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2024年8月

2024年8月29日 (木)

漏電はなおったけれど・・・

エアコンから漏電しているとの点検依頼をいただきました😊

こちらがそのエアコン。
漏電しているエアコン
分電盤の漏電遮断器が作動したそうで、コンセントからプラグは抜かれエアコン回路のブレーカーも落としてありました。

さっそくエアコンを絶縁抵抗計で測ってみると
絶縁抵抗計の指針はゼロを指している
指針はゼロを指しています。

完全に漏電しています。

エアコンの漏電で多いのは室外機の中の部品など。
漏電している室外機
室内機と電気的に分離して計測するとやはり室外機で漏電しています。

外板を外して調べることにします。
室外機の外板を外す

電気部品が密集しているところで調査します。
室外機内部の部品を調査する
部品を一つずつ調べると膨張弁という部品から漏電していることがわかりました。

正確には膨張弁コイル(電磁コイル)。

この段階で他に故障がないか念のため膨張弁コイルを外して電源投入し冷房運転。

漏電部品を外しているので電気の漏れはなくなり漏電遮断器は作動しません。

冷房サイクルで室外機が動き始めました。

しかし膨張弁が動かない状態で長時間運転するのはよくないので冷えを確認したら短時間で止めます。

他に故障はないようなので室外機の外板を戻して
室外機の外板を元通り付けた
その後、修理費の見積もりを行い部品交換することになりました。

部品が入荷し再訪問。
取り寄せた部品

また外板を外します。
部品交換のため室外機の外板を外す

電線の外装シースがむきすぎですね。
ケーブルの外装シースがむきすぎ
たまにこの部分で漏電することもあるので後で直すことにします。

側面の外板も外すと膨張弁コイルが見えました。
外板を外すと膨張弁コイルが見えた

これです。
漏電している膨張弁コイル
ステッピングモーターになっていて弁を細かく開けたり閉めたりします。

こちらのメーカーさんの名称は膨張弁コイルではなく”制御モーター”とのことでした。

コイルを外しました。
コイルを外した
円筒形の部分にサビが付着してますね。

抜いたコイル側のサビが付いたものです。
コイル側のサビ
内側がサビだらけになっています。

新しいコイルを取り付ける前に磨きました。
コイルを取り付ける前に錆を落とした
そのまま付けると錆がコイルに移るので。

さてこちらは新しいコイル。
新しいコイル

当然ですがサビはありません。
新しいコイルの内側

取り付けました。
コイルを付けた
コイル側が回ってしまわないようにロックを確認。

配線して制御基板に接続。
配線して制御基板に接続
配線は必要箇所を結束バンドで固定。

外板を戻して電線をむきなおして接続。
電線をむきなおして接続
これくらいの長さがちょうどいいです。

絶縁抵抗を測定して問題なく、電源投入して冷房運転。
部品交換が終わって冷房運転
室外機が動き出し、温度測定・・・ところが

5分ほど様子を見ていたところ突然パタンッと室外機が停止😯

その後は動きません。

なにかあったか?

室内機の様子を見に行くと何事もないように運転し続けています。

停止して再度運転しなおすとまた室外機が動き出し、数分後パタンッと停止。

何度やっても同じ。

この機種は異常があってもエラーを表示しない仕様らしく、調べたらシリアル信号異常。

漏電とはまた別の故障です。

と、ここでお客さんから「以前からドライにしても湿度が下がらず、冷房も調子悪かった」とのこと。

あらら~、漏電が起きる前からシリアル信号異常で室外機が止まっていたようですね。

制御基板の故障だと思いますが、メーカーに聞いたところ結構なお値段。

近頃なにもかも値上がりしてますね。

修理するか、それともエアコンを買い替えるか検討いただくことになりました。

普通のエアコンのようにシリアル信号異常が出たらすぐにランプ点滅などで異常を知らせるようになっていれば漏電の前にその故障に気付いていたことでしょう。

たまにこのようにエラーを知らせないエアコンがありますが、これメーカーさんの策略ではないかと思っています。

エラー発生をすぐに知らせてしまうと問い合わせが殺到して夏などは大変なことになります。

ただでさえメーカーの家電部門は縮小傾向、”拠点減らし”、”人減らし”で対応しきれていないのに、そのうえエラーに気付いたユーザーから問い合わせが来たら・・・

近年はメーカーに問い合わせても待たされることが多くなりました。

「折り返します・・・」と電話がかかってくるのがあくる日なんてことも。

それだけ人がいないのでしょう。

今回の結末から言えることはエラーを出していなくても何かおかしいと思ったときは点検したほうがよいということです。

また「ちょっとおかしいけどもうすぐ夏も終わるしまた来年異常があれば考えよう」なんて対応をしていると保証期間が終わってしまったり、補修部品がなくなり手遅れなんてパターンもあるので気を付けたほうがよいですね。

Katoairconservice_mark160
http://aircon.la.coocan.jp/

2024年8月26日 (月)

外壁の配管カバーから水漏れ

横浜市内の一戸建てにて、外壁の配管カバーから水が漏れているという点検依頼をいただきました😊

現地に到着してさっそく見てみると、
外壁の配管カバーから水が漏れている
配管カバーから漏れ出た水を下のカップで受けていました。

上を見上げると配管カバーは2階からおりてきています。
配管カバーは2階からおりてきている
あやしいのはてっぺんのあたり。

壁の配管穴の少し下です。

二連梯子を使って登りカバーを開けました。
配管カバーを開けた
すぐに目についたのは冷媒管接続部に巻かれた防湿テープ。

これを屋外で使うと雨水などを吸い込んで機能しません。

またこのテープには保持力がないため断熱材に隙間ができてしまいます。
(下に少し銅管が見えてしまってますね)

でも今回の水漏れ原因はこの部分ではありません。

よく見ると・・・
ドレンホースが抜けている
排水用のドレンホースが抜けて10cm位下がっています。

おもてに出してみると
ドレンホースの抜け
こんな状況。

ビニルテープがほどけてホースはぶら下がってました。

テープを取り去り、試しに差し込んでみるとゆるゆる
ドレンホースの差し込みがゆるい
サイズが合っていません。

サイズが合う部分にカット。
ドレンホースの接続サイズが合う部分にカット
これでグイグイと力を入れて接続します。

ビニルテープをしっかり巻きます。
ドレンホース接続部をビニルテープでしっかり巻く
これだけで安心してはいけません。

抜けないようにさらに施工しますがその前にこれ、
冷媒管の断熱材が縮んで銅管露出
防湿テープで巻いてあっただけなので断熱材が縮んで10cmほど銅管が露出しています。
(できるだけ防湿テープをはがしました)

断熱材を追加
銅管に断熱材を追加

ビニルテープで巻きます。
追加した断熱材をビニルテープで固定

そして仕上げはこのコーテープ
コーテープ

接続部分とその上下全体を冷媒管、ドレンホース、電線をまとめてコーテープでテーピング。
テーピング
これでドレンの抜けや断熱の縮みによる隙間を防止します。

配管カバーを戻して漏れがないことと排水状態を確認し完了😊

ところが1階にも1台同じような症状があるとのこと。

そちらもカバーを開けてみると
ドレンホース抜け
2階と全く同じ症状。

こちらはビニルテープはほどけることなくホースだけがすぽっと抜けた感じ。

先ほどと同じ作業を繰り返し修理完了しました😊

配管カバーは仕上がりはきれいなんですが、中はどうなっているかわりません。

室内外問わず水漏れに関する問題が多い印象です。

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2024年8月23日 (金)

三角スケール

先日、現地調査で建物の図面を見せてもらったときのこと・・・

何年ぶりかにこれを使いました。
図面の寸法を測る物差し
図面の寸法を測る三角スケールです。

久しぶりすぎて持っていることすら忘れてました😅

この図面は縮尺1/50なのでスケールの1/500の目盛で測ります。

在来の木造(軸組み)などでは測らなくてもいいのですが、こちらの建物はツーバイフォー工法。

柱のように入っているスタッドは不規則なので室内機や穴開けの位置を図面をみながら決めました。

三角スケールの名はこの形状からきているらしいです。
三角スケール
ちょっと三角とは異なりますが。

むかし業務用エアコンばかりを施工していたころには毎日のように図面とにらめっこしていたので三角スケールは必需品でした。

そのころはこれを「さんすけ」と呼んでましたが。

ビルなどの天井内は給排水管、電線、埋め込み照明器具、換気ダクト、消防設備配管などがたくさん通るので好き勝手にエアコンの配管はできません。

新築現場では図面を見て、他の設備業者と相談しながら、ときには図面と異なるルートを配管したりもします。

なので他の業者の図面を見させてもらうこともよくありました。

「うちの図面はこうなってるから・・・」とその通りにばかり施工していると後で他の配管などと絡んでしまいやり直しなんてことに。

図面に設備を落とし込む(書き込む)人が図面を立体的に把握できてなかったりエアコンを知らないと余計に大変。

ただ単に線を引っ張っただけで他の設備と絡みまくり😆

冷媒管の管径もデタラメで技術資料を見ながら全部計算し直し。

とそんなことを思い出させてくれる三角スケールです😅

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2024年8月20日 (火)

エアコンが冷えすぎる

温度設定を高くしても部屋がどんどん冷えて寒くなってしまうという点検依頼をいただきました😊
(横浜市内)

エアコンは2016年にこちらのお客さん宅が新築時に当店で以前のお住まいから移設したもので2015年製。

しかし冷え過ぎるという点検依頼はめずらしいですね。

数十年前の古~いエアコン(クーラー)ではリレーが溶着して室外機が回りっぱなしになって冷え過ぎたり室内機が凍ったりしたものですが。

スイッチ切ってんのに室外機が回ってるなんてあったな~(ほのぼの)

現在のインバーターエアコンでそのようなことはないでしょう。

現地到着。
リモコンの温度設定は32℃
リモコンの温度設定は最高の32℃。

室温は30℃程度。

風量を自動にすると弱くなるはずの吹き出す風が最大風量で出てきます。

室外機を見に行くとこちらもコンプレッサーがほぼ最高回転で回っています。

どうやら室内機の室温センサー系の異常のようですね。

センサーが断線したり、ショートをするとエアコンはそれを検知してエラーを出します。

しかしそれはありません。

室温センサーを見てみることにします。

エアコンの吸い込み口周辺にはセンサーがありませんでした。

ということはこの中か・・・
室内機にあるスリット
本体底部にあるスリットの中のようです。

この位置、もしかして・・・

お客さんに最近エアコンの洗浄を業者に頼んだか聞いてみると、去年の夏の終わり頃にしてもらったとのこと。

それか・・・

前面グリルを外しました。
前面グリルを外した
基板があります。

見たところ室温センサーはありません。
エアコンの基板
外してみることにします。

裏の配線パターン側に付いてました。
チップ部品のサーミスタ
ついていた綿埃を取ると出てきました。

2mm程度のゴマ粒のようなチップ部品のサーミスタです。

え、これエアコン用に使うの?初めて見たような。

よく基板上の温度を測定するのに使用する基板表面実装部品です。

周囲の配線パターンは洗浄時に流れ込んだ薬品により劣化しています。

下の方にある電気部品は洗浄するとき外さないとダメなんですよねぇ~

でもそのままやってしまったのでしょう。

サーミスタからプリントパターンを追っていくとこちらが制御基板(マイコンなどが載っているメイン基板)へとつながるコネクタへの半田付け部分。
基板の半田付け部分
こちらも綿埃が付いていたので取り去りました。

やはり周囲はパターンが薬品でやられてますね。

メーカーへ電話して30℃のときのサーミスタ抵抗値を聞き、マルチメーターで測定するとほぼ問題ない数値。

手でサーミスタを温めると抵抗値は低下していき正常のようです。

エアコンで使用される温度測定用のサーミスタはネガティブタイプなので温度が上がると抵抗値が下がり、逆に温度が下がると抵抗値が上がります。

あれ~、予想とちがったようで制御基板側の故障か?

ここでふと気づきました。

さっき取り去った綿埃・・・

しかもそれには薬品が染み込んでいた・・・

それがサーミスタの電極部分やコネクタへの半田付けのところに付着していて並列回路となり抵抗値を下げていた(温度が高いほうへズレていた)のではないか。

ということはもう直っているのでは?

室内機を元通りに戻して運転しました。

リモコンの温度設定を26℃にすると吹き出す風が強くなり、30℃で落ち始め、32℃で弱風へ。

おっ、やっぱり直った😄

室外機の回転(周波数)制御も正常。

でもあの基板、かなり劣化してコネクタリードの付け根も薬品により緑青が噴いている状態。
コネクタに緑青
この先また不具合が出るので交換することにしました。

部品を取り寄せ再訪問。
取り寄せたエアコン部品
基板となにやら追加で付けるスポンジテープ。

メーカーさん曰く基板は代替部品だそうで。

部品に不具合などがあると改良されて代替部品に入れ替わります。

電装ボックスを外して制御基板とつながるハーネスを配線できるようにしました。
配線のため電装ボックスを外した
ボックスの中央を貫通するように通すのでこうしないとできません。

スポンジテープを説明書通りに貼り付けました。
対策用のスポンジテープを貼り付けた
これは吹き出し口からの風が基板やサーミスタに回り込まないようにする対策のようです。

そして新しい基板についているサーミスタは
新しいサーミスタ
これが本来の空気温サーミスタですね。

樹脂のような素材でモールドされています。

やはり同じような不具合が他でも多発したようでチップ部品ではなくなりました。

このようにメーカー部品は不具合があると改良されます。

なのでエアコンの場合は基板上に付いているパーツを汎用品に交換して修理するのはやめたほうがよいわけです。

取り付けました。
基板を取り付けた
今度のサーミスタは見えますね。

このほうが感度もよさそうです。

制御基板に抜いたコネクタを再接続
制御基板にコネクタを接続

正面から配線の状況を確認します。
配線の状況を確認する
なにを見てるかって?

左にある熱交換器は冷房や除湿時に結露して水が出てきます。

その水が付近を通る配線を伝って漏れ出したり、制御基板などの方へ流れ込まないか配線ルートを確認しています。

前面グリルを取り付けて絶縁抵抗を測定したら運転開始。
エアコンを運転開始
リモコンで温度を上げたり下げたりして動作を確認。

正常動作で作業終了です😊

電気部品や配線接続部などに流れたり付着した洗浄用薬品は通電すると化学反応で劣化や緑青を発生させます。

これにより火災になった事例もあります。

やはりエアコン洗浄もきちんとした業者へ頼まないとこういった不具合が起きやすくなります。

なお当店ではエアコンの掃除や洗浄はおこなっておりません。
(自分の家のだけは自身でやりますけどね😆)

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2024年8月18日 (日)

点検、急に冷えなくなった

先日まで効いていたエアコンが急に冷えなくなったという点検依頼をいただきました😊

場所は川崎市内の一戸建て。

”急に”というのは機械的な故障の可能性がありますね。

さて今回はどんな結果が出るのでしょうか・・・

こちらが室内機。
冷房の効かない室内機
冷房で設定温度を最低、風量を自動にして運転。

室外機のバルブを触るとたしかに冷房は効いていない状況。

運転を停止しサービスポートで圧力を測ると2MPa程度ありこの日の気温からは正常圧力。

再度冷房運転で低圧圧力を測定。
低圧圧力は0.5MPa
0.5MPaで安定し、かなり低い。

ガス管側のバルブ温度は
ガス管側バルブ温度は30℃
30℃

スーパーヒート(過熱度、ひとケタ代が理想)は40℃ほどあるため冷媒はほとんど入っていません。

ガス抜けですね。

ガス抜けと言えば室内機本体内部にある熱交換器。
(車のラジエターみたいなところ)

リークディテクター(冷媒漏れ検知器)で室内機を測定。
リークディテクターで冷媒漏れ反応あり
センシティビティを一番低いLowにしてもメーターが振り切れ、警告音が出ました。

熱交換器左端での漏れです。

これは急に冷媒が漏れ出たのではなく、おそらく去年あたりから漏れ始めていたのではないかと思われます。
(穴が大きくなって徐々に漏れる量は多くなっているのでしょうが)

昔のエアコンは冷媒が減ってくると徐々に冷えが悪くなったものでした。

しかし現在は各センサーで温度を測定して冷媒流量を制御しているため、限界をむかえるまで冷媒が減らないとある程度効いてしまうのです。

その限界を超えて急激に冷えなくなってしまったというのが今回の症状でしょう。

こちらのエアコンは購入から今年で5年目ということで、冷媒サイクル部品なのでぎりぎりメーカー保証で無償修理になると思われます。

メーカーに連絡していただくことになり点検終了です😊

またもや室内熱交換器のガス漏れでした。
(多いねぇ~)

それと冷えが弱くなったエアコンをムリに使用するとコンプレッサーが傷むのでやめたほうがいいですよ。

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2024年8月15日 (木)

エアコンと室外機風向板の取り付け

一戸建てにエアコンを設置する依頼をいただきました😊

室内機は2階の角に取り付けます。
室内機の設置場所
左にはエアコン専用コンセントがあります。

しかし配管穴がないのでこちらで穴を開けます。

室外機はすぐ後ろのバルコニーに設置。
室外機設置場所

では施工開始。

お客さんより図面を見せてもらったところ筋交いがシングルで入っていることがわかりました。
壁の中に筋交いがシングルで入っている
図面上には左右どちらに筋交いがあるかまでは記載されていませんでしたが、こちらの場合は画像の位置(左)に入っているはずです。

なので筋交いのない室内機右後ろに配管穴を開ければ大丈夫。

念のため内部を探りましたがやはり右には筋交いはありませんでした。

穴開けに使用するのはこのコアドリル。
コアドリル

まずは石膏ボードだけ開けて
石膏ボードに穴を開けた
内部に電線などがないか確認しながら断熱材をよけます。

右側にはすぐ柱があります。
穴のすぐ右に柱がある
室内機の設置位置の関係で柱にできるだけ寄せて開けています。

そして外壁まで貫通。
外壁まで配管穴を貫通

外壁側
貫通した穴を外壁側から見る

配管穴にはスリーブ(筒)を入れました。
配管穴にスリーブ(筒)を入れた

室内機の取り付け。
室内機を取り付けた
これで室内側が完了。

そして室外側も取り付け完了。
室外機まで取り付け完了
パイプは配管化粧カバーで仕上げました。

さて、室外機の右側と前面には壁があって風通しがよくないですね。
室外機の右側と前面に壁があって風通しがよくない
こちらのバルコニーには植物などを置く予定だそうで・・・

壁にぶつかった熱風や冷風が手前に吹き出して植物にはよくない感じです。

そこで今回、エアコンと共に風向調整板もご用意いただきました😄
室外機の風向調整板
これを取り付けます。

こちらの風向調整板は、
風向調整板の取付説明書
ねじ固定のため室外機にドリルで2カ所、3mmの穴を開けるそうです。

しかしドリルの室外機への挿入限度は10mmとなっています。

それ以上入ると内部の部品を破損する恐れがあります。

でも・・・そんな短いドリルはありませんが・・・
Φ3mmの鉄工ドリル
40mm位あります😅

これではたぶん穴が開いた瞬間に勢いでズボッ😱と30mm程度は入ってしまいますねぇ。

なので作業車から塩ビ管(合成樹脂電線管)を持ってきました。
ドリルに塩ビ管を被せて使用する
ドリルの刃が先端5mm程度出るように塩ビ管をカット。

これで大丈夫です。

穴が開きました。
室外機にねじ穴を開けた
ここへ付属のねじで固定します。

取り付けました。
室外機に風向調整板を取り付けた
風が上向きに吹き上げるように設置。

試運転をすると
風向調整板で風が上向きに
風は風向調整板で斜め上向きに吹き出しますが、前面に壁があるためその作用で真上方向に吹き上げます。

手前には吹かないのでこれなら植物を置いても大丈夫でしょう。

そしてこれ、吹き出した風が背面に戻るショートサイクルになりにくいためエアコンの効率向上にもなります😄

エアコンの動作確認は問題なく作業終了となりました😊

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2024年8月12日 (月)

エアコン専用回路増設

神奈川県内の集合住宅でエアコン入替工事とエアコン専用コンセントの増設を行いました😊

撤去するのはこちらのエアコン。
撤去したエアコン
すでに冷房が効きません。

冷媒漏れで、使用年数から交換することになりました。

しかし問題が・・・

これまでエアコンの電源を専用回路(エアコン専用のコンセント回路)ではなく床付近にあるコンセントから延長コードで使っていたのです。

10年以上前はこのような施工をする業者が大多数を占めていましたが、当然ながら発煙発火やエアコンが停止するケースが発生。

いまでは量販店の下請け工事業者さんでも専用回路がなければエアコンの設置を断るようにしているそうです。

今回、エアコンの取り付け後にコンセントの増設工事も行います。

さていきなりですが新しいエアコンの取り付けが終わりました。
新しいエアコンを取り付けた
ここからは電源工事になります。

賃貸の住宅なので事前に専用回路の増設やそれに伴う穴開けの許可はお客さんより施設管理者に取っていただきました。

合わせて、ドリルでコンクリート壁面に穴開けを行うため施工音に関して周囲の方への声掛けもしていただいてます。

コンセントはエアコンの左につけます。
コンセント設置位置
そこから左に配線し壁が板の部分に穴を開けて貫通し分電盤へと配線する予定。

壁を抜けると左に分電盤があります。
分電盤への配線予定経路
壁の貫通部以外はコンクリートなのでコンクリートドリルで穴開けし電線をサドルでねじ固定します。

まずは壁貫通部の穴開け。
10mmの木工ドリル
10mmの木工ドリルを使用。

開けました。
壁に電線を通す穴を開けた

今回使用する電線はVVF2.0mm×2心。
VVF2.0mm×2心
コードではなくケーブルです。

コンセントボックスを取り付けて配線。
コンセントボックスを付けて配線

分電盤側も配線
分電盤側の壁を配線
分電盤からコンセントまでの距離が短いので楽です😄

コンセントを取り付けます。
コンセントを取り付ける
エアコンは15Aですが20A兼用を取り付けました。

15Aのコンセントではゆるみを生じやすく発熱することがあるため。

コンセント側はこんな仕上がり。
コンセント側の仕上がり

つぎは分電盤。
分電盤の中
3回路しかなく年代を感じますね。

一番右が空き回路で未使用なのでここをエアコン回路にします。

左の白いのは接続器(単に電線を接続しているだけ)。

以前はここに電力会社の電流制限器があったのですが、電力計がスマートメーターに変わりこれに置き換わりました。

そのため主幹電源を任意に切ることができないのでここは生かしたまま作業します。

ついている小ブレーカーは
小ブレーカーは昭和49年製
昭和49年製😅

50年前ですねぇ、機能するのでしょうか。

でもこちら漏電遮断器がないのでエアコン回路の小ブレーカーは漏電遮断器付に交換してしまいます。
小形漏電ブレーカー
正確には漏電遮断器にOC(オーバーカレント、過電流遮断機能)付。

仕様は2P1E20A30mA。

2Pは2極(2線)、1Eは1素子(過電流の検知素子が1つで100V用)、20Aは遮断電流、30mAは漏電遮断電流という感じ。

形状はついていた小ブレーカーと同じです。
小形漏電ブレーカー

交換して配線接続。
ブレーカーを交換して配線接続
電源側が切れないので慎重に行います。

このブレーカー(1E)にはLとNの極性があるので検電して間違いがないか調べます。
検電ドライバーでブレーカーの極性を調べる
L側で検電ドライバーが点灯しているのでOK。

たまに幹線側で配線が間違っていて逆になっている建物があるので確認します。

回路の絶縁抵抗を測定してからブレーカーON。
ブレーカーON
テストボタンを押して漏電遮断機能をチェックし再度ON。

コンセントの極性も調べます。
コンセントの極性を調べる
こちらは右側がLで検電ドライバーが点灯しているのでOK。

コンセントの電圧を測定し105Vで問題なし。

エアコンも絶縁抵抗測定したらプラグを差し込み運転開始。
エアコン運転開始
試運転確認も問題なく作業終了です😊

もしエアコンを延長コードなどで使用しているところがあったら早めに電源工事したほうがよいと思います。

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2024年8月 9日 (金)

ガス漏れでエアコン入れ替え

都内の一戸建てに設置されたエアコンが冷えないということで点検に伺ったところお客さんから
「冷房を入れると室外機の細いパイプ(バルブ)が凍っている」
との情報。

運転を止めた状態で圧力をみると
冷媒の圧力が低い
この日の気温からしてかなり低め。

これは冷媒漏れで間違いなし。

圧力は1.3MPa(13kg/c㎡)ほどありますが冷媒は空っぽに近い状態です。

冷媒管接続箇所や室外機をリークディテクター(漏れ検知器)で調べても漏れはありませんでした。

ということはまたまたココか
室内機
室内機内部の熱交換器からの漏れ。

現在のガス漏れの定番の場所です。

今回、室内はリークディテクターの誤反応(室内に入っただけで反応がフルに出っぱなし)で漏れを判定できませんでしたが、まずここでまちがいないでしょう。

もしかしたら本当に漏れ出た冷媒に反応していたのかもしれませんが。

使用年数からエアコンを入れ替えることになりました。

なんたって熱交換器の冷媒漏れによる修理は高額ですから。

後日入れ替え工事に再訪問😊

室外機側から撤去を開始します。
室外機側から撤去を開始
パイプに取り付けられた配管カバーはまだ使えるのでそのまま再使用します。

外壁の配管上部にある室内機との冷媒管接続部分。
室内機との冷媒管接続部
太い管には巻かれていた断熱材が溶けてくっついていました。

暖房時にかなり高温になった証拠です。

これにより冬の時期にはすでに冷媒がほとんどなくなっていたことがわかります。

冷媒が少なくなるとコンプレッサーの吐出温度が高くなるので断熱材が溶けてしまうのです。

暖房時はその吐出温度の高さで温風が出て冷媒が少なくなっていることに気付きにくいのでしょう。

冷房時期になって「あれ、冷たい風が出ない・・・」となるわけです。

その後いつものように工事を行い、新しいエアコンの設置が終わって試運転中。
新しいエアコンを試運転中

新しい室外機。
新しい室外機

いままで設置されていた室外機の台はプラスチックのベースでしたが土の上ではどうしても傾いてきます。

なので安定性バツグンのコンクリートブロックを使用。
室外機の台にコンクリートブロックを使用
室外機の足はねじで固定。

作業は無事終了しました😊

今後、室内熱交換器からのガス漏れを減らすことができるのか、各メーカーさんに期待したいところですね。

Katoairconservice_mark160
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2024年8月 6日 (火)

穴開け位置が問題・・・

横浜市内の一戸建てでエアコン設置工事を行いました😊

室内機を2階に、そして室外機は地面に置きます。

まずは室内機の設置から始めます。
室内機の設置を始める
据付板の取り付け位置が決まりました。

いつもであれば本体後ろにパイプを通す穴を開けて配管するのですが・・・

こちらではそこに穴を開けてしまうと外壁に梯子が掛けられず施工不能。

しかも図面を見ると筋交いがダブル(たすき)に入っていてあたる可能性が高くきびしい。

右側面の壁には外壁から電気の幹線、光ファイバー、アンテナ線が引き込まれており、それに加えこちらも筋交いダブル🤔

ここに開けるしかない・・・
配管穴の予定位置
壁に付けた黒い物体は間柱の位置で、その左は壁内に配線類が通っています。

なので間柱のすぐ右をねらえば配線と筋交い両方をかわすことができます。

そしてこちらはその外壁面。
配管穴を開ける外壁面
左には大きな地デジアンテナが。

間柱からあまり離れるとアンテナの上になってしまいます。

しかし間柱にぴったり寄せて穴を開けると設置予定の配管カバーが右の配線引き込み口に干渉する恐れがあるのでそれも計算して穴を開けます。

無事穴開けが終わり、穴にスリーブ(養生管)と室内の配管カバーを取り付けました。
配管穴にスリーブと室内の配管カバーを取り付けた
この部分の配管カバーは排水が流れやすいように穴に向かって下り勾配をつけてあります。

さて外側は
外壁に貫通した配管穴
うん、ばっちり😄

ここからストレート真下に配管します。

室内から配管。
室内側から配管作業
断熱とテーピングが終わりました。

屋外側の配管作業。
二連梯子で屋外側の配管作業
二連梯子で行います。

室外機を設置して屋外側は完成です。
屋外側完成

最後に室内側も配管穴をパテ埋めしてカバーを取り付け工事完了。
エアコン取り付け工事完了
試運転はお客さんと共に確認し異状なく作業終了となりました😊

今回、お客さんが建物の図面を用意してくださりそれが大いに役立ちました😄

家を買ったら筋交いや柱の配置がわかる図面を必ずもらっておきましょう。

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2024年8月 4日 (日)

コンセント100Vから200Vへ

200Vのエアコンを設置するとき、壁のエアコン用コンセントが100Vなんてことがよくあります。

今回もエアコンの設置が終わったところでコンセントを200Vへ交換します。

もちろん事前に200Vに交換できることや配線の太さなどは調査済みです。

エアコンを付けたのに200Vに切り替えできなかったらえらいこっちゃ😰ですからね。

まずついているのは
エアコン用の20A125Vコンセント
定格20A125V(100V用)のコンセント。

これは15Aでも使用できる兼用タイプです。

内部の配線の太さを確認。
コンセント裏の配線の太さを確認する
絶縁被覆を測っていますがこれで内部導体の太さがわかります。

いままで20Aのコンセントがついていたから同じアンペア数が付けられると思ったらいけません。

たまにエアコン設置業者が15Aまでしか付けてはいけないところ(配線)へ20Aのコンセントを設置してしまっているお宅があるのでそのようなことがないか確認します。

つぎに分電盤の内部。
分電盤内部
下段の左から3つ目が該当回路のブレーカー。

念のためこちらでも配線の太さを測定。
配線の太さを測定
測定の結果、20Aコンセントの設置は問題なし。

ということで200V用のコンセントに交換しました。
200V用コンセントに交換した
20Aと15Aの兼用タイプ

定格20A250V
定格20A250Vのコンセント
でもこれでは形だけが変わっただけで実際の電圧は100Vのまま。

ブレーカー上部の銅バーを切り替えて200Vにしました。
銅バーを切り替えて200Vに
この切り替えは分電盤のメーカーや種類で方法が異なります。

該当のブレーカーは20Aの100V・200V兼用なのでそのまま使用可能でした。

回路の絶縁抵抗を測定して問題なし。

コンセントの電圧は200Vになりました。
コンセントの電圧は200V
アナログテスターなのでわかりにくいですね。

300Vレンジに合わせているので黒い数字と目盛を見て20が200Vです。

なので正確に読むと205Vです。

すこし200Vをオーバーしていますがこれが普通。

エアコンを運転すると(電流が流れると)屋内配線やその他途中配線での電圧降下で数ボルト落ちます。

運転していないとき(無負荷)で200V丁度では問題はありませんがちょっと低めです。

これで200Vに交換完了😊

あたりまえのことですが、これらの工事は無資格ではできません。

電気工事士という国家資格が必要となります。

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http://aircon.la.coocan.jp/

2024年8月 2日 (金)

配管カバーから水が出る

外壁に取り付けられた配管カバーから水が出るという点検依頼をいただきました😊

場所は都内のマンション。

現地到着。
現地到着
どこかの下請けエアコン屋さんの施工だと思いますが見た目には普通に設置されています。

水が出るのは配管カバーの下から
配管カバーから水が出る
試しに室内機に水を注入するとけっこうな量がカバーから落ちます。

カバーを開けてみます。
配管カバーを開けてみた
室内から配管された排水用のドレンホースは断熱タイプで途中にカフスという接続部品を使って室外用のドレンホースへとつながっています。

その接続部は
ドレンホースの接続部
一見抜けているようには見えませんねぇ。

もしかすると下についている逆止弁が詰まって水位上昇して漏れ出たのでしょうか・・・

接続部で漏れているのは間違いないようですが。

もうちょっと引っぱり出して見やすいように・・・
ドレンホースを見やすいように引っぱり出す
上の断熱ドレンホースとカフスは接着接続。

そして下の室外用ドレンホースとカフスは差し込むだけでビニルテープで固定するようになっています。

なので抜けるとしたら室外用ドレンホースですが・・・

あれ~😆
断熱ドレンホースからカフスが抜けた
そっちかい!

接着してあるはずの断熱ドレンホースが抜けました。

抜けた部分を見ると接着剤の跡がない。

接着し忘れたみたいです。

水を流す管を接着接続する場合は接着剤を塗布する前に試しに接続してはいけないというのが基本だと思います。

基本的な施工方法をしらないとミスの元になります。

抜けかけた状態でしばらく使用していたので接続部分は汚れなどが付着。

しっかり掃除してから接着剤で接続しました。

10分ほど放置して水を流し漏れのないことを確認。

そしてテープでしっかり固定しました。
ドレンホースを接続
この状態で再度室内機へ注水して漏れがないことを確認。

配管カバーのフタを元通りに取り付けました。

ここでおわりかと思ったらもう1つ水が落ちるところがあるとのこと。

室外機のこの部分。
室外機から水が落ちる
たまにポタリポタリと落ちるそうです。

これは一目見て原因はわかりました。

この部分は冷媒管接続部のバルブがあり、そこから落ちた結露水がカバーを伝って室外機の中へ流れるようになっています。

が、このカバーの取り付けがきちんとはまっていない。

付け直しました。
バルブカバーを付けなおした
隙間なくぴったり。

これにて完了😊

今回の不具合は”手抜き”ではなく”手抜かり”の工事です。

おそらくほかのお宅でもいろいろやらかしていると思いますね。

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