音の原因は逆勾配
「エアコンからポンポン音がする」との点検依頼をいただきました😊
この依頼が来るということはそろそろ冷房・ドライを使い始める季節ですね。
エアコンは他業者さんが施工したもの。
現地到着。
室内機からコンコン・・・と一定のリズムで音が聞こえました。
よくポコポコ音と表現されていますがこれは排水ドレンホースの中で空気が勢いよく流れるときに発生する水の弾ける音。
マンションではよくある症状です。
気密性の高い建物では換気扇により室外より室内の気圧が負圧になるためドレンホースの中を水の排出を妨げるように空気が流れます。
とくに施工がいまいちでホースに逆勾配があるとその部分に水たまりができて吸い戻されたり弾けたりと音の出やすい状況になります。
それでは音の出ているところを探します。
音の質からして室内機からは離れたところで出ているような感じがしたので外へ。
ドレンホースの端末に電線が巻かれてますがそれにより持ち上がって逆勾配になっています。
よくこのようなことをエアコン屋さんがやってますがダメですね。
先端におもりを付けて持ち上がらないようにしたつもりかもしれませんが、それ自体で逆勾配になっています。
電線を外したところホース内に溜まっていた水が出てきました。
これでいったん音が消えたのですが室内機へ試験用に注水するとこんどは室内機の近くでコンコン・・・。
室内機のドレンホース付け根付近を見ましたが問題はなさそう。
外から配管穴のパテをはがしてみると
ドレンホースと配管穴の両方が逆勾配🤔
配管穴はマンション建築時のコンクリート打設前の型枠に取り付けられたスリーブ(筒)が曲がっていたか、もしくはコンクリートを流し込む際に生コンがドサッとあたった衝撃で曲がってしまったか、流し込んだ直後にスリーブ内の空気の浮力で動いたかのいずれかでしょう。
これはもうどうしようもありません。
しかしこのエアコンを設置するときにはパイプをひねって勾配を少しでも確保することができたと思いますが。
現状のまま中のパイプの修正を試みましたがムリでした。
これを修正するにはエアコンを取り付けなおす必要があり、お客さんと相談しましたが今回は逆止弁(室内への空気の流れをとめる弁)を取り付けることになりました。
ベランダの床から20~30cm程度のところに逆止弁を取り付けます。
メーカーはエバック社製のもので名称は”消音バルブ”
室外機とパイプで挟むようにして固定。
排水テストをして音は消えました。
そしてお客さんへ逆止弁の説明書を渡しました。
逆止弁を取り付けた場合はご自身で定期的にメンテナンスをする必要があります。
それを怠っていると詰まって室内に水が漏れて大変なことに。
1台の点検依頼でしたが、つづけて追加でもう1台同じ症状で点検することになりました。
これねぇー、寝室で音が出ると寝れないんですよ。
結構大きい音なので。
室内機からのパイプの勾配がちょっと少ないですね。
そして外からパテをはがしてみると配管穴の中に少し逆勾配部分がありました。
室内機に注水すると「スコンスコンスコン・・・」というような速いテンポの連続音。
これもパイプを修正するのは容易ではありません。
こちらも逆止弁で対処することになりました。
が、しかし逆止弁の用意が1つしかなかった・・・🤔
ところがなんとお客さんが新品を持っていたのでそれを使います😄
(以前のお住まいで同じことがあり持っていたようです)
取り付けました。
こちらは因幡電工製の製品名”おとめちゃん”ですね。
♪しんだはずだよおとめちゃん~、ちがうちがう😅
どうしてもこれをみるといつも”お富さん”のメロディーが・・・(頭の中グルグル)
排水試験をして音が止まったのを確認。
点検および処置終了となりました😊
今回は逆勾配の程度が軽微であったため逆止弁の設置でもなんとかなりました。
これがもしホース内が水で満たされるほどの逆勾配では室内へ水漏れする危険性が高く、エアコンを取り付けなおす必要があったと思います。
なお、ドレン勾配を確保していれば逆止弁を付けなくてもポコポコ音はかなり防ぐことができます。
まずは確実な施工が第一ですね。
http://aircon.la.coocan.jp/
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