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2023年10月

2023年10月31日 (火)

梯子作業の現地調査へ

約15年前に当店で取り付けたエアコンの入れ替え工事のため現地調査に伺いました😊

というのも外壁の配管工事がちょっと困難で以前どのように施工したのか、また現在使用している器具で作業可能かなどを確認する必要があったため。

状況はというと、
外壁のエアコン配管状況
2階から配管化粧カバーで地面にある室外機までパイプが下りています。

これだけ見ると通常の梯子作業(6m程度の二連梯子作業)のように見えますが。

塀の手前は階段で低くなっています。
梯子を立てるところは階段

塀と壁の間は50cm程度しかないため梯子を掛けると垂直に近くなり危険度が高い。
塀と壁の間が50cm程度で梯子を立てにくい
やはり階段から長い梯子を掛けるほうが安全そうです。

こちらのお客さん宅へ初めて訪問したのは17年ほど前。

当時新築で引越し業者の下請け工事屋さんによりエアコン移設工事を行っていたところ、この状況から取り付け作業をお断りされたそうです。

その後、何件か問い合わせて当店へご連絡いただき取り付け工事を行いました。

しかしその2年後(今から15年前)にエアコンが故障したため新品へ入れ替え工事を行いました。

そして今回、まだそのエアコンは稼働しているのですが当方がこのような作業ができるうちに最後の入れ替えをとご連絡をいただいた次第です。
(その間にも何度が他の部屋の工事に伺っていますが)

壁の上の方には15年前の作業時に打ち込んだアイ・スクリューがあります。
15年前に壁に打ち込んだアイ・スクリュー
掛けた梯子が転倒しないようにするため取り付けました。

これはステンレス製で建物の柱に打ち込んであります。

さて今度は梯子
梯子
左は二連梯子で通常の2階までならこれで作業可能。

右は三連梯子にするためのもの。

この梯子はもともと三連梯子ですが作業性や取り回しが悪いため普段は3段目を外しています。

3段目を取り付けました。
三連梯子へ組み立て
これが本来の姿。

横から
梯子が3段

階段の途中に掛けるため力が入りにくくお客さんに手を借りて立てました😅
三連梯子を掛けた
これで全長8m程度です。

階段の段差はブロックや木っ端などで調整。
階段の段差はブロックや木っ端などで調整した

三連梯子に登るとグワングワンとしなって揺れます。

最上部まで上がってアイ・スクリューと梯子をベルトで固定。
アイ・スクリューと梯子をベルトで固定
胴綱(電柱に登るときに使う綱)を梯子に掛けて後方へ体重を移動させて安定度や作業性などを確認。

しかし右側方を見ると長く続く階段でその高さゆえ恐怖を感じます。

姿勢の基準となるものが近くにないのでバランス感覚がつかめなくなるからでしょうかねぇ。

今回もこれでなんとか工事ができそうです😄

なお3階建ての3階外壁工事は梯子が立てられないことが多くほとんどのケースで工事をお断りしているのが現状です。

現在では安全が重視されるのでこれからますます高所の作業はできなくなっていくのかもしれません。

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2023年10月27日 (金)

古いリークディテクターでも

これはリークディテクター
リークディテクター(冷媒漏れ検知器)
冷媒漏れを検査する道具です。

古いもので20年位前に購入したものですがいまでも現役。

現在の製品と見比べるといかにも古めかしいデザイン😅

他にこれよりも新しいリークディテクターを3台持っていますが結局いまではこれを使うようになりました。

その理由はセンサー(半導体センサー)の感度と寿命が優れているため。

こちらのセンサーは新品で購入してから一度も交換していませんがいまでも問題なく使用できます。

一方、新しい製品のほうはというとセンサーが小さく1年程度で感度低下して反応が悪くなります。
(ほぼ毎年センサー交換が必要)

それに比べて何倍も大きなセンサーを搭載しているため長寿命なのだと思います。
(以前、中を開けて見ました👀)

また、長寿命を謳う赤外線センサーを搭載したタイプも1台持っていますがセンサーの寿命が来る前に2年程度で感度低下してしまいました。

結局センサーが長寿命でも光を使った赤外線センサーでは光線を通す部分の曇りや汚れで寿命に至らずとも使えなくなるのかもしれません。

こちらは本体に貼ってある感度表
リークディテクターの感度
しかし現在主流のR32がありません。

でも使用してみるとまったく問題なく反応します。

R410Aの冷媒にはR32が入ってますしね😄
(R32とR125の混合冷媒)

高感度(H)では1年につき数gの漏れを検知できます。

なにより気に入っているのはこのアナログメーター
リークディテクターのアナログメーター
やっぱりメーターはアナログでないと。

現行型のLEDによるレベル表示ではわからないような瞬間的に薄い冷媒を検知した際も”ふわっ、ふわっ”とした針の動きで漏れの程度を直感的に感じ取れます。

実際の現場での使用。
リークディテクターを使ってみる
これは何も検知していない状態。
(メーターの白い点はカメラのライト😅)

右下のパイロットランプは緑色に光ってメーターの針は左に寄っています。

室内機の熱交換器からの漏れを検知
冷媒漏れを検知したリークディテクター
パイロットランプは赤に変わりメーターは右いっぱいに振れ、ピピピピピ・・・とアラーム音を発します。

パイロットランプもメーターの針の動きに合わせ徐々に緑から赤へ、赤から緑へと変化するようになっています。

このリークディテクターは途中10年ほど使用していなかったのですが現在ではまた主力で活躍中。

確か現在のものより倍くらいの値段でしたが高いのにはそれなりの理由がありますね。

感度も1番です😊

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2023年10月24日 (火)

ネットがつながらない

何をするにしても現在では欠かせなくなったインターネット。
インターネット

しかし先日、突然ネットがつながらなくなりました🤔

メールを受信しようとしてもログインできず😱

ブラウザを起動しても”インターネットにつながっていない”旨の表示。

OSのアイコンも”インターネット接続なし”になってます。

モデムを再起動するとこんどはインターネットへの接続ランプが点かなくなりました。

モデムがいつも熱くなっているのでとうとう壊れたか?

とりあえずプロバイダへ緊急の電話をしましたがなぜか途中で切れてしまいます。

携帯(別のプロバイダ)からプロバイダの不具合情報を見ようとしましたがそのページだけアクセスできず・・・

ということはアクセス集中。

これはプロバイダ側の不具合で集中しているのだろうと判断しこの日はそのままにしました。

翌朝、モデムを見るといつも通りインターネットに接続できているようです。

PCの電源をいれるとOSは”インターネットアクセス”になっていました😄

やっぱりプロバイダ側の不具合でした。

その他の情報ではかなり広範囲に接続できなくなっていたようです。

とりあえずひと安心😊

ところでネット復旧後にある変化が・・・

ここ数か月(半年近く?)メールの送受信にすごく時間がかかっていました。

1通のメールに数メガバイトの大きさがあってもそれは問題ないのですが、容量に関係なく何通も受信したり送信したりするとフリーズしているのではないかと思うほどの遅さ。

たった数十キロバイトのメール受信に1分くらいかかることも🤔

近々にメールサーバーの管理会社(プロバイダとは別会社)へ問い合わせをしようと思ってました。

ところがネット復旧後は何通でもサクサク送受信。

もしかしたら以前よりプロバイダ側の機器に不具合があったのかもしれませんね。

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2023年10月20日 (金)

UR住宅の配管穴

先日行った取り外し作業のひとコマ。

引っ越しの業者さん(の下請け?)にエアコンを設置してもらったそうですが・・・

配管穴のパテをはがします。
配管穴のパテをはがす
お客さんによるとこれを施工した業者さん曰く、
「パテ埋めの仕上がりに工事の善し悪しがでる」
と言ったそうですが、私が見た限りではとてもうまいとは思えない埋め方でしたけど😅

ま、人それぞれセンスが異なりますからね。

それはどうでもいいとして、配管穴の中
配管穴の中
これは経験不足の業者さんかな・・・

画像を拡大します。
配管穴の中をアップで
穴の中央辺りに下から突き出た水切り板がついてますね。

”水切り板”というのが正しい名称かは知りませんが、当方が35年以上前(駆け出しの会社員時代)に当時の上司から教えてもらった呼び名です。

画像でもわかる通りドレンホース(排水ホース)にくい込んだ状態なのでホースが潰れてしまったり、持ち上げられて逆勾配となっています。

この部分でホース内に水が滞留しやすくなるため長期間使用すると雑菌によりヌメヌメのスライムが溜まって詰まります。

この水切り板、UR住宅ではよく付いているものなのですが、エアコンの配管を通す際は取り外さないと室内機から水漏れするなどの不具合につながります。

こういった基本的なことを知らない業者さんが多くなりました。

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2023年10月17日 (火)

冷房を運転すると暖房になる?

さて前回と同じお客さん宅で2台目のエアコン点検です😊

こちらの故障内容は冷房を運転すると室内機から熱風が出て暖房になってしまうというもの。

室外機内部の部品故障が一番に考えられます。
冷房運転しても暖房になる室外機を点検する
1台目と同じ室外機に見えますが同じメーカーでシリーズの異なる機種です。

疑われる部品としては冷暖房を切り替える”四方弁(四方切替弁)”や”制御基板”の故障。

じつはメーカーさんに数週間前に一度点検してもったそうで、結果は四方弁の故障でその部品の供給が終了しており修理不能と判断されたとのこと。

四方弁により冷媒の流れを冷房と暖房とで切り替えるため、それが壊れるとどちらかに止まったまま動かなくなることがあります。
(ごく稀に中間で動かなくなっているものもありますが)

ちょっと見づらいですがこちらが四方弁の参考画像(別機種)
四方切替弁
青色の電磁コイルで手前の小さな弁を動かし、次に冷媒の圧力で奥の大きな弁を切り替えます。

しかしメーカーさんの点検結果が信用できないということで当店へご連絡いただきました。

こちらのエアコンも製造から20年経っているのでたしかに部品がない可能性が大ですね。

もちろんそのことは事前にお客さんへ伝えてあります。

では点検開始。

冷房運転してみると確かに暖房サイクルに入っています。

暖房運転しても暖房サイクルです。(ずっと暖房😅)

これでは暑いと思ってリモコンの温度設定を下げれば下げるほど暖房が強く効きます。
(こりゃたまらん😆)

まずは室外機の天板を外して制御基板を見ます。
室外機の天板を外して基板を点検する

回路図から四方弁へつながるコネクタを見つけました。
四方弁へつながるコネクタ
コネクタを抜いて四方弁コイルの抵抗を測定すると550Ω程度でした。

コイルの断線やショートではなさそうです。

次に回路計(テスタ)を使い基板からの出力電圧を調べます。
回路計(テスタ)で基板からの出力電圧を調べる
冷房運転したり暖房運転したりしましたが基板からは全く電圧が出ていません。

この時点で制御基板の故障はほぼ確定です。

メーカーさんの”四方弁故障”の判断を検証するためもう少し調べます。

ここでメーカーの技術部へ電話し当機種の四方弁コイルの仕様をを聞くと、
・冷房時にAC100Vで駆動(励磁)。
(暖房時は無電圧)
・巻き線抵抗は550Ω程度で問題なし。
との回答をいただきました。

巻き線抵抗550Ωあれば100Vを印加しても0.2A以下と頭の中で計算して直接100Vをコイルに掛けて四方弁の動作を見ることに。

実際にはAC(交流)なのでコイルのリアクタンス(虚数のΩ)が加わり合計のインピーダンスは550Ωより大きくなります。
(ちょっと専門的すぎ😆)

なお不慣れな方はこういうテストは思わぬ事故になるのでやってはいけません。

また現在ではDC(直流)の極性反転で冷暖房を切り替えるタイプが主流なので事前の確認は必要。

ちょっと工夫してコンセントからコイルに直接AC100Vをかけてみました。
コイルに電圧をかける
四方弁から”カチン”と音が聞こえました。
(お、これはいけるんじゃないの?)

そしてこの状態でエアコンを冷房運転。

すると冷媒の流れは冷房サイクルに入り冷房が効くようになりました😄

当方の結論は四方弁のコイルおよび弁の動作に異常はなく、制御基板の故障でまちがいありません。

おそらく基板上のリレー回路周辺がダメになっているのでしょう。

リレーをペシペシ叩いたり揺すったりしましたが電圧は出てきませんでした。
(昭和の修理技術😆)

メーカーサービスステーションへ電話したところ基板の在庫は少ないがまだ有り(ラッキー😄)

修理の依頼もいただきました😊

部品発注・入荷して後日再訪問。
再訪問しエアコンの修理を行う
また外板を外します。

故障した制御基板を取り外し撤去。
故障した制御基板を取り外し撤去
前回の記事でも書きましたがこの時代までのエアコンはパワーモジュールやダイオードスタック、平滑コンデンサが別部品で配置されています。

そのため制御基板の部品価格は現在主流の一体基板よりかなりお安め。

しかしその分接続される配線が多くなり修理には手間がかかりますが😅

接続本数が多いため差し忘れなどがないように抜いたコネクタやファストン端子には黄色のテープを付けています。

取り寄せた部品
メーカーから取り寄せた部品

箱から出して異常がないか目視で確認。
制御基板を箱から出して目視で確認

取り付けて配線をすべて接続完了。
制御基板に配線を接続
周囲の部品にも抜けなどが発生していないか一通り確認。

交換した基板だけに集中していると周りの配線が抜けたことに気付かないこともあるので。

久々の配線の多さに翻弄されました😅

基板下部のコネクタ類は周囲の部品で手が入らなくてちょっと苦戦。

あとは室外機の外板を取り付けてもとに戻します。

ついでにこれも直しましょう。
電線が長すぎる
室内外機の連絡電線ですが長すぎ。

これまで余分な線はカバーの中に曲げて押し込んでありました。

修正してスッキリ。
電線を修正した
室外機の中に赤いランプが付いているのが見えますがすでに冷房運転中。

バルブ付近の温度を測定します。

室内機への往き11.5℃
室内機への往き管11.5℃
ちょっと低めです。

室外機への戻り1.5℃
室外機への戻り管1.5℃
低いですね。

冷房の調子は良いのですが、ヒートポンプサイクルとしては湿り運転でしょう。

長年にわたり使われたので室内機のフィルターやファン、熱交換器がホコリで詰まっているかもしれません。

これはエアコンクリーニングなどで対応していただければと思います。

暖房運転(四方弁切り替え動作)も問題なく無事に修理完了です😊

今回の修理で
「これから暖房だから修理は来年でも・・・」
と思った方がいるかもしれませんね。

でもそれは誤り。

冬にも四方弁が切り替わり冷房サイクルに入るんですよ。

「そんなわけないでしょ・・・なんで?」

と思いますよね。

暖房時には室外機の熱交換器が凍り付いてしまうことがあります。

それは寒くて湿度の多い日。
(雪が降ったりしたときは特に)

そうなると室内機から吹き出す温度も低くなり能力が出なくなります。

そのようなときエアコンは除霜モードに切り替わりヒートポンプを冷房サイクルにして凍った室外熱交換器を溶かし乾燥させます。

暖房時に時々ランプが点滅したりして止まったように見えるのは除霜運転中です。
(点滅したままずっと動かないのは故障だったりしますが)

なので今回のような故障は来年へ持ち越そうと考えてはいけません。

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2023年10月14日 (土)

雷の影響か・・・修理不能へ

エアコンが2台故障しているとの点検依頼をいただきました😊
(東京都大田区内のマンション)

当店を初めてご利用になるお客さん宅です。

2台とも製造から20年以上の機種で補修部品の有無が修理ができるか否かの境となります。

今回はその1台目の点検と修理。

事前にメールで伺っていた故障内容はエアコンからの漏電。

あるとき突然漏電遮断器が作動し電気が全部消えたらしいです。

その後はエアコンのプラグをコンセントに差し込むだけで漏電遮断器が落ちてしまうとのこと。

それでは点検を行います。

エアコンの漏電といえばほとんどの場合室外機から。
漏電の点検を行う室外機
ここで調べてみます。

まず室内外の連絡電線接続端子台で絶縁抵抗を測定。
絶縁抵抗計は0Ωあたりを指している
指針は0Ωあたりを指して漏電していることを表しています。

室内機と室外機の電気的な縁を切ってみるとやはり室外機内部で漏電していることがわかりました。

室外機の天板を開けて制御基板で各部品を調べることにします。
室外機内の制御基板
基板には室外機内の電気機器類がほとんど接続されているので、ここで調査するのが早道。

20年以上前の機種ということもあり整流用のコンデンサ、ダイオードスタック、コンプレッサー駆動用のパワーモジュールは現在のものと異なり別部品として配置されてます。

現在ではこれらの部品も制御部と共に1枚の基板上に載っているものが多くなっていますが製造コストの軽減と、点検修理を容易にする策ですね。

基板上のあるコネクタを抜いてい見ると
絶縁抵抗計が200MΩ以上を指した
絶縁抵抗計が200MΩ以上を指しました。

これで漏電はなくなりました。

そのコネクタは
膨張弁コイルのコネクタを抜いた
電子膨張弁のステッピングモーターを回す膨張弁コイルにつながるもの。

またこれ?🤔

先日アップした漏電修理記事でも同じ部品が漏電していましたが。

どういうわけか続くものですね。

膨張弁コイルの交換となります。

しかし20年以上の機種では当然補修部品の保有期間は10年以上前に終わってます。

一応、メーカーへ聞いてみると全国に30個程度残っているとのこと。

見積もりを出して修理することになりました。

部品が入荷し修理を行います。
取り寄せた膨張弁コイル
取り寄せた膨張弁コイルです。

膨張弁コイルの交換には室外機の外板をほとんど外さなければなりません。
室外機の外板をすべて外す
まだ右側面が残っていますがこれもすべて外します。

そして見えるのが膨張弁コイル。
室外機内部にある漏電を起こした膨張弁コイル

コイルを取り外しました。
絶縁の破れた膨張弁コイルを外した
内面が一部サビてます。

でもこのサビは動作や漏電には関係ありません。

この部品は結露するので鉄の腐食が進んでいるだけです。

内部のコイルと鉄心などとの間で絶縁が破れているので外部からは見てもわかりません。

新しいコイルを膨張弁に付けて鏡を使いしっかりロックされているか確認。
新しいコイルを膨張弁に取り付けた
ずれていたりすると動作不良で冷暖房に影響が出たり最悪の場合はコンプレッサーを傷める可能性があります。

室外機を元通りに戻して
部品交換後、室外機の外板を取り付けた
絶縁抵抗計で測定して漏電はありません。

さっそくコンセントに電源プラグを差し込んでいただき運転開始。
(息子さんが部屋で休んでいるためお客さんにお願いしました)

もちろん漏電遮断器は作動しなくなりました😄

と喜んだのも束の間・・・

3分ほどで”コツン”と室外機に電源投入された音がしましたが・・・

その後は一向に動こうとしません🤔

これはもしかして・・・

室内機を見ていただくと運転ランプが点滅しているとのこと。

あちゃー、このメーカーの運転ランプの連続点滅はシリアル信号異常(室内機と室外機の信号のやりとりができない)と記憶しています。

念のためメーカーへ確認したところやはりその通り。

計測すると室内機からは信号が出ていますが室外機の基板から信号が出ません。
室外機の制御基板が壊れている
室外機の制御基板故障でしょう。

メーカーに確認すると室外機の基板は在庫なしで修理不能となりました😪

残念ですがしかたありません。

お客さんによると漏電する前までは問題なく使用できていたとのことです。

こちらの室外機の設置状況からみてピンときました。

置かれているのはルーフバルコニーで天井はなく開放的なところ。

マンションの周囲を見ても開けた場所で見通しがよい。

そして室外機のすぐ右側には金属製の手すりがあります。

これは誘導雷などを含む雷の影響を受けた可能性が大いに考えられます。

異常な高電圧が回り込んで膨張弁コイルの絶縁を破壊。

それと同時に制御基板のマイコンや周囲の部品も破壊。

こうなるとたとえ制御基板の在庫があったとしても別の部品も不具合を起こしているかもしれません。

雷は近くに落ちなくても影響のでることがあるためこのような故障は避けようがありませんね。

次回はもう1台の様子をアップする予定です。

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2023年10月12日 (木)

会計ソフトを変更

今回はいつもとちがって会計のはなし。

会社員の頃は働いた分の給料をもらって明細書をちょっとみるだけでしたが個人事業主はそうはいきません。

収入支出を細かく帳簿に付けて年が明けたら確定申告。

それにより所得税や健康保険税、市民税などが決まります。

当店開業以来、ずっと市販の会計ソフトを使って収支を打ち込んで税理士に依頼したり確定申告の決算書を出してきました。

しかし数年前より青色申告会に入会して以来、指導を受けるにも市販のソフトには対応していません🤔

そこでようやく購入。
会計ソフトBLUE RETURN A
申告会で扱っている会計ソフト”BLUE RETURN A”

パッケージのデザインが艶消しブラックにシルバーの文字とクールです。

価格はちょっと高めですが更新料を払えばずっと使えるようなので費用的には市販のものとそれほど変わらないような気がします。

市販のソフトは途中でバージョンアップが止まり買い替えになることがありますからね。

この時期はエアコン工事や修理が落ち着いているので打ち込みの練習を今のうちに行い、来年(今年分)からの申告はこれでいく予定。

使い方の習得に何度か申告会に通うことになりそうです😅

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2023年10月 9日 (月)

リモコン受信しない、ルーバー動かない

2台のエアコン点検に伺いました😊

場所は神奈川区内の一戸建て。

はじめて当店にご依頼いただいたお客さん宅です。
(ありがとうございます😄)

状況としては
1台はリモコンを受信しない。
もう1台はルーバーが動かず開いたままで冷房の効きもよくない。
とのこと。

2台とも旧フロンを使った20数年前の機種になります。

では1台目
リモコンを受信しなかったエアコン
リモコンを操作しても受信しなかったそうですが前日くらいに勝手になおったとのこと😅

しかし念のため点検はしておきましょう。

室内機のグリルを外しました。
室内機の前面グリルを外した

どうしてもこういうのが目に付いてしまいます。
配管穴にスリーブがなくドレンホースが逆勾配
配管穴にスリーブが入れてないので壁の中の熱い空気が室内へ入ってきます。
(手抜き工事)

そしてドレンホース(排水)も穴の中で持ち上がっており逆勾配。
(施工不良)

点検目的とは異なるのでとりあえずそれらはスルーして・・・

リモコン受光部の基板を取り出しました。
リモコン受光部の基板を取り出した
基板表面および背面を見回しましたが異常はありませんでした。

受光部を指でゆすってみても問題なくリモコンを受信します。

とりあえず受光面を拭いて汚れを落とし元に戻します。
リモコン受光部

これはやはり結露か・・・

この受光部は結露や水濡れに弱く、水滴が付いたりするとリモコンを受信しなくなります。

外したグリルの内側
グリル内側が湿っている
フェルトテープのようなものが貼ってありますが湿っています。

どうやら結露の影響でまちがいなさそうです。

配管穴にスリーブが入っていないことで結露が多くなったとも考えられますね。

その後冷房運転しましたがいまいち効きがよくありません。

そこで室外機を見にいきます。
室外機に接続されている冷媒管
ここにある冷媒管を見ただけで調子が良くないのがわかりました。

手でも触ってみましたが、冷媒漏れによるガス不足か、キャピラリーチューブもしくは機械式膨張弁の詰まり、コンプレッサーの圧縮低下などが考えられます。

これらも結露増大に関わっているかもしれません。

せっかくなので室内に戻って温度測定。
吸い込み温度は26℃
吸い込み温度は26℃

そして吹き出し温度は
吹き出し温度は20℃
20℃

やはり能力がかなり低下しています。

さらに室内機から冷媒漏れがないかリークディテクターで調査。
リークディテクターで室内機の冷媒漏れ調査
ここに漏れはありませんでした。

旧フロンのR22なので圧力が低く、室内機の熱交換器に穴が開きガス漏れすることはあまりありません。
(現在の新フロンエアコンは圧力が高く多発しています)

そろそろエアコン買い替えの検討をされるようお話ししてこちらは点検完了。

そしてもう1台、ルーバーが動かず効きがよくないというエアコン。
ルーバーが動かず、効きがよくない
ルーバーがこの状態で動かないそうです。

これは”パッと見”ですぐにわかりました。
ルーバーが動かない原因
ルーバーの軸が割れてます。

拡大
ルーバーの軸が割れてモーター軸が見えている
エアコンが古くなるとたまに起きる症状です。

リモコンで上下風向を動かすとモーターの軸だけ回ってルーバーは動かず。

メーカー部品もないでしょうからこれはこのまま使うしかなさそうです。

そして冷房の効きが良くないというのは・・・

リモコンで最低温度の16℃に設定し温度測定してみます。

まず吸い込み温度
吸い込み温度は29℃
29℃

吹き出し温度は
吹き出し温度は16℃
16℃

冷え具合は問題なく、使用年数からすればむしろ良すぎる位ですね😅

なぜそれなのに冷房の効きがよくないのか?

それは設置されている環境などによるものでしょう。

こちらは最上階(3階)に設置されており、壁や天井からの輻射熱の影響が考えられます。

リモコンの設定は27℃位になっていましたが、室温が27℃になっても体感では輻射熱で暑く感じてしまうことがあります。

それに1,2階の熱が3階へ上がってくることも影響します。

またエアコンの設置状況や汚れの程度などにより室温が設定温度にならないこともあります。

温度設定を少し低めにして使ってみるようお勧めしました。

これにて点検終了😊

1台目はさすがに寿命のようですがやはり昔のエアコンの方が長持ちしますね。

現在販売されているものではこうはいかないでしょう。

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2023年10月 5日 (木)

室外機に風向調整板を設置

マンションのベランダに設置された室外機に風向調整板の設置を、との依頼をいただきました😊
(東京都調布市)

室外機から吹き出した風がベランダの中でグルグル回ってしまい困っているそうです。

設置されている室外機。
設置されている室外機
ここから出た風が向かいにある斜めの手すり壁にぶつかりベランダ内をグルグル🌀

こちらは取り寄せた風向調整板。
取り寄せた室外機の風向調整板
エアコンメーカー純正品です。

箱をあけると風向調整板本体とその他部品、取付説明書が入っていました。
風向調整板の箱を開けた
この風向調整板は同メーカーの他機種にも設置できるようになっており、同梱されている部品で各機種ごとに対応します。

説明書も機種ごとに何通りも書かれています。

ではまず吹き出し口のファンガードを外して
室外機のファンガードを外した

同梱されていたスポンジを室外機に貼り付けました。
室外機にスポンジを貼り付ける
途中が曲がってますが鉄板の絞り(膨らみ)の部分なのでどうしてもこうなります。

そしてファンガードを戻すと
ファンガードを戻した
このように右側面に風が漏れ出ないようになります。

なお吹き出し方向によってはこのスポンジ貼り付けは不要となっています。

いよいよ風向調整板を取り付けますが・・・
風向調整板の取り付けねじとスペーサー
固定用のねじと一緒にスペーサーが入ってますね。

この室外機の場合はスペーサーを使用します。

説明書を見ると
風向調整板の取付説明書を確認する
風向調整板の固定部先端にスペーサーを両面テープなどで仮固定することが書かれていました。

そうしないとスペーサーが落ちて下手すると室外機の中に転がり入ってしまいます。

作業車に両面テープがあったような・・・なかったような・・・😅

しかしテープは使わず固定完了👍
風向調整板を室外機に固定した
手順を考えながらやれば両面テープは必要ありませんでした。

お客さんによるとネットなどではこの固定が難しいとか、ねじが硬くて入らないとか情報があったようですが、確かにそうかもしれません。

一般の方は施工に見合った工具を持っていないことがありますからね。

風の吹き出し方向は上向き。
風向調整板を上向きに取り付けた
試運転すると風は斜め上45度方向に吹き出し、ベランダの手すりの上をうまく抜けるようになりました😄

これで熱風や冷風グルグルから解放ですね😊

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2023年10月 3日 (火)

室内のパイプから水が漏れる

室内に配管されたパイプが結露して水が漏れてしまう、という点検依頼をいただきました😊

場所は東京都目黒区内のマンション。

ここのところ水漏れ点検依頼が多いですね😅

現地到着。
水漏れのため室内の配管化粧カバーが外されていた
すでに配管化粧カバーがお客さんの手で外されていました。

このパイプに結露を起こして水が漏れ出てくるとのこと。

カバーを外していると結露は起こらないそうです。

しかしカバーの中に収まるとは言え雑な配管されてます😆

ドレンの排水勾配が考えられておらず水は流れにくい状況です。

もちろん当店の施工ではありません。

壁の配管穴の下にはお客さんにより水が落ちないようにティッシュ(?)が付けられてました。
水垂防止のティッシュが付けられている

それはさておき壁の配管穴にはパテが埋められていません。
配管穴にパテが埋められていない
マンションは換気扇などで室内が負圧になるため、ここから暖かく湿った風が入り込んでいたことが考えられます。

それがパイプの結露を増大させ水漏れしたのでしょう。

しかしよく見てください、この配管穴にはスリーブ(筒)が入っていません。

なので壁の中の空気もここから入ってきます。

スリーブがないのはマンションの建築不備でしょうね。

あと穴の中に通してあるドレンホースは壁の中で上がって逆勾配になっています。

逆勾配があると室内機からポコポコ(コンコン)と異音が出てしまうことがあります。

それをごまかすために屋外のドレンホースの端末近くに逆止弁が付けられていました。
逆勾配をごまかすために逆止弁が付けられている

ドレンの勾配などに関しては修正するとなると大変なので今回はパイプの結露問題に関してのみ補修することにします。

屋外側も配管化粧カバーが付けられています。
屋外側の配管化粧カバー
この中も見てみましょう。

開けました。
配管穴につけられたパテ
こちらはパテ埋めされてますね。

でもよく見ると周囲にすき間が
パテの周囲にはすき間ができている

パイプとの間にもすき間
パイプとパテの間にすき間
これらのすき間から外の湿った空気が、
壁の中→室内(室内のカバー内)
へと流れ込んでいた。

エアコン施工時に埋めたパテはパイプの断熱材の収縮によりどうしてもすき間ができてきます。

パイプの裏のほうまでパテをしっかり埋めなおしました。
パテをしっかり埋めなおした
またすき間ができないようにパテの上にシーリング材を塗布し強化。

カバーを戻しました。
配管化粧カバーを閉じた
少しカバーからパテがはみ出しているところがありますが、配管穴に対して化粧カバーが小さいためです。

室内側もすき間をできる限りなくすようにパテを埋めました。
室内側配管穴をパテ埋め

カバーを付けて補修完了😊
パテ埋め補修完了
またしばらくは様子を見ていただくようにお話ししました。

マンションで室内配管化粧カバーを取り付けるお宅は多くなっていますが、それによる配管結露増大での水漏れ問題も増えてますね。

冷媒管には断熱材が巻かれていますが、それでも周囲温度・湿度が高ければ結露は防げません。

室内はテープ巻き仕上げが一番問題が少ないのですがねぇ・・・

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年10月 1日 (日)

エアコンを入替工事

先日こちらにアップした水漏れ点検。

その後、エアコンを新品へ入れ替える工事費用の見積もりを提出して工事依頼もいただきました😄
(ありがとうございます!)

エアコン本体はお客さんがネット通販で購入、現地に納品済みです。

ではさっそく撤去から取り掛かります。
エアコンの撤去作業を始める
点検時に気になっていたところがあるので修正しながら工事します。

まずはこれ
余計な必要のない配管化粧カバー
室内機と配管化粧カバー90度曲がり部品との間にジョイントとジャバラが入っていますがこれ必要ありません。

ジャバラを入れたのはおそらく施工した人がカバーと室内機をぴったり取り付けるのが苦手だったのでしょう。

また室内機から出たパイプは排水の関係でできるだけすぐに下げたほうが異音や水漏れの危険性が減ります。

お客さんへ話してこの部分は撤去することにしました。

屋外側
撤去するエアコン室外機
配管化粧カバーを残して室外機とパイプは撤去します。

室内機からのドレンホース(排水管)の端末には逆止弁が取り付けられていました。
ドレン逆止弁が付いている
この部品はドレンホースから出る異音(ポコポコ音)を防止する機能があります。

しかしその異音の原因の多くは施工不良によるドレン逆勾配。

それをごまかすための部品として使われているケースがほとんど。

実際、こちらのエアコンも配管化粧カバーや壁の穴の中でドレンホースが逆勾配になっていました。

でもこの部品はメンテナンスを怠ると詰まって室内から水漏れを起こすこともあるのでユーザーも注意が必要。

こちらのお客さんはそのことを知らなかったそうです。

外側の撤去が完了。
室外側の撤去が完了

室内側も撤去完了。
室内側の撤去が完了

余分なカバーも外しました。
余計な配管化粧カバーを外した
続けて設置工事を行います。

室内機を掛ける据付板の取り付け。
据付板の取り付け
配管化粧カバーに本体がぴったり着くようにミリ単位で位置を合わせます。

室内外連絡電線(VVFケーブル)の接続。
室内機へVVFケーブルを接続
電線は端子台に書かれている寸法に従い計測して皮むきし、確実に差し込んで確認窓で状態をチェックします。

室内機から出ているパイプ電線類を整形、テーピングし据付板へ引っ掛ける準備。
室内機を引っ掛ける準備
テープの巻き方は現場ごと状況に合わせ変えます。

室内機を据付板へ引っ掛けました。
室内機を据付板へ引っ掛けた
配管化粧カバーにぴったり着いています。

パイプは本体から出てすぐに下がるのでドレン排水の流れもよい。

外から先端をフレア加工した冷媒管を入れて配管化粧カバーに収まるように曲げます。
冷媒管を曲げ加工
その後、室内機側と接続したら断熱をします。

撤去したエアコンは断熱材の上に直接防湿テープを巻いたことで不具合を起こしていました。

当店のやり方は・・・

まずは断熱材の合わせ目をビニルテープで巻いて固定。
断熱材の合わせ目をビニルテープで巻いて固定
この段階で断熱のすき間をなくします。

次にコーテープ(幅広の非粘着テープ)を巻いて強化。
コーテープを巻いて強化
合わせ目にすき間ができないようにします。

そして最後に防湿テープ。
表面に防湿テープを巻いた
このように3重に巻きます。

これで断熱材が開いてしまうことはありません。

冷媒管接続の段階で配管化粧カバーの受けを外していることに気付きましたか?

こうすることで作業が容易になります。

これカバーを付けたままだとテープ巻きが大変なんですよ。

外したカバーの受けを戻しました。
一旦外したカバーの受けを戻した

ドレンホースに下り勾配を付けながら配管化粧カバーのフタをします。
ドレンホースに下り勾配を付けながら配管化粧カバーのフタをする
配管穴は室外側の工事が終わった段階でパテ埋めしカバーします。

いまパテを埋めてもパイプが動いてすき間ができるので。

配管穴の中を外側から覗くと
配管穴の中のドレンホースの勾配
ドレンホースは室内から室外へ向け下り勾配を確保したのがわかります。

またドレンホースは結露防止のため屋外へ出るまで断熱のされたものを使用します。

室外側施工完了。
室外側の施工が完了

配管穴も埋め終わり試運転中。
エアコンの設置工事が終わり試運転中
お客さん立会いでチェックし問題なし。

最後に窓を閉めていただき台所のレンジフード(換気扇)を強く回してドレンからポコポコ音がでるか確認しましたが無音でした😄

逆止弁は不要と考え付けていません。

これにて無事、工事完了😊

ドレン勾配が確保できれば逆止弁は大抵必要ありません。

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