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エアコンの構造

2020年2月 2日 (日)

室外機と室外機は1セット?

取り外した室外機を知り合いにあげたいとの相談をいただきました。

先方の室外機が調子悪いようでそれを交換しようとお考えのようです。

はたしてそれは可能なのでしょうか。

昔、日本が経済発展を遂げ、まだ周辺のアジア諸国が遅れをとっていた頃、処分されたエアコン(クーラー)を他の国で再使用していることをよく聞きました。

それも寄せ集めなので室内機と室外機が別のメーカーなどとかなりアバウトだったようです。

昔のエアコンはそれが可能だったということですね。

なぜそんなことができたかというと制御の仕方に理由があります。

まずはこれをご覧ください。
一定速機の室外機電気配線
これは昔よく使用された室外機電気配線を図にしたものです。
各社だいたいこんな感じでしたね。

ケーブルは4心(4線)のもので室内機と接続されています。

コンプレッサー、ファン、四方切替弁(冷暖房切替弁)へ1線ずつ計3本で配線され戻りは共用1線で賄っています。

この方式は室内機のリレーで各機器をON・OFFし電源電圧をそのまま印加するため室外機の構造が単純で、室内機が他のメーカーであっても方式が同じであれば運転できました。

ただし室内機と室外機の冷暖房能力がちがうとバランスを保つことはできません。
また電気容量も考える必要があります。

それさえクリアできればなんとかなったわけです。

しかし現在はどうでしょう。

よく修理などで室外機に付いている基板をお客さんに見せると
「へぇー、こんなふうになってるんだー」
と電子制御基板が搭載されていることに驚かれます。

これ、
エアコンの制御基板に搭載されているマイコン
エアコンの制御基板に搭載されたマイコンです。

室内機と室外機の両方の基板にマイコンがついて
室内機と室外機がシリアル通信
互いにシリアル通信しています。

指令を出したり、状況を伝えたりといろんなことをやりとりしているわけです。

ただし、この信号は機種ごとに異なります。

機種がちがうと・・・
例えば日本語を知らない異国の人にいくら話しかけても通じません。
またその逆も通じません。

それと同じで通信が成り立ちません。

もしかしたら指令とはまったく違う動きをするかもしれませんね。
実際にはシリアル信号エラーなどで全く動かないのが普通です。

これでは使えません。

それならコンプレッサー、ファンなどの機器に基板を通さず直接電気を投入したら動くんじゃないの?・・・

残念ながらそれもムリ。

シリアルでやりとりするようなエアコンではコンプレッサーやファンはインバーター制御されていて100Vや200Vを直接印加することはできません。

四方切替弁にしても現在では省エネのため起動時に数秒DCで電圧をかけ冷暖房を切り替えるタイプもあるのでこれもだめ。

冷媒の流量制御も電子制御でお手上げ。

単なるリレーのON、OFF制御じゃないんですねぇ。

ということで省エネ性能を追求しマイコン制御が全盛の現在では室内機と室外機の組み合わせを別のものにすることはできません。

同じシリーズでも冷暖房能力が異なっていてはいけません。

室内機または室外機を取り替える必要がある場合は全く同じ機種でなければならないのです。

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2020年1月24日 (金)

エアコンのPAMってなに?

エアコンのPAM制御?

前回の修理記事で出てきた”PAM”。
通称:パム

エアコンの室外機の中の重要部品であるコンプレッサーを駆動させ回転数を制御するインバーター。
PAMというのはこのインバーターの制御方式のひとつです。

実際にはたまたまエアコンで有名になっただけで、そもそもモーター制御の種類のひとつですね。

十年一昔といいますが二昔以上まえからある古い技術です。

エアコンではじめに搭載したのは日立。
(↑これも20年以上前)

当時は”パムだ、パムだ”と宣伝されて室外機にもPAMの文字がでかでかと付いていた記憶があります。

このPAMというのはPulse Amplitude Modulation(パルス・アンプリチュード・モジュレーション)の略でモータへ加えるパルスの電圧を変える方式です。
はっきりいってこれじゃなんのことだかさっぱりわかりませんね。

日本語ではパルス振幅変調。やっぱりわからん。

文字的にはラジオのAM放送がAmplitude Modulation(アンプリチュード・モジュレーション、振幅変調)方式ですがその頭にPのパルスが付いたもの。

はい、もっとわからなくなりましたね😅

小難しい話になってしまうのでその辺は省略してどんなものか簡単に・・・

以前からあるインバーターはPWM方式。
Pulse Width Modulation(パルス・ウィズ・モジュレーション、パルス幅変調)の略でモーターへ加えるパルスの幅(width)を変える方式です。
深く考えず、この辺は”ふ~ん”くらいで流してください。

PWM方式は低回転では不安定で効率が悪く、また回転もあまり上がらないというイマイチな特性がありました。

そこで出てきたのがPAM。

PAMはPWMに比べ効率のよい安定した低回転を実現でき、更なる高回転も対応可能になりました。

PWMで制御するよりもコンプレッサーが広範囲に対応できるということです。

これにより冷房、暖房能力の幅も広がり、ある時は低回転で省エネに、必要な時にはより高回転で高能力へとなります。

寒冷地でエアコンの暖房が使用できるようになったのもこのPAMによるものといわれています。

しかもPAMは力率が高い。

テレビのコマーシャルの所為かPAMは名前だけが先行して当時も”よくわからないけどいいらしいよ”というレベルの認知度でしたね。

これはエアコンのコンプレッサーを駆動(電力供給)するパワーモジュールです。
エアコンのコンプレッサーを駆動しているインテリジェントパワーモジュール
IPM(インテリジェント・パワーモジュール)
大きさは縦方向4cm×横方向2.5cm程度。

以前は単にパワーモジュール(PM)というものでしたが、PAMではインテリジェント(お利口さん)の”I”が付けられます。

増幅するだけでなく制御も担う機能が備わりました。

発売当初はまだ基板に乗らず別に設置されていたような記憶があります。
こんなかわいらしい部品ではなく大きく重いモジュールの上に更にインテリジェントの基板が乗って異様な存在感がありました。
なんかキカイダーの頭のような(古!)

それがこんなに小さくなって、これも技術の進歩ですかね😊

いつからかは知りませんが実際にはPWMとPAMをうまく組み合わせて使われています。

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2020年1月 6日 (月)

エアコンのコンプレッサー(4)

先日からコンプレッサーについて触れてみましたが、今回で一旦やめにしようと思います。
中途半端ですがあまり深くならないうちにやめないと・・・😅

エアコンはヒートポンプサイクルのバランスを保ちながら冷暖房をしています。

しかしそのバランスが崩れると能力が出ないばかりでなく、コンプレッサーを壊してしまう原因にもなります。

そこで出てくるのが保護装置
コンプレッサーの上部についたサーミスタ
これはコンプレッサーの上部に付けてあるサーミスタ

コンプレッサーの温度を検知します。

正常に運転しているときは高くて100℃位(コンプレッサーや環境による)でしょうか。
とにかく熱くて触れません。

ではガスが不足したりしてシステム全体の圧力が下がってくるとどうでしょう。
圧縮の圧力も下がるので温度が下がっていく・・・

とはいかないんですよ。
逆に温度がさらに高くなってしまうんです。
理由は・・・省きます。

以前の画像も含めてコンプレッサーが裸の状態になってますが、本当は周りに隙間なく遮音材がきっちり巻かれています。

なので余計に放熱できず温度上昇しやすい。

ひどいと遮音材の内側が焦げてることもありますからね。

コンプレッサーも焼けてしまいます。

そこで保護装置というものがあります。

ほかにコンプレッサーに内蔵されているものではインターナルサーモというのもあります。

現在のエアコンは画像のサーミスタなどで検知して停止し異常発生を室内機に表示して知らせるというものが主流で、インターナルサーモが付いていたとしてもそれが作動することは稀かもしれません。

このインターナルサーモはモーター巻き線付近にあって高温になると遮断しコンプレッサーを止め、冷めると復帰するようになっています。

ちょっと脱線しますが・・・

インターナルサーモが一度作動するとなかなか復帰しないんですよ。

コンプレッサーは鉄の塊みたいなもので、一旦熱くなるとなかなか冷めません。

業務用エアコンでは復帰させるため水をかけたり、ウチワでコンプレッサーを何十分もあおぎ続けるなんてことをしてました。
こうしないと何時間も待つことになりますから。

「カチンッ」(音が聞こえます)おっ復帰した!とようやく点検できるなんてかんじ。
動かないとどこが悪いのかわかりませんしね。
(ただしまた作動するので短時間で点検)

その他にも保護装置はありますがきりがないのでこのへんで。

なおエアコンが異常を検知して止まった場合、「電源入れ直せばまたしばらく動くから・・・」と何度も繰り返しているとその内容によってはコンプレッサーにダメージを与えるのでやめましょう。

どうでしたでしょうか?
4回に分けて書きましたが取り留めのない内容になってしまいました。

エアコンの根幹をなす部品であるということが伝われば幸いですが・・・

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2020年1月 5日 (日)

エアコンのコンプレッサー(3)

みなさん、エアコンのガス漏れって聞いたことがありませんか?

漏れてガスが減ってくると冷暖房共に効かなくなってきます。

エッ!、暖房は電気ヒーターじゃないの?・・・という方はさすがに最近少なくなりましたね。

ガス漏れで点検をすると漏れている部分に油が付着していることがよくあります。

どこからその油はくるのか?

それは
コンプレッサーのオイルが底部に溜まっている
コンプレッサーのオイルです。

なんでコンプレッサーにオイルが・・・

自動車にエンジンオイルが入ってないまま作動させれば焼き付いたり、異常な摩耗が起きてだめになってしまうのはご存知ですよね。
それと同じです。

コンプレッサー内の各部を潤滑しているんですよ。
オイルがなければ異常摩耗、焼き付きによるロックなどが起きます。

コンプレッサー底部に溜まっているオイルはある程度ガスと一緒に動きまわり圧縮機摺動部やその周囲に付着して機能します。

そしてガスとともにコンプレッサーから吐出されたオイルはそのままヒートポンプサイクルを循環してまたコンプレッサーへと戻ってきます。

そのためガス漏れがあるとそこからオイルも一緒に出てくるというわけです。

またヒートポンプサイクルを循環するオイルはその他部品の摺動部潤滑にも一役買っていると思います。

でもコンプレッサーへのオイル戻りが悪くて潤滑不良になることもあるんですよ。

例えば室内外機を結ぶパイプが許容配管長や許容高低差を超えている場合や指定より太いパイプを使用したりすると起きやすくなります。
ガス不足でもありえますね。

これらはすぐに症状が現れませんが寿命にかかわってきます。

また車のエンジンオイルなどと異なり交換は基本的にしないんですよ。
エアコンが壊れるまでそのままです。

なお新品のルームエアコンにはコンプレッサーにオイルが予め封入されているので現場で入れることはありません。

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2020年1月 4日 (土)

エアコンのコンプレッサー(2)

今回もコンプレッサー(圧縮)について・・・

ルームエアコンのコンプレッサー

日本語名”圧縮機”というように冷媒ガス(フロン類)を吸入管から低圧で吸い込んで、圧縮し吐出管から高圧で吐き出します。
(よく心臓に例えられてたりします)

早い話がポンプみたいなものです。
冷媒ガスを循環させるのもコンプレッサーの役目です。

でもその先の管の圧力が低ければいくら高圧で吐出したとしてもすぐに圧力が下がってしまいます。

なんで吐出したガスが高圧に保てるのかというと、ヒートポンプサイクル(コンプレッサーも含めた冷暖房サイクル全体の管路、冷媒サイクル)の中間に”膨張弁(ぼうちょうべん)”という部品があるから。
そこを境にこんどは逆に減圧します。(コンプレッサーと真逆の機能)

この膨張弁がないとほんとうにただのポンプになってしまい圧縮できないんですよ。
吐出したものがほとんど抵抗なく吸入管へ戻ってしまうのでスカスカ状態になってしまうんですね。(ただのイッテコイで吐出と吸入がほぼ同圧力)

吐出したガスのゆく先がある程度詰まっているからコンプレッサーとして機能してます。

なのでヒートポンプサイクルのコンプレッサーと膨張弁を境にして高圧部と低圧部が入れ替わります。
コンプレッサー吐出管から膨張弁まで高圧、膨張弁からコンプレッサー吸入管まで低圧ってぐあいです。

追記[膨張弁から下流が低圧になるのはコンプレッサー吸入力によるものです]

膨張弁については機会があったらまた書きたいと思います。

また、気体を圧縮すると熱が発生することは理科や実体験で知っている方が多いと思いますが、同じように圧縮して吐出されたガスは吸入側よりも80℃程度(コンプレッサーにもよります)高くなります。

詳しくは書きませんがこの圧力とともに温度が高くなるという現象がヒートポンプサイクルにおいて大切なことなんですよ。
(一方、逆に膨張弁を通過した冷媒は低圧になると同時に温度も下がります)

もしヒートポンプサイクルを詳しく知ろうとする方は各管路での冷媒の圧力、温度、そして状態(気相、液相)を同時に想像できるようになる必要があると思います。

なおコンプレッサーはエアコンの電力消費のほとんどを占めます。
ガスを圧縮するにはそれだけの力とエネルギーが必要です。

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2020年1月 3日 (金)

エアコンのコンプレッサー(1)

エアコンの中にはコンプレッサーがあって・・・という話を聞いたことがあると思います。

お客さんと話をしているときに”コンプレッサーが・・・”というとキョトン(?)とされることもしばしば。

でもそれはしかたありません。エアコン工事をしている人でもコンプレッサーが付いていることは知っているが、それが何のためにあるのかわからないということも珍しくありません。

詳しく知りたい場合はヒートポンプサイクル(冷暖房の仕組み全体)を理解する必要があるのでそこまでは書けませんが、どんなものか紹介したいと思います。

ルームエアコンの室外機内部
ルームエアコンの室外機内部
これは他の修理時に分解した際の画像です。

ちなみにコンプレッサーは室外機に付いているものだと思う方もいるかもしれませんが、業務用エアコンでは室内機に付いているタイプもあります。(リモートコンデンサ形など)

コンプレッサーは日本語名”圧縮機”でその名の通り冷媒ガスを吸入し圧縮して吐出します。

主な種類としてレシプロ、ロータリー、スクロールなどのコンプレッサーがあります。

○レシプロ圧縮機・・・圧縮部が車のピストンエンジンと同じような形状をしていてモーターでクランクを回してピストンで吸入圧縮します。回転を上げても能力が頭打ちになるのでインバーターエアコンには向かず現在ではあまり使われていません。

○ロータリー圧縮機・・・ローターの中をローラーが偏心して回転することで吸入圧縮します。構造が割と簡単で回転を上げるとその分能力が出るので現在の主流となっています。ただし振動騒音が大きいので対策が必要。

○スクロール圧縮機・・・渦巻き状の圧縮機で吸入圧縮します。滑らかな圧縮が可能なため振動騒音が小さく静粛性に優れています。高価なためか現在では一部機種にしか搭載されていません。

スクロールコンプレッサーはその静粛性ゆえに当店のお客さんにはこれを搭載した機種を選定して購入される方もおられます。

このほかにも業務用などを含めればターボ圧縮機、スクリュー圧縮機などもあります。

そしてルームエアコン、業務用パッケージエアコンに使われているコンプレッサーは密閉型といってモーターごとケースの中に収められています。
メンテナンス不要の使い捨てとでもいいましょうか・・・壊れるとまちがいなく高額修理です😱

はっきりいってルームエアコンでコンプレッサーが壊れるとほぼ交換修理はしません。
費用が見合わずエアコン買い替えってパターンですね。

業務用エアコンであれば割と小さくても30万円コースがあたりまえでそれ以上もめずらしくありません。

今回はここまで

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2019年7月 8日 (月)

まだあった・・・日立の4心

先日、エアコンの撤去を依頼されたのですが久しぶりに日立の接続電線4心タイプを見ました。

おぉ、まだ生き残ってたか・・・
日立の内外接続電線4心タイプ
室内機と室外機を結ぶ連絡電線が4本です。

拡大してみます。
4心端子台
接続がちょっとアレですが・・・それはさておき

エアコンの仕様を見ると
エアコン室外機に貼られた仕様
2000年製。しかもフロン22です。

フロン22はこの頃が末期。オゾン層を破壊する物質が含まれているのでもうすぐ全廃になります。
修理もできなくなりますよ。

インバーターエアコンですが製造から20年近くとよくここまで持ったものです。ちなみにまだ壊れていませんでした。

いまエアコンは日立も含めどのメーカーもほぼ3心。

でもその昔、冷暖房エアコンと言えば4心だったんですよ。
まだインバーターがない時代はローテクな制御方式だったのでリレーを介して室外機のコンプレッサー、ファン、四方切替弁(冷暖房切り替えの弁)を4本の電線で電源供給して制御していました。

その後、今から30年以上前に東芝からインバーターエアコンが出されて当初4心だったものが次第に3心へと変わっていきます。

中には三菱電機が5心や6心なんて接続間違いを誘発するもの(これでよく壊す人がいました)があったり、2心+コネクターケーブルでつなぐメーカーもありました。

余談ですが三菱電機は昔、室内機の連絡電線接続端子台が本体の背面に付いていて設置したら見ることができずメンテ性が非常に悪かったものです。

そしてどのメーカーも3心へと移行しましたが、日立だけがいつまでも4心にこだわり続けました。

3心の方が材料費の節約、接続間違いの低減、施工性の向上などいいことがたくさんあります。

でも、10数年前だったでしょうか。ようやく3心に切り替わります。

さすがに時代の流れには逆らえなかったのでしょうか?
マンションなどで建築時に壁に先行配管され埋め込まれたパイプには電線も3心が多く使用されるようになり、これでは4心のエアコンは付けられませんね。

なぜそこまで4心にこだわったのかメーカーさんの考え方はわかりませんが、施工側からみると・・・

室外機の端子台の電気の流れは
室外機端子台の電気の流れ
このようになっています。

このエアコンではコンセントからプラグコードを通ってきたAC100Vの電気が室内機へは供給せず連絡線(ケーブル)を通ってそのまま室外機の端子台(A、B)に入ります。
ここからして3心タイプと異なります。(3心タイプはまず室内機にも電源供給)

そして室外機の制御基板から室内機用の電源とそこに制御信号を乗せて端子台(C、D)から室内機へ向かいます。

これはどういうことかというと、室内機側から電源を取らなくても室外機(A、B)に電源直結することも可能ということです。
その場合、室内機のプラグコードは取り外す必要はありますが、室内側、室外側のどちらからでも電源が取れるということですね。

室外機に電源直結すれば室内機と室外機の連絡線は2心(C、D)だけで済みます。

建物によっては室外機側にエアコン電源があったり、電源を増設する場合に室外機側へ配線したほうが効率が良い場合などにはうってつけの方式と言えます。
現在、室外電源機を探すと少なくて機種が限定されてしまいます。

また室外機1台に対し2、3台の室内機を取り付けるマルチエアコンの場合でも、それ用に室内機を開発する必要はなかったと思われます。
プラグコードを外せばマルチ用の室内機に変身。
しかも1台の室内機のプラグコードからマルチ室外機へ電源供給することも可能。
室内の専用コンセントから取っても良し、室外機に直結しても良しと融通の利く設計だったのです。

ちょっと専門的な話になってしまいました。

4心にもそれなりにメリットがあったということです。
3心タイプではそうはいきません。

そういえば日立のマルチエアコンは10数年前に付けてからお目にかかってません。マルチは他に強いメーカーがありますからね。

ということで撤去は完了。また一台消え去りました。

たまに室外電源機が欲しい場面ではこの日立の4心を思い出します。

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2018年4月 6日 (金)

エアコンの銅管はなに?

エアコンの室外機をよく見るとパイプが2本に分かれてつながっているのが確認できます。

Img_0961

 この画像は室外機のカバーを外してある状態ですが金色のバルブ部分に上下2本のパイプがつながっています。
 中身は銅管ですが、断熱材が被せられていて更にテープを巻いてあります。

 銅管の内側には冷媒(フロン類=一般にフロンガスと呼ばれています)が室外機と室内機を循環して熱を運び冷暖房をします。それをおこなうため往き還りで2本となっています。

銅管はこのようになっています。
20180406

太さが異なっていますね。

 この太さの違いは工事で接続を間違えないことに寄与していますがそれが目的ではありません。冷媒の往きと還りでは状態が異なるためです。

 別の呼び名で細いほうを“細管(ほそかん)”または“液管”、太いほうを“太管(ふとかん)”または“ガス管”ともいいますが、細いほうは液に近く、太いほうにはガスに近い状態の冷媒が流れます。
 冷媒が液状とガス状とに変化しそれを効率よく搬送しヒートポンプサイクルのバランスを保つために太さが異なっています。

 冷房時は液管側から室内機へ向かい、ガス管側で戻ります。逆に暖房時はガス管側から室内機へ向かい、液管側で戻ります。

 たまに液管側を“高圧”、ガス管側を“低圧”と呼ぶ人もいますが現在では正しくありません。
 昔のクーラーはキャピラリーチューブという冷媒を減圧膨張をさせる機構が室内機に装着されていたため液管が高圧、ガス管が低圧だったことのなごりです。

 そのため昔のクーラーは室内機に向かう液管側は冷房なのに暖かくなっていました。

 現在のルームエアコンでは減圧膨張させる機構が室外機内に付けられているため、冷房時は両方とも低圧で冷たく、暖房時は両方とも高圧で暖かくなります。

 管内の圧力は気温などに大きく左右されますが、冷房時は停止時に比べ低くなり暖房時は高くなります。
 特に暖房時は3MPa(30kg/c㎡)程度と高く、フィルターが汚れていると4MPaを超えて非常に高くなります。そのため施工にはそれらの圧力に耐えられる確実性を求められます。

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2018年2月16日 (金)

インバーターエアコンとは・・・

 インバーターエアコンをご存知でしょうか。

 とはいっても現在のエアコンはインバーターがあたりまえで、昔使われていたノンインバーター機(定速機)は一部を除いて発売されていません。

 そのためわざわざ“インバーター”を謳っている機種はないと思います。

 私が学校を出てこの業界に入る前の年あたりからインバーターエアコンが東芝から発売され、他のメーカーではまだありませんでした。
 しかしその室外機ときたら重いこと。28型(冷房能力2800kcal・当時はkWではなくkcal)で40㎏程度はあったと思います。

 インバーターはまだあまり世間で知られておらず室外機や室内機に“INVERTER”と記され、ランプなどで現在の周波数も表示されたりしていました。

当時エアコン工事に行きそのお宅のおばあちゃんが出てきて
 「そのクーラー(モノが)いいの?」
 私「はい、インバーターですからね。」
 「ふ~ん、インベーダーだかコンベーダーだか知らないけど。どうでもいいけど。」
 (どっちもちがいますよおばあちゃん・・・)
なんて会話もありました。

 その後、ナショナルが蛍光灯器具にインバーターを採用したり、他の家電品にも次々と搭載されて何でもかんでもインバーターといわれる時代になりました。
 その後、インバーターは珍しくもなくなりあたりまえの装備となっていきます。

 現在ではエアコンの動作説明をするときなど「インバーターの働きで・・・」といってもお客さまに伝わっていないなと感じることが多々あります。
 そこで今回はインバーターとは何か、説明したいと思います。
 (簡単にしようと思いましたができませんでした。)

まず電力会社などから受電して100Vコンセントに来ている電気は、
S100v_sin
このようになっています。
縦軸は電圧。横軸は時間で左端が0、右端は周波数が50Hzの場合1/25秒(0.04秒)です。

(波形の作図には“十進BASIC http://hp.vector.co.jp/authors/VA008683/”を使用させていただきました。)

 学校の授業でも習うことがあると思いますが、正弦波交流といってサインカーブを描きながら+側と-側に反転を繰り返しています。図では2回繰り返していますので2サイクルぶんを表示しています。

 ご存知の方もおられるかと思いますが交流(AC)100Vというのは実効値(電圧の働きを直流に換算した値)で最大値(山のてっぺん)はその√2倍(約141.4V)です。

 このままの電気を室外機にあるコンプレッサーへ供給して動力とするのが一定速で回る昔のエアコンです。コンプレッサーは電磁リレーによるONとOFFのみで、どうしても室温にムラがでて効率もよくありません。

 また50Hzと60Hz(地域によります)ではコンプレッサーの回転数が異なるため冷房や暖房の能力も異なります。(60Hz地域のほうが能力が高い)
 エアコンの仕様書に周波数ごとの能力や仕様が記載されています。

 一部機種(ナショナル製)で50Hz専用、60Hz専用というものが存在しましたが、周波数が異なってもその地域の周波数専用機を使用することで同じ冷暖房能力を得られるようにした機種と思われます。もちろん周波数が異なる地域では使用できません。

ではインバーターエアコンはどうなっているのか・・・

コンセントから供給された100Vの電気は室内機を経由してそのまま室外機へ送られます。
Img_0308t180215
これは室外機内部の電気部品です。

室外機内部の整流回路と平滑回路を通って
Dc282v
交流(AC)から直流(DC)になりました。

 いったんこのように直流にします。これをコンバーターといいます。
 正弦波交流最大値の倍電圧の約282V(無負荷時)がここから出力されます。理論値なので実際には電源の電圧や負荷などによって変動します。

そして次にインバーターが登場します。

 インバーターは直流になおした電気をもう一度交流に戻します。

 「オイオイなんでそんな面倒なことを」となりますが、こうしないとできないことがあります。

さきほどの大きな直流と電子回路で生成した小さなパルス波をパワートランジスタ(パワーモジュール)というものを用いて変換増幅することで三相交流を出力します。
3s_sin
これをインバーターといいます。実際には電子部品のスイッチングで波形を作っているため細かなギザギザがあります。

 こうなるとわけわからなくなってきますが、コンセントは単相交流100Vでインバーターからでたものはエアコンでは三相交流(電圧は任意)です。
 三相の電気を流すためには3本の電線が必要で、“U/V/W”で表示されます。

 三つの相(位相)はそれぞれ120度ずつずれて(位相差)出ています。

なぜかというと、
3s_enban
この円盤は中心を軸に矢印の方向へ回転するとします。

 赤、黒、青の印がありますがその間隔は中心から120度ずつずれて配置してあります。円盤を赤を手前にするように向きを変えて、回転させながら右に移動させていくとさきほどの三相交流の波形と一致します。
 コンプレッサーなどのモーターを回す回転力を得るには最適な波形です。

そして波形の周波数を倍にすると、
3s_sin_2
この図は前の三相交流波形の周波数を倍にしたものです。

 さきほどの円盤をこの波形に当てはめると前の波形よりも回転数が2倍となります。これこそがインバーターを使う理由で周波数を変えることにより自由な回転数(コンプレッサーの出力)を得られる方法です。

 インバーターから出る周波数は電子回路で生成する小さなパルス波で制御できます。

 早く冷暖房を利かすときにはコンプレッサーを高回転で回して定格よりも大きな出力を、そして希望温度が近づいてきたら定格よりも低回転にして温度ムラを少なく快適な状態を維持します。

 電源側周波数が異なっていてもエアコンの大部分の電気を消費するコンプレッサーは同じ回転数を任意に得られ、全体の電気使用量もほぼ同じになります。そのため仕様書には電源周波数ごとの記載はありません。

室外機内部のコンプレッサー
Img_0609tc180215

3つの端子の周囲に“U/V/W”の記載があります。
Img_0607t180215
なお“U”は隠れて見えていません。

 インバーターは発売から30年以上、回路構成や方式の改良などはありますが使い続けられています。

 かなり長くなってしまいました。簡単にまとめると快適で省電力に寄与するということでしょうか。

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2018年2月 3日 (土)

寒い日はエアコン(暖房)が効きにくい。

 ここのところ関東南部でも寒い日が続きますね。

 積雪のあった日などはエアコンの暖房を入れてもなかなか部屋が温まらないといったお宅も多かったのではないでしょうか。

 このような症状はエアコンの原理、構造からなるもので多くは故障ではありません。

 最近のエアコンは低温時の特性もよくなってきており、昔のように全く効かないなどというようなこともなくなっていると思いますが、外気温が下がればやはり暖房能力も下がります。

 エアコンは暖房をつけると室外機で屋外の熱を奪い、その熱を冷媒ガスに載せて室内機へ運び放出します。そして室内で冷やされた冷媒ガスはまた室外機へ戻って屋外の熱を奪うという、熱を運ぶこと(ヒートポンプ)を連続しておこないます。

 当然、寒い日は屋外の気温が0度前後で、そこから熱を取り出すわけですから効率が落ちます。
 特に雪の降った日は空気中の湿度も高いため、熱を奪われ冷えた室外機の熱交換器(室外機裏のアルミフィンでできたところ)はマイナス温度になり凍り始めます。

 熱交換器が一旦凍ってしまうと室外機ファンの送風量も少なくなり、更に熱交換効率が落ちてどんどんと凍り付いて熱が取り出せず、エアコンはその状況を察知して除霜運転にはいります。

 除霜運転は機種により動作が異なるかもしれませんが、多くは冷媒ガスの流れを冷房運転に切り替えて凍った室外機の熱交換器に暖かいガスを送り込み溶かします。(室内機のランプなどで除霜運転中を表示します。)しかしその時には室内側の送風は止まり室内熱交換器には冷たい冷媒ガスが流れますので冷たい空気がゆらゆらと降りてきて室温は下がってしまいます。この除霜は数分から十分程度で終わりまた暖房運転を開始します。

 外気温が非常に低く、除霜運転を数十分間隔で繰り返してしまうと部屋は十分に暖まらないという状況になります。

 雪や雨の直接あたるところに室外機があると特にその影響が出やすいと思います。

 また朝晩冷え込みの厳しいところ(神奈川では西部地域)では除霜して溶かした水が室外機の底板に溜まり再度凍りつき、その氷がファンに接触し回転できず熱交換不足で暖房が全く効かなくなることもあります。
 寒冷地などでは室外機の底板に取り付ける排水ホースは接続しません。ホース内で水が凍って詰まってしまうためです。
 なお一般的に室外機用の排水ホースはその接続部品も含めて必要でなければ取り付けないほうがよいものです。

 暖房能力が部屋の大きさ対して少ない場合や部屋の断熱性能が低く窓や壁から放熱する量が多いと、普段はさして問題なくても極端に寒い日は暖房が効かなくなることもあります。

 冷房の場合は室温30度程度から25~28度へと数度下げれば涼しく感じますが、暖房は室温10度前後から22~25度へと十数度上げなければなりませんのでその分能力も必要になります。

 エアコンが気温に大きく左右されるのはヒートポンプの弱点といえるところです。暖房の不足した分を他の暖房機器で対応しているお宅もあります。(ただし冷房の能力不足はどうしようもありません。)

 それでも昔のエアコンと比べれば格段に能力は向上しています。

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