地極付き)も問題なんですが。

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2021年8月 6日 (金)

コンセントの交換

横浜市栄区にて200V用のエアコンを設置し、それに合わせエアコン専用コンセントを100Vから200Vへ交換します😄

こちらのお客さんは10数年前の新築時から何度かご依頼いただいており設置してあるエアコンは全部当店で取り付けています。
(いつもありがとうございます!)

いつものように室内機を取り付けるため据付板を取り付けて配管穴を開けます。
据付板の取り付けと配管穴を開けて

室内機を引っかけたら一旦前面グリルを外します。
室内機を取り付けたら一旦前面グリルを外す
なぜこんなことをしているのかというと・・・

この機種は
室内機固定強度向上用ねじの取り付け
室内機の固定強度向上ねじというものがあってグリルを外さないと取り付けられないから😅

グリルを戻して室内機設置完了
グリルを戻して室内機取り付け完了

本題のコンセントの交換を行います。
100Vコンセントを200Vへ交換
このコンセントの形を見て200V用と思っている方がたまにいらっしゃいますが100V用です。

ためしに普通の100Vプラグを差してみると入ることがわかります。

左側が横に切れていて”T”を横にしたような形をしてます。

なぜこんな形をしているのかというと20Aまで流れる機器を使用できるようにするため。

普通のコンセントは15Aまでですがエアコンのようにたくさん電気を使用する機器では機種によって20Aというものもあります。

交換作業をする前にブレーカーを切ります。

コンセントを取り外して電線の先端(銅線が露出している部分)切断しました。
コンセントを取り外して
人によっては切断せずに次のコンセントにそのまま使用すればいいと考えますが・・・

新しい200Vコンセントに接続するため電線の被覆を取ると
電線の被覆を取ると銅線が黒い
真っ黒ですね😅

このままでは接触がよくないので磨きます。
(接触がよくないと電気が入ったり切れたりするのではなく発熱します)

すると・・・
銅線にキズがある
電線にキズがありますね。

このキズはこちらの建物を建てた時の電気屋さんが電線の被覆を取る際にナイフやペンチなどで付けたものです。

このような単線の電線ではキズを付けるとその部分に曲げ力が加わった際に折れてしまい、これも発熱発火の原因となります。

電気工事士の技能試験でこれをやると落ちます。

こういうことがあるから先ほど切断したんですよ。

もちろん電線の長さに余裕がなければできませんが。

キズの部分を切断して再度被覆を取って磨きました。
電線の被覆を取って銅線を磨いた
被覆を取る長さもコンセントの指示に従います。

200V用コンセントの取り付け完了
200V用コンセントの取り付け完了
200V用にも15Aと20Aがあり、これも定格20Aです。
(15Aでも使えます)

これでプラグを差し込んでエアコンの運転開始!

なんてこと思っている方いませんか?

残念ながらこのコンセントはまだ100Vのままです。

あくまでコンセントはそこへ差し込めるプラグを限定しているだけで電圧を切り替える機能はありません。

ではどこで電圧を切り替えるかというと分電盤
分電盤で電圧を切り替える
ここで回路を200Vにします。

ブレーカーが200V用かも必ず確認。

切り替えが終わったら線間、対地間の絶縁抵抗測定をして漏電などがないか調べてからブレーカーON。

コンセントの電圧は
電圧測定
206V、だいたいこんなもんです。

あとは各種測定結果などを保存するため控えます。

室外機も取り付け終わってエアコンを試運転したらすべて完了😊

なおコンセント交換や電圧切替の作業は自宅であっても電気工事士の資格がなければできない内容となっています。

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2021年4月24日 (土)

2階の室外機へ接地工事

一戸建ての2階に設置したエアコンへの接地(アース)工事を行いました😊
(横浜市青葉区)

本題に入る前に・・・

こちらのエアコンは当店で入替工事をしたのですがなんとエラー(シリアル信号異常)が出て運転できず本体の初期不良が発覚😱

メーカー技術へこのことを報告すると・・・
「内外連絡線の接続間違いはないですか?、一度抜いてつなぎ直して間違いないか再確認してください。」
とのこと。

まるで素人扱いですな🤣

今を遡ること20数年前、私は当時会社員で改装工事の保育園において業務用エアコンの新設工事をしていた時に設置したものが同一メーカー、同じくシリアル信号異常が発生。

メーカー依頼をしてくれるように上司へ話すと、もう一度つなぎ直して間違いがないか確認しないと修理依頼を受け付けないとメーカー側から言われたそうです。

まったく同じ対応ですね。

この程度のミスをするようじゃとっくにエアコン屋なんか辞めてますよ。
(まぁ、こういうミスを連発する不向きな工事屋さんもいるのですが)

こういっちゃなんですがエアコン屋になって30数年経ちますが配線間違いは一度もしたことはありません。

当時と同じく今回もアホらしいと思いながらも電線を差し直しました。

当たり前ですがこれでエラーが直るわけがありません。

その後メーカーが来て修理完了。

だいぶ手こずったようで室内機の基板、室外機の基板、膨張弁コイル、ファンモーターなどを交換し直ったが原因はよくわからずとのサービスマンから連絡が入りました。

試運転のため再訪問。

ところがしばらく試運転を行うと今度は別のエラーが出て停止。

その後またシリアル信号異常が再発。

なんじゃこりゃ😆

メーカーの対応にお客さんも呆れているご様子でした。

最終的にメーカーが製品交換してようやく直りました。

基板交換で直らない時点で素直に製品交換していればいいのに・・・
というか現行機種なら初めから製品交換でしょ。

こういう対応が更なるイメージダウンになりますね。

とまあ、こんなことがありました。

やっとここから本題です😅

接地極(アース棒)と接地線(電線)
接地極(アース棒)と接地線(電線)
接地極を地面より深く埋めて接地線で室外機へ接続します。

接地極のリードと接地線を圧着接続
接地極のリードと接地線を圧着接続
リードが5.5m㎡、接地線が1.6mm(2m㎡相当)で合計7.5m㎡なので8m㎡のP形スリーブを使用しました。

接地極はこの辺りに埋設します。
接地極を埋設する場所

砂利をよけて防草シートをめくり穴掘りします。

掘った穴から地中へ接地極を差し込み
接地極を地中へ差し込み
棒を使ってさらに押し込みました。

何が埋まっているかわからないのでハンマーで打ち込むことはしません。

穴を埋め戻す前に専用の計器で接地抵抗の測定
接地抵抗の測定
指針は7.6辺りをフラフラとしながら指しています。

レンジが×10Ωなので76Ω位です。

ルームエアコンではD種接地工事と言って接地抵抗を100Ω以下(規定の漏電遮断器があれば500Ω以下)にします。

接地極は地中深く埋めたほうが抵抗値は低くなります。

さて今度は2階のベランダまで配線します。
地上から2階のベランダにある室外機まで接地線を配線する
配線するルートはこうなる予定です。

接地線は防護管に入れる必要があるので今回は合成樹脂管(塩ビ)を使います。

配線ルートの途中には何カ所か曲がりがあるので
VE管をバーナーで温めて曲げる
VE管をバーナーを使い温めて曲げます。

接地線を通しながら防護管を壁へ固定していきます。

地上部分
接地線を入れたVE管の地上部分

2階への立ち上げ
VE管を2階へ立ち上げ

ベランダの手すり付近から室外機まではフレキシブルのPF管を使いました。
曲がりの多い部分はPF管で

VE管とPF管のつなぎはカップリングで
VE管とPF管をつなぐカップリング

そして接地線を室外機に接続
室外機に接地線を接続
これで工事完了です。

メーカーさんの交換工事で銅管のテーピングが少し変になった感じがしますが・・・

お客さんからの情報でメーカーさんが室内機を取り付ける前に前面グリルを外してうつ伏せに置いて作業したらしく熱交換器が変形したという画像をいただきました。

ザツな作業をするとこういうことになります。

当店の施工の後にメーカーが交換工事することにお客さんは抵抗を感じられていたようで・・・
こればかりは残念ですが致し方ありませんね。

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2021年3月15日 (月)

エアコンの接地工事

横浜市青葉区の一戸建てでエアコンの入れ替え工事を行いました。

しかしコンセントにアース端子がありません。
エアコン専用コンセントにアース端子がない
今ではエアコン用コンセントにアース端子を設けることになっていますが、こちらの建物が建築された当時はまだその規定がなかったのでしょう。

室外機周辺の地面からもアースが接続されていた形跡はありませんでした。

ということで地面にアース棒を埋めて室外機に接続します。

今回使用するアース棒
アース棒
これを使います😊

よくホームセンターなどに売られているものには緑色のコードが初めから付いていたりしますがそれは使いません。

コードはだいたい断面積が1.25m㎡のものが多くエアコンには細いんです。

使用するアース棒にはリード線のようなものが見えますが、その太さは5.5m㎡でそこへ電源の過電流遮断器(ブレーカー)の容量に応じた電線を接続して使用します。
(今回は直径1.6mmのビニル絶縁電線[IV電線]、約2.0m㎡)

電線を接続したら地面に穴を掘ってそこからアース棒を更に地中へ差し込みます。

しかし建物近くは基礎のベース、少し離れると設備配管などが埋まっていてそれほど深くは差し込めませんでした。

あとはどの程度の接地抵抗値になるかです。

ここで毎度おなじみ・・・写真を撮り忘れて没頭😂
ありゃまた忘れてた・・・気付いたときにはほぼ終わってました。

室外機のアース端子に接地線を接続
室外機のアース端子に接地線を接続
緑色の電線を使用します。

地面から室外機までは
カールした接地線
接地線をカールしました。

こうすると次回エアコンを入れ替える際も長さに余裕があります。

それと目立つので草刈りなどで誤って切断なんてことも防げます。

そうそう、肝心の接地抵抗値は
接地抵抗約130Ω
約130Ωです。

D種接地工事(接地抵抗値100Ω以下)という種類で施工したのですが、こちらにはエアコンの電源に定められた定格の漏電遮断器が設置されているので抵抗値は500Ω以下であればOKです。

”以下”という表現から低ければ低いほうがいいと思われがちですが、あまりにも低いと漏電時の地絡電流(地面へと流れる電流)が大きくなるのでほどほどに。

しかしアースがなければ機器が漏電していても大地との抵抗が大きくて漏電遮断器はうまく作動しません。

しっかりと漏電遮断器を動作させるためにもアース工事は必要です。

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2020年11月24日 (火)

アース棒、線が細くて交換

エアコンの設置工事に伴い既設のアース棒を交換しました。(川崎市麻生区)

地面から出ているアース線
地面から出ている既設のアース線
以前ここについていたエアコンに接続されていたようです。

今回当店で新品のエアコンを設置し、このアース線を室外機につなぐ予定だったのですが・・・

どれどれ・・・ホッソ!
既設のアース線が細い
この電線は1.25m㎡です。

内線規程では使用電圧300V以下の機械器具に施設するD種接地工事の接地線(アース線)の太さは、機器を保護するブレーカーが20A以下の場合で1.6mm(2.0m㎡)以上となっています。
(聞きなれない方には意味不明かもしれません😅)

ただし移動して使用する機器で可とう性(フレキシブルに動かせる)が必要な場合に1.25m㎡以上のコードなどを使用可能。

※内線規程とは・・・電気設備技術基準の省令や解釈を具体的にわかるようにした書物。

エアコンって移動しながら使いませんよね?たぶん😁

以前のエアコンを工事した人がホームセンターで買ってきたアース棒を打ち込んだのでしょう。

お客さんへはここまで説明はしませんが、お話しして交換することになりました。

事前にこのようなことがあるのでは?と見積もりに計上して材料も準備していました。

まず既設のアース棒を引き抜いてみると
既設のアース棒を地面から引き抜いた
よくホームセンターなんかで見かけるコード付き。

簡単だから知らない人は使っちゃうんですよね。

アース棒はほとんど地面と同じ深さまでしか入っていませんでした。

新たに使用するアース棒(接地極)
新たに埋設するアース棒
出ている線の太さは5.5m㎡。

ここに1.6mmのアース線を圧着して使用します。

内線規程では接地極が棒の場合、長さ0.9m以上のものを推奨していますが、建物が建った後では現実的ではありません。
(推奨事項なので施工上安全な短いものを使用します)

画像の上に見える赤い柄の工具はP形スリーブ(電線の包合容量m㎡で選定する)などを圧着する工具です。

5.5m㎡+1.6mm(約2m㎡)=7.5m㎡を圧着するのでスリーブはP8=8m㎡用(包合容量6.64~10.52m㎡)を使用します。

接続したら穴を掘って更にそこからアース棒を地中へ押し込みます。

”打ち込み”ではありません”押し込み”です。
建物の周囲は設備の配管などが埋まっているのでハンマーなどでコンコン打ち込むと突き破ってしまうことがあるんですよ。

画像はありません😅

そして接地抵抗測定。
接地抵抗測定
94~97Ω位を指示しています。(多少のふらつきがあります)

100Ωを超えていたら漏電遮断器を見に行こうと思ってましたがすんなりOK。

規定された感度の漏電遮断器がない場合は接地抵抗100Ω以下。
ある場合は500Ω以下にする必要があります。

まあ、今どき漏電遮断器が設置されていないところのほうが圧倒的に少ないですが。

「うちもアース工事してもらったけどこんなことしてるの見たことない」という方、これが本来やるべき工事なんですよ。

日本で行われている中性点接地方式の電源ではアース工事(接地工事)は重要なもので電気工事士の有資格者がすることになっています。

接地線を室外機に接続してアース工事完了
エアコンのアース工事完了

他で工事されたエアコンのアースを見ていると、線を引っ張ったら接地極がなくてスポッと抜けてきたりするところもあります。

もしかするとアースをインバーターノイズ防止程度に考えているのかもしれませんね。

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