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2023年11月

2023年11月28日 (火)

隠蔽配管から露出配管へ

一戸建て住宅で隠蔽配管されているエアコンを撤去し、新しいエアコンを露出配管で設置する工事を行いました😊

隠蔽配管(先行配管)とは建物を建築するときに壁内や天井裏、床下に冷媒管や電線を予め通しておき、建物が仕上がった後にエアコン本体を設置する方式です。

パイプが見えないので設計士さんに好まれるのですが、後に必ずと言っていいほど問題になる方式。

こちらはガス(冷媒)漏れで、数年前にどこかの業者さんでエアコンを交換したらしいのですが、またもやガス漏れで冷暖房効かず🤔

隠蔽配管部分で漏れている可能性がありますね。

室内機から室外機までの距離が長いのでもしかすると冷媒管(銅管)の途中をユニオン(メカニカルのジョイント、施工後漏れる可能性があるのでメンテのできない部分で使用してはいけない)で接続しているかもしれません。

このような状況から隠蔽配管の使用をやめて露出配管で新しいエアコンを設置することになりました。

まずは撤去から始めます。
室外機を撤去する
室外機から外します。

バルブやパイプが普通のエアコンより多いですね。
マルチ室外機
これは2室マルチの室外機(冷房能力4.5kW)で室内機が2台接続されているからです。

2台の室内機は広めの同じ部屋に設置されており、新しく設置するエアコンは室内機を1台に減らして冷房能力5.6kW(1.1kWアップ)の通常のタイプ(ペア=室外機1台に室内機1台)へ変更します。

室外機の接続を全部外しました。
マルチ室外機の接続を外した
このマルチエアコンは室外機に200Vで電源供給(端子台直結)し、そこから室内機2台へも電源が送られるようになっています。

そのため室内機には普通のエアコンのような電源プラグはなく、壁にはコンセントも設置されていません。

室内機の撤去
室内機を撤去する
室内機は1台だけ撤去してもう1台はそのまま残すことになりました。
(もちろん残した室内機は動かず飾りになります)

撤去完了
室内機撤去完了
壁の穴などはあとで内装屋さんに直してもらうそうです。

冷媒管や電線は抜き取ることができないためそのまま壁内に残ります。

お客さんが購入されたのはこちらのエアコン
お客さんが購入されたエアコンは室外電源機
このメーカーのここの”V”は室外電源機を表しています。

いままでのマルチエアコンも室外電源だったので、これであれば別に電源工事を必要とせず設置できます。

今回の場合、通常の室内電源機を買ってしまうと室外機のところから電源を伸ばしてコンセントを設置することになります。

エアコンの大部分の電気を消費するのは室外機。

せっかく室外機のそばに電源が来ているのに一旦室内機へ行ってからまた室外機に戻ることになり、長くなった電線では電圧降下(無駄な電力消費)を起こしてしまいます。

なのでこの室外電源機を選んでいただいた次第です。

新しい室内機は左側面の外壁に面した壁へ取り付けます。
新しいエアコンは別の壁へ取り付ける
こちらへ設置することで風の吹き出しが部屋の長手方向となり冷暖房効率がよくなります。

細かな設置位置はハウスメーカーから取り寄せていただいた図面をもとにお客さんと決めました。

こちらは通常の木造と異なり柱の配置や壁構造が特殊。

配管穴を開けるには図面が必要でした。
穴を開ける位置
小さな穴は配管穴位置の壁内を探った跡です。

コアドリルで配管穴貫通(直径65mm)
コアドリルで配管穴貫通
壁の構造は”壁紙―石膏ボード―合板―発泡断熱材―合板―モルタル―外壁塗装”となっていました。

配管穴にはスリーブ(養生管)を取り付けます。
開けた配管穴にスリーブ(養生管)を取り付けた

外壁側に開いた配管穴
外壁側の配管穴
室内機は2階。

室外機はいままでと同じ所(地面)へ設置します。

室内機が付きました。
室内機を設置した
室外電源機のため電源プラグはありません。

次に外壁の配管作業。
外壁の配管作業
まず配管化粧カバーを取り付けました。

電線と交差するところがあり配管化粧カバーを切って加工。
配管化粧カバーと電線が交差
電線保護のため塩ビ管を切って被せました。

冷媒管・ドレンホース・電線(内外連絡線)をカバーの中へ収めていきます。
冷媒管・ドレンホース・電線を化粧カバーの中へ収める
塩ビ管が立てかけてありますが、これに横引き部分のドレンホース(排水用)を差し込んで使用します。

このように配管化粧カバーへ収めます。
塩ビ管にドレンホースを差し込み使用する
ドレンホースは軟らかく、そのままだとカバーの中で波打って詰まりを起こすなど不具合につながるため、それを防止する目的です。

なお横引きの配管化粧カバーはドレン排水が流れやすいように1/50下り勾配(1mにつき2cmの勾配)をつけています。

室外機設置場所まで配管とカバー完了。
室外機設置場所まで配管と化粧カバーが完了

配管化粧カバーの仕上がり。
配管化粧カバーの仕上がり
途中にある大きな段差はジャバラのカバーを使用しました。

室外機設置完了。
室外機設置完了
一通りの工事が終わって分電盤で絶縁抵抗のチェック(漏電検査)をしたら通電して試運転開始。

お客さん立会いで確認していただき作業終了となりました😊

これで余計なガス漏れの心配はなくなりました😄

隠蔽配管はパイプが見えなくなること以外に何のメリットもありません。

そして隠蔽配管のデメリットは
・ガス(冷媒)が漏れた際、検査や修理が難しい。
・設置工事を断られることが多い。
・壁内などに配管するため、建物の気密性が落ちる。
・埋め込んだパイプが壁内・天井裏・床下で結露する。
・室内機が結露し水漏れを起こすことがある。
などなど・・・

建物の構造上やむをえない場合を除き露出配管で施工するのがよいと思います。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年11月24日 (金)

高所、3連梯子作業

先日こちらの記録簿で梯子作業の現調を行ったお客さん宅へエアコン入れ替え工事に伺いました😊

到着後さっそく2連梯子を3連へと組んで掛けます。
3連梯子を壁に掛けた
この日は朝から風が強く、建物が高いところにあるため作業ができるかちょっと不安🙁

梯子を伸ばす最中、風にあおられて倒れることも考えられます。

転倒防止措置を行うまでの間、お客さんの手をお借りしました。
(ありがとうございます😃)

梯子の途中をロープでフェンスの支柱に結び、最上部を15年前に取り付けたアイに電線(ケーブル)で固定。
梯子を壁から出ているアイに電線で固定
最上部に上ると右方向は谷なので時折吹く突風で不安感MAX😨

梯子は階段の途中にブロックなどで高さ調整し立てました。
梯子を階段の途中にブロックなどで高さ調整し立てた
これがまた不安感を増す要因となってます😆

強風の中なんとか古いエアコンと配管化粧カバーに収められているパイプ類を撤去。

配管化粧カバーは再使用し、中のパイプ・電線類は新しいものへ交換します。

エアコン取り付け開始。
据付板の取り付け
据付板を取り付けました。

配管穴には17年前に当方で取り付けたスリーブがあるのでそのまま使用します。

室内機の設置が完了。
室内機の設置が完了
さて次は梯子作業(配管)へ・・・

外へ出てみると朝一の強風が少しおさまっていました。

いまがチャンス😄いざ出陣!
壁に掛けた3連梯子
またいつ風が強くなるかわからないので先を進めます。

それにしても高い。

荷物を持っての最上部までは上りごたえがあります。

危険な作業が多いため撮影はほとんどしませんでした。

そのような中、お客さんが作業中の写真を撮ってくれました。
梯子上で配管作業
室内機と配管接続する準備をしています。

全景
梯子作業全景

下側から
3連梯子作業(階段下から)
落ちたらおしまい😱なので細心の注意を払って作業します。

途中からは恐怖心がほぼなくなり作業に集中することができました。

梯子を片付ける頃にはまた強風が吹き始めました。
(間に合ってよかった😄)

エアコン設置作業完了。
エアコン設置作業完了
試運転も問題なく終了しました😊

こちらは今回で3回目の取り付け工事でした。
・1回目:17年前(新築時)に引越しにより移設し取り付け。
・2回目:15年前に故障して新品へ入れ替え。
・3回目(今回):故障前に将来を見越して入れ替え。

すべて当店の工事です。
(毎度ありがとうございます😄)

次回(10数年後)は3連梯子に登れるか・・・微妙ですねぇ。

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2023年11月21日 (火)

配管化粧カバーを2色で施工

配管化粧カバーをアイボリーとブラックの2色を使用しエアコンの設置工事を行いました😊
(東京都内の一戸建て住宅にて)

室内機設置場所は2階の部屋になります。
室内機設置場所
配管穴はこちらの建物が建築された当時に業者に開けてもらったそうです。

室内機は配管穴のある面へ取り付けます。

すぐそばにエアコン専用コンセントもありますね。

こちらは外壁。
外壁は2階と1階で2色に分かれている
2階は白っぽい色で1階は黒色です。

室外機は配管穴から真下の地面に設置します。

事前に現地調査を行い、エアコンは室内機高さ寸法25cmのこの機種(富士通)を選定していただきました。
富士通のエアコンを選定していただいた
理由は壁に開けられた配管穴の高さ。

天井との間の寸法が少なく、通常の高さ30cmクラスのものが設置できないため。

そして今回、この機種を選んでいただいたのは室外機の静粛性などが他のメーカーより優れているためです。
(当店での比較😅)

では作業を始めます。

据付板の取り付け。
据付板の取り付け
水平器を使用し真水平に・・・とは致しません。

据付板は真水平に取り付けても壁の状態や室内機本体の精度によりどちらかに少し傾くことが多いのです。

そのため予め室内機から出るドレン排水が流れやすい方向へ、目で見てもわからない程度ほんの少し傾けて付けています。

たまにお家の造作が傾いていて逆にエアコンが傾いて見えてしまうことがありますが・・・それは致し方ありませんね。
(これが新築だったりするとお客さんに言いにくいものです😅)

室内機を据付板へ掛ける準備。
室内機を据付板へ掛ける準備ができた
室内機に連絡電線(室内機と室外機を結ぶ電線)を接続しパイプ類と一緒にテーピング。

コンセントのアースターミナルへつなぐアース線も取り付けます。

掛ける前にコンセントの位置に合わせて電源コードの長さを調整し、背面に取り忘れた梱包材などが残っていないか、その他を確認します。

室内機を設置。
室内機を壁に掛けてアース線を接続した
壁と室内機背面の間にコードや電線が挟まっていないか確認してから壁へぴったりと収めます。

室内機から出したアース線もコンセントのアースターミナルへ接続しました。

さて次に外壁の工事へと移ります。
外壁の配管工事を行う
2階までは二連梯子を伸ばして掛けました。

今回、パイプには樹脂製の配管化粧カバーを取り付けます。

2階の白っぽい壁(モルタル)にはアイボリー色、1階の黒い壁(金属板)にはブラック色のカバーを用意しました。

チョークラインは配管化粧カバーを真っ直ぐ取り付けるために使用。
使用しているチョークライン
チョークの粉で直線を引く工具です。

配管化粧カバー自体は少し柔軟性があり、特に直射日光が当たり温まるとその面だけが伸びて曲がります。

そのまま取り付けてしまうと下から見上げた際、うねうねと曲がった仕上がりになってしまうのです。

チョークラインで直線を引いてそれに沿って取り付ければ真っ直ぐに仕上がります。

途中には金属の水切りが出ていて、しかも2階のモルタルと1階の金属の壁には1cm程度の段差が。
段差部分は配管化粧カバーを加工して取り付ける
そこはカバーを加工してクリア😄

金属板の壁は下穴を開けてからコーキングを塗布してねじ固定しました。
金属板壁は下穴をあけ、コーキングをしてからねじを打った
こうすることでねじと金属板の接触部の腐食(サビ)を防ぎます。

配管化粧カバーの下地を付け終わりました。
配管化粧カバーの下地を付け終わった
あとはパイプや電線を施工します。

外壁の配管作業が終わりました。
外壁の配管作業が終わった

途中の段差。
配管化粧カバー、途中の段差部分の施工
違和感なくできました😄

室外機はブロックを台にして設置。
室外機はブロックを台にして設置
やっぱりブロックが一番安定します。

室外機の足はブロックへねじで固定しズレ防止。

お客さんとともに試運転チェックしすべて正常で施工完了しました😊

配管化粧カバーは壁の材質で固定の方法やねじの種類を変える必要があると思います。

なんでもかんでも同じねじ・同じ長さでは強度不足や壁内の配線・配管に傷をつける恐れがあります。

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2023年11月20日 (月)

故障したルーバーモーターの中

先日のルーバーモーター交換修理で取り外したモーターを分解してみようと思います😊

点検時に確認した症状は内部で回っている振動はするが出力軸が動かない状況でした。

モーター
故障したルーバーモーター
モーターの中心と回転部がズレているということは内部にギヤが入っていることが想像できます。

開けてみるとやはりギヤが
モーターを開けるとギヤがたくさん
しかも思ったよりたくさんあります。

かなり減速しているようです。

ギヤは樹脂なのでこれのどこかに不具合がありそうですね。
ギヤのどこかに不具合が

おかしな部分が見つかりました。
ギヤのおかしな部分が見つかった

見やすいように一旦ギヤ部分だけ本体から取り外しました。
モーターからギヤを取り外した

横から見ると
ギヤがすり減ってなくなっている
ギヤがすり減ってなくなってました。

おそらくこの部分のギヤには負担が大きくかかっていたのでしょう。

長期の使用で徐々に摩耗して歯飛びを起こすようになり、それが元でさらに摩耗してツルツルに。

それに加え周囲に比べて小さいギヤ(歯数が少ない)なので噛み合っている大きなギヤより摩耗が早まります。

ルーバーを手でグイっと動かしたりするとこのような樹脂製のギヤは簡単に摩耗してしまうので取り扱い注意です。

どうしても手で動かす必要がある場合は、ゆっくりとモーターの機嫌を伺うようにしましょう。

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2023年11月17日 (金)

洗浄してから効きがよくない

前回記録簿のルーバーモーター修理と同じお客さん宅でもう1台。

夏にエアコン洗浄を掃除業者さんにより行ってから冷房の効きがいまいちよくないとのこと。

室内機は前回記事のものと共用のマルチ室外機に接続されています。
(マルチ室外機:1つの室外機に室内機を複数台接続できるタイプ)

室内機を点検すると
室内機を点検する
あるべきものがない・・・

ここに切り欠きが見えます。
室温サーミスタが見あたらない
この部分に本来は室温(吸い込み温度)を感知するサーミスタ(センサー)が付いているはずですが・・・

そして制御基板へとつながるサーミスタのものと思われるリード線が不自然に長い・・・
リード線が不自然に長い
どうやらサーミスタは別のところにあるようですね🤔

ミラーを使って確認したところ
サーミスタが裏にある
樹脂でカバーされた裏にありました。

エアコン洗浄の際に業者さんが分解と組み立ての方法をミスったようです。
(手順が間違っているため本来の位置に付けられなかったと推測)

これでは正確な吸気温度(室温)を測れず、熱交換器周りで渦巻いた気流の温度を拾ってしまい冷暖房とも効きが悪くなります。

奥に隠れたサーミスタをなんとか引っぱり出してあるべき位置へ固定。
サーミスタを固定
黒い物体が空気温サーミスタです。

リードの長さも自然になりました。
リード線の長さも不自然ではなくなった
よく見るとリード線は2本ありますがもう1本は熱交サーミスタで熱交換器の温度を感知しているものです。

フィルターを付けて
室内機にフィルターを付けた
これなら正確な吸気温度が測れますね😄

しばらくこれで様子をみてもらいましょう😊

なお機種によってサーミスタの設置位置は異なるので別の場所に設置されている場合もあります。

じつは前回記事のルーバーモーター交換した室内機も同じような状態でした。

そちらは洗浄後、昼間の暑いときは冷房が普通に効くが夕方になるとどういうわけか効かなくなってくるという症状だったそうです。

サーミスタが冷えた熱交換器近辺の温度を検知していたためと考えられます。

エアコン洗浄(クリーニング)を行うと、組立ミスや破損などで不具合を起こすことがあります。

掃除屋さんはエアコンの細かな機能などは専門外なのである程度は仕方ありません。

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2023年11月14日 (火)

上下風向ルーバーが動かない

エアコン室内機の上下風向を調節するルーバーが動かなくなったという点検依頼をいただきました😊

さっそく点検開始します👀
上下風向ルーバーが動かなくなった室内機
リモコンで操作してもルーバーは止まったままで動きません。

運転を停止しても閉まらず中途半端に開いたまま。

前面グリルを外して本体左端にあるルーバーを動かすモーターを見てみます。
ルーバーモーター
リモコンを操作すると「ジジジジ、ジジジジ」とかすかに音が聞こえます。

しかしモーターから出ている軸はまったく動きません。

モーターを室内機から外して手で持ってみると
ルーバーモーターを手で持ってみると内部が動いている
振動が手に伝わって内部が回っていることがわかりました。

モーターがどこか故障しています。

1か月ほど前に業者を呼びエアコン洗浄したとのことですが、それに起因するものかはわかりません。

修理費用を見積もりして直すことになりました😊

部品が入荷し再訪問🚙💨

また前面グリルを外します。
修理のため室内機の前面グリルを外した

モーターのリード線は室内機右側面にある制御基板に接続されています。
室内機の制御基板
モーターとリード線は一体になっているため配線も入れ替えます。

撤去した故障モーター。
故障したルーバーモーターを撤去

こちらは取り寄せたモーター部品。
取り寄せたルーバーモーター部品

一応、新旧のモーターを見比べます。
新旧のモーターを見比べる
違いはありません😊

モーターを取り付けて配線中。
ルーバーモーターから制御基板まで配線する
おかしなところを配線すると水漏れすることもあるので確認しながら行います。

そして制御基板へコネクタ接続。
制御基板へコネクタ接続
基板上は発熱する部品もあるのでそこを避けて通します。

室内機をすべて元通り戻して
室内機のグリルやルーバーを元通り戻す
元電源を入れるとルーバーが動き出し吹き出し口が閉まりました。

運転すると開いて正常です😄

これにて修理完了😊

上下ルーバーは冷房時は上(正面)向き、暖房時は下向きにします。

正常なエアコンであれば自動でそのような向きになります。

むか~しはモーターが付いておらず手で動かして調整してましたね。

モーター付きのルーバーは無理に手で動かすと壊れるので取扱いに注意しましょう。

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2023年11月10日 (金)

穴パテの剥がれを補修

一戸建て2階の外壁面から出たエアコンパイプの穴を塞いでいるパテが剥がれた、という補修依頼をいただきました😊

当店を初めてご利用されるお客さん宅です。
(神奈川県海老名市へエリア外出張)

この日は朝から雨🤔

現地へ向かう途中、たくさんの虹🌈が。

雨が降ったりやんだり、そして晴れたりとめまぐるしい天候です。

ネットで雨雲レーダーを見るとこれから天気は次第に晴れへ向かうようです。

現地に到着し壁に二連梯子を掛けます。
エアコンのパテ補修のため二連梯子を掛ける
まず目に入ったのはパイプのテープ剥がれ。

このままでは断熱材やドレンホースの劣化が進みます。

そしてパテは
パテがはがれている
はがれてますね。

雨がやんでいるのでいまのうち作業をしてしまいましょう😄

まずはテープの補修から。
テープの補修を行う
これはネコ🙀の仕業です。

爪でカリカリしたり登ったりして剥がれたのでしょう。

テープを巻いてパイプを壁に付けます。
テープを補修した
と、この時点で雨が降り出しました。

しばらく待機しているとすぐにやんだので梯子を伸ばして上ります。

穴パテ付近のテープも劣化などではがれてますね。
劣化したテープ
少し日がさしてきました😄

パテは壁から浮いて穴が見えてます。
外壁のパテがはがれている
外気や雨、虫などが中に入ってしまいます。

この状態では鳥のさえずりなんかもエアコンから聞こえてくるかもしれませんね😅

エアコンのパテはなるべく硬化しないようにできていますが、年数が経つとどうしても硬くなって剥がれてしまうことがあります。

とくにこのような2階部分では剥がれ防止の措置が必要となります。

パテを取りました。
はがれたパテを取り除いた
配管穴にはスリーブ(養生管)もなくエアコン取り付けの際、手の抜かれたことがわかります。

設置後にはスリーブは入れられないのでこのまま穴を埋めなおします。

テープを補修してるとこんどは大粒の雨が降り出して梯子の中間まで下りて一時避難。
雨が降り出し梯子の中間に退避
梯子にコーキングガンが掛けてありますがパテの上に塗布する予定。

しかし強い雨の吹き付けで穴の周囲もびっしょりに・・・

雨はやんでパテを埋めてその上にコーキング。
パテの上にコーキングを塗布
お客さんにティッシュをいただき穴の周囲の雨水を拭いてからパテ、コーキングしましたがなかなか壁に着きません。

残った水分ではじかれてしまうんです。

ここでまた雨が強くなり梯子を下りて作業車の中へ避難しました。

雨雲レーダーではあと少しで完全に雨はやみそうです。

30分ほどそのまま待機し晴れてから再度梯子に上りました。
晴れてから再度梯子に上る
壁は日光で照らされ左には青空が見えてますね😄

先ほど施工したパテとコーキングの状態を確認すると問題ないようです。

しかし念のため周囲のコーキングを補強しました。

これで補修完了。

今回はもう1か所あります。
2つ目の不具合箇所
こちらはパイプのテープが剥がれて断熱材まで劣化し冷媒管(銅管)が見えてます。

この場所も2階の外壁なので二連梯子での作業。
二連梯子に胴綱を掛けて作業
梯子から両手を離すことが多いので胴綱を使用しています。

断熱材の劣化
断熱材が劣化して冷媒管(銅管)が見えている
ここには断熱材を足してテーピングします。

パテは横から見ると壁から離れてすき間ができてます。
パテと壁に間にすき間がある
雨が直接かかる部分ではパテだけではやはりダメなんです。

吸着力がだんだんとなくなって剥がれます。

パテを取り去るとやっぱりスリーブはありません。
配管穴にスリーブがない
もう定番の手抜きですね。

ここは建物の角部分ですが配管穴を端に寄せすぎて少し(5~10mm程度)柱が削られています。
柱が少し削られている
奥に見える木は室内側の石膏ボードを張るための支えの木材なので削っても建物の構造強度には影響ありません。

一方、柱はこの程度であれば建物強度には影響ないのでしょうが、しかしだからといって削っていいというものではありません。

パイプに断熱とテーピング、穴にパテとコーキングを施工し補修作業完了😊
テープ、パテの補修完了
こちらは雨に降られずに済みました😄

雨のかかる部分はパテだけでは剥がれるのでコーキングなどで補強する必要があります。

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2023年11月 7日 (火)

契約アンペアと200Vエアコン

今回は電力会社とアンペアで契約をしているお宅に200Vのエアコンを設置する場合のおはなし😊

前回の工事記事では200Vのエアコンが15A使用すると電流制限器(電力会社の契約アンペア)には2倍の30A流れたことになると書きました。

なぜそうなるのか・・・

まず電流制限器とは
電流制限器
分電盤の中にあるこれです。

エアコンに炊飯器、電子レンジを同時に使い、お子さんがドライヤーをブイーン・・・”バチン!”
「あれ真っ暗😱停電?」なんて経験あるのでは?

電気を使いすぎると落ちるアレです。

電力会社の財物で、画像の40Aは契約アンペアを表しています。

この場合、電気機器を合計40Aを超えて使用すると作動して電気が切れます。
(ブレーカーが落ちる)

これは保安目的ではなく、電気の使用量を制限するために設置されているもの。

ただ現在ではこのような形ではなく屋外の電力量計に電流制限器の機能が搭載され、触れられないようになったものへと変わりつつあります。

「えー、それじゃ落ちたらどうするの?」

ご安心ください、自動で復帰するようになってます。

ただし何回も連続して落ちた場合、復帰しなくなるので電力会社に連絡して通電してもらう必要がありますが。

こちらは分電盤の例
分電盤
左から電流制限器、漏電遮断器、各回路のブレーカーとなっています。

ではここから電流制限器に電気がどのように流れているのか見ていきましょう。

まずこれは電流制限器とそこから配線接続された100Vと200Vの機器の図です。
電流制限器から接続された100Vと200Vの機器の図
(漏電遮断器や各ブレーカーは省略しています。図をクリックすると大きく見られると思います)

3本(L1,N,L2)の電線で配線されることで100Vと200Vの電気が使用できるようになっています。

このような方式を単相三線式などと言います。

L1とN、L2とNの間はそれぞれ100V。

そしてL1とL2の間はN(中性線)を中心に極性の+-が逆になっているので200Vとして使用できます。

このようにして一般家庭で100Vと200Vの両方が使えるようになっているわけですね。

余談ですが100Vしか使えない家(昔はほとんどそうでした)はL1-NまたはL2-Nのどちらかのみ2本線(単相二線)で受電しているお宅です。

話は戻りまして下の図はL1-N間にだけ100Vの10Aと5A機器を接続したときの電流の流れ。
L1-N間にだけ100Vの10Aと5A機器を接続したときの電流の流れ
(交流なので常時流れは変化しますが直流と同じように表現します)

L1から2つの機器へ分流してNでまた合流。

L1からNへ15Aの電流が流れて電流制限器も15Aの電流が流れていると感知します。

そして次はL2-N間にも5Aと10Aの機器を接続しました。
単相三線式、100V機器の電気の流れ
4つの機器の使用する電流に応じてこのように流れます。
(ちょっと複雑になってきました😅)

電流制限器のNには0Aで電流が流れていませんね。

L1-NとL2-Nのそれぞれの間に接続された機器の電流が同じとき(完全な平衡状態)このようになります。
(L1-NとL2-Nの平衡が少しでも崩れると電流制限器のNにも電流が流れます)

こんどはL1からL2に15Aの電流が流れています。

でも電流制限器はこの場合15Aではなく30A使用していると感知します。(ここがポイント)

たしかに機器をすべて合計すると10A×2台、5A×2台で30A使用しています。

電流制限器はL1とL2に流れる電流を合算して感知しているんです。

ここまでくると勘のいい方は気付くと思います。

ここに200Vで10Aを使用する機器を接続するとどうなるでしょう。
単相三線式、100V機器と200V機器が混在の図
L1とL2に流れる電流を見てください。

両方とも10Aずつ増えています。

200V機器はL1-L2間に接続されるのでこうなるのは当然ですね。

さきほど電流制限器はL1とL2の電流量を合算して感知しているといいました。

ということは25A+25Aで合計50A。

10A使用する200V機器を接続したら倍の20Aが増えたことに😲

ここが200Vエアコンを導入するときの注意点です。

電流制限器のアンペア数は一見、電流を制限していますが、よくよく考えると電力を制限しているということになります。

例えば100Vで10Aを使用してるときその電力(皮相電力)は100×10で1000VA(ボルトアンペア)。

200Vで10Aでは200×10で2000VA。

200Vでは同じ電流でも単純に2倍の仕事ができ、それに応じた電力を消費するわけです。

なので40A契約(40Aの電流制限器)であれば最大40A×100Vの4000VA(4kVA)まで使用できるということです。

逆に計算すると40A契約で200Vの場合、4000VA÷200Vで20Aが制限一杯となります。

電気が足りない場合、契約アンペアを上げる方法などがありますが建物の状況(電線の太さなど)によってはそれができないこともあるのでよく調べてから機種を選定する必要があります。

なお、電流制限器のNに電流が流れてもそこは合算されません。

Nには電流量を測定する素子が付いていませんので。

ちょっとわかりづらい説明だったかもしれませんね😅

少しでも参考になれば幸いです。

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2023年11月 3日 (金)

エアコン入替工事と電圧切替

エアコンの入れ替え工事の依頼をいただき伺いました😊
(東京都町田市内の一戸建て)

当店を初めてご利用されるお客さん宅です😄

機種選定などにあたり、少し判断の難しいところがあったため事前に現地調査に伺っています。

取り外すエアコンはこちら(富士通ゼネラル製、冷房能力4.0kW、14畳用)
撤去する室内機
梁の間に設置され、左の梁に寄っています。

この室内機は通常のものより小さいサイズで高さ25cm、幅が73cm。
(現在標準的な室内機サイズは高さ30cm、幅80cm)

建築途中の写真を見せてもらいましたが本体背面右下にある配管穴が筋交いの関係で左寄りになってしまったことでこの機種が選定されたようです。

ということはこれより大きな室内機では設置が難しいでしょう。

梁との間に上部が収まっているため吸気の性能を確保するにも同程度のサイズでなければ風量も低下します。

ということで現在でも同サイズのものが販売されている富士通のエアコンに決定となりました。
(エアコンはお客さんにて通販で購入)

ただし冷暖房能力はアップして冷房5.6kWの18畳用へ。

室外は配管化粧カバーで施工されています。
外壁に設置されている配管化粧カバー
このカバーは設置から10年程度経過していますがまだ弾力性もありそのまま再使用が可能。

中の配管電線類は新品に交換します。

取り外す途中、カバーを開けると・・・
冷媒管の銅管が露出
冷媒管の銅管が露出してます。

これはちょっと施工レベルが低いですねぇ。

銅管の見えているすぐ上には冷媒管接続部が断熱に隠れていますが、ここをビニルテープのみで巻いていたため断熱材の収縮により間があいてしまった状況です。

まだこの程度で済んでいますが、これより断熱が縮むとこんどはドレンホースが引っ張られて抜けてしまうことに。

たまに配管化粧カバーの途中から水が出ているのを見ますがこのドレンホースが抜けているためです。

手間と材料を惜しむとこういった施工になっちゃうんですよ。

さて取り外しが終わりました。
エアコンの撤去が終わった
やはり穴が筋交いの関係で少し左に寄ってますね🤔

穴の周囲はこんな感じ。
配管穴の周囲にツバがない
スリーブは入っていますがその周囲にツバはありません。

据付板を取り付けると同時にツバも設置しました。
据付板の取り付け

配管穴と据付板
配管穴と据付板
よく見ると据付板に配管穴中心の三角マークが縦横2つ見えますが、それより穴は左にありますね。

もっと据付板を左に付けたいところですが、天井から出ている梁でこれ以上寄せられません。

そして高さは穴よりちょっと高め。

これはわざとしてます。

壁を貫通している配管穴はほぼ水平にあけられており、いままで設置されていたエアコンの排水はホースの中で溜まっていました。

それを少しでも回避するため高めに設置。

またそのことで穴のふちが少し見えるかもしれない(下からだとおそらく見える)のでツバを設置した次第です。

室内機の配管を処理して引っ掛け準備。
室内機の引っ掛け準備
天地さかさまに置いてあります。

室内機から出ているパイプ類は配管穴に合わせて少し本体中央寄りにしています。

引っ掛けました。
室内機を壁に掛けた
見た目は以前とほとんど一緒で新しくした感じがしませんが😅

次は外側の作業ですが1枚も画像がありませんでした😆
(作業に集中していたということで・・・)

今回、エアコンは冷房能力4.0kWから5.6kWへアップ。

そして電源は
コンセントを100Vから200Vへ変える必要がある
100Vのコンセントが設置されています。

新しく取り付けたエアコンは200V。

たまにこれを見て通常と形が異なるので200Vと思っている方がいますが違いますよ😄

これは100Vで20Aまで使えるコンセント。

通常の「l l」こんな形をしたのは15Aまで。

まずはコンセントを200V用に取り替えます。

そのまえに必ずこのコンセントが専用回路(ブレーカーから単独回路)になっていることを調べます。

万一、他のコンセントや照明との分岐回路(ブレーカーから同一回路)になっていた場合、それらも200Vになって接続された機器が故障します。

コンセント交換中。
コンセントを交換中
こちらの建物は壁内にウレタン断熱材を吹き込んでありかなり断熱性能は高そう。

しかしそのせいか電線がほとんど動かず引っ張っても出てこないためちょっと手こずりました😅

交換完了。
200Vコンセントへ交換完了
でもこれは形が変わっただけで電圧はまだ100V。

分電盤を開けて
分電盤で電圧を切り替える
ここで電圧を100Vから200Vへ切り替えます。

これはブレーカーを一旦外して電圧を切り替えるタイプ。
ブレーカーを外して電圧を切り替えるタイプ
該当の回路を切り替えます。

このブレーカー(配線用遮断器)は100/200V兼用20Aタイプです。

その後、線間と対地間の絶縁抵抗を測定し問題はなくブレーカーON。

コンセントで電圧を測定。
コンセントは203.8V
203.8VでOK。

コンセントとエアコンのプラグの形状
コンセントとエアコンプラグの形状
コンセントはエル・バー形(20A)、プラグはタンデム形(15A)です。

コンセントは20Aと15Aのどちらも差し込み可能。

ブレーカー(配線用遮断器)は20Aですが、この場合15Aのエアコンを接続してもOKです。

プラグを差し込みエアコンの試運転は問題なく終了😊

200Vのエアコンは同じ電流量でも100Vの倍の仕事ができるので能力が高くなりますね。

ただし注意しなければならないことはその分電気を多く消費することです。

このエアコンは室外機(コンプレッサー)がフル回転時に15A近くを最大電流として使用します。

そのときこの電流制限器(電力会社との契約アンペア数)では
電流制限器
15Aを使用したとはなりません。

200Vで使うと2倍の30Aが流れたことに😳

なので40A契約であればこのとき残りは10A。

他に使用電力の大きな電気製品を同時に使うと逼迫してブレーカーが落ちるかもしれません。

状況によっては契約アンペアをアップする必要が出てきます。

機種選定の際はこれらのことも考慮する必要がありますね。

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