雷の影響か・・・修理不能へ
エアコンが2台故障しているとの点検依頼をいただきました😊
(東京都大田区内のマンション)
当店を初めてご利用になるお客さん宅です。
2台とも製造から20年以上の機種で補修部品の有無が修理ができるか否かの境となります。
今回はその1台目の点検と修理。
事前にメールで伺っていた故障内容はエアコンからの漏電。
あるとき突然漏電遮断器が作動し電気が全部消えたらしいです。
その後はエアコンのプラグをコンセントに差し込むだけで漏電遮断器が落ちてしまうとのこと。
それでは点検を行います。
エアコンの漏電といえばほとんどの場合室外機から。
ここで調べてみます。
まず室内外の連絡電線接続端子台で絶縁抵抗を測定。
指針は0Ωあたりを指して漏電していることを表しています。
室内機と室外機の電気的な縁を切ってみるとやはり室外機内部で漏電していることがわかりました。
室外機の天板を開けて制御基板で各部品を調べることにします。
基板には室外機内の電気機器類がほとんど接続されているので、ここで調査するのが早道。
20年以上前の機種ということもあり整流用のコンデンサ、ダイオードスタック、コンプレッサー駆動用のパワーモジュールは現在のものと異なり別部品として配置されてます。
現在ではこれらの部品も制御部と共に1枚の基板上に載っているものが多くなっていますが製造コストの軽減と、点検修理を容易にする策ですね。
基板上のあるコネクタを抜いてい見ると
絶縁抵抗計が200MΩ以上を指しました。
これで漏電はなくなりました。
そのコネクタは
電子膨張弁のステッピングモーターを回す膨張弁コイルにつながるもの。
またこれ?🤔
先日アップした漏電修理記事でも同じ部品が漏電していましたが。
どういうわけか続くものですね。
膨張弁コイルの交換となります。
しかし20年以上の機種では当然補修部品の保有期間は10年以上前に終わってます。
一応、メーカーへ聞いてみると全国に30個程度残っているとのこと。
見積もりを出して修理することになりました。
膨張弁コイルの交換には室外機の外板をほとんど外さなければなりません。
まだ右側面が残っていますがこれもすべて外します。
でもこのサビは動作や漏電には関係ありません。
この部品は結露するので鉄の腐食が進んでいるだけです。
内部のコイルと鉄心などとの間で絶縁が破れているので外部からは見てもわかりません。
新しいコイルを膨張弁に付けて鏡を使いしっかりロックされているか確認。
ずれていたりすると動作不良で冷暖房に影響が出たり最悪の場合はコンプレッサーを傷める可能性があります。
室外機を元通りに戻して
絶縁抵抗計で測定して漏電はありません。
さっそくコンセントに電源プラグを差し込んでいただき運転開始。
(息子さんが部屋で休んでいるためお客さんにお願いしました)
もちろん漏電遮断器は作動しなくなりました😄
と喜んだのも束の間・・・
3分ほどで”コツン”と室外機に電源投入された音がしましたが・・・
その後は一向に動こうとしません🤔
これはもしかして・・・
室内機を見ていただくと運転ランプが点滅しているとのこと。
あちゃー、このメーカーの運転ランプの連続点滅はシリアル信号異常(室内機と室外機の信号のやりとりができない)と記憶しています。
念のためメーカーへ確認したところやはりその通り。
計測すると室内機からは信号が出ていますが室外機の基板から信号が出ません。
室外機の制御基板故障でしょう。
メーカーに確認すると室外機の基板は在庫なしで修理不能となりました😪
残念ですがしかたありません。
お客さんによると漏電する前までは問題なく使用できていたとのことです。
こちらの室外機の設置状況からみてピンときました。
置かれているのはルーフバルコニーで天井はなく開放的なところ。
マンションの周囲を見ても開けた場所で見通しがよい。
そして室外機のすぐ右側には金属製の手すりがあります。
これは誘導雷などを含む雷の影響を受けた可能性が大いに考えられます。
異常な高電圧が回り込んで膨張弁コイルの絶縁を破壊。
それと同時に制御基板のマイコンや周囲の部品も破壊。
こうなるとたとえ制御基板の在庫があったとしても別の部品も不具合を起こしているかもしれません。
雷は近くに落ちなくても影響のでることがあるためこのような故障は避けようがありませんね。
次回はもう1台の様子をアップする予定です。
http://kato-aircon.com/
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