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2023年8月25日 (金)

エアコンが切れなくなった

「エアコンが止まらなくなって風が出っぱなしになっている」という点検依頼をいただきました😊

場所は東京都目黒区内のマンション。

ブレーカーを切って(電源を遮断して)止めたそうです。

このような症状になる前にはエアコンのすぐそばでスプレー製品を使ったとのこと。

ふむ・・・スプレーの成分などがどこかに入り込んでしまったのか🤔

現地に到着して点検を開始します。
点検を行う床置き形エアコン
今回は床置き形エアコンです。

これは2016年に当店で設置したもの。

当時はブログを開設していなかったと思うので設置工事の記事は多分ありません。

お客さんにブレーカーを入れていただくといきなり運転ランプが点滅(異常発報)。

その後、勝手に強風での風が出始めてリモコンを操作しても本体の運転停止ボタンを押しても反応しません。

リモコンで本体が出している異常コードを調べると
エアコンからはA0異常が出ている
”A0(エー・ゼロ)”異常が出ました。

はて?見たことないコード・・・

調べると”冷媒漏洩センサー”が反応したというもの。

冷媒漏洩センサー?、このエアコンは管温などを測るだけでなく別にセンサーが付いているのか・・・

ここでピン💡ときました。

このような症状になる前に付近で使用したのは殺虫スプレーだそうでそれにセンサーが反応してしまった。

メーカー技術に問い合わせてリセットする方法があるのか聞いてみました。

すると、
冷媒漏洩センサー”A0”が反応した場合は交換する必要がある
センサーを交換しなければならないそうです。

おそらく半導体系のセンサーで他のガスを含め冷媒などにさらされると感度が低下してくためです。

センサーは20秒以上の間、ガスを検知すると”A0”を発報するようになっているようです。

なぜこの床置き形にこのようなセンサーが取り付けられているのか・・・

おそらくメーカー独自の方針ではなく工業会の指示ではないでしょうか。

このエアコンも含め現在主流の冷媒R32は微燃性のため漏れて付近に滞留すると引火等の恐れがあります。
(その可能性はかなり低いと思いますが)

なのでA0発報時は空気より重い冷媒が床付近に滞留するのを防ぐ目的で強風の風が出っぱなしになる仕様としているようです。

センサー交換修理の費用を見積もりし、その後部品を取寄せて修理に再訪問。

前面グリルを外しました。
床置き形室内機の前面グリルを外した
技術資料によるとセンサーの位置は右下の奥。

おいおい、やな予感するぞ・・・的中😱

冷媒管が邪魔して簡単には外せない・・・
冷媒管の奥に冷媒漏洩センサーがある
もし外れなければ冷媒管を先にはずさなければなりません。

もちょっとなんとか設計できなかったんでしょうかねぇ・・・

点検時はこんなところに付いているとは思わなかったので中まで調べなかったんです😅

今回の場合は若干冷媒管に余裕があり手前に引っ張ることでなんとか知恵の輪のように取り出すことができました。
なんとか冷媒漏洩センサーのボックスを取り出せた
ふぅ、ひと安心😄

ボックスはこの大きさ
冷媒漏洩センサーの入っているボックス
かなり苦しかったがよくぞ出てきてくれた。

ボックスを開けるとセンサーがあります。
冷媒漏洩センサーのボックスを開けた
大きめのセンサーですね。

交換は基板ごとの組品です。
取寄せたセンサー基板と取り外した古いセンサー基板
左が新しく取寄せたものです。

すでに代替品番になっておりセンサーの大きさが違います。

基板をセットしたらボックスを元の位置に戻してねじ固定。
冷媒漏洩センサーのボックスをもとの位置へ戻した
外すより手こずりました😅(やっぱり)

あとは室内機の前面グリルを取り付けて異常履歴のクリアを行います。

このクリアをしなければA0が消えず運転できません。

メーカーから送ってもらった資料に従い・・・
メーカーに送ってもらった異常履歴クリア方法
ところが何回やってもクリアできません🤔

どうも途中の動きが資料通りにならない。

メーカー技術へ電話・・・

エアコンの型式を伝えてリモコン操作方法から説明してもらいますが・・・

メーカーさん「メニューボタンから・・・」

そのメニューボタンがリモコンにないんですが・・・

メーカーさん「???・・・リモコンの型式を教えてください」

しばらく電話が保留に・・・

(床置き形のエアコンはあまりモデルチェンジをしないのでリモコンだけモデルチェンジされて仕様が異なる場合があるんですよねぇ)

別の資料があったようで案内をもらいました。

メーカーさん「あーしてこーしてブレーカーを切って1分間待って・・・」

1回目は履歴クリアならず(なんで~)

もう一度同じ作業を繰り返したところやっとクリアできました😄

ようやくリモコンで運転操作できるようになりました。
エアコンがリモコンで操作できるようになった
温度測定で吸い込み28℃→吹き出し13℃と正常。

当然ですが冷媒は漏れていません。

ボックスの脱着時に配管を動かしたので異常がないかチェック。
配管類に異常がないか確認
本体裏OK。

ドレン勾配の確保がぎりぎりなので横引きの配管は塩ビ管に入れてその上からテーピングしてあります。
(2016年本体設置時施工)

本体左の化粧壁板を外していただき
本体左の配管を確認し問題なし
こちらもOK。

ドレン排水の流れも確認しました。
ドレン排水を確認
塩ビ管の先から多量の排水が出ています。

これにて修理完了😊

エアコンの近辺ではモノを問わずスプレー製品の使用はやめましょう。

冷媒漏洩センサーの無い機種でもスプレーの成分を吸い込むことで熱交換器の親水性が失われて水漏れや水滴飛びが起きたりと不具合につながります。
(よくあるのはヘアスプレー、撥水効果で水漏れします)

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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