真空ポンプの手入れ
10年位前まではよく
「真空引きしてくれますか?」
なんて質問をいただいたものです。
エアコンを取り付けた際に行う真空引きは、室内機や接続したパイプの冷媒管内を一度真空状態にし、そこへ室外機に封入されているフロンで満たすためにおこないます。
冷媒管内に空気などが残っているとエアコン運転時に圧力が異常に高くなったり、水分が凍結して詰まったりする場合もあります。
真空引きをエアパージなどと言うこともありますが、この真空引き方式でパージするようになったのは2000年頃から。
それ以前は無害と思われていたフロンガスを使用したパージ(押し出し・追い出し)が正しい方法として行われていました。
据付工事説明書にそのようにするよう書かれていたのです。
管内の空気を押し出すので当然多少のフロンが大気中に放出されます。
(当時は無害となっていたのでねぇ)
空気が押し出されて管内が冷媒で満たされるまでのパージを時間や微妙に変わる臭いで感じ取って行ったものです。
移設や配管長が長くガス不足になる恐れがある場合はフロンガスボンベを接続して行う場合もありましたねぇ。
フロンによるパージが禁止された後も多くの業者は真空引きという面倒な作業を嫌がって以前のパージを続けいていたのです。
それが冒頭の「真空引きしてくれますか?」のフレーズにつながっていました。
もちろん当店では当初から電動真空ポンプを用いた真空引き方式。
こちらが現在使用している真空ポンプ。
お気に入りのツーステージ100V電動真空ポンプです。
ツーステージは内部でポンプが2段になっていて高い真空度を得られるもの。
そして電源が100Vなので充電式とことなり長時間の運転もOK。
しかもこのポンプは軽くて運転音が静か。
現在のエアコンでは5/16(インチ)ポートしか使わないので1/4ポートには真空専用のゲージを取り付けて使用しています。
電磁弁は逆流防止用。
真空引き運転中に万一電源が切れてしまった際、電磁弁が閉じてポンプのオイルがエアコンに流入しないようになっています。
(逆流防止電磁弁)
現在のエアコンはR410AやR32ですが、それ以前のR22の頃の真空ポンプには電磁弁は必要ありませんでした。
その頃は真空ポンプオイルがエアコンのコンプレッサーオイルと混ざっても問題にならなかったからです。
R410Aが出始めたころはほとんどのポンプに電磁弁が付いていなかったのでオプションで電磁弁を接続して使っていたものです。
いまはエアコン用の真空ポンプには必ず電磁弁もしくは逆止弁がセットされています。
さてさてまえおきが長くなってしまいましたが今回はポンプのオイルを交換します。
まずは入っているオイルをドレン口から排出。
オイルはきれいに見えますがそれでも定期的に交換するのが高真空を保ったり長く使用するのには必要なこと。
下には少し水分もあるので最後はポンプを傾けて排出します。
他社のオイルは粘度などがことなるので性能維持のためにはやはり純正ですね。
オイル量を確認して交換完了。
移設のエアコンで古い冷媒管を再使用すると管内に残留していたコンプレッサーオイルを吸入して少し混ざってしまうことがあります。
そんな場合はまたオイル交換を行うようにしています😊
http://aircon.la.coocan.jp/