冷暖房を切り替える弁
ここのところ暖かくなったり寒くなったりと徐々に冬に近づいてきましたね😊
これからは暖房を使用するシーズンです。
エアコンの暖房はどうやっているの?と思っている方もいるのではないでしょうか。
本体の中に電気ヒーターが入っている?
昔のルームエアコンでは補助ヒーターとして電気ヒーター(電熱)が使われていたり、いまでも一部業務用エアコンでは使われているようです。
でも現在のルームエアコンは電気ヒーターは使わず冷房と同じことをして暖房をしているんですよ。
円筒形で冷媒(フロン)の通る銅管が上から1本、下に3本つながっています。
”しほうべん”とか”しほうきりかえべん”などと呼び、エアコンに精通している人は”4切弁(よんきりべん)”と言ったりします。
円筒形の筒の中にスライドする弁が入っています。
水色の部分は冷媒が流れるところで、白い部分はスライドする弁です。
これだけで冷暖房が切り替わります。
ではこれに冷媒サイクル(回路)を加えて冷房時の運転状態を見てみます。
まずは冷房サイクル。
赤色は冷媒の高圧となる部分、青色は低圧部分です。
(図はクリックで大きく見れます)
左にあるコンプレッサーで圧縮された”高温高圧ガス”は四方弁を通り右下の管へ出ていきます。
(ここでいうガスはガス状の冷媒のこと)
つぎに室外機の熱交換器へ入り、そこで冷媒は冷やされて温度が下がりながら液化し”中温高圧液”になります。
(このとき室外機から熱風がでる)
つぎに膨張弁を通過すると一気に減圧、”低温低圧半液”状態になります。
それが室内機の熱交換器へ流れ込み、室温で温められて”低温低圧ガス”へと変化します。
(このとき室内機から冷風が出る)
そしてコンプレッサーへ戻ってまた圧縮されて再び”高温高圧ガス”へ・・・あとは繰り返し。
とまぁ、こんな感じです。
このことを理解すると気づきますよね。
室内機と室外機を入れ替えれば冷暖房が切り替えられると。
そのための四方弁。
では次に四方弁を切り替えた暖房サイクルです。
四方弁の弁が右にスライドしました。
するとコンプレッサーから来た高温高圧ガスは左の管へと流れ出ます。
そこからつながっているのは室内の熱交換器。
室温で冷媒が冷やされて液化と同時に室内機から温風が出ます。
室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器の部分は冷媒の流れが冷房と逆になりました。
(コンプレッサーの流れは変化しません)
これが四方弁の役割です。
しかしこの弁を動かすには大きな力が必要。
そこでもう1つ小さな弁が脇に付けられていてそれを電磁力で操作し、冷媒の高圧、低圧の圧力差を利用し大きな弁を動かしています。
なのでコンプレッサーが作動していないとこのタイプの四方弁は動きません。
最近のエアコンではあまり聞きませんが、たまにエアコンから”プシュー・・・”と聞こえるのは弁が切り替わった時の音です。
弁が故障すると暖房をかけても室内機から冷風が出たり、またその逆ということもあります。
ややこしい話になってしまいました😅
ルームエアコンは四方弁により冷房と暖房が同じ原理で動いているということですね。
http://kato-aircon.com/