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2023年9月

2023年9月22日 (金)

水漏れ点検、そして・・・

エアコンのパイプに取り付けられた室内の配管化粧カバーから水が漏れる、という点検依頼をいただきました😊
(川崎市幸区内のマンションにて)

エアコンを設置したのはどこかの下請け業者だと思います。

こちらが室内機と配管化粧カバー。
室内機と水が漏れる配管化粧カバー
黄色の丸部分の下部から水が出てきたそうです。

お客さんご自身でカバーを外したところ冷媒管が結露しびっしょりになっていたとのこと。

その後は水漏れは止まっているようですが・・・
配管化粧カバーを開けて状態を確認する
開けてみると冷媒管の表面はやはり結露が少し多め。

新型コロナウイルス対策で窓を開けていただいたのですが一旦閉めてキッチンのレンジフードを回してもらいました。

すると配管穴に埋めてあるパテとパイプの隙間から外気が入ってきます。

やはり今回も高温高湿の外気流入により結露水が増加したものと思われます。

しかしそれと同時に室内機から
室内機からコンッ、コンッ、と音が出る
コンッ、コンッ、コンッ、と大きな異音が・・・

ここは寝室とのことで対処が必要そうです。

でもまずは結露の対策。

屋外側のパテ埋めの補修から始めます。
屋外の配管出口
めずらしく穴の出口にはフードが付いてます。

フードを取り外すと
屋外配管出口のフードを外した
パテ埋めの量が少ないですね。

あとフードの固定ねじ3本のうち右側1本は折れてました。

それに加え室外機側面カバーのねじ穴も回し過ぎてダメになってました。

設置工事した人がインパクトドライバーで締めこんだのでしょう。

話は元に戻りまして、

冷媒管などに巻かれた断熱材は時間が経つと少し痩せるのでどうしてもすき間ができることがあります。

パテを付け足してすき間をなくしました。
パテを付け足した

フードを戻します。
配管穴のフードを戻した

室内のパテを少し開けて風が出てこないか確認。
室内のパテを少し開けて風が出てこないか確認
OK、ほとんど風を感じません。

こちらもパテを付け足しました。
パテを付け足した
これで結露が減ると思います。

さて、つぎは異音の対処。

これはドレン管の中の水が気流により弾けて室内機から聞こえてくるもの。

寝室なのに寝てられるような音ではありません。

多くの場合、発生原因は施工不良によるもので、それを誤魔化すために逆止弁(エアカットバルブ)などを取り付ける(売る)業者が多いです。

でもここは配管穴の位置やドレン接続口の関係で逆止弁の取り付けは難しかったのでしょう。

ドレン勾配の修正をして異音解消をめざすことにします。

ここの部分の逆勾配が原因。
ドレン勾配の修正を行う
ホースの弛んだ部分に支えを追加しました。

これで水たまりが解消し音が消えました😄

ヨカッタヨカッタ・・・

しかし少し経つと、

コンッ、コンッ、コンッ、・・・

あれ?まだどこかに逆勾配があるな🤔

ここだな👀
2つ目のドレン逆勾配

この部分が逆勾配
ドレン管の逆勾配部分
微妙ですが水たまりができています。

ここも周囲に支えを入れて勾配修正することで音が消えました😄

ふっ~、ヨカッタヨカッタ。

しかし少し経つと、
(またかい😅)

かなり低い音で「ボコボコボコボコ・・・」という連続音。

しばし考えて音質からして屋外で出ているかもしれない🤔

ここだ
屋外のドレンレールへの接続部でボコボコ音が出ていた
ドレンレールへの接続部。

このドレンレールは蓋つきのタイプで流れはあまりよくなく、どうしても水が溜まりやすい。

少しドレンホースを引き上げました。
ドレンレール接続部のホースを少し引き上げてボコボコ音が消えた
消えました😄

ということで音の原因は施工不良2か所、構造上の問題1か所の計3つでした。

今回の点検は本題の水漏れより異音の対処のほうに時間をとられた感じです。

ホント、ドレンの勾配を取れないというか気にしない業者さん多いですね。

それに加えてエアカットバルブで誤魔化すのもやめてほしいところです。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年9月20日 (水)

工事には適切な工具が必要

外壁に付けてある配管化粧カバーを固定しているねじが抜けて外れてしまったので修理を、という依頼をいただきました😊
(川崎市中原区内の一戸建て)

エアコンは量販店で購入設置されたもののようです。

状況は
外壁の配管化粧カバーが外れている
上のほうは壁に付いてますが、下へいくにつれ壁から浮いてます。

途中にはねじが抜けているのが見えます。
配管化粧カバーを止めていたねじが抜けている
こちらの外壁材はALC(軽量気泡コンクリート)。

”コンクリート”というと硬くて頑丈なイメージがありますがALCは画鋲を簡単にさすことができるほど軟らかいもの。

なので加減して固定しないとねじが空回りして固定強度が落ちてしまいます。

下の方は
化粧カバーの端末に付けられていた部品も外れて落ちている
端末に付けられていた部品もねじが抜けて落ちています。

パイプに引っ張られて抜けたようにも見えたのでお客さんに聞いてみたところ、設置後は室外機を動かしたこともなく、いつの間にやらこうなっていたそうです。

パイプの施工に無理があったのか・・・🤔

さっそく修理することになりました。

カバーを開けて
配管化粧カバーを開けた
壁から抜けたねじを撤去。

壁のねじ穴は再使用できないのでコーキングで埋めることにしました。
コーキング材

穴を埋めて
コーキングで壁のねじ穴を埋めた

カバーを新しいねじを使い固定します。
配管化粧カバーをねじて固定する
ねじにトルクをかけ過ぎるとまた抜けてしまうのでドリルドライバーのクラッチ設定を慎重に選んで行います。

ALCの壁材ではねじの本数も大切。
配管化粧カバーの固定ねじの数を多めにした
以前より多めに固定しました。

さて端末に使われていたジョイント部品。
配管化粧カバー部品の固定用の穴
ここにある固定用の穴は、壁側の抜けたねじ穴の位置なので使用できません。

ステップドリルで別の位置に穴を開けました。
ステップドリルで穴を開けた
ここに新しいねじを打ちます。

画像に見えるのは当店でいつも使用している電動ドリルドライバー(充電式)です。

”20”という数字が見えますがクラッチを1(弱)~20(強)段階で調整できます。
(ALCにねじを打つには3くらいの弱いクラッチです)

カバーの固定完了。
配管化粧カバーの固定が完了

現状、カバーからパイプが離れていますね。
現状では配管化粧カバーの中にパイプがうまく収まらない
これを無理にカバーへ収めると引っ張られてまたねじが抜ける恐れがあります。

銅管の曲がりを少し伸ばして収めました。
パイプを配管化粧カバーに入るように加工
これですんなりフタができます😄

修理完了😊
外れた配管化粧カバーの修理完了

カバー端末
配管化粧カバーの端末
この端末に使われている部品のフタのねじ2本のうち片方はねじ穴がダメになっていてズルズル状態。

ねじをいくら回しても止まらないエンドレス。

そういうことか・・・

このエアコンを設置した人はおそらく電動インパクトドライバーを使ってます。

電動インパクトドライバーは回転が速く、硬いねじも衝撃を与えながら回すので難なく打ち込める優れもの。

でもそれがよくない・・・

ルームエアコンの工事で電動インパクトドライバーは使えないというか不向きな工具だと思います。

クラッチがなく回転が速いことで、あちらこちらのねじ穴がみんなダメになってしまう。

ねじが締まった段階でインパクト機能が働き余計に壊してしまいます。

今回、化粧カバーのねじが抜けたのは銅管の加工に無理があったことに加え、すべてのねじを回し過ぎていることによるものでしょう。

工具には”大(強)は小(弱)を兼ねる”の考えはあまり通用しませんね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年9月17日 (日)

エアコン止めたら水が落ちてきた

エアコンを停止したときに室内機から水がボタボタと落ちてきた、という点検依頼をいただきました😊
(神奈川県座間市内のマンション)

当店には初めて依頼されるお客さん宅です。

さてどんな結果が待っているのか・・・

到着して点検開始。
水漏れの点検を行う室内機
黄色の丸部分、室内機と壁のすき間辺りから水が落ちていたとのこと。

漏れは一時的でその後止まっているそうです。

漏れ方からして、ドレンホースの詰まりなどではなくどこかの結露水が落ちたかもしれません。

室内機のグリルを外しました。
水漏れ点検のため室内機のグリルを外した
・・・これだな。

アップ
室内機の下部に結露が生じている
下部底面に結露があります。

おそらくこの水が集まってエアコンを停止したときの揺れで一気にこぼれ落ちたものと思われます。

この部分は吹き出し口の直下でプラスチック部品は冷風により低温になります。

グリルの内側にも
前面グリルの内側に水の流れた跡
水の流れた跡が残っています。

灰色のフェルトテープが貼られていますが、たぶんメーカーはここに結露を起こすことを知って付けているのでしょう。

しかし想定を超える結露により漏れ出てしまった。

その原因は・・・

やはりここがあやしい。
配管化粧カバーで隠れている屋外への配管穴
屋外への配管出口です。

到着してすぐに気になっていたのですが配管出口下の壁には水の流れた跡が残っています。

ということは配管化粧カバー内部の配管でも結露が多く発生しているということ。

カバーの途中にはお客さんにより水の落下を止めるための対策がなされていました。
お客さんにより水漏れ対策されていた

出口カバーを外すと案の定
穴パテの隙間から屋外の風が入ってくる
穴パテに隙間ができて屋外の風がスースー入ってきています。

もちろんその風は夏の湿度の高い熱風。

これが配管化粧カバーの中を通って室内機の結露部分まで流れこんでいた。

それが結露水が多くなった原因と思われます。

お客さんにお聞きすると1年位前にマンションの大規模修繕工事を行ったとのこと。

この時の室外機移動により埋めてあったパテが動いて隙間が大きくなったのでしょう。

大規模修繕はエアコンを壊したりダメにする大きな要因です。

念のためドレンの排水状態を確認するためドレンパンへ注水すると屋外への水の出方がよくない🤔

カバーを一部開けて内部を調べるとドレンホースが途中で持ち上がって逆勾配になっていました。

これもよく見る施工不良。

配管カバーや壁の配管穴の中のドレン勾配を確保せず逆勾配になっているお宅はやたら多い印象。

次にカバー内の配管の結露状態もチェックします。

先ほど外した出口カバーの内側
出口カバーの内側には水の流れた跡
水の流れた跡が残っています。

途中のカバーを外してみると
冷媒管の断熱不良
冷媒管の断熱不良です。

開けた瞬間、ティッシュみたいなものをお客さんが入れたのかと思ったら劣化でボロボロになった防湿テープ。

本来は防湿テープを巻く前にビニルテープや非粘着コーテープで巻かなければなりません。

しかし冷媒管断熱材の上に防湿テープを直接巻いていたことで結露水流出により劣化破断→断熱材の合わせ目が開き断熱効果がなくなり余計に結露水増加→漏水。

上の画像ではよくわかりませんがこの断熱材は合わせ目が開いています。

なのでこうするとぱかっと
断熱材は切れている
開きます😌

拡大すると冷媒管の接続が見えますね。
冷媒管の接続が見える
これでは結露水がどんどんと流出してカバー内を流れ滴下するのも当然。

この部分は施工不良と言えるでしょう。

一通りお客さんへ説明すると、エアコンは10数年使用したということもあり買い替えるそうです。

修理はせず元通りに戻して点検完了となりました😊
点検後元通りに戻して完了

エアコンの水漏れにはいろいろな原因があります。

とくに大規模修繕工事、塗装工事後には不具合の起きる確率が高くなるので注意が必要です。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年9月14日 (木)

エアコンに無線LANアダプター

久しぶりに無線LANアダプターの取り付け依頼をいただきました😊
(場所は川崎市宮前区)

これは何に使用するものかというと、エアコンを外出先から操作したり、宅内でも別の部屋から操作したりとスマホを使いネット経由で遠隔操作するための機器です。

なお宅内に無線LAN環境(親機)がなければこのアダプター(子機)を設置しても使えません。

またエアコンに合ったアダプターでなければ設置もできません。

親機と子機が離れすぎていたり、強いノイズ源などがあるとうまく通信できないこともあるかもしれません。

アダプター自体は一般の方でも簡単に入手可能なようですが、エアコンとアダプターの配線接続など設置で挫折することが多いようです。

室内機を分解し制御基板に接続するのでそこが難しい🤔

余談はこれくらいにして作業に入ります😄
無線LANアダプターの取り付けを行う室内機
こちらは日立の”白くまくん”です。

エアコンを設置したのは当店ではなく別業者。

ネットで検索して過去のアダプター設置記事で当店を見つけられたようです。
(ありがとうございます😄)

アダプターはここへ取り付け予定。
無線LANアダプター取り付け予定位置
アダプター単体の画像は撮り忘れました😅

ここでお客さんへエアコン本体の据付説明書を見せていただくようお願いしました。

しかし取扱説明書はあるものの据付説明書はないそうです。

やっぱり・・・まあ想定してましたけど。

多くのエアコン取り付け業者は据付説明書をお客さんに渡さず持ち帰って捨ててしまいます。

理由は簡単、それをお客さんに見られて工事不備を指摘されることを恐れているから。

据付説明書には無線LANアダプターの接続位置や方法などが図で記載されているのであると助かるのですが仕方ありません。

アダプターに付属していた説明書には
無線LANアダプターの説明書
室内機基板の”CN7”へ接続とだけありました。

これだけでもだいぶ楽になります😄

さてCN7を探すため室内機を分解します。
電機品箱のようなもの
すぐに電機品箱のようなものが見えてここなら楽勝!

と思ったらここは電源基板でハズレ。
制御基板かと思ったら電源基板
めざすは制御基板。

確率の高い右側面カバーを外したけど基板はナシ。

う~む・・・ということは制御基板は前面か・・・

前面のカバーを外すと
制御基板らしきボックス
それらしいボックスが出てきました。

しかしそれにしては小さいけど・・・

当たり!
小さい制御基板
かなり小さくできてます。

また小さいことで基板に印刷されている文字もこれまた小さい😆

CN9がある・・・
CN9のコネクタを見つけた
ということはこの近くにCN7があるはず。

しかしいくら探しても見つからず・・・

ルーペを使ってよく見ると
ルーペを使いやっとCN7を見つけた
あった!さきほどCN9と見えていたところがCN7でした😅

細かすぎて老眼の目にはきびしいです😆

アダプターから出ているコードを通線します。
無線LANアダプターのコードを通線する

コードは柔らかくコシがないので先端に結束バンドを付けて通しました。
結束バンドを使って通線した
下にはぶら下がったアダプターが見えます。

CN7へ差し込みコードを整理。
無線LANアダプターのコネクタを接続
コードは基板上の発熱しそうな部品に当たらないようにします。

コードが引っ張られても動かないように細い結束バンドで固定。
コードが動かないように固定

ボックスのカバーを付けて
制御基板のボックスカバーを付けた

各所カバーを元通りに戻しながらアダプター本体を固定。
無線LANアダプター設置完了
絶縁抵抗測定後、コンセントに電源プラグを差し込みアダプターのスイッチをON。

電源ランプが点灯して作業完了😊
無線LANアダプターの設定はお客さんにしていただく
各種設定はお客さんにしていただく内容になります。

5分ほどで設定が終わり使えるようになったようです。

無線LANアダプターを取り付けた理由をお聞きすると、外出から帰ってきたときにかなり部屋が暑いめ事前に運転して冷やしておくとのことでした。

昔の運転/停止しかできない遠隔操作とは異なり細かな操作が可能。

いろいろな使い方ができそうです。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年9月11日 (月)

点検口内で水が漏れる(2)

前回の続きで今回は修理(補修)です。

まずは交換したほうがよいと思われる断熱材をはがしました。
冷媒管の断熱材をはがし撤去した
室内機本体から出ている部分(左の灰色の断熱材)はそのまま再使用します。

冷媒管の太さは2分(管径6.35mm)と3分(管径9.52mm)。

現在のエアコンでは18畳用(冷房能力5.6kW)クラスまでこの太さの冷媒管です。

なおこちらに設置されているエアコンは14畳用(冷房能力4.0kW)。

そしてよく見ると3分管は右上に隠れてもう1つ接続がありますね。

その部分は
異径ユニオンで3分管と4分管を接続してある
隠蔽配管されていたのはなんと4分管(管径12.7mm)。

そこへ異径ユニオンというものを使って3分管と4分管を接続してあります。

これはよいことではありませんが・・・🤔

エアコンは入れ替え前と同能力へ交換したとのことで、交換前に設置さていたのは旧冷媒(R22)のものだったのでしょう。

これも配管の入れ替えができない隠蔽配管の欠点といえます。

冷媒管に新しい断熱材を被せて
冷媒管に新しい断熱材を被せてビニルテープで固定
ビニルテープで隙間ができないように固定。

その上に非粘着コーテープを巻き強化。
ビニルテープの上を非粘着コーテープで巻いた

さらにその上には
冷媒管は断熱の上に防湿テープで仕上げた
防湿テープで結露防止を強化。

さて次はドレン管。

今回は隠蔽配管への接続状況から屋外用のホースを使用します。
屋外用のドレンホースで延長する

そのままではまた結露を起こすのでこの断熱材に入れます。
ドレンホースに被せる断熱材

室内機から出ているホースにつないで延長し断熱材に入れました。
室内機から出ているドレンホースを延長
先ほどの断熱材の周りは細くなるようにビニルテープで隙間なく巻きました。

その理由はこの塩ビ管にドレンホースを入れるため。
ドレンホースを入れる塩ビ管VP30
細くしないと入りません。
(管のサイズはVP30)

塩ビ管は天井内で使用する長さ50cmほどに切断します。

ホースを差し込みながら天井内へセット。
ドレン管を天井内へ設置
動かないように電線の端材で固定。

こうしてホースがたるむことを防止。

隠蔽配管の塩ビ管への差し込み
隠蔽配管の塩ビ管へドレンホースを差し込んだ
VP25と細いのでその部分は断熱材をビニルテープで強めに締めて細くし入れました。

これで点検口内の作業は終了。

屋外の配管出口もパテで埋めました。
屋外の配管出口をパテで埋めた
カバーを戻して作業完了😊

試運転中
補修作業が終了し試運転中
あとは結露などが起きないかしばらくは使いながら様子を見ていただくようになります。

余談ですがこのエアコンが設置されている場所は隠蔽配管である必要はないところ。

おそらくマンション設計の方が美観重視(パイプを見せたくない)だったのでしょう。

隠蔽配管だとこれからエアコンの設置をする工事人がどんどん減っていくと思います。

工事を依頼しようにも断られることが続出するかもしれません。

こちらのお客さんは大規模修繕の際に露出配管へ切り替えることも提案される予定だそうです。

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2023年9月10日 (日)

点検口内で水が漏れる(1)

エアコン用の点検口内で水が漏れているという点検依頼をいただきました😊
(東京都大田区内のマンション)
エアコン用の点検口から水が漏れている
室内機の右後ろに点検口があり、ここから水が落ちるとのこと。

エアコンは数年前に量販店で購入・交換工事されたもの。

室外機までのパイプや電線はマンション建築時に壁内に埋め込まれた隠蔽配管となっています。

点検口は石膏ボードの蓋で塞がれていたようですが、漏れた水で劣化し崩れてしまったそうです。

では点検口内の状況を見てみましょう。
点検口内の配管状況
下から見ただけでダメ工事っぷりがわかります😅

まず目についたのは左のねずみ色の冷媒管(断熱材)。

これは室内機から出ている冷媒管接続部の断熱材ですがこれではすき間だらけで断熱効果がありません。

すき間がどこにあるかって?

ちょっと見づらいですがミラーで上部を確認。
断熱材の隙間から冷媒管(銅管)が見える
断熱材の上面は口が開いて冷媒管(銅管)が見えてます。

この状態では多くの結露水が発生するため漏れた水のほとんどはこの部分から出たものと思われます。

ドレンホース(排水ホース)は途中まで室内機に付属の断熱が付いたものですが、その先延長されたところは屋外用のホースを断熱せずそのまま使われておりここも結露します。

またドレンホースは途中がたるみ水が溜まっている状況で修正が必要ですね。

ホースはその先、隠蔽配管の塩ビ管へと差し込まれています。
ドンホースは隠蔽配管の塩ビ管へ差し込まれている

全体にかなり雑な工事でこれでは水漏れするのが当然。

エアコン工事のノウハウや怖さを知らない経験不足によりこういった施工をされてしまうことがあります。

室内外機を接続する電線が1.6mmと細い。
電線が1.6mmと細いものが使われている
この電線は建物建築時に埋め込まれたものなのでもう入れ替えることはできません。
(通常は2.0mmを埋める)

そのような部分に1.6mmを使ってしまうと取り付けできる機種が限定されてしまいます。

この隠蔽配管を施工した業者も材料費を節約しようと細い電線を使ったことがわかります。
(工事業界ってこれだから・・・)

屋外の配管出口を見てみます。
屋外のエアコン配管出口
ここがまた気になるんですよ。

やっぱりね~
配管穴の隙間が埋められていない
カバーを開けると穴の隙間は埋められていません。

マンションではこういう隙間から外気が吸い込まれて先ほどの点検口内が高温高湿になってしまう。
(さらに結露を促進)

汚れ具合からも多くの外気が吸い込まれていたことがわかります。

「どうでもいいや、どうにでもなれ」ってレベルの工事ですね😆

見積もりを出して修理を行うことになりました。

今回はここまで。

次回、修理(補修)の作業をアップします。

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2023年9月 8日 (金)

ゲージマニホールド、何に使う?

前回記事の続きのような内容になりますが・・・

これは当店で現在使用しているR410AとR32兼用のゲージマニホールド
ゲージマニホールド
※R410A、R32は冷媒の種類です。

普段は「マニホールド」と略して呼んでます。
(マニと呼ぶ人もいますが)

これは何に使うのかというと、ヒートポンプサイクルの測定や真空引き、ガスチャージなどに使用します。

赤色と青色のゲージとつまみ(ハンドル)、ホースがあり赤色は高圧側、青色は低圧側になっています。

エアコンなどのヒートポンプは運転時、冷媒の圧力に高圧と低圧の部分ができるためです。

赤のホースをエアコンの高圧部へ、青のホースを低圧部へ接続します。

黄色のホースは真空引きやガスチャージの際に使用します。

なお高圧のゲージでシステムの低圧側を測定してもとくに問題はありません。

逆の場合はメーターが振り切ってしまうことがあるので使えませんが。

これはバルブを操作するハンドル
マニホールドのバルブハンドル
このマニホールドはボールバルブで開閉状態が一目でわかります。

ハンドルを少しずつ回せば開度の微調整も容易😊

赤色の高圧ゲージは
高圧側ゲージは圧力目盛が5.3MPaまである
圧力メモリが5.3MPaまであります。

そして青色の低圧ゲージは
低圧側ゲージは圧力目盛が3.8MPaまで
3.8MPaまで。

システムが不具合を起こしている場合、高圧側は4MPaを超えることもあるのでやはり低圧ゲージは低圧専用ですね。

どちらのゲージも0を指していますがここが大気圧で-0.1は真空を表しています。
(これを”ゲージ圧力”といいます)

そしてこの2つのゲージを見て他に気になることがありませんか?

圧力の内側に赤色の目盛。

へたするとエアコン屋さんも何のためにあるのか知らないという・・・

これは冷媒の飽和温度(℃)です。
ゲージの温度目盛り
R32とR410Aでは特性が少し異なるため温度目盛りが若干ずれています。

冷媒が液相(液)と気相(蒸気、ガス)の二相で存在している場合のその圧力と温度の関係を表しています。

この圧力と温度でヒートポンプサイクルの良否が”ある程度”判断できます。

その場合は停止時の圧力と温度、運転時には過熱度(スーパーヒート・SH)や過冷却度(サブクール・SC)というものを測定します。
(意味は説明が難しいので省略😅)

ただし現在のエアコンはコンプレッサーをインバーター制御で常時可変し、冷媒流量も電動制御弁で常時コントロールされているのでSHやSCを測定してもコロコロ変わって現実にはなかなか難しいです。

実際、一定速機の制御弁なしでも周囲温度の変化などで変わっていきますからね。

なのに圧力だけをみて冷媒を補充したりする業者がいますがかなり不正確なのでやめた方が無難です。
(ほぼ勘に近い😆)

ちょっと専門的になってしまいましたが😅まあこんな具合に使うための道具です。

単に真空引きとガスチャージの目的だけで使うのはもったいないですね。

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2023年9月 4日 (月)

R22のゲージマニホールド

今回はエアコンの工具ゲージマニホールド。

赤と青のゲージのついたエアコンや冷凍機などの冷媒のメンテナンスに使用する工具です。

先日、20年以上前のマルチエアコンの点検を行ったのですが・・・

使用されている冷媒(フロン)はR22という古く現在では使われなくなったもの。

これまでルームエアコンでは
R22(オゾン層を破壊する、温暖化係数が高い)
 ↓
R410A(オゾン層を破壊しない、温暖化係数が高い)
 ↓
R32(オゾン層を破壊しない、温暖化係数が高い、燃える)
と変遷しました。

一時、フロンガスが上空のオゾン層を破壊してオゾンホールができ紫外線が・・・とか騒いでいたときがありましたね。

それにR22も悪者として含まれていました。
(その頃、自動車のエアコンや冷凍機に使われたR12に比べれば破壊係数、温暖化係数はかわいいものですが)

あれから20数年、現存するR22を使用したエアコンはすっかり少なくなり点検を行うことも稀な状況です。

R22に使用する専用工具も使うことがないので数年前に処分しました。

と思い込んでいたのですが・・・

点検のため圧力を測るのに何か代わりになるゲージはないかと探すと、
R22に使えるゲージマニホールド
あら?まだ持ってたんだ😅

R22に使用できるゲージマニホールドです。

捨てたとばかり・・・
(それほど使う機会がなくなった)

これはR22を使用したエアコンをメーカーが製造しなくなった頃(2000年頃)に古いマニホールドが故障し買い替えたもの。

もうすぐなくなる冷媒なのでエアコン資材専門店で一番安いものを購入したような記憶があります。

ここに使用できる冷媒が記載されてます。
マニホールドに使用できる冷媒が記載されている

使いにくいバルブハンドル。
使いにくいマニホールドのバルブハンドル
水道の水栓のように回して使うタイプですがこれが使いにくい😆

全閉と全開の状態ではハンドルが固くなるので開いているのか閉まっているのか分からなくなるということが多発。

全閉から開ける際には力がいるためカクンッと急にバルブが開きすぎるなどかなり不便。

目で見て開閉状態のわかるボールバルブタイプのほうが微調整もしやすく扱いやすいです。

なので普段使用しているR410A、R32用はボールバルブ。

今回行った点検では結局、圧力測定は不要でした。
(電気回路系、基板の故障)

またいつか必要になるかもしれないのでもうしばらくは保存しておこうと思います😊

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2023年9月 2日 (土)

作業車のスライドドア部品交換

現在使用している作業車はスズキ社の軽のバンで、新車から11年、積算走行距離14万km以上とかなりくたびれてきました。
(乗ってる方もだいぶくたびれてますけど😅)

先日、左のスライドドアを開けると「重~・・・なんで~」

いつもより動きが悪くなんか変🤔

その前は開け閉めの際”ゴトンゴトン”と音がしていたのでドアの各所車輪に潤滑剤を入れてみたが改善せず。

どうもドア下部の周辺があやしい👀
左のスライドドア下部

よく見ると
ドアのアームがこすれている
ドアから延びるアームと枠のゴムの部分がこすれてました。

ドア(アーム)が下がってしまったようです。

その奥にある車輪は回っているようだがなんかおかしい。

さらに観察すると車輪のタイヤ部分の樹脂が劣化で割れてました😱

ディーラーへ寄ってサービスの方に見てもらい部品を注文。

近頃ディーラーのサービス部門はいつも混んでいるので自分で交換することにしました。

部品が入荷しさっそく作業開始。

ドアが落ちないようにブロックと木っ端を使い支え、車輪外れ止めの金具を取り外しました。
ドアが落ちないようにブロックと木っ端で支えた
この金具を外すとレールから車輪の部分を取り出すことができます。

こんな感じ
車輪を外せるようになった

部品を取り外しました。
スライドドアの部品を外した
アーム全体を外してますが・・・

多分、みなさんが思うより余計なところまで外してますよね。

部品注文するまでは車輪部分だけを発注しようと思っていたのですが、部品設定がこれだけ一式の組品なんです。

さて車輪の状況は
車輪のタイヤ部分の樹脂が割れている
タイヤ部分の樹脂が割れ外れてます。

これによりアームが下がってこすれていたわけです。

その前まで”ゴトンゴトン”と音がしていたのは割れかけて車輪が回転するごとにヒビの部分で出ていたもの。

新品の部品を袋から出しました。
新品の部品を出した

新しい車輪はこうなっています。
スライドドアの新品の車輪

取り付け
スライドドアの新品部品を取り付け

固定ボルトを締め付けます。
部品のボルトを締め付け固定
上下調整できるのでドアの高さなどを考えながら固定しました。

外れ止めも取り付けて完成
スライドドア部品交換完了

動かしてみると、おお~、かなり動きがよくなりこの部分だけまるで新車のようです😅

車は長年使用していると徐々にあちらこちらの故障が増えてきますね。

ほんとうは去年あたり作業車を入れ替える予定だったのですが現在は保留にしています。

理由はこのメーカーの軽バンに2年ほど前まであった標準ルーフ(屋根が低い)の設定がなくなってしまったこと。

なにやら自動ブレーキのカメラの位置の関係のようですが・・・

ハイルーフのみになってしまい、それではルーフキャリアに載せている梯子があたってバックドアが開かないんです。

これでは仕事になりません。

またキャリアを高くすると現在入ることのできる高さ制限2.1mへの進入ができなくなり実用性が落ちます。
(この2.1mへ入れる、入れないは大きい)

標準ルーフの再販をしてくれるとよいですが・・・

まだしばらく乗り続けます😊

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2023年9月 1日 (金)

出張費の変更を行いました

いままで当店作業エリア内への出張費を一律¥1100としてきましたが、昨今のガソリン代高騰やその他の値上げによりやむをえず変更を行いました。
(すでに受付済みの方は変更ありません)

出張費用は距離に応じて変動する方式になります。

なおその距離は当店からの”直線距離”とし実際の走行距離ではありません。

変更後は当店より10kmまでは今まで通り¥1100。

10kmを超える場合は超過1km毎に¥110を加算。

なので15kmであれば¥1650となります。

どうぞ宜しくお願い致します<(_ _)>

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