ゲージマニホールド、何に使う?
前回記事の続きのような内容になりますが・・・
これは当店で現在使用しているR410AとR32兼用のゲージマニホールド
※R410A、R32は冷媒の種類です。
普段は「マニホールド」と略して呼んでます。
(マニと呼ぶ人もいますが)
これは何に使うのかというと、ヒートポンプサイクルの測定や真空引き、ガスチャージなどに使用します。
赤色と青色のゲージとつまみ(ハンドル)、ホースがあり赤色は高圧側、青色は低圧側になっています。
エアコンなどのヒートポンプは運転時、冷媒の圧力に高圧と低圧の部分ができるためです。
赤のホースをエアコンの高圧部へ、青のホースを低圧部へ接続します。
黄色のホースは真空引きやガスチャージの際に使用します。
なお高圧のゲージでシステムの低圧側を測定してもとくに問題はありません。
逆の場合はメーターが振り切ってしまうことがあるので使えませんが。
これはバルブを操作するハンドル
このマニホールドはボールバルブで開閉状態が一目でわかります。
ハンドルを少しずつ回せば開度の微調整も容易😊
システムが不具合を起こしている場合、高圧側は4MPaを超えることもあるのでやはり低圧ゲージは低圧専用ですね。
どちらのゲージも0を指していますがここが大気圧で-0.1は真空を表しています。
(これを”ゲージ圧力”といいます)
そしてこの2つのゲージを見て他に気になることがありませんか?
圧力の内側に赤色の目盛。
へたするとエアコン屋さんも何のためにあるのか知らないという・・・
これは冷媒の飽和温度(℃)です。
R32とR410Aでは特性が少し異なるため温度目盛りが若干ずれています。
冷媒が液相(液)と気相(蒸気、ガス)の二相で存在している場合のその圧力と温度の関係を表しています。
この圧力と温度でヒートポンプサイクルの良否が”ある程度”判断できます。
その場合は停止時の圧力と温度、運転時には過熱度(スーパーヒート・SH)や過冷却度(サブクール・SC)というものを測定します。
(意味は説明が難しいので省略😅)
ただし現在のエアコンはコンプレッサーをインバーター制御で常時可変し、冷媒流量も電動制御弁で常時コントロールされているのでSHやSCを測定してもコロコロ変わって現実にはなかなか難しいです。
実際、一定速機の制御弁なしでも周囲温度の変化などで変わっていきますからね。
なのに圧力だけをみて冷媒を補充したりする業者がいますがかなり不正確なのでやめた方が無難です。
(ほぼ勘に近い😆)
ちょっと専門的になってしまいましたが😅まあこんな具合に使うための道具です。
単に真空引きとガスチャージの目的だけで使うのはもったいないですね。
http://kato-aircon.com/
« R22のゲージマニホールド | トップページ | 点検口内で水が漏れる(1) »
「エアコン工具」カテゴリの記事
- ゲージマニホールド、何に使う?(2023.09.08)
- R22のゲージマニホールド(2023.09.04)
- 真空ポンプのオイル交換😊(2023.07.27)
- 銅管のバリ取り工具(2022.12.19)
- パイプカッターにもこだわる(2022.11.17)