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2023年8月

2023年8月30日 (水)

パイプから水が落ちる

配管化粧カバーから水が落ちるとの点検依頼をいただきました😊
(東京都稲城市内のマンション)

こちらがそのエアコン
エアコン室内機と配管
右に配管化粧カバーでパイプが通してありますが・・・

このカバーから水がときどき落ちるそうです。

さっそくカバーを開けてみました。
配管化粧カバーを開けてみた
冷媒管にはすでに断熱補強がされてます。

この部分は冷媒管の接続部で去年同じ水漏れ症状があり、このときは別の業者に依頼し補強してもらったそうです。

手で触ると断熱材の継ぎ目から水が出てきました。

やはりここの配管結露水が漏れ出たようです。

しかし断熱補強の仕方はそれほど悪いわけではない感じ🤔

さてはあれか・・・

室外へと通じる壁の配管穴のカバーを開けてみるとパテにすき間が
配管穴のパテにすき間が
お客さんにキッチンのレンジフードを回してもらうとこのすき間から風が勢いよく入ってきます。

やっぱり・・・

ここから入ってくる風は屋外の空気。

なので室外機からの熱風も合わさり熱く湿った風です。

それが化粧カバーの中を通ってパイプ表面の結露を増加させ水滴が落ちていた可能性が高い。

外したカバーの内面を見ると黒く汚れています。
外した配管化粧カバーの内面が黒く汚れている
これは屋外の排ガスなどの汚れが付いたもの。

やはりかなり外気を吸い込んでいたことがわかります。

マンションは常時換気扇が回っていることが多いのでこの部分も常に外気が入り込んでいたということになります。

しかしなぜパテにすき間ができたのでしょうか?

パイプに巻かれている断熱材は時間がたつと少し痩せてすき間ができることがありますがここまで大きく開くことはありません。

お客さんに話を聞くと昨年マンションの大規模修繕工事を行ったとのこと。

あー、それですね。

(その工事のあとから水が漏れるようになり別の業者で断熱補強してもらったようです)

大規模修繕で工事人がパイプのつながったまま室外機をあちらこちらに動かしてパテにすき間ができてしまった。

次に外側をみてみましょう。
室外側の壁に配管化粧カバーが付けられている
こちらも配管化粧カバーで施工されています。

配管穴出口のカバーを開けると
パテの埋め方がダメダメ
なんじゃこりゃ~😆ダメダメ

修繕工事の時にはがれたパテを補修したつもりのようですがこれでは埋めた意味がありません。

修繕工事の人は室外のカバーを全部開けてパイプが自由に動く状態にし室外機を移動していたことがうかがえます。

パテのすき間を見ると・・・
外の穴から室内の光が見える
室内の光が見えちゃってますよ。

そして配管化粧カバーを下へたどると室外機の裏に端末があり、
配管化粧カバーの端末から熱風が入っていた
ここから熱風が入っていたわけです。

配管化粧カバーは別名「ダクト」とも呼ばれますが外気を通すダクトとなっていました。

これでは虫も入り放題😅

なおこの端末を塞いでも熱風は途中の接続部の隙間から入ってしまうのであまり意味はありません。

処置の方法としては穴のパテをしっかり埋めること。

まずは室外側の穴を埋めて
室外側の配管出口のパテを補修
すき間をなくします。

この段階で室内側への風の流入が止まったことを確認👍

室内側も同じく補修
室内側のパテを補修
パイプとパイプの間にもパテを押し込んでできる限りすき間をなくします。

あとはカバーを元通りに戻しました。

それと今回はもう一点。

室外機の冷媒管接続部ですが
銅管と断熱材のすき間
銅管と断熱材の間にはこのようにすき間があります。

ここからも外気が吸い込まれて室内の配管接続部に湿った空気が流れ込んでいた可能性があります。

「そんなことないでしょ」と同業者からも言われそうですが・・・

それがあるんですよ。

エアコンのガス漏れ点検をしているとわかるんですが、外部の接続部漏れが換気扇により吸引され、このすき間を通って10mも離れた室内の接続部で冷媒検知器の反応のでることが。

今回のような問題が発生した場合はこの部分も対処したほうがいいでしょう。

ここは結束バンドで
結束バンドで冷媒管と断熱の隙間を塞ぐ
これで冷媒管と断熱の隙間を塞ぎました。

これにて補修作業完了😊

水が落ちてこないかしばらくは使用しながらお客さんに様子を見てもらいます。

仕上がりをよくするための配管化粧カバーですがパテ埋めをしっかりしないとこのような不具合が起きるので注意が必要です。

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http://kato-aircon.com/

2023年8月25日 (金)

エアコンが切れなくなった

「エアコンが止まらなくなって風が出っぱなしになっている」という点検依頼をいただきました😊

場所は東京都目黒区内のマンション。

ブレーカーを切って(電源を遮断して)止めたそうです。

このような症状になる前にはエアコンのすぐそばでスプレー製品を使ったとのこと。

ふむ・・・スプレーの成分などがどこかに入り込んでしまったのか🤔

現地に到着して点検を開始します。
点検を行う床置き形エアコン
今回は床置き形エアコンです。

これは2016年に当店で設置したもの。

当時はブログを開設していなかったと思うので設置工事の記事は多分ありません。

お客さんにブレーカーを入れていただくといきなり運転ランプが点滅(異常発報)。

その後、勝手に強風での風が出始めてリモコンを操作しても本体の運転停止ボタンを押しても反応しません。

リモコンで本体が出している異常コードを調べると
エアコンからはA0異常が出ている
”A0(エー・ゼロ)”異常が出ました。

はて?見たことないコード・・・

調べると”冷媒漏洩センサー”が反応したというもの。

冷媒漏洩センサー?、このエアコンは管温などを測るだけでなく別にセンサーが付いているのか・・・

ここでピン💡ときました。

このような症状になる前に付近で使用したのは殺虫スプレーだそうでそれにセンサーが反応してしまった。

メーカー技術に問い合わせてリセットする方法があるのか聞いてみました。

すると、
冷媒漏洩センサー”A0”が反応した場合は交換する必要がある
センサーを交換しなければならないそうです。

おそらく半導体系のセンサーで他のガスを含め冷媒などにさらされると感度が低下してくためです。

センサーは20秒以上の間、ガスを検知すると”A0”を発報するようになっているようです。

なぜこの床置き形にこのようなセンサーが取り付けられているのか・・・

おそらくメーカー独自の方針ではなく工業会の指示ではないでしょうか。

このエアコンも含め現在主流の冷媒R32は微燃性のため漏れて付近に滞留すると引火等の恐れがあります。
(その可能性はかなり低いと思いますが)

なのでA0発報時は空気より重い冷媒が床付近に滞留するのを防ぐ目的で強風の風が出っぱなしになる仕様としているようです。

センサー交換修理の費用を見積もりし、その後部品を取寄せて修理に再訪問。

前面グリルを外しました。
床置き形室内機の前面グリルを外した
技術資料によるとセンサーの位置は右下の奥。

おいおい、やな予感するぞ・・・的中😱

冷媒管が邪魔して簡単には外せない・・・
冷媒管の奥に冷媒漏洩センサーがある
もし外れなければ冷媒管を先にはずさなければなりません。

もちょっとなんとか設計できなかったんでしょうかねぇ・・・

点検時はこんなところに付いているとは思わなかったので中まで調べなかったんです😅

今回の場合は若干冷媒管に余裕があり手前に引っ張ることでなんとか知恵の輪のように取り出すことができました。
なんとか冷媒漏洩センサーのボックスを取り出せた
ふぅ、ひと安心😄

ボックスはこの大きさ
冷媒漏洩センサーの入っているボックス
かなり苦しかったがよくぞ出てきてくれた。

ボックスを開けるとセンサーがあります。
冷媒漏洩センサーのボックスを開けた
大きめのセンサーですね。

交換は基板ごとの組品です。
取寄せたセンサー基板と取り外した古いセンサー基板
左が新しく取寄せたものです。

すでに代替品番になっておりセンサーの大きさが違います。

基板をセットしたらボックスを元の位置に戻してねじ固定。
冷媒漏洩センサーのボックスをもとの位置へ戻した
外すより手こずりました😅(やっぱり)

あとは室内機の前面グリルを取り付けて異常履歴のクリアを行います。

このクリアをしなければA0が消えず運転できません。

メーカーから送ってもらった資料に従い・・・
メーカーに送ってもらった異常履歴クリア方法
ところが何回やってもクリアできません🤔

どうも途中の動きが資料通りにならない。

メーカー技術へ電話・・・

エアコンの型式を伝えてリモコン操作方法から説明してもらいますが・・・

メーカーさん「メニューボタンから・・・」

そのメニューボタンがリモコンにないんですが・・・

メーカーさん「???・・・リモコンの型式を教えてください」

しばらく電話が保留に・・・

(床置き形のエアコンはあまりモデルチェンジをしないのでリモコンだけモデルチェンジされて仕様が異なる場合があるんですよねぇ)

別の資料があったようで案内をもらいました。

メーカーさん「あーしてこーしてブレーカーを切って1分間待って・・・」

1回目は履歴クリアならず(なんで~)

もう一度同じ作業を繰り返したところやっとクリアできました😄

ようやくリモコンで運転操作できるようになりました。
エアコンがリモコンで操作できるようになった
温度測定で吸い込み28℃→吹き出し13℃と正常。

当然ですが冷媒は漏れていません。

ボックスの脱着時に配管を動かしたので異常がないかチェック。
配管類に異常がないか確認
本体裏OK。

ドレン勾配の確保がぎりぎりなので横引きの配管は塩ビ管に入れてその上からテーピングしてあります。
(2016年本体設置時施工)

本体左の化粧壁板を外していただき
本体左の配管を確認し問題なし
こちらもOK。

ドレン排水の流れも確認しました。
ドレン排水を確認
塩ビ管の先から多量の排水が出ています。

これにて修理完了😊

エアコンの近辺ではモノを問わずスプレー製品の使用はやめましょう。

冷媒漏洩センサーの無い機種でもスプレーの成分を吸い込むことで熱交換器の親水性が失われて水漏れや水滴飛びが起きたりと不具合につながります。
(よくあるのはヘアスプレー、撥水効果で水漏れします)

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2023年8月23日 (水)

マルチエアコンを点検

室外機1台に室内機が2台接続されているマルチエアコンが冷えないとの点検依頼をいただきました😊
(川崎市川崎区内の一戸建て)

マルチエアコンが2セット(室外機2台、室内機4台)あり、
・1セット目:2台の室内機のうち1台が冷えない。
・2セット目:室内機が2台とも冷えない。
というもの。

― 1セット目を点検 ―

まずは室外機で動作確認のためバルブ部分を見ます。
マルチエアコン室外機のバルブ部分を点検
この室外機は2室マルチでA、Bの2台の室内機が接続できるタイプ。

室内機2台を同時に冷房運転してバルブ温度を測定したところ室外機には異常なし。

それでは問題の冷えない1台の室内機へ、
冷房の効かない室内機
フィルターや熱交換器はきれいで問題ありません。

しかし吹き出す風は不安定でサージング(風が出たり戻ったり)のような状態。

回転中の送風ファンをカメラのストロボを使用して撮影。
回転中の送風ファンをカメラのストロボを使用して撮影
ストロボの閃光は一瞬なのでファンが止まって見えます。
(スマホのカメラではたぶん無理)

拡大しますね。
室内機の送風ファンが汚れている
かなり汚れが積もってます。

何年もエアコンを使い続けるとこのようなことが起きます。

これによりサージングのような症状になり室温より室内機本体内部の温度が下がってしまい室温センサーは部屋が冷えたと勘違い。

室外機は冷媒の流量を下げ、室内機は送風量を落とすため、いつまでたっても部屋は冷えないという状況になります。

これはエアコン洗浄をすることで解消できるので掃除屋さんに依頼していただくことになりました。

― 2セット目を点検 ―

こちらは室内機2台とも冷えないとのことで重症であることが予想されます。

たまにしか使わないエアコンだったらしく、いままで不具合に気づかなかったようです。

室内機のバルブから点検
室外機のバルブから点検
冷房運転をするとヒートポンプサイクルに異常があります。

停止して圧力測定。
エアコン停止時の圧力を測定
1.65MPa

このときの周囲温度からは低すぎるため冷媒不足です。

冷房運転すると
冷房運転時の圧力を測定
0.5MPa(低圧側圧力)

この程度であればやはり冷媒が漏れて不足しています。
(室外機内部の膨張弁などには異常なしと判断)

圧力計でわかるほどなのでほとんど冷媒は残っていません。

室内機へ向かう側のバルブ温度
室内機へ向かう側のバルブ温度
マイナス7℃(低すぎ)

室内機から戻ってきた側のバルブ温度
室内機から戻ってきた側のバルブ温度
プラス26℃(高すぎ)

アンバランスな状態。

さて問題はこちらのエアコン、すべて壁内、天井裏、床下を配管してある隠蔽配管方式で施工されていること。

なのでパイプ電線類は交換、修理することができません。

冷媒の漏れ箇所を探しましたが露出している部分では漏れを確認できず・・・もしかして隠蔽部分で漏れ?

こちらの2台の室内機は同じ部屋に設置されているのでマルチエアコンである必要はないとのこと。

これを機に露出配管でシングルタイプのエアコンへ入れ替える方法を提案させていただき点検終了となりました😊

やはりエアコンは可能な限り露出配管で施工するのが将来的に確実な方法です。

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2023年8月19日 (土)

作業車のタイヤ空気圧調整

作業車のタイヤ前輪内側が片減りしているのを発見🤔ヤバイ・・・

タイヤを購入した店に行ってローテーションをしてもらいました。

荷物を常時積んでいるのでどうしてもこのようなことが起きます。

しかしそれまでは気にならなかったのですがなぜでしょう?

よく考えてみると・・・
そういえばここ1年ほどの間、前輪の空気圧を車メーカーの指示通り(定積載時260kPa)にしていました。
(ちなみに後輪は定積載時350kPaが指定されてます)

それ以前はタイヤ屋さんの勧めでタイヤ(145R12)の最大空気圧350kPaにしていたのですが、乗り心地が良くないので落としていたんです。

どうもそれが片減りを促進してしまったようで。

ローテンションをしてもらったとき、やはり前後輪共に350kPaに調整されていました。

今回はそれからしばらく経ったので倉庫に行ったついでに空気圧の調整を行います。
(空気圧は減っていたので補充します)

ごちゃごちゃして見にくいのですが
窒素ボンベとレギュレーターを使ってタイヤに空気を入れる
窒素ボンベにレギュレーター(圧力調整器)を付けてホースをつなぎ、これでタイヤに窒素を入れます。

わざわざタイヤに窒素?と思われるでしょう。

この窒素ボンベとレギュレーターはエアコンの工事や修理、点検等で使用する目的で持っているものです。

本来は冷媒サイクルの気密試験や冷媒管溶接時の煤防止に管内をブローしたりするのに使います。
(冷媒管を溶接するときに発生する煤はヒートポンプサイクルに悪影響となります)

その先のホースなどはエアコン用ではなくエア用工具です。
(エアコン用は高圧力の気密試験に耐える高圧ホース)

レギュレーターの圧力は
窒素レギュレーターは一次側7MPa、二次側1MPa
一次側(右、ボンベの圧力)が7MPaで、二次側(左、ホース側の圧力)は1MPa(1000kPa)に調整しました。

二次側圧力はレギュレーターに付いているハンドルで調整します。

接続しているエアホースは安物😅最大1.5MPaまでしか使用できないのでこれ以上は危険。

それにタイヤを破裂💥させたら怪我どころではすみませんので。

また0.5MPaでも使えますが窒素の流速が落ちるためタイヤに入れるのにはちょっとかったるい・・・

なので1MPaがちょうどいいです。

まぁ、こんなことは一般の人がするとは思えませんがレギュレーターのハンドルを締めこんだ状態でボンベのバルブを開けると一気にホースが破裂します。

レギュレーターは操作手順を間違えると大けが、事故につながります。

ホースの先につけるのはこれ
タイヤの空気圧調整に使うエアチャックガン
エアチャックガン。

タイヤの空気圧調整に使います。

それでは注入・・・少し多めに入れました。
タイヤの空気圧を353kPaに調整
4輪とも353~355kPa。

入れる前は335~340kPa位でしたが乗り心地は結構変わります。

冬から夏に向かう季節はあまり変化がありませんが、これから逆に夏から冬へと気温が下がっていくと空気圧の低下が顕著になります。

月に一度は点検しないとだめですね。

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2023年8月16日 (水)

室外機を移設(パイプ延長)

建物の設備増設の関係で室外機の移設工事の依頼をいただきました😊
(横浜市瀬谷区内)

移設するのはこの室外機。
移設する室外機
このエアコンは6~7年前にこちらで設置(入替工事)したものです。

配管化粧カバーはそれ以前に別の業者で設置されていたものをそのまま使用していました。

左の室外機(エアコン)もこちらで設置したものですが今回の移設とは関係ありません。

上を見上げると
室内機は2階に設置されている
室内機は2階に設置されています。

そして室外機の移設先は
室外機の移設先
道路側の面へ5mほど移動。

パイプや電線は長さが足りなくなるので延長する必要があります。

通常であれば基礎の上あたり(膝上の高さ)を横に配管するのですが・・・
2階と1階の間を横引き配管する
増設する設備の関係で2階と1階の間を横引き配管です。
(お客さんはできるだけ上の方をご希望)

― 施工開始 ―

この日は途中豪雨になったり晴れたりとめまぐるしい天候。

そのため撮影がところどころ抜けてありません。
(っていつものことか😅)

温度測定などしてエアコンが正常であることを確認してから室外機を取り外し。

必要のなくなる部分の配管化粧カバーを撤去しました。

室内機と室外機を結ぶ電線(VVFケーブル)を取り替えるため室内機へ(前面グリルは外しました)
室内機で電線の入れ替えを行う
電線は途中接続して延長する場合、防水ボックスなどを壁に取り付けなければなりません。

しかし次回エアコンを交換するときにはそのボックスが不要になるため事前にお客さんと相談して電線はすべて入れ替えることに決定。

ドレンホース(排水管)も交換。

冷媒管だけは途中で接続して延長します。

室内機を浮かして電線を新しいものへ入れ替えます。
室内機を浮かして電線を入れ替える
壁の配管穴は左にあります。

室内機右寄りに電線を接続する端子台(すでに電線は抜いてあります)。
室内機の端子台
新しい電線を接続したら室内機を元通りに戻します。

次に外側の配管化粧カバー工事。
配管化粧カバーを取り付ける
いつもならチョークラインで墨出しするのですがこの日は時折の豪雨で壁が濡れてそれができません。
(チョークラインはチョークの粉で打つ墨つぼ)

そのため水糸を張りました。

これに沿って配管化粧カバーを取り付けます。

横引き(約5m)のカバーにドレンホースも入れるので排水勾配のため斜めに糸を張ってます。

カバーの取り付け
水糸に沿って配管化粧カバーを付けた
カーポートの屋根と壁の間に体が入らないため下から見上げながらの作業😅

今回の場合はチョークラインより水糸で正解だったようです。
(チョークラインでは正面からでないと見えない)

かなりごった返してますが
配管中の様子
これは配管中の様子です。

左隅には上部横引きから立下げた配管化粧カバー。

立てかけてある塩ビ管は何に使用するかというと横引きのカバー内でドレンホースが波打たないようにするため。

この塩ビ管の中にドレンホースを通します。

冷媒管は5~6m延長します。
冷媒管を延長する

冷媒管の接続にはユニオンを使用します。
ユニオンを使用して冷媒管双方を接続する
ほかに溶接という方法もありますが状況によりどちらが適切か判断し行います。

接続しました。
冷媒管双方を接続した
断熱してテーピングしてあります。

塩ビ管に入れたドレンホースをカバー内へ収めます。
塩ビ管に入れたドレンホースを配管化粧カバー内へ収める

そして冷媒管と電線をまとめてカバーへ
冷媒管と電線をまとめて配管化粧カバー内へ収める

要所をテーピング。
配管化粧カバー内も要所テーピング
ドレンホースのズレやその他不具合防止のため必要な部分はテープで巻きます。

横引きのカバーのジョイント部分はねじ受けがあるので塩ビ管には入れません。
配管化粧カバーのジョイント部は塩ビ管を入れない
ここを塩ビ管に入れてしまうと持ち上がってしまいます。

カバーをかけました。
配管化粧カバーをかけ終わった

室内機から降りてきた部分
室内機から降りてきた部分の配管化粧カバー
上が途中まで細いのは以前から設置されていたカバーです。

この部分も新しいカバーに交換予定だったのですが、外壁塗装(修繕工事)によりカバーと塗装が強力にくっついてしまっており外れずそのままとなりました。

無理して外すと塗装どころかモルタル層まで大きく剥がれますので。

外壁塗装工事の際は絶対にカバーに塗装を付けないようにしないとだめです。

でも塗装屋さんはそこまで考えていないと思います。

室外機を接続して真空引き中。
室外機を接続して真空引き中
使用した室外機の置台はブロックです。

この部分の地面(コンクリート)は前面への傾斜が大きく、風通しもよいところなので台風などで室外機が滑り動くことを防ぐ目的でこれにしました。

ブロックの下に防振ゴムを入れてレベル調整しています。

室外機はブロックにねじで固定。
室外機はブロックにねじで固定

下穴を開けてからねじを打ちますが今回使用したのは重量ブロック。
ドリルの先端が焼けてなくなった
先端が焼けてなくなってしまいました😅

かなり長期にわたって使ったドリルだったのでしかたないでしょう。

新しいドリルを出して無事固定。

じゃじゃーん冷媒”HFC32”ボンベ
冷媒HFC32ボンベ
これで冷媒を追加します。

「ガス抜けたの?」

そうではありません。

今回室内機と室外機を結ぶ冷媒管全長が12~12.5mほどになりました。

この機種は許容配管長15m、許容高低差10m、そして配管長10mを超えると1mあたり20gの冷媒補充が必要なんです。

これをしないとどうなるか?

冷媒不足により
・冷房の立ち上がりが遅くなる。
・冷暖房の効きが悪くなる。
・コンプレッサーが過熱運転気味になる。
・コンプレッサーオイルの循環が悪くなる。
・オイルの劣化。
などなど不具合の元になります。

室外機には”R32”と使用冷媒が・・・ボンベはHFC32・・・
室外機には冷媒R32の表示
ま、いっか(^^♪

じゃなくて”R32”と”HFC32”は表示が異なるだけで同じもの。

われわれ業者では通常”R32”とか単に”32”と呼びます。

HFC・・・という人はほぼいませんね、”フロン”というのもイメージが悪いせいかあまりいません。

追加量は配管長(12.5m-10m)×20g=50gで入れました。
配管長が長くなったため50gのガス補充
表示は-0.05kg(ボンベから50g減った)

施工完了して試運転
室外機移設工事が完了して試運転
お客さん立会いで異常がないかチェックします。

ドレン排水もOK。
ドレン排水試験もOK
冷媒補充したのでバルブ温度も測定しましたがいい感じの運転状態😄

最後にこちらはドレンホースに虫の侵入の恐れがあるので防虫キャップを取り付けました。
ドレンホースの端末に防虫キャップを付けた

突然の豪雨で中断したり、晴れて蒸し風呂状態になったり。

中でもやはり高所横引き配管が一番きつい作業でしたねぇ。

いろいろありましたが無事作業完了です😊

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2023年8月 9日 (水)

15年使用したエアコンを新品へ

東京都町田市内のマンションにてエアコン入替工事の依頼をいただきました😊

まずは撤去工事から開始です。
室外機周辺から撤去工事を始める
このエアコンはマンション新築時のオプション設備として取り付けられたものだそうです。

設置から約15年、今夏になって冷房が効かず新品への入れ替えを行うことに。

配管化粧カバーはすべてそのまま再使用し本体とパイプ電線類を交換します。

冷房運転をして状態をみたところ確かにまったく冷えず、冷媒を室外機に回収するポンプダウンはしないほうがよいと判断。

室外機のバルブを閉めて冷媒管を接続しているフレアナットを緩めると”プシュー”と少し音がしただけでほぼ冷媒はゼロ。

室外機の取り外しが終わったら室内側も撤去開始。
室内機周辺の撤去開始
配管化粧カバーを開けました。

またこんな工事して・・・
ドレンホースが断熱されていない
ドレンホースが断熱されていません。

上半分の白いところは室内機本体のドレンホースで断熱が施されています。

しかし下半分のホースを延長した灰色の部分は屋外用のドレンホースに防湿テープが巻かれているだけ。

このテープは断熱材ではないので結露をしてびっしょりになります。

あるメーカーの据付工事説明書もよくないですね、防湿テープを
「断熱テープ」
などと書いてありますから。

このテープは本来、冷媒管を室内機背面に通す際に断熱材の上に巻くテープです。

屋外側を見ると
室外側配管穴の出口からは屋外用のドレンホースが出ている
屋外用のドレンホースが出てます。

穴を塞いでいるパテをはがすと
配管穴の中はドレンホースに断熱がなく逆勾配になっている
ドレンホースに断熱がないため結露をしていたことでしょう。

しかも穴の中は途中ホースが持ち上がっていて逆勾配。

マンションのような高気密の建物ではこの逆勾配の部分にたまった水がホース内を通る空気に押されて弾け”ポンッ、ポンッ、ポンッ、”と耳障りな音が室内機から聞こえるようになります。

お客さんからは「ポンポン音がするので取り付けの際には逆止弁(音を止める器具)の設置を」とのことでした。

しかしこちらにはすでに初めから逆止弁が付けられていました。
ドレンの音止め逆止弁が詰まっている
しかし室内機から流れてきた汚れが詰まり弁が開いたまま。

そのため逆止の機能がなくなり、逆勾配部分で音が出ていたんです。

本来はドレン勾配がしっかりしていれば付けなくてもよい部品です。

多くの工事屋さんはドレン勾配の確保をせず、それをごまかすため逆止弁の設置を勧めてきます。

しかも有料で。

逆止弁の掃除を怠ると詰まって最悪の場合は室内機からあふれて水が漏れ出てきます。

その説明もしないので放置されて問題になるケースがあります。

今回の取り付けでは不要と思い逆止弁を付けないつもりでいましたがお客さんの希望で取り付けます。

そして室内機背面にある冷媒管の接続を外そうとレンチをかけると・・・
フレアナットが緩んでいた
フレアナットが手締めのように緩んでいました。

あっ、これは割れてるな・・・

拡大
フレアナットが割れている
ひび割れてます。

割れるとナットが緩むためここから冷媒が漏れてなくなってしまったということです。

久しぶりに割れているのを見ました。

本来エアコンは冷房運転時、冷媒管も冷えるので断熱されていてもある程度結露水がたまります。

それがあるとき冷媒管が氷点下になったタイミングでナット内側にたまっていた結露水が凍り膨張してナットを割ってしまうことがあります。

このナット(今回は液管側)が氷点下になるのは冷媒不足の可能性が高いので、もしかするとそれ以前に室内機の熱交換器に亀裂が入りリークしていたのかもしれません。

なのでこのようなケースではナットを新品に交換して冷媒をチャージしたとしても他の場所でも漏れがあり、その後結局エアコン本体を買い替える羽目になるかもしれませんね。

― ここからは取り付け工事の様子 ―

すでに室内機を掛けて配管作業中です。
室内機背面で冷媒管接続
冷媒管を接続しフレアナットを締め付けました。

冷媒管、電線、ドレンホースなどは新品を使用します。

接続部に断熱材をかけてテーピング。
冷媒管接続部に断熱材を巻いてからテーピング
このテープの上に先ほど出てきた結露防止の防湿テープを巻きます。
(室内機根元から電線を押さえているビニルテープのあたりまではすでに防湿テープを巻いてあります)

画像を撮り忘れて室内機背面に収めた状態ですが
室内機背面を通る冷媒管に防湿テープを巻いた
白いのが防湿テープ。

これが本来の使い方。

そしてドレンホースは
室内機のドレンホースに延長用断熱ドレンホースを接続した
室内機本体から出ているドレンホースに延長用断熱ドレンホースを接続。

この断熱ドレンホースで屋外側の穴出口よりも外へ出るようにします。

なんやかんやで設置工事完了。
(はい、いつも通り工事に熱中して画像は撮ってません😅)

試運転中の室内機
設置後試運転中の室内機
新しいエアコンは吹き出す風もさわやかです。

室外機
室外機の設置状況

取り付けた新品のドレンの逆止弁。
室外機を少し壁から離して設置し逆止弁の掃除をしやすいようにした
逆止弁の掃除をしやすいように室外機は壁から15cmほど離して設置しました。

床に配管されている塩ビ管は以前からあるものをそのまま使用。

お客さん立会いで確認していただき作業完了となりました😊

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2023年8月 5日 (土)

炎天下でエアコン入れ替え工事

当店で9年前に取り付けたエアコンを新品へ入れ替える工事の依頼をいただきました😊
(横浜市緑区、木造一戸建)

2台の入れ替えを行いますが今回はその1台目。

工事当日、近所に到着しましたがお家を忘れてわかりません😅はて?どこだったか・・・

たしかに以前このあたりに来たことは覚えているのですが・・・お客さんへ電話をしたところ迎えに出てきてくださいました。
(ありがとうございます)

建物の前まで来ると過去に工事したときの記憶が一気によみがえります。

こちらが撤去する室内機(東芝製)
エアコン入替工事のため撤去する室内機

そして室外機と配管
撤去する室外機
配管化粧カバーはまだ使えるのでそのまま再使用します。

撤去が終わりました。
撤去したエアコン
もちろんパイプも撤去して新品へ交換します。

こちらは新品のエアコン(ダイキン製)
この新品のエアコンを取り付ける
新品のエアコンを購入すると室内機と室外機しか運ばれてきません。

そのほかに必要となる冷媒管、ドレン管、電線(VVFケーブル)、アース線(IV線)、室外機の置台、テープ類、パテ、ねじ類・・・すべて現地調達です。

新しい据付板を壁に取り付けます。
新しい据付板を取り付ける
壁の石膏ボードの裏に補強で合板が入っていたため長さ30mmのトラスタッピングねじで固定。

室内機の重量と形状で固定本数を決めています。

配管穴には9年前に入れたスリーブ(養生管)が入っているのでこちらもそのまま再使用。

室内機に室外機と接続する電線をつなぎますが
室内機の電線接続がしにくい
この機種は端子台周囲が狭くて接続しにくい・・・

端子台への電線挿入には力が結構必要ですが、力が入りにくい造りになってます😅

アース線も接続しました。

パイプを処理して室内機を据付板に引っ掛けます。
据付板に室内機を引っ掛ける
その後、こちらのメーカー特有の本体と据付板を固定するねじを取り付けました。

室内機に付属品の抗ウイルスフィルターを付けます。
付属品の抗ウイルスフィルター
効果のほどは・・・?

このフィルターは3年程度で寿命みたいですが、この手のフィルターを交換しているお宅はほとんど見たことがありませんね。

おおかたエアコンの寿命までそのままとなっていることでしょう。

さて、あとは屋外側の作業。

この日も強烈に暑く、しかも日向の炎天下と壁や床からの照り返し😅

たまらずTシャツに水をかけて空調服で体を冷却しながら行いました。

ということで画像を撮っている余裕などありません😆

施工完了。
室外機周辺施工完了

試運転中。
エアコン設置後試運転中
いつも通りお客さん立会いでチェックしすべて正常で作業完了です😊

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年8月 2日 (水)

マルチエアコンの1台が冷えない

エアコンが冷えないとの点検依頼をいただきました😊

場所は東京都渋谷区(エリア外出張しました)にあるマンション。

状況は、
マルチエアコンの室外機に接続された2台の室内機のうち1台が冷えない。
というもの。

※室外機に複数台の室内機を接続することができる機種をマルチエアコンといいます。

現地に到着してさっそく点検を始めます。

2台の室内機は天井カセット形(本体が天井に埋め込まれてパネルだけが天井面に見える形式)。

室内機の温度測定をすると1台はよく冷えてますがもう1台はまったく冷えません。

ということで室外機をメインに点検を行います。
これから点検を行うマルチエアコン室外機
でかい😅

ちょっとした業務用エアコンの大きさです。

カバーも業務用室外機と同じような形式で開きます。
マルチエアコン室外機のカバーを開けた
通常のルームエアコンより点検はしやすいです。

各室の室内機への冷媒管接続部。
各室の室内機への冷媒管接続部
全部で5台の室内機が接続できるようになっていますが使用しているのは2台。

運転して調べると一番上に接続された系統に冷媒が流れていません。

各室への接続は下からA~E系統となっており冷えないのはE系統。
冷媒管接続部
なお正常に冷えているのはD系統です。

そして疑わしいのはここに並んだ膨張弁。
疑わしい膨張弁を点検する
一番上のE系統の膨張弁を調べます。

このときはまだあるコトに気づいていません。

膨張弁は冷媒の流量をコントロール、減圧する重要な部品ですが、おそらく閉まったままで動かなくなっていることが予想されます。

制御基板上には膨張弁をコントロールする配線が接続されたコネクタ。
膨張弁に接続されているコネクタ
さきほど膨張弁はA~Eの5つでしたがコネクタは6つあります。

室外機内部を見るともう1つ
室外機の内部にも1つ膨張弁が
膨張弁があり計6つでした。

コネクタを外してE系統の膨張弁コイルの断線、ショートを調べましたが正常。

となると膨張弁の内部が動かなくなっているのか・・・🤔

だとしたら重症です。

もしくは基板から正常に電圧(ステッピング)が出ていないのか・・・

2系統(D、E)のコネクタを入れ替えて運転してみました。

しかしそれでもE系統は膨張弁が開かず。
(D系統は開きました)

あちゃ~、ということは弁本体が動いてないですね。

コネクタを戻し、最後の手段で軽く弁に衝撃を与えてから運転してみましたがやはり開きません。

こりゃ修理が大変だ・・・もしくは冷媒管をA~Cの系統へ接続を替えるか・・・

などと考えながら見ていると・・・あれ?
膨張弁コイルがずれている
クリップが正規の位置にはまっておらずコイルが左にずれてます。
(すぐ下のD系統のコイルと見比べるとわかりやすいですね)

これか!

はめました。
膨張弁コイルを所定の位置に固定
これで再度運転。

しばらくしてE系統の弁のイニシャライズ音がして室外機が回りはじめ弁が開き正常に冷えるようになりました😄

はじめのほうにある膨張弁が5つ並んだ画像でも一番上のコイルだけがずれているのがわかりますね。

このコイルはクリップで止まっているだけなので簡単に外れてしまうんです。

お客さんに状況を説明すると、
「以前に建物の修繕工事で室外機を脱着した」
とのこと。

その時の脱着工事で何かが膨張弁コイルに触れて外れてしまったようです。

ということはその工事をした人は施工後の試運転を行っていないということですね。

そしてこのエアコンには冷媒管と配線の誤接続の検知と修正を自動でする点検機能が・・・
室内機と配線の誤接続の検知と修正を自動でする機能が付いている
もし以前の脱着工事後にこの機能を使っているとE系統は冷媒が流れないため誤判定しているかもしれません。

なので念のためこの点検機能を作動。

説明によると10~15分程度かかるということで待っていると・・・

10分程度で室外機がパタリと止まりました。

お、終わったかな・・・

基板上のLEDを確認すると”コンプレッサー吐出温度異常(高温)”で停止してました(なんじゃそりゃ😅)

この日も気温は35℃位あり、点検機能を使える環境ではなかったのかもしれません。

もしくは脱着工事の時に冷媒を減らしてしまい不足していることも考えられます。

しかし現段階での判断は尚早と考え冷媒量に関してはこのまま様子を見てもらうことに。

お客さんから扇風機をお借りして過熱したコンプレッサーを冷まします。

点検機能は使えないため一旦ブレーカーを切ってエアコンをリセットし自身で誤配線がないか確認。

問題はありませんでした。

ふぅ~、この確認に一番時間がかかった😅

点検前は吸い込み吹き出し温度共に31℃だったE系統室内機は吸い込みが28℃
室内機の吸い込み温度は28℃

吹き出し温度は7℃
室内機の吹き出し温度は7℃
とよく冷えるようになりました😄

今回のような室外機内部の機構に触れられるような機種ではエアコンの構造や動作に理解のない工事屋さんでは難しいかもしれません。

とくにマルチエアコンは工事人の不注意で配管と配線が入れ替わっておかしな動作をするなんてことが多いですから。

なお当店は1人作業なので今回のような大きい室外機(67kg)は運べないため施工できませんが😅

またメーカーの設計も膨張弁コイルの固定をクリップではなく、ねじ固定など容易に外れないようにしていればこのような不具合は発生しないと思いますがね。

Katoairconservice_mark160
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