省エネエアコンは重いのが欠点
エアコンを新品へ入れ替える工事の依頼をいただいたのですが・・・
お客さんがネット通販で購入される予定の機種は省エネ重視で室内機本体の奥行きが大きくかなり壁から出っ張り、質量が14.5kgと壁への負担が大きいもの。
そこでそのエアコンが設置可能か調査を含め先に古いものを撤去しに伺いました。
現在付いているのは
こちらも奥行きが大きく質量は13.5kgです。
それなら問題なく取り付けられるのでは?
と思うでしょ。
それがそうはいかないことがあるのです。
壁材の石膏ボードがどの程度傷んでいるか、また強度はどうか、それにより取り付けられる質量なども変わります。
もし先にエアコンを購入してしまいそれが取り付けられないとなったら返品できれば良いのですができない場合は面倒なことになります。
撤去が終わってまずは寸法を測り購入予定の機種が入るかを確認していきます。
配管穴の天井からの高さから
こちらの配管穴にはスリーブと呼ばれる筒がないので取り付け時に入れることにします。
これまで付いていた室内機は高さが25cmというコンパクトなもの。
周囲に余裕があるのにもかかわらず天井に寄せて付けてしまっているので配管穴も高めです。
取り付け工事した人がわかっていないとこのような設置をされてしまいます。
新しく設置しようとしている室内機は29.5cm(多くのエアコンはこれくらいの大きさ)なのでかなりぎりぎりです。
「いやいや天井から33.5cmあるから余裕でしょ😃」
残念ながらそうとは言えません。
室内機の上部は吸気や前面パネル開閉、その他メンテナンスのため数センチのクリアランスが必要になります。
あまり天井に近いと効率が低下したり掃除しようとしても手が入らないといったことにも。
なにか気づきました?
壁の変形です。
室内機の荷重が掛かっていたところが引っ張られて手前に膨らんでいます。
壁材の石膏ボードは石膏と言っても粉を固めて紙でサンドしたような感じのもので強い荷重には耐えられません。
なので長期間引っ張られ続け変形してしまったのです。
省エネエアコンは室内機が重くて奥行きが大きいものがほとんど。
よほどしっかりした壁でなければ取り付けられません。
そもそも住宅の壁はエアコンをぶら下げるようには設計されていないのです。
もし据付板(室内機を引っ掛ける鉄板)をまともに設置できないほどの変形があれば壁を張り替えていただくほかありません。
それには内装業者を呼んで高額な工事費用がかかるでしょう。
断言はできませんが、まだこの程度であれば次のエアコンもおそらく設置可能だと思います。
ただし軽量であまり奥行きの大きくない室内機に限定されるため機種を変更していただくことになりました。
「一流のエアコンメーカーが販売しているのだからどの家でも設置できる」とは限らないのです。

http://aircon.la.coocan.jp/
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