漏電はなおったけれど・・・
エアコンから漏電しているとの点検依頼をいただきました😊
こちらがそのエアコン。
分電盤の漏電遮断器が作動したそうで、コンセントからプラグは抜かれエアコン回路のブレーカーも落としてありました。
さっそくエアコンを絶縁抵抗計で測ってみると
指針はゼロを指しています。
完全に漏電しています。
エアコンの漏電で多いのは室外機の中の部品など。
室内機と電気的に分離して計測するとやはり室外機で漏電しています。
電気部品が密集しているところで調査します。
部品を一つずつ調べると膨張弁という部品から漏電していることがわかりました。
正確には膨張弁コイル(電磁コイル)。
この段階で他に故障がないか念のため膨張弁コイルを外して電源投入し冷房運転。
漏電部品を外しているので電気の漏れはなくなり漏電遮断器は作動しません。
冷房サイクルで室外機が動き始めました。
しかし膨張弁が動かない状態で長時間運転するのはよくないので冷えを確認したら短時間で止めます。
他に故障はないようなので室外機の外板を戻して
その後、修理費の見積もりを行い部品交換することになりました。
電線の外装シースがむきすぎですね。
たまにこの部分で漏電することもあるので後で直すことにします。
これです。
ステッピングモーターになっていて弁を細かく開けたり閉めたりします。
こちらのメーカーさんの名称は膨張弁コイルではなく”制御モーター”とのことでした。
抜いたコイル側のサビが付いたものです。
内側がサビだらけになっています。
新しいコイルを取り付ける前に磨きました。
そのまま付けると錆がコイルに移るので。
取り付けました。
コイル側が回ってしまわないようにロックを確認。
外板を戻して電線をむきなおして接続。
これくらいの長さがちょうどいいです。
絶縁抵抗を測定して問題なく、電源投入して冷房運転。
室外機が動き出し、温度測定・・・ところが
5分ほど様子を見ていたところ突然パタンッと室外機が停止😯
その後は動きません。
なにかあったか?
室内機の様子を見に行くと何事もないように運転し続けています。
停止して再度運転しなおすとまた室外機が動き出し、数分後パタンッと停止。
何度やっても同じ。
この機種は異常があってもエラーを表示しない仕様らしく、調べたらシリアル信号異常。
漏電とはまた別の故障です。
と、ここでお客さんから「以前からドライにしても湿度が下がらず、冷房も調子悪かった」とのこと。
あらら~、漏電が起きる前からシリアル信号異常で室外機が止まっていたようですね。
制御基板の故障だと思いますが、メーカーに聞いたところ結構なお値段。
近頃なにもかも値上がりしてますね。
修理するか、それともエアコンを買い替えるか検討いただくことになりました。
普通のエアコンのようにシリアル信号異常が出たらすぐにランプ点滅などで異常を知らせるようになっていれば漏電の前にその故障に気付いていたことでしょう。
たまにこのようにエラーを知らせないエアコンがありますが、これメーカーさんの策略ではないかと思っています。
エラー発生をすぐに知らせてしまうと問い合わせが殺到して夏などは大変なことになります。
ただでさえメーカーの家電部門は縮小傾向、”拠点減らし”、”人減らし”で対応しきれていないのに、そのうえエラーに気付いたユーザーから問い合わせが来たら・・・
近年はメーカーに問い合わせても待たされることが多くなりました。
「折り返します・・・」と電話がかかってくるのがあくる日なんてことも。
それだけ人がいないのでしょう。
今回の結末から言えることはエラーを出していなくても何かおかしいと思ったときは点検したほうがよいということです。
また「ちょっとおかしいけどもうすぐ夏も終わるしまた来年異常があれば考えよう」なんて対応をしていると保証期間が終わってしまったり、補修部品がなくなり手遅れなんてパターンもあるので気を付けたほうがよいですね。
http://aircon.la.coocan.jp/
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