PC-8201 ハマった・・・
今回はエアコン記事ではありませんのであしからず😊
先日NEC PC-8201の偏光フィルターとバッテリー交換の記事をアップしましが、
その後、壊してしまった画面コントラスト調整用のポテンショメータ(可変抵抗器、ボリューム)がやはり調子悪く交換。
仕事に使えるプログラムを組んでしばらく調子よく使っていましたが・・・
使用していたところ電話が入り応対しながら画面をふと見ると何となく黒っぽくなったような気が。
コントラスト調整で表示を薄くしてもまた徐々に黒く・・・
電話を切ったころには真っ黒け😅
あらまー、コントラスト調整のダイヤルを回しても変化しなくなってしまいました。
こりゃ電源系統のコンデンサなどがだめになったのか?
それとも交換したポテンショメータがもう壊れたのか?
ポテンショメータはネット通販の安物(5個セットで¥500位)なんですよねぇー😅
PC製造時の40年前に使われた同じものなど見つからず、しかもダイヤル式となると種類がほとんどなかったので仕方ない。
本体を開けてみてみます。
メインボードに表示のコントラスト調整があり、同基板から表示基板へフラットケーブルで接続されています。
ネットからコントラスト調整の制御部分の回路図を手に入れました。
右半分くらいがコントラスト制御部分。
左は表示基板へ接続されるコネクタのピン配置です。
この回路図、のちに出てきますが”VR1”が「ポテンショメータ」と「コネクタピン」の両方にあるので混同注意です。
とりあえず交換したポテンショメータ(Bカーブ50kΩ)を計測しましたが異常なし(回路図内のポテンショメータVR1)。
純正のものとは形状が異なるため基板へ直接実装できずリード線で接続してホットボンドで固定したという荒業😆
下にはR10(100kΩ)とR77(10kΩ)もあります。
こちらも計測しましたが正常な値で問題なし。
基板のパターン(配線)も断線などなく正常。
電源を入れてVEE(グランドGNDからは-5V)とVDD(グランドGNDからは+5V)間の電圧は仕様通り10Vで正常。
電源系統のコンデンサの疑いは劣化はあると思いますが一応晴れました。
不具合のない段階でやたらに交換すると別の部分をかえって壊すこともあるので控えておきます。
つぎにトランジスタを調べるとC(コレクタ)とE(エミッタ)間に漏れ電流が・・・
これが原因か?とりあえずトランジスタを交換してみるか・・・
トランジスタの基板上の表記が回路図上のQ2と異なるT2になっていますが、回路図は海外向け製品PC-8201A(仕様がちょっと異なる)のサービスマニュアルのためです。
ということで買ってきました😄
純正と同じ2SC2603(NPN形)というものです。
しかし買いに行ったお店にはクラスEと呼ばれる電流増幅率(hfe)が低いものしかないと言われました。
基板についているのはクラスF。
ま、Eでも大丈夫じゃないのかな~。
ということで他の不具合にも対応できるように20個購入。
(基板上の他の部分の多くが2SC2603)
1個¥33だったのでたいした金額ではありません。
2個ありましたよ😄
でもそれは電源系が故障した場合に使うことにして今回はクラスEを使うことにします。
文字が細かいのでお店の方はFが紛れ込んでいることに気付いてないのでしょう。
さっそくトランジスタを交換して電源オン!
・・・だめだ😵ざんねん
依然画面は真っ黒。
トランジスタじゃなかった・・・
たしかに取り外したものを計測すると正常でした。
そりゃそうだ😅R77を介してコレクタとベースがつながっているからエミッタへお漏らしするのは当然。
やめた寝よ💤しばらく放置して考えることに。
日を改めて・・・
もしや表示基板のICなどの故障か・・・
とくに右にあるICが関連深いのですがもしそうだとしたらすでに入手は困難なもよう。
海外製の別メーカーで基本回路がPC-8201と同じ機種(TRS-80 MODEL100)のサービスマニュアルがネット上で見つかりました。
VDD―ベース間、VEE―ベース間にそれぞれコンデンサがついてますがそれ以外は全く一緒の回路。
英語の説明文には
「VR2(←これVR1の間違いでしょう)によりV2(コネクタピン=トランジスタのエミッタ)電圧を変更することでLCD表示を変更可能」となっています。
その電圧範囲は
V2が約0~4V(グランド基準)となっています。
なのでVEEから見ると約+5~9V程度ということですね。
しかし基板上でVEEとV2(PC-8201ではコネクタピンVR1端子)間の電圧はポテンショメータを回しても10V程度一定で変化なし。
となるとやっぱり抵抗(ポテンショメータVR1、R10、R77)とトランジスタ(T2)の回路のどこかに問題があるとしか考えられない。
でも計測の結果は問題ない抵抗値、そしてトランジスタは交換したので異常はないはず🤔
回路に断線もなし。
ますますわからなくなってきました。
やめた寝よ💤
日を改めて・・・
ここでちょっと荒業を・・・
ポテンショメータVR1を撤去して別の安定化電源からグランドGNDとコネクタVR1(実際にはトランジスタのエミッタ)間に1.5~3V(VEEからは6.5~8V)を加えてスイッチを入れてみると正常な画面表示が・・・
やっぱり抵抗の回路のどこかに異常があるとしか考えられない。
でも計測では正常だし・・・寝よ💤
またまた日を改めて・・・
ポテンショメータVR1(50kΩ)、R10(100kΩ)、R77(10kΩ)の3つを新品へ取り替えてしまうことにしました。
(画像はポテンショメータ撤去前のもの)
それぞれ外してしまいます。
外した状態で再度基板のパターンに断線がないか確認し問題なし。
もちろん外した抵抗も測定・・・
と、R10(100kΩ)が
まじか~断線してる🤔
(テスターのレンジはDC12Vではなく180度反対側の×1kΩレンジです)
おかしいなー、基板上では100kΩ程度あったのに・・・
調べたらその原因がわかりました。
VDDとVEE間には別の回路で約40kΩ程度がつながっていたのです。
イメージはこんな感じ
なので基板上で断線したR10の抵抗値を測るとその別回路の40kΩとポテンショメータVR1の50kΩ、R77の10kΩの直列回路になりテスターが100kΩ程度を指していたわけです。
そしてポテンショメータVR1とR77はR10が断線しているため別回路の回り込み影響はなくそれぞれ単独で計測しているのと同じ正常な数値となっていたと・・・
(計測にはトランジスタとテスターの極性には注意する必要があります)
ハマった・・・😵
ようやく原因がわかりホッとしましたが。
故障発生時は徐々に数分かけて画面が黒くなったことから抵抗R10も内部でゆっくり断線していったことがわかりますね。
バックアップバッテリーが過去に少し液漏れしていたようで半田のノリがだめだめでした。
(上にあるオレンジ色のものが先日交換したバックアップバッテリー)
またトランジスタのエミッタ(コネクタピンのVR1)の電圧を計測してみます。
VEEにテスターのマイナスを接続。
この状態でパソコンの電源をオン。
抵抗交換前は10V程度だったものが少し下がりました。
おお、ばっちり👌
本体を元通り組んでスイッチオン!
やったーなおったー\(^o^)/
コントラスト調整も不具合なし。
苦節1週間(寝てばっかり😆)なんとか修理できました。
しかし単純な抵抗の断線だったとは・・・
長い年月を経て劣化していたところへいきなり使い始めたからびっくりして壊れたようです。
40年物のPCなのでこれからもなにが起こるかわかりませんね。
やれやれ。
http://aircon.la.coocan.jp/
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