冷媒管のつぶれ
他店施工のエアコンの点検を行っていると・・・
なんだか冷媒管に無理な曲がりが。
断熱材の上から触ってみると変形を確認したので断熱をはがしました。
やっぱり折れてつぶれています。
角度を変えてみると折れた部分が細くなっています。
なぜこのようになってしまったのか・・・
それは銅管を急角度に手で曲げたのでしょう。
こちらの銅管の太さはΦ12.7mmというルームエアコンでは太いタイプ。
手で小さなR(半径)で曲げるのはちょっとムリ~。
折れた部分の銅管寸法をノギスで測ってみますね。
まずは変形して広がったほう
Φ12.7mmだったものが16.4mmに広がっています。
ある空調の書籍には
「配管のつぶれ状態(変形率)が0.7より小さい場合、能力が低下するのでやり直すこと。1/2インチ(Φ12.7mm)以上の配管曲げは原則としてパイプベンダーでおこなうこと。」
と記されています。
折れた銅管の変形率を計算すると、
=細い方÷広い方
=7.3mm÷16.4mm
≒0.45
と0.7には程遠い状態。
冷暖房能力が低下してますね。
もっと変形率が小さくなるとそこから音がするようになります。
それはエアコンを使うと水道の蛇口から水が出ているような”シャー・・・”という大きな音です。
大きな曲がりならば手で銅管を曲げても折れたりつぶれたりすることはありませんが、こちらのような半径の小さな曲げでは書籍にある通りパイプベンダー(冷媒管専用の銅管を曲げる工具)を使用しなければ難しいでしょう。
ルームエアコンといえどもパイプベンダーを使用するシーンはときどきあります。
ただ、ルームエアコン専門で業務用エアコンを施工したことのない業者さんはベンダーを持っていないとか使ったことがなくわからないといった方もいます。
状況にあわせ適切な工具を使用することも確実な施工には必要なことです。
http://aircon.la.coocan.jp/
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