室内の配管カバーから水漏れ
マンションの室内に取り付けられたエアコンの配管化粧カバーから水が落ちるという点検依頼をいただきました😊
症状が出たのは去年の冷房シーズンのようです。
マンションの場合、室内配管に配管カバーを付けると内部の冷媒管やドレン管に結露を起こしやすくなります。
それが溜まって時折ポタポタ・・・と落ちてくることがあります。
その点ではテープ巻き仕上げの方が見た目は劣りますが結露問題は少ないですね。
では手前のほうから点検開始。
はじめに目についたのが配管カバーの逆勾配。
これでは中のドレン管も逆勾配になって排水が滞りポコポコ音の元になったり、状況によっては詰まって室内機から水漏れを起こします。
配管カバーの中にドレン管も入れる場合は水平に取り付けてはだめ。
必ず逆勾配の部分ができてしまいます。
エアコンは外に向かって下り勾配でドレンを施工するのが基本中の基本となっています。
室内機と配管カバーの境付近に水の垂れた跡が
内部のパイプが結露して出てきた形跡です。
カバーを開けてみます。
冷媒管の接続部に巻かれた防湿テープが劣化し触ると崩れて粉々に。
断熱材には各所隙間ができて中の冷媒管(銅管)が見えています。
これでは結露水が多量に出てきてしまいます。
断熱をめくると接続のフレアナットまで見えます。
この劣化した防湿テープはあるエアコンメーカーのもの。
ほかでも見たことがありますが加水分解を起こしているのか理由はわかりませんが長期使用しているとこうなります。
ま、それ以前に施工不良もあります。
断熱材を防湿テープだけでとめていて、本来するべきビニルテープとコーテープ(非粘着テープ)での固定はしていません。
これではどのみち防湿テープが劣化しなくても断熱材が収縮して隙間ができていたことでしょう。
そしてその先を見ると
こんなところに電線接続が・・・だめだこりゃ
このような結露水で濡れるようなところで接続するものではありません。
しかも周囲は燃えるものに囲まれています。
ちょっと考えれば危険だとわかりますよね。
このような接続だとエアコンがエラーを出したり火災事故なども発生するわけです。
とりあえず内部の状況はわかりました。
外したカバーを元に戻します。
次にもう1台の点検を行います。
配管化粧カバーの施工は1台目とそっくりです。
でもカバーを開けると雰囲気がちがうので2人で工事にきて同時に設置したのかもしれません。
電源コードが一緒に入っています。
なんかヘンな施工です。
ドレンホースは断熱されていないので結露が発生していたことでしょう。
それと電源コードがつぶれています。
カバーのフタに挟まれた状態でねじで締め付けられたためです。
インパクトドライバーを使ったのでしょう、おもいっきりつぶされてます。
これはもう危険の域。
ショートや内部の素線切れで過熱発火の恐れがあります。
こちらも状況はわかりました。
カバーのねじが見えていまいち。
なお、こちらの水漏れの前にはマンションの大規模修繕工事などもあったようなので、それによる穴埋めパテの隙間拡大で外気流入量増加も配管結露に拍車をかけていると思います。
しかしどちらのエアコンも製造から18年なので不具合や施工不良の程度から修理せず買い替えということになり点検終了😊
エアコン工事の質は隠されて見えないところに表れているといっても過言ではありません。
表向きはきれいに設置されているようでも裏ではどうなっているかわかりませんので。
困ったものですがこれが現実です。
http://aircon.la.coocan.jp/
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