室内配管化粧カバーからの水漏れ
前回の記録簿では外壁の配管化粧カバーからの水漏れでしたが、今回は室内側に取り付けられた化粧カバーからの漏れの修理です😊
場所は東京都大田区内にあるマンションの一室。
室内機の右側に設置された配管化粧カバーからの水漏れ。
この時期(暖房時期)には漏れてきませんが夏に何度か水が下のテレビに落ちたそうです。
冷房時に継続的な水漏れではないということはドレン排水の漏水ではないでしょう。
ついでなので・・・
エアコンの真下に電気製品や濡れて困るものを置いてはいけないことが取扱説明書に書かれています。
水漏れなどの際、被害を最小限に止めるため。
さて、では点検から。
水が漏れたのはココ。
室内機から下がってきたところの曲がり部品。
外した部品の内側を見ると
水の漏れていた跡(汚れ)が残っていました。
この水漏れは配管の結露によるものと判断。
カバー内の配管状況は・・・
冷媒管は断熱の上に隙間なくテープが巻かれています。
ドレンホースも断熱タイプが使用されてます。
でもこの配管が表面結露したとしか思えません。
その理由は・・・
壁の配管穴のカバーを開けてレンジフード(台所換気扇)を回していただくと
配管とパテの隙間から外気がスースー勢いよく入ってきています。
(お客さんにも確認していただきました)
おそらくこれが原因でしょう。
夏はここから入った外気(熱風)が配管化粧カバー内の温度と湿度を上昇させて冷たくなっているパイプの結露量を増加。
集まった水滴がカバーの継ぎ目から漏れ出てきたといった具合です。
そのため継続的な漏れではなく、その時の温度や湿度、エアコンの運転状態に影響されたまに漏れてくるという状況になったのではないでしょうか。
また、外気はカバー内を通過し室内機背面などにも流れ込み、室内機の結露増加や室内温度の誤検知を招きます。
パテにできた隙間は設置当初しっかりと埋められていても時間が経つにつれ徐々に断熱材の痩せ(収縮)などにより発生します。
配管化粧カバーは見た目はよいのですが、このような結露問題が起きやすいのが欠点。
今回の補修方法としては穴の隙間をなくすことで対処することにしました。
新しいパテで隙間なく埋めます。
一旦この状態でレンジフードを回していただき室内側で確認すると外気の流入は止まりました。
(こちらもお客さんに確認していただきました)
埋めたパテはまた長期経過後に隙間ができてきます。
それを防止するためシリコンシーラントを表面に塗布することにしました。
(透明なのでよく見えませんが😅)
ゴム状に固まりパテの硬化と隙間を防ぐことができるでしょう。
室内側は現在のパテの上から補強するかたちで埋めました。
こちらはヘタにパテをはがすとドレン勾配が崩れるので重ねる方法にしました。
室内側のカバーも戻して作業完了😊
あとは来年の夏にどうなるか確認していただくことになります。
今回のようなパテの隙間は断熱材の収縮のほか、マンションの大規模修繕工事でも発生します。
修繕工事ではパイプがつながったままの室外機をあちらこちらに移動させるためです。
(ひどい場合はドレン勾配が崩されて異音や水漏れ、そのほか冷媒漏れ(ガス漏れ)となることもあります)
また室内の配管化粧カバーは見た目以外になんのメリットもない、逆に今回のようなデメリットとなるケースがあることを知っておく必要もありますね。