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2023年12月

2023年12月31日 (日)

室内配管化粧カバーからの水漏れ

前回の記録簿では外壁の配管化粧カバーからの水漏れでしたが、今回は室内側に取り付けられた化粧カバーからの漏れの修理です😊

場所は東京都大田区内にあるマンションの一室。
エアコンの配管化粧カバーから水が漏れる
室内機の右側に設置された配管化粧カバーからの水漏れ。

この時期(暖房時期)には漏れてきませんが夏に何度か水が下のテレビに落ちたそうです。

冷房時に継続的な水漏れではないということはドレン排水の漏水ではないでしょう。

ついでなので・・・
エアコンの真下に電気製品や濡れて困るものを置いてはいけないことが取扱説明書に書かれています。

水漏れなどの際、被害を最小限に止めるため。

さて、では点検から。

水が漏れたのはココ。
配管化粧カバーの水漏れ箇所
室内機から下がってきたところの曲がり部品。

この部品を開けてみます。
配管化粧カバーの曲がり部品を開ける
内部はすでに乾燥している状態。

外した部品の内側を見ると
外した部品の内側を見ると水漏れ跡が
水の漏れていた跡(汚れ)が残っていました。

その先のカバーの内側は
配管化粧カバーの内側を見る
少し汚れているような・・・

外してみました。
配管化粧カバーの内側が水漏れによりかなり汚れている
やはり水漏れでかなり汚れてました。

この水漏れは配管の結露によるものと判断。

カバー内の配管状況は・・・
化粧カバー内の配管
冷媒管は断熱の上に隙間なくテープが巻かれています。

ドレンホースも断熱タイプが使用されてます。

でもこの配管が表面結露したとしか思えません。

その理由は・・・

壁の配管穴のカバーを開けてレンジフード(台所換気扇)を回していただくと
配管とパテの隙間から外気が勢いよく入ってくる
配管とパテの隙間から外気がスースー勢いよく入ってきています。
(お客さんにも確認していただきました)

おそらくこれが原因でしょう。

夏はここから入った外気(熱風)が配管化粧カバー内の温度と湿度を上昇させて冷たくなっているパイプの結露量を増加。

集まった水滴がカバーの継ぎ目から漏れ出てきたといった具合です。

そのため継続的な漏れではなく、その時の温度や湿度、エアコンの運転状態に影響されたまに漏れてくるという状況になったのではないでしょうか。

また、外気はカバー内を通過し室内機背面などにも流れ込み、室内機の結露増加や室内温度の誤検知を招きます。

パテにできた隙間は設置当初しっかりと埋められていても時間が経つにつれ徐々に断熱材の痩せ(収縮)などにより発生します。

配管化粧カバーは見た目はよいのですが、このような結露問題が起きやすいのが欠点。

今回の補修方法としては穴の隙間をなくすことで対処することにしました。

まずは外壁側から。
外壁に設置された配管化粧カバー
配管穴部分を開けます。

やはり隙間ができてます。
パテと配管に隙間ができている

硬くなったパテをはがしました。
配管穴のパテをはがした

新しいパテで隙間なく埋めます。
新しいパテで配管穴を隙間なく埋める
一旦この状態でレンジフードを回していただき室内側で確認すると外気の流入は止まりました。
(こちらもお客さんに確認していただきました)

埋めたパテはまた長期経過後に隙間ができてきます。

それを防止するためシリコンシーラントを表面に塗布することにしました。
パテの上にシリコンシーラントを塗布
(透明なのでよく見えませんが😅)
ゴム状に固まりパテの硬化と隙間を防ぐことができるでしょう。

カバーを戻して周囲をコーキング。
化粧カバーを戻して周囲をコーキング

室内側は現在のパテの上から補強するかたちで埋めました。
室内側のパテを補強
こちらはヘタにパテをはがすとドレン勾配が崩れるので重ねる方法にしました。

室内側のカバーも戻して作業完了😊
室内側のカバーを戻して補修作業完了
あとは来年の夏にどうなるか確認していただくことになります。

今回のようなパテの隙間は断熱材の収縮のほか、マンションの大規模修繕工事でも発生します。

修繕工事ではパイプがつながったままの室外機をあちらこちらに移動させるためです。
(ひどい場合はドレン勾配が崩されて異音や水漏れ、そのほか冷媒漏れ(ガス漏れ)となることもあります)

また室内の配管化粧カバーは見た目以外になんのメリットもない、逆に今回のようなデメリットとなるケースがあることを知っておく必要もありますね。

Katoairconservice_mark160

2023年12月26日 (火)

外壁の配管化粧カバーから水漏れ

外壁に設置されたエアコン用の配管化粧カバーから水が漏れるという点検依頼をいただきました😊

場所は東京都内の一戸建て。

当店へは今回はじめてご依頼いただいたお客さん宅です。

現地へ到着し状況は
外壁に設置された配管化粧カバーから水が漏れる
2階の配管穴から地面に設置された室外機付近まで配管化粧カバーで配管されています。

エアコンが2008年製なので設置されたのは15年ほど前。

しかしこの時期に冷房や除湿は使用しないので水漏れが起きたのは夏のことだと思います。

水漏れを再現するため室内機に注水してみると
室内機に注水すると外壁の配管化粧カバーから水が漏れ出た
窓の上のコーナー部品のところから水が漏れて滴下しています。

しかも結構量が多い。

お客さんはこの下にある窓ガラスに水が流れているのを室内側から見て気付いたそうです。
お客さんは窓に流れる水を見て漏れに気付いた
以上のような状況からほぼ何が原因かは察しがつきました。

本日も二連梯子でたのしい?高所作業😅
二連梯子を掛けて作業
2階の配管穴付近(地上約5.5m)へ上ります。

さてその前に1つ問題が・・・
配管化粧カバーが塗装で固着している
配管化粧カバーが外壁塗装の際に一緒に塗られてしまっており固着しています。

(ジョイント部品が上下逆さまについているのは施工した人のセンスなので気にしないことにしましょう😆)

カバーを開けようにも塗料でねじの頭が埋まっておりドライバーが立たず回せない。

ねじの頭の+部分を削ったりしてなんとか回して外しました。

このねじは再利用ができません。

それに加えてカバーの蓋も全部塗装で固着しているので叩いたり切り込みを入れて外しましたが一部割れてしまいました。

配管化粧カバーは叩き割らないと外せなくなることもあるので塗装してはいけません。

とくにこちらのようなモルタル壁では外壁と化粧カバーの隙間に塗料がしみ込んで固着し、カバーを交換する際にはモルタル部まではがれて高価な補修費につながります。

そこまで塗装屋さんは考えてくれないので施主が指示監督するしかありませんが。

なんとかカバーを開けて最上部の配管接続部が見えました。
配管化粧カバーを開けて配管接続部が見えた
見えているのは冷媒管です。

冷媒管と電線の裏にドレンホース(排水ホース)がありました。
ドレンホースが見えた
やっぱりね、予想した通りの状況。

ここのホース接続部で抜けてます。
ドレンホースが抜けている
ここから漏れ出た水が配管化粧カバーの中を流れて下のコーナー部品から滴っていました。

これはむか~しから現在までもよくあるド定番の症状。

ホース接続部はビニルテープを巻いて止めてあったのですがそれでは足りないのです。

時間がたつと冷媒管断熱材の縮みやホース自身の重さで引き抜け、ビニルテープが解けてこのような状態になります。

特に2階など高所から地面付近まで配管化粧カバーで施工した場合に多く発生します。

施工者はこれでよいと思っているのかもしれませんが未熟さが感じられます。

冷媒管の接続部は防湿テープで巻かれていました。
冷媒管接続部に巻かれた防湿テープを撤去する
このテープは使用場所が間違っているので撤去します。

半分は劣化で粉になっていました。

断熱強化のつもりだったのかもしれませんが雨水で濡れるようなところで使用するものではありません。

防湿テープを撤去すると断熱材は縮んで冷媒管(銅管)が露出していました。
断熱材が縮んで冷媒管が見えている
冷媒管の断熱材は収縮するのでテープの巻き方が悪いとこうなります。

そして接続部も施工がよくないので露出。
冷媒管接続部が露出
防湿テープでは断熱材にすき間ができ断熱不良となります。

それでは補修作業へ。

まずはこの冷媒管の断熱から。
断熱材をビニルテープで固定補強
断熱材に隙間ができないようにビニルテープで補強。

縮んだ分の断熱材は追加してその上からビニルテープ巻き。
断熱を追加しビニルテープで固定
これはまだ仮固定です。

つぎに抜けたドレンホースを接続。
抜けたドレンホースを接続した
この上からビニルテープで固定しましたがこれも仮固定です。

ビニルテープで巻いただけではまた時間が経つと解けて抜けます。

冷媒管接続部、電線、ドレンホース接続部をまとめてコーテープ(非粘着テープ)で巻き全体を固定しました。
冷媒管、電線、ドレンホースをまとめてコーテープで巻いた
こうすることで断熱の縮みによる銅管露出やドレンホースの抜けを防止します。

穴パテの補強。
穴パテの補強
その後配管化粧カバーの蓋などを取り付け、配管穴付近はコーキング(止水処理)をしました。

塗装で使えなくなったねじは交換。
塗装で使えなくなったねじは交換
カバーに適合する太さ3.5mmのステンレスです。

再度、室内機から注水してドレン排水の確認。
室内機に注水して排水状態確認
仮に置いた水受けに水が溜まり排水状態は問題なし。

そして水漏れしていたコーナーでは
配管化粧カバーからの水漏れは止まった
漏れはなくなりました😄

これにて修理完了😊

配管化粧カバーは誰が施工しても割ときれいに仕上がりますが、中の配管はどうなっているのかわからないのでこのような不具合が起こります。

見えないところに施工者の考えや性質が出ているのだと思います。

Katoairconservice_mark160

2023年12月23日 (土)

エアコン4台にアース工事(2)

前回のアース工事の続きです。

一通りVE管(電線管)の取り付けが終わったのでこんどは通線作業。

今日はこれを久しぶりに倉庫から持ってきました。
通線ワイヤーを持ってきた
通線ワイヤーです。

管の中へ電線をそのまま押し込んで通そうとしても引っかかったり重くなったりでなかなか入りません。

先に通線ワイヤーを通してからその先端に電線を引っ掛けて引き込みます。

管内へワイヤーを入れます。
VE管の中へ通線ワイヤーを通す
ワイヤーは管内をよく滑るので短い距離であれば軽く入ります。

エルボも難なく通過してワイヤーの先端が出てきました。
通線ワイヤーの先端が出てきた
ここに電線を引っ掛けて

ワイヤーを引けば
接地線をVE管へ通す
通せます。

すべて通線が終わったら室外機のアース端子へ接続。
室外機のアース端子へ接地線を接続
この機種はバルブのすぐそば。

機種によってアース端子の場所がことなり、
アース端子が室外機の端子台にある
こちらは端子台にありますね。

つぎに各ボックス内で電線を圧着接続します。
接地線相互を圧着接続

ボックスには念のため水抜き穴を設けておきました。
ボックスに水抜き穴を開けた
雨水や結露水が溜まらないようにするためです。

VE管の途中も必要と思われる個所に水抜き穴を開けました。

圧着したところへ絶縁キャップを付けて電線をまとめます。
絶縁キャップを付けて電線をまとめた

そして蓋の取り付け
ボックスの蓋を取り付けた
ボックスは全部で3つあるので同様に行いました。

あとは給湯器下のコンセントにあるアースへ施工した接地線を接続します。

コンセントのボックス下面に接地線が通る大きさの穴を開けました。
コンセントのボックスに電線を通す穴を開けた
ここから入れて接続します。

その前にエアコン4台に接続した接地線の大地に対する抵抗値を確認すると1200Ωのメーターをパチンッ!と勢いよく振り切りました。

もちろんこれはアースへまだ接続されていないので当然の結果でOK。

なぜこんなことをしたのかというとエアコンのどこかにアースがすでに接続されていないかという再確認です。
(事前に各エアコンの接地抵抗を測定して接続されていないことは確認済み)

アースは別の2系統で接続することはよくないので。

接地線の接続も完了。
接地線の接続が完了
少し接地線が露出していますがこの部分は給湯器のカバーで隠れて見えず、電線を損傷させる恐れがないためOKです。

それでは最後に室外機の接地抵抗値を確認してみましょう。

とは言ってもそもそも接続したアースは700Ωだったので規定をオーバーしているわけですが・・・

あれ?
接地抵抗値は420Ωに下がっている
420Ωにいつの間にか下がりましたよ🤔

室外機を接続することで接地抵抗値が落ちたのか?

計算すると接続前に計測したエアコン4台の大地に対する合成抵抗値が1050Ωでなければ既設アース抵抗値700Ωと合わせて420Ωにはなりません。
(大地に対し並列回路)

先ほど接地抵抗計の指針が振り切った状況からそれはありえない。

ということは・・・

この給湯器のプラグを見てなんとなくわかりました。
給湯器の電源プラグの表面が腐食している
かなり表面が腐食して一部スパーク痕まであります。

接触不良になっていますね。

長年屋外に設置されているので防雨形コンセントでもやはり腐食が進みます。

今回、コンセントの背面の電線接続部を動かしたり増し差ししたりしたためアースも接触が回復して本来の接地抵抗値へ戻った可能性が考えられます。

給湯器のプラグを少し磨いてからコンセントへ。
給湯器の電源プラグを磨いてから差し込んだ

カバーを取り付けて
給湯器のカバーを戻した
施工完了。

仕上がり具合は・・・

給湯器横の2台の室外機まで
アースの設置状況

さらにプロパンボンベの裏を通過し手前2台
アースの設置状況
いまのところエアコンからの漏電はなく無事作業終了となりました😊

Katoairconservice_mark160

2023年12月20日 (水)

エアコン4台にアース工事(1)

先日こちらのエアコン入替工事をアップしましたが・・・

じつはアース(接地)が接続されていません。

というのも建物建築時の電気工事での不備と思われますがエアコンの電源のところに接地線(アース線)が施工されていなかったんです。

先日エアコンを入れ替えた室外機はこちら
先日エアコン工事した室外機
奥には既設の室外機(2室マルチ)があります。
(2室マルチは1台の室外機に2台の室内機がつながっているもの)

そして少し離れて手前にも2台(1台は2室マルチ)の既設室外機が設置されていました。

建物は2世帯住宅でこれら計4台の室外機で全室の空調をまかなっています。

しかしその全部にアースが接続されてないのです。

これはさすがにまずいですね🤔

ということで室外機4台にアースを接続する工事を行いました😊
(今回の工事にも電気工事士の資格が必要です)

でも建物の周囲は土ではなくコンクリート。

ここに穴を開けて接地極(アース棒など)を入れることは危険です。

建物の周囲はガス管、水道管、電線などが埋まっておりそれらに穴を開けかねません。

上の画像の一番奥には給湯器がありますね。

そこにあるコンセントには多分、アース端子があるはずです。

給湯器下のカバーを開けました。
給湯器下のカバーを開けた
この部分は配管用のスペースとなっています。

その中に埋もれてコンセントがあります。
給湯器下のコンセント

やはりアース端子がありました。
コンセントにあるアース端子
接地線が接続されているか接地抵抗計でこの端子を計測したところ700Ω🤔

抵抗値が高すぎです。

でもほかにやりようがないのでここから接続することになりました。
(後ほど抵抗値は下がります)

コンセントを外して裏を見ると
コンセントを外して裏側を見る
緑色の接地線が接続されてます。

そしてその上にもう1つ接続口が空いてますね。

ここは接地線の送りに使用できるのでここへ接続することにしましょう。

施工に入る前に1階と2階の漏電遮断器の設置状況を確認。
1階の分電盤に設置されている漏電遮断器
こちらは1階の漏電遮断器。

そして2階にも同じ仕様の漏電遮断器。
2階の分電盤に設置されている漏電遮断器
2世帯住宅では分電盤も分かれています。

今回の施工ではアースを全部同じ系統に接続するのですが、もし片方(1階もしくは2階)にしか漏電遮断器がなかった場合は同一系統のアースに接続するのはよくないのでそれを確認しました。

なお内線規程ではこちらの漏電遮断器の仕様から接地抵抗値を500Ω以下にすることになっています。

― 施工開始 ―

各室外機までの配線は硬質ビニル電線管(VE管・塩ビ管)で行うことにしました。
接地線の配線は硬質ビニル電線管(VE管)を使うことにした

途中の室外機での接地線分岐にはこちらのボックスを使います。
接地線の分岐に使用するボックス
3か所で分岐を行います。

VE管を曲げて加工しながらボックスの取り付け
VE管を曲げて加工しながらボックスの取り付け
他のボックスや金具などが途中にあるため曲げないと配管できません。

VE管とボックスなどは接着して接続。

VE管の曲げにはこちらのバーナーを使用しました。
VE管の曲げに使用したバーナー

給湯器に並んだ2台の室外機まで配管しさらにプロパンガスボンベの右にある室外機2台へ。
VE管の施工中

室外機裏を配管。
室外機裏のVE管施工
VE管を切断するのは塩ビカッターです。

サドルで固定していきますが室外機背面はドライバードリルがそのままでは立たないのでアングルアダプターを使用しました。

配管が完了。
VE管の配管が完了

ボックスやサドルの固定にはステンレスのねじを使用。
ボックスやサドルの固定にはステンレスのねじを使用した
外壁のサイディングには下穴を開けて、コーキングを塗布後にねじ固定しました。

さて次は通線作業ですが長くなったのでそれは次回アップします。

Katoairconservice_mark160

2023年12月17日 (日)

アース工事と室外機転倒防止

エアコンの入替工事の依頼をいただき、合わせてアース工事と室外機転倒防止金具の取り付けを行いました😊

場所は東京都内の一戸建て。

まずはエアコン工事から。
(今回エアコン本体の工事作業の内容は省略します)

撤去する室内機。
撤去する室内機
三菱重工製の冷房能力4.0kW(14畳用)で2階のリビングに設置されています。

三菱重工のエアコンというとあまり知られていないようですが、ビーバーエアコンというと皆さんピンとくるようですね。

室外機は二段置き金具の上段。
室外機は二段置き金具の上段に載っている
下の室外機の方が小さい(軽い)ためちょっと不安定です。

エアコンの入れ替え工事が終わりました。
新しく設置した室内機
こちらも三菱重工製で冷房能力も同じ4.0kW。

かなり久しぶりにビーバーエアコンを取り付けました😄

最近すっかり見かけませんでしたが😅

室外機も
室外機の設置状況
以前と同じように取り付けました。

しかしこの二段置き台は転倒防止措置がとられていません。

引越しの下請けエアコン業者さんが設置したらしいです。

これでは大きな地震や何かの際に倒れる可能性がありますね。

しかも上の段の室外機の方が重いため不安定です。

二段置き金具には転倒防止用の金具もセットで同梱されているはずですがめんどくさがって取り付けなかったのでしょう。

そしてもう一点、以前から設置されていた200Vのエアコン専用コンセント。
設置されていたエアコン専用コンセント
このコンセントを見たらアースのターミナル端子(ねじ止め端子)までついているのでここにアースがあると思ってしまいます。

てっきり建築時に電気工事屋さんが200Vエアコンには必要のないターミナル端子付きのコンセントを取り付けたのだと思っていました。

じつは試運転前にちょっと気になって調べたらここにアースはつながっていないことが判明。

これは確実にどこかのエアコン工事屋さんがコンセントを交換したに違いありません。
(テキトーな工事してますねー、でもこれがエアコン工事業界の現実)

電気工事屋さんはアースがつながっていないところにアースターミナル端子付きのコンセントを設置するなんてアホなことはしません。(と思います)

(なおアース端子のほうはエアコンの200Vプラグが3極(アース極付)なのでアースがコンセントになくてもアース端子の穴が必要でこれがないと差し込むことができません)

ということでアース工事と室外機転倒防止の工事に再訪問することになりました。

そして後日・・・

まずコンセントを外してボックス内に接地線(アース線)がないか見てみると
コンセントボックス内に接地線は見あたらない
電源線だけで接地線はやはりありません。

アースは室外機の置いてある地面に接地極(アース棒)を埋設することにしました。
地面に穴を掘って接地極(アース棒)を埋設する
まずは穴を掘ります。

そこからさらに奥深くへアース棒を差し込みました。
アース棒を地面の奥へ差し込んだ
建物の周囲は設備配管や電線が埋められていることが多いのでアース棒をハンマーで叩いて入れては絶対ダメ。

手の力で差し込み、もし途中で何かに突き当たった場合は別の場所へ差し込みます。

ここでちょっと分電盤へ。
分電盤の漏電遮断器を確認
漏電遮断器の仕様を確認。

その仕様から接地抵抗値を500Ω以下にすればOKです。

先ほど埋めた接地極の接地抵抗を測定してみましょう。

さて接地抵抗計の指示値は
接地抵抗計の指示値は300Ω
よっしゃ300ΩでOK!

接地線を室外機まで配線。
室外機までの接地線を塩ビ管に入れて配線
規程により立ち上げ部分は塩ビ管(塩化ビニル電線管)で保護しました。

室外機のアース端子に接地線を接続。
室外機のアース端子に接地線を接続
接地線の太さも規程に従っています。

それともう一つ。

二段置き台の下段に設置されていた室外機(1階のエアコン)もアースが接続されていませんでした。

こちらも同じ接地極から出した接地線でアース端子へ接続。
既設の室外機へもアースを接続
これで接地工事は終了。

※よくエアコン屋さんが行うアース棒を打ち込んで線をつないだだけというのは接地工事ではありません。

つぎは室外機の転倒防止。

こちらを用意しました。
室外機転倒防止に使用するアイ・スクリュー
ステンレス製のアイ・スクリューです。

これを壁内の柱へねじ込んで針金で二段置き金具を倒れないように固定します。

柱のあるところへドリルで下穴を開けました。
外壁にアイ・スクリューを入れる下穴を開けた
ここへアイ・スクリューを入れます。

表面はモルタルなのでアイ・スクリューよりも少し大きめに開けてモルタルにヒビなどが入らないようにしました。

内部の木材へは小さめの穴を開けます。

ドライバーの棒部分をアイに差し込んで回しねじ込み、
アイ・スクリューをねじ込んで周囲をコーキング
周囲をコーキングで雨水が入らないようにしました。

もう一つのアイ・スクリューも固定し計2箇所からステンレス針金で二段置き台を固定。
二段置き台を針金で転倒防止
1階のエアコンの配管化粧カバーに針金が擦れるので保護のため電線のシースを付けました。

これで転倒防止措置も完了しすべての作業が終了😊

壁側だけで固定しましたが室外機の重心も壁側にあるので安定しています。
室外機の重心は壁側になっている
コンプレッサーや他の機器類が左に集中して配置されているためです。

ここからは余談ですが・・・

建築や建物に詳しい方はエアコンが漏電した場合、今回取り付けた転倒防止の金具を介して建物側へ電流が流れるのではないか。と思われるかもしれません。

でもそうならいないようにエアコンの室外機用の金具には絶縁ゴムが付けられています。
二段置き台の絶縁ゴム
これを防振用と思っている方(エアコン屋さんも)いますが電気的な絶縁用です。

二段置きの金具と室外機は電気的に絶縁されているということですね。

Katoairconservice_mark160

2023年12月13日 (水)

まじか、独自ドメインサービス終了

ニフティさんからこんなメールが届きました。
ニフティから届いた独自ドメインサービス終了メール
まじか・・・なんてこったい😮

何かというと独自ドメインの管理サービスを終了するというもの。

現在当店のホームページで使用しているアドレスは”http://kato-aircon.com/”ですがこのドメイン”kato-aircon.com”をいままでニフティの管理サービスで使用してきました。

そのサービスが来年3月で終了するとのこと。

このままこのドメインを使用したければ別の管理会社へ移管する必要があります。

しかし昨今、独自のドメインを取得する意味も薄らいで、別にアドレスなんかはどうでもいいような気がします。

もしかすると利用者も少なくなってきてサービス廃止になったのかもしれません。

そこで今後本来のサーバードメインに戻そうと思っています。

試しに本来のサーバーアドレスにアクセスしたら”403 Forbidden”と出てしまい見れません。

どうやらそちらのほうはgoogleにクロールされないようにドメイン取得後に消してしまったようです。

まずはコピーして復活させる必要がありますね。

でもまあホームページ内のHTMLを大分修正しないといけないので時間がかかりそうです🤔

修正とアップロードが済んだらこのブログからのリンクも修正します。

また余計な仕事が増えてしまった😅

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年12月12日 (火)

エアコンの新設工事を行いました

エアコン取り付け工事の依頼をいただきました😊

場所は東京都内の一戸建て1階部分

室内機を設置する場所はこちら。
室内機設置場所
配管穴とエアコン専用コンセントは建物に予め設備されていました。

室外機は壁のすぐ外側の地面へ置きます。

配管穴には蓋が付けられていたのですが、そのツバごと取り外しました。
ツバごと穴の蓋を取り外した
もちろん蓋だけ取り外せるのですが、ツバ部分の厚みが壁にあると室内機がその分浮いてしまい傾くため。

もし外さずにそのまま設置してしまうと、排水がドレンパンに溜まりやすくなります。

また長期間経過すると室内機が歪んで異音のもとになることがあります。

外側の蓋は割りました😅
外側の蓋は外れないので割って取る
割っちゃったのではありません。

穴が歪になっているようで、ツバ部分が変形して蓋が外れなくなっていました。

施工者が無理矢理はめこんだようで、周囲の壁にあるヒビはもしかするとそれが原因かもしれません。

お客さんも挑戦しましたがやっぱり外れず・・・

ゴムハンマーで叩き割った次第です。

あとはペンチなどを使用し蓋を撤去。
蓋を取り終えた
うん、これでよし。

室内機を掛けるための据付板の取り付け。
据付板の取り付け
室内機の重量や厚みなどに合わせ固定箇所と本数を決めてボードアンカーや柱などへは木ねじを使用し強固に固定。

先ほどの配管穴にはスリーブ(筒)と室内機に干渉しない1mm程度の薄いツバを取り付けました。
配管穴にスリーブと薄いツバを取り付けた
スリーブは壁内の空気や外気の出入りがないように外壁側までの長さで入れています。

冷媒管(銅管)を外から差し込み90度曲げ。
冷媒管をスプリングベンダー曲げ
急角度(小さな曲げ半径)に曲げるので太い方の銅管には潰れ防止にスプリングベンダーを差し込んでから行いました。

細い方にはベンダーなどは使用しません(不要)。

この部分の曲げが本体の収まりに関係し、曲げ半径が大きいと本体が浮いたりします。

曲げ完了。
室内機背面の冷媒管曲げ完了
2本の管は接続する位置が異なるので長さも少しちがいますね。

長さを間違えると接続できません。

室内機を掛ける準備。
室内機を壁に掛ける準備ができた
配管穴が本体左背面の位置なのでドレンホース(排水ホース)を右から左に差し替え。

ケーブル(室内外の信号や室外機の電源用)、アース線(保安用)も室内機に接続。

室内機を据付板へ掛けました。
室内機を据付板へ掛けた
冷媒管の接続・断熱・各種テーピング、電線類の配線をします。

ドレンホースは逆勾配にならないよう配慮し配管。

室内機設置作業が完了。
室内機設置完了
アース線はコンセントにあるアースターミナル端子に接続します。

外壁に配管化粧カバーの設置準備。
配管化粧カバーの設置準備で壁に直線を引く
壁に直線を引きます。

これ合わせてカバーを取り付けるとまっすぐに仕上がります。

直線はチョークライン
引いた直線はチョークライン
大工さんなどが使用する墨つぼはご存知と思いますが、それが墨ではなくチョークの粉バージョンです。

配管化粧カバーの仕上がり
配管化粧カバーの仕上がり
施工場所の関係で全体を見られる画像はありません😅

そして室外機も設置完了。
室外機設置完了
土の上に置くので台には安定度の高いブロックを使用しました。

ブロックを使用すると接地する面積が大きいため傾くことを防止できます。

このあとは定番の試運転動作チェック。

一通りお客さんにも確認していただき無事に作業終了となりました😊

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年12月 9日 (土)

水漏れの原因は・・・

早もう12月。

今年も残りあと少しですね。

9月に水漏れ点検を行ったお客さんより、先日ようやくメーカーによる無償の修理が受けられたというメールをいただきました。

今回はその経緯についてです。

エアコンは2021~2022年初頭と思われる時期に某量販店にて購入・設置されたもの。
エアコンは2021年製
まだ2~3年しか経っていません。

製造年の下に71という数字がありますが、冷房能力7.1kW(23畳用)を表しています。

それを当店にて2022年2月に室外機移動かさ上げ工事(こちらの記事)

そして同年12月に室外機の風向調整板を取り付けました(こちらの記事)

ちなみに室外機とそのすぐ裏のパイプ以外は当方で一切触っていません。

今年の8月にその室外機に接続されている2階の室内機から水漏れとのこと。

その状況の画像をお客さんから送っていただきました。
水漏れを起こしている室内機
壁に梱包用テープみたいなものが貼ってありますが、真下にはピアノが置いてあるため濡れないようにシートなどがかけてありそれを固定しているものです。

少し大きくすると
ルーバーに水滴がたくさんついている
ルーバーにはたくさんの水滴がついており、一部はそこから滴下しています。

この状態を見てドレン排水不良(ドレン管の詰まりなど)による水漏れではなく他の可能性があると判断し点検に伺うことになりました。

― 当店による水漏れ点検 ―
(諸事情により点検は20日ほど後に)

その間、点検までに水漏れが起きたのは計3回で夜に発生したとのこと。

うーん・・・となるとやはりあれかも・・・🤔

漏れが多いときは小さなバケツ半分程度に水がたまったそうです。

部屋の冷え具合はとくに問題ないとのこと。

そして点検当日。

ガス漏れ(冷媒不足)の可能性があると予測していたのでまずは室外機の接続部を点検。
(この部分は当方で昨年2月の室外機移動の際に接続しなおしてますので)
室外機の接続部に漏れはない
ここには漏れはありません。
(ひと安心)

使用しているのは冷媒漏れを検知するリークディテクターで年間数グラムの漏れを発見できます。

1番あやしいと思われる室内機へ。

吹き出し口付近を検査すると、
室内機の熱交換器にガス漏れ発見
徐々にLEDが緑から黄色そして赤へと点灯し漏れを発見。

室内機の熱交換器に小さな穴が開いて微量の冷媒が漏れています。

冷房時の温度測定をすると吸い込み温度が31℃、吹き出し温度が21℃で温度差は10℃。

一般に冷房は8℃差以上あれば正常と言われますが、冷房能力7.1kWで10℃差はものたりない。

しかも立ち上がりが遅い。

やはりガス漏れによる冷媒不足の症状です。

そしてこの冷媒不足や漏れが水漏れを引き起こしたと判断しました。

なぜ冷媒が不足したり漏れると水が漏れるのかは説明が大変なので省略します。

こちらのエアコンは初めの画像の通り製造が2021年でした。

そして熱交換器のような主要部品はメーカー保証が5年間あります。

なのでこれにて点検終了。

メーカーへ連絡して無償修理を受けていただくようお話ししました。

― メーカーの点検結果 ―

お客さんからメールで報告があり、メーカーからは
「ガス圧と送風口からの風の温度は問題ありません、(ガス漏れ測っていないのに)ガスは漏れていません」
と言われたそうです。

あれまぁ・・・真っ向から全否定されてしまった感じ?😅

― 量販店へ相談 ―

エアコンを購入・施工した量販店へ相談すると
「ドレンパイプが詰まっていると思います」
と言い張られたそうです。

それを量販店に直すよう依頼をしたところドレン管は詰まっておらずどこも問題なし。

・・・水の漏れ方が詰まりの感じではないですからねぇ。

たらいまわしにされてさすがにこれではお客さんもたまったもんじゃありません。

― 再度メーカーへ ―

その後、再度メーカーに強くクレームを入れるとようやくガス漏れ検査をしてもらえたそうで、熱交換器からのガス漏れを認め無償交換修理へ。

― メーカーによる修理 ―

時すでに11月末です。

その時の画像をお客さんが送ってくれました。
メーカーによる熱交換器の交換修理
熱交換器の取り替え作業中。

まだピアノに養生がされてますね。

熱交換器
熱交換器
熱交換器は修理ができないためアッセンブリ交換になります。

これを有償修理で行うとたいへん。

室内機の脱着工賃、交換工賃、部品代、真空引きガスチャージで7~9万円はかかります。

なので熱交換器のガス漏れは購入から5年以内でないと修理しない(有償ではしない)ことがほとんどでしょう。

外された熱交換器の裏側
熱交換器の裏側にオイルと思われるシミ
丸の部分のフィンにオイルと思われるシミがあります。

付着しているオイルは冷媒と共に漏れ出たコンプレッサーオイル(冷凍機油)です。

オイルの流出量が多い場合にはドレン排水と一緒に外へ出て地面などにオイルが付いていることもあります。

しかしようやく修理が終わったようでなによりです😊

長い道のりでしたね。

エアコンは教科書通りにガス圧や温度を測定しても正確な冷媒量は判断できません。

水漏れというとすぐにドレンの詰まりを思い浮かべますが、それだけに囚われてはいけません。

これまでの経過なども含め総合的に考える必要があります。

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2023年12月 6日 (水)

やっぱり新しいものはいいねぇ

こちらはこれまで作業で使用したドリルドライバー。
7年使用したドリルドライバー
ボッシュ製です。

電圧は10.8Vで現在の充電式電動工具の中では低い方だと思いますが、当方では大きさや重さ、バランスも含めこれが一番使いやすくトルクも必要十分。

最高回転数が1300rpmなのでもうちょっとほしいところですが。
最高回転数は1300rpm
銘板は削れて1300の部分が消えかかってます😅

このほかにインパクトドライバーなどは使用していません。

とくにインパクトドライバーはルームエアコンの工事や修理にはトルクが強すぎることや衝撃音が大きく子供が怖がったり近所迷惑なので使いません。

それはそうとこれを買ってから3~4年位かな?なんて思っていたらもう7年も経っていました😅

近頃ではブレーキ機構が効かないことがたびたびあり使いにくくなってきたのでそろそろ買い替えですね。

7年も仕事で酷使すれば不具合が出てきてあたりまえです。

これまでよく働いてくれました😄

使い心地から次もやっぱり同じボッシュの10.8Vと決めてます。

以前も同じシリーズを使っていたのでかれこれ15年以上使い慣れたものになります。

ということで新しいものを購入。
新しいドリルドライバーを購入した
あるホームセンターで注文したら次の日に入荷の連絡がありました。

ネット通販並みの速さですね。

箱を開けると
箱の中はドリルドライバー本体のみ
注文したのは本体のみでバッテリーや充電器などは付いていません。

これまでと同じシリーズなのでバッテリーや充電器はいくつかあり本体だけでOK。

袋から出しました。
ドリルドライバー本体
デザインが少し変わったようですがほとんど同じに見えますね。

大きなちがいは最高回転数。
最高回転数が1750rpm
1750rpmと以前より高くなってます。

これは効率が上がります。

もちろんいままで通りトリガースイッチの引き具合で0から最高回転数までの無段変速です。

もう1つ460rpmとありますがこちらは低速モード。

高速と低速を上部のスライドスイッチで切り替えることができ、これも過去製品からある装備です。

こちらにはHEAVY DUTYとあります。
HEAVY DUTYの文字
頑丈さをアピールしてます。

ボッシュはこのネイビー色のボディがProfessional仕様で部品の耐久性が高いと聞いたことがあります。

これまで使ったものも致命的な故障は起きませんでした。

おなじボッシュでも緑色のボディがDIY用として販売されています。

こちらにはBRUSHLESS MOTOR
BRUSHLESS MOTORの文字
ブラシレスモーターを搭載したそうです。

旧製品はブラシ付きだったので進化してますね。

ただしこのモーターの耐久性はわかりませんが。

新旧ならべると
新しいドリルドライバーは小さくなっている
新しいものは小さくなって狭い場所でも使えそうです。

バッテリーとプラスビットを付けました。
ドリルドライバーにバッテリーとプラスビットを付けた
ビット類は手でチャックを回して固定するのですが、締め終わったところでカチッとロックする手ごたえを感じました。

これもひとつの進化。

以前は逆回転で使用するとチャックが緩んでしまうことがありましたがそれを防止できるのかもしれません。

ライト
ドリルドライバーのライト
こちらも仕様が変更されていました。

前はトリガースイッチと完全に連動していて手を離すと消えてしまうものでしたが、今回はしばらく点灯したままで遅れて消えます。

このドリルドライバーを現場で実際使用してみましたが、回転数の速さやブレーキの効きでより使いやすくなりました。

新しいものはやはりいいですね😊

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2023年12月 3日 (日)

パイプの劣化等を補修

パイプのテープと断熱材がはがれて銅管が見えているが修理対応可能か、という旨のお問い合わせをいただきました😊

もちろんエアコンに関するものであれば大丈夫です😄

見積もりを出して補修作業を行うことになりました。

場所は川崎市内の一戸建てで、当店へは初めて依頼いただいたお客さん宅。

状況はこちら
パイプのテープと断熱材は劣化している
劣化しているのは室外機と配管化粧カバーの間。

室外機付近
室外機付近のパイプ劣化
テープははがれ、断熱材にも穴が開いて銅管が露出しています。

化粧カバーの近くも
パイプの劣化
だいぶやられてますね。

このようになる原因は直射日光による紫外線🌞

テープが劣化した時点でそれだけ補修するとよいのですが、そのまま放置すると次に断熱材が麩菓子のようにボソボソになり、風に吹かれて飛んでなくなります。

しまいには銅管がむき出しになりエアコンの効率低下へ。

さてそれでは補修作業を開始します😄

そのまえにちょっと古めの機種だけど・・・
使用冷媒がR22
室外機銘板にはR22の文字が。

これは冷媒(フロン)の種類でR22はオゾン層破壊防止の観点から2020年に全廃となり、当店でも現在では扱っていません。

ガス(冷媒)が抜けないように慎重に扱わないといけませんね😅

室外機を取り外した方が補修作業をしやすいのですが、それでは工数が増えて費用が高くなるのでパイプ類は接続したまま行います。

作業のため室外機を壁から離すように手前に動かしますが、置台が地面に少し埋まっているので台はそのままで室外機だけ移動します。
(台ごと動かすと元の位置に戻しづらくなるため)

室外機背面側の置台との固定ねじを外すためドリルドライバーに長いシャフトを付けました。
ドリルドライバーに長いシャフトを付けた

室外機の上部から差し込み置台のねじを外します。
室外機上部から置台のねじを外す

外したねじはマグネットでビットに吸い付いてきます。
ビットに付いているマグネットでねじが落ちない

壁の配管化粧カバーも開けてパイプを動くようにし室外機を手前に出しました。
室外機を壁から離すように移動した
これで補修作業ができます😄

配管化粧カバーに隠れていた冷媒管を見ると断熱材が切れています。
冷媒管の断熱材が切れている

ちょっと開いてみると銅管が見えました。
切れた断熱材を開いてみる
これは人為的に切ったあとですね。

多分、このエアコンは移設したものではないでしょうか。

移設時の取り外しの際、業者がテープをはがすのではなくカッターナイフなどで切り取ったときにできたものと思われます。

手間を惜しんでカッターで切ってしまうとこのようなことになります。

劣化したテープをはがしました。
劣化したテープをはがした

傷んだ断熱材も取り去ります。
傷んだ断熱材を撤去した

新しい断熱材をかぶせてビニルテープで固定。
冷媒管に断熱材をかぶせてテーピング

電線もまとめてコーテープ(非粘着の化粧テープ)で仕上げました。
コーテープで仕上げ
屋外用のコーテープは劣化を考慮し厚みのあるタイプを使用しています。

室外機を元の位置に戻して置き台へねじで固定しますが、
錆びたねじを新しいものへ交換
使われていたねじは錆びているので新しいものへ交換しました。

置き台へねじ固定。
室外機を置台へねじ固定

補修完了。
補修完了
受け付け時はこの1台のみの予定でしたが、ほか3台も確認をとのことで内2台がテープの劣化で続けて補修します。

2台目。
テープが紫外線で劣化している
やはり紫外線でテープが劣化しています。

しかしまだ断熱材までは劣化していないのでテープのみ補修します。

こちらも1台目とおなじ要領で作業をしました。
配管テープを補修した

これで2台完了。
2台の補修が完了
2台目の冷媒は現行のR32でした。

それでもパイプの扱いは慎重にしなければなりません。

万一室外機と銅管の接続部が切れてすっぽ抜けたら大変ですからね。

エアコンの冷媒は新しいタイプほど圧力が高くなってますので。
(暖房時には3MPa(30kgf/c㎡)以上)

そして3台目。
3台目の配管テープ補修をする
こちらも2台目と同じくテープ補修のみを行います。

ちなみに冷媒はR410Aで1世代前のものです。

テープの劣化も少々進んでいますが巻き方がおおざっぱで断熱材があちらこちら見えてます。
テープの隙間から断熱材が見える

配管化粧カバーを開けるため上を見上げると
配管化粧カバーに違和感
なんとなく違和感🤔

ここにすき間があります。
配管化粧カバーにすき間がある
すき間といってもつなぎ目のわずかなものではなく、下にのびる直線のカバーのフタが下がってできたもの。

左の方はフタが少し浮いているのが確認できます。

カバーが寸足らずのためこうなっていました。

こちらの室外機と置台を固定しているのはボルトナット。
室外機は置台にボルトナットで固定されている

ドリルドライバーに取り付けたシャフトの先端を17mmソケットに交換しました。
プラスビットから17mmソケットへ交換した
これで簡単に取り外すことができます。

外したナットとワッシャーはマグネットで回収。
外したナットとワッシャーをマグネットで回収
そして室外機移動。

室外機背面の地面を見るとドレンホースが横たわっています。
ドレンホースが地面に横たわっている
これもやってはいけない施工。

ドレンホースは土や砂利の地面より5~10cm程度上で切断するものです。

プロのエアコン屋なら当然知っていることだと思うのですが・・・

テープを補修しドレンホースを適切な長さに切断しました。
テープを補修しドレンホースを切断

寸足らずの配管化粧カバーのフタを上方へスライドさせて先ほどのすき間を無くし、
配管化粧カバーの下がり防止にコーキングを付けた
下がり防止に継ぎ目の一部にコーキングを付けました。

あとは再度室外機と置台をボルトナットで固定しすべての作業が完了😊

こうして見ると不具合のもとになりそうな施工の多いことがわかりますね。

見れば見るほど気になるところが出てくるので困ったものです。
(なるべく見ないようにしないと😅)

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2023年12月 1日 (金)

エアコンにはアースが必要

東京都世田谷区内にて一戸建て2階のエアコン入替工事を行いました😊

いままで設置してあったものは量販店などで購入設置されたもののようです。
設置されているエアコン室内機
すでに故障して動きません。

室外機は地上に置かれた2段置き台の上段。
室外機は地上に置かれた2段置き台の上段
前後は塀に囲まれ、この状態では下段に置かれた室外機は部品交換などの修理ができませんね🤔

なので新しく取り付ける室外機は別のところへ置くことになりました。

室外機を撤去
室外機を撤去した
今回、2段置き台は下段に載っている室外機があるのでそのままにします。

外壁に掛けた二連梯子に上って化粧カバーを開けると
配管穴の中心と配管化粧カバーの中心が大きくずれている
配管穴の中心と配管化粧カバーの中心が大きくずれています。

これだけずれていると穴埋め(雨仕舞)がたいへん。
(じっさい手こずりました😆)

なんでこんなにずれているのか意味不明・・・工事のセンスが疑わしい。

ついでに配管穴は室内から外壁へ向けて水平か若干の逆勾配😌
(排水が流れにくい)

何はともあれ撤去完了。
既設エアコン撤去完了

エアコン専用コンセントは・・・
エアコン専用コンセントにはアースがない
アース端子がありませんね。

しかしエアコンにはアースが必要。

これは建物を建てたハウスメーカーの不手際でしょうか。

室外機にもアースは接続されていませんでした。

エアコンを付け終わったらアース工事(接地工事)も行うことにします。

そしてエアコン設置が完了。
エアコン設置完了
一番はじめの画像と同じに見えますが・・・😅

エアコンは撤去したものと同じメーカーで、大きさも配管穴の位置から室内機の高さが25cmのこの機種になりました。

外壁の配管化粧カバーは再使用。
外壁の配管化粧カバーはそのまま再使用した

新しい室外機は空きスペースへ設置。
室外機とパイプ
エアコンの取り付けは終わりました。

さてようやくアース工事。

ルームエアコンは”D種接地工事”という方法で、こちらの建物の場合は大地との接地抵抗を500Ω以下にします。

室外機そばの砕石をよけてから地面に穴を掘ってアース棒(接地極)を地中へ差し込みました。
地面に穴を掘ってアース棒を地中へ差し込んだ
この段階で接地抵抗値を確認します。

500Ωを超えていると接地極を増やすなどが必要になり費用もその分かかってしまいます。

500Ω以下でありますように🙏
接地抵抗値は240Ω
レンジは×100Ω、指針は2.4(緑色の目盛)を指しているので240Ω。

オッケー👍

地面を埋め戻しました。
接地極を入れた地面を埋め戻す
たまに素人さんがアース棒を適当に地表から打ち込んだりしてますが、棒の上部が地面から出ていたりして危険です。

接地極があまりに浅いと抵抗値が高くなったり、天候により上がったり下がったり不安定になります。

砕石を戻します。
砕石をもとに戻す

少し長めのアース線(接地線)にカールを付けて
接地線にカールを付ける
長さ調整できるようにしました。

室外機へ接続。
室外機へ接地線を接続
アース工事完了。

室外機
室外機周辺も施工完了

絶縁抵抗計で漏電がないか確認したら試運転開始。
設置後の試運転
お客さん立会いの下、問題なく作業完了となりました😊

エアコンのアースはノイズ(インバーターノイズ等)低減の効果もありますが本来は保安目的です。

アースが接続されることでエアコンが漏電した際に感電や火災の防止になり、また分電盤に漏電遮断器がある場合はその動作を助けます。

「エアコンはアースがなくても動くから大丈夫」というのは危険です。

Katoairconservice_mark160
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