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2023年6月12日 (月)

隠蔽配管されたエアコン撤去

パイプが隠蔽配管されているエアコンの撤去と取り付け調査に伺いました😊
(東京都大田区内の一戸建て)

隠蔽配管とは建物が建築時に壁や天井内、床下などへ冷媒管、ドレン管、電線などを埋め込んでおく方式で先行配管とも呼ばれます。

業務用エアコンではあたりまえの施工法ですがルームエアコンではよほどの理由がない限り現在では行いません。

その理由は隠蔽されたパイプ類はいつか使用できなくなることや施工する業者が激減していることなどです。

そもそも壁掛け形のルームエアコンは隠蔽配管用に設計されているわけではないので本体交換時に問題になることが多いんですよ。

さて設置されている状況は
隠蔽配管に接続されたエアコン室内機
こちらが室内機。

建物が一戸建てなのでマンションなどと異なりパイプ類は背面で接続され見えません。

室外機
隠蔽配管に接続された室外機
パイプが壁から出てすぐに接続されてます。

新しく取り付けるものに長さなどが合えばいいのですが・・・🤔

パイプ電線類は短いと接続延長する必要があります。

今回、もう1台と計2台の撤去・調査を行いますがほぼ同じ状況で設置されています。

隠蔽配管は再使用できない可能性や施工不可になることがあるのでお客さんに再確認して撤去を開始しました。

まずは絶縁抵抗測定して壁内などに埋め込まれている電線に漏電がないことを確認し冷房運転。
室外機のバルブで冷房運転状態を確認
室外機のバルブ温度で冷房が正常に機能していることを確認。

室内機の吸い込み・吹き出し温度を測定してこちらも正常。

この時点で異常があると冷媒管などに不具合が生じているかもしれないので取り付けを辞退することもあります。

古い冷凍機油(コンプレッサーオイル)が管内になるべく残らないように長めに運転してからポンプダウン(冷媒を室外機に戻す)をしました。

おっと電線が・・・
室内機と室外機の連絡電線が4心
4心(4本)です。

このエアコン、日立の旧型で当時はこのメーカーだけ室内外機の連絡電線が4心だったんですよ。

現在はどこのメーカーも3心です。
(インバーター機ではない機種などを除く)

使われているのはVVFケーブルで2.0mmの2心と1.6mmの2心。

取り付け工事する場合は機器側配線に注意をして接続する必要があります。

室外機を取り外して冷媒管の先端にユニオンでキャップ。
冷媒管の先端はユニオンでキャップ
ビニルテープで巻いておく方法もありますが、冷媒管が壁から下向きに出ているので残留している冷凍機油が流れ出てしまうのを防止するためです。

またテープよりも気密性が高いため、このあとすぐに新しいエアコンを取り付けなくてもパイプ内面の劣化を防ぐこともできます。

では今度は室内機の撤去。
隠蔽配管に接続された室内機の撤去を始める
本体下部を浮かせると左の壁穴から冷媒管と電線、右にはドレン管が見えます。

一戸建ての隠蔽配管ではこれがもっとも多く行われる方式。

冷媒管は室内機背面中央付近で室内機と接続されています。

室内機右下に電線の接続端子台。
室内機の電線接続端子台
昔の日立はこの位置にありました。

今のエアコンはほとんど室内機右側前面に位置しているので電線の長さは足りなくなります。

なので接続延長する必要がありますね。

この電線接続延長が元受け会社などから禁止されている業者はこれが理由で設置ができません。

しかし単に接続して室内機の裏に収めるのは事故のもと。

ボックスなどの内部で確実につなぐ必要があります。

室内機を下し、コンセントを外して
壁のコンセントを外して通線の確認
配管の穴から電線が通せるか確認しました。

コンセント背部には太い金属ブレース(建物の構造物)がありました。

建物は鉄骨構造です。

壁内を調べたところコンセント右側にボックスを取り付けられそうです。
電線の接続用ボックスを取り付ける予定位置
取り付けの際も再度確認しながら作業することになります。

壁内ドレン管の状況も確認。
壁内のドレン管はVP25が使われている
竹やりのように斜めカットされた塩ビ管が見えます。

先端処理は悪くないのですが問題はその太さ。

”25”という数字は太さを表してますが、このサイズではドレンホースの断熱材をはがさないと塩ビ管に差し込めません。

よくわかっている業者であればここはVP30にサイズアップして施工するものです。

でもまだVP管(塩ビ管)で配管されているだけマシ。

ひどいのは壁内を断熱ドレンホースで配管してしまい、再利用不可なんてこともたまにあります。

室内側も冷媒管は天井から下りてきているのでユニオンでキャップ。
冷媒管の先端をユニオンでキャップ

先端にはボンネット(銅のふた)を付けています。
ユニオンにはボンネット(銅のふた)を付けてキャップ

もう1台もほぼ同じ撤去・調査をして完了😊

状況的にはまだ隠蔽配管は使用可能。

設置施工もできそうなので今後取り付けの見積もりを出してご検討いただく流れとなります。

機種に関しても隠蔽配管では設置できるものが露出配管より限られるのでよく調べる必要がありますね。

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