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2023年6月 3日 (土)

パイプ類延長して室外機移設

室外機を移動する工事の依頼をいただき伺いました😊
(川崎市高津区、当店初めてご依頼のお客さん宅)

打ち合わせと見積もりのため事前に現地調査を行いその内容は・・・
室外機を移設する
左の室外機をもう1台の右側へ移動します。

室外機から壁面を見上げると
パイプは2階の室内機から下りてきている
配管化粧カバーに入ったパイプが2階の室内機から下りてきています。

パイプ電線類は長くなる方向への移設なので、冷媒管は接続延長します。

電線は以下の2通り方法があります。
方式A:室内機から電線をすべて入れ替える方法。
方式B:電線を接続延長する方法。

方式Aは電線を入れ替えるために梯子作業やその他工賃等で高くなります。

方式Bは電線を途中で接続するためボックスの設置が必要となります。

両方の見積もりを出してご検討いただき方式Bで施工することでご依頼いただきました。
(ありがとうございます😄)

― 移設工事 ―

まずは室外機を取り外す前に試運転を行い異常がないか確認。

冷媒を室外機に回収するポンプダウンを行います。
冷媒を室外機に回収するためポンプダウンを行う
電線の接続順も間違わないように外す前に覚えておきます。

間違えると多くの場合制御基板が壊れます。

端子台から電線も抜きました。
室外機の端子台から電線を抜いた
しかしこれがなかなか抜けず切断して1本ずつ外しました。

理由はこれ
電線が曲がったまま差し込まれていた
銅線が曲がったまま差し込まれていたのが原因。

エアコンなどの差し込み式端子台は電線がまっすぐでないと接触も悪くなるのでダメなんですよ。

室外機の取り外し完了。
室外機の取り外しが完了

配管作業へ・・・

建物の角の部分まで1mほど配管化粧カバーも延長します。

カバーはねじで壁に固定しますがサイディングなので隅に近いところは割れ防止のため下穴を開けます。
サイディングの割れ防止のためねじの下穴を開ける

下穴を開けた場合は念のためコーキングで穴をシールします。
ねじ穴をコーキングでシール
特にここは建物の土台部分ですからね。

そのほかも同じようにしてカバーの受け側を取り付け。
配管化粧カバーの受け側を取り付け
ここから先、室外機までの基礎部分を配管するところはテープで仕上げます。

カバーの部品にコアドリルで穴を開けます。
配管化粧カバーの部品にコアドリルで穴を開ける
こちらは電線取り出し用。

もう1つ
配管化粧カバーに2つ穴を開けた
こちらはドレンホース取り出し用。

そしてバリ取り。
開けた穴の端面を滑らかにするためバリ取り

冷媒管の作業に入りますがその前に2階から下りてきているパイプ類をコーテープでテーピング。
パイプをテーピング
なんのためかというと、2階の穴出口付近で接続されているドレンホースはどのような施工がされているかわかりません。

施工中にホースが引っ張られて抜けてしまうことも考えられるのでそれを防止する目的です。

延長用の新しい冷媒管を基礎と雨どいの間(ぎりぎり寸法😅)に通しました。
延長用の新しい冷媒管を通した
これを既設のものと接続します。

接続は今回”ユニオン”を使用します。
冷媒管をユニオン接続する
メカニカル接続です。

溶接する方法もありますが今回のケースではそこまで必要ありません。

古い方の銅管は真っ黒ですね😅
古い銅管は表面が真っ黒

でも切断してフレア加工すると肝心の内部はきれいなものです。
冷媒管の内面は汚れない
内面は冷媒と冷凍機油が流れるので黒くなりません。

フレアナット4つ締め付け完了。
フレアナット4つを締め付け完了
古い冷媒管での接続やユニオン接続ではとくにトルクレンチを信用してはいけません。

古い冷媒管は硬化していること、そしてユニオンはエアコン本体の真鍮接続部より硬くできているのでトルクレンチでは締め付け不足によるガス漏れが多く発生します。

接続部に断熱材を巻きます。
ユニオン接続部に断熱材を巻く
太い管と細い管は分離して巻きます。

これも一緒に巻いてしまう業者さんが多いのですがあまりよくありません。
(機種によってはとくによくない)

そしてビニルテープとコーテープで隙間の無いように仕上げます。
断熱に隙間ができないようにビニルテープとコーテープで巻く

さて次は電線の延長接続です。

エアコンのこの電線には電源(100Vまたは200V)と室内機・室外機間のシリアル信号が流れます。

接続用にボックスを取り付けます。
電線の接続ボックスを取り付けた

現在エアコンの電線途中接続を会社などからの指示でできない業者さんが増えてますが、それは過去にテキトーなつなぎ方をして、テープで冷媒管と一緒に巻いてしまうという杜撰な工事をしたため事故や故障が多発したからです。

いいかげんなことをされると余計な規則ができたりするので無関係の人までみんなが迷惑します。
(これ世の中のいろんなことにも言えますね🤔)

ボックスの固定のねじ部にはコーキング
電線接続ボックスの固定ねじ部にはコーキング
ここもサイディングに下穴を開けたのでそちらもコーキングでシールしています。

電線は圧着接続。
電線を圧着接続
安心な接続方法です。

近頃では電気屋さんでも差し込み形コネクタという差し込むだけの簡単接続をする方がいますね。

差し込み形コネクタは長期の耐久性が不明なので当店では使用しません。

蓋をして接続完了。
防水の接続ボックスに蓋を付けて電線接続完了
このボックスは防水で蓋にパッキンがついているタイプです。

室外機側の配管接続も終わって真空引き。
エアコンの真空引き
真空引きとはよく聞くけど何のことかわかりませんよね。

室外機を取り外す際にはポンプダウンをして冷媒を室外機の中に戻しました。

これは新品のエアコンと同様の状態です。

室内機とパイプを接続してもその冷媒管内には空気(大気)が入っていてそのまま室外機のバルブを開けてしまうと、
・冷媒サイクルの圧力が異常に高くなる。
・空気中の水分量によっては凍って詰まる(効かない、圧力低下)。
などの不具合が起きます。

そのため真空ポンプで空気を抜き取るわけです。

2000年頃以前のエアコンでは真空ポンプではなく本体の冷媒を使って空気を追い出す方式が正しいやり方だったのですが今では禁止されてますね。

さて、真空引きが終わってバルブを開けると”シュー”とサービスポートから少し漏れる音が・・・
サービスポートのバルブコア不良
少しコアの先端をいじると漏れが止まったりします。

これはバルブコアの不良です。

最近なんだか多いですね。

再度ポンプダウンを行いバルブコアを外しました。
バルブコアのパッキンが変形
パッキンが変形してます。

材質がよくないのかもしれません。

作業車から新品を出しました。
新冷媒用の新品バルブコア
新冷媒用(R410A、R32用)です。

これからは移設するエアコンのバルブコアは基本的に交換したほうがいいようです。

再度真空引きして漏電がないか絶縁抵抗を測定したら運転開始。
室外機の移設が終わって試運転
温度測定結果は問題なし。

異常音、振動もなく正常。

配管などの仕上がり。
室外機移設、配管の仕上がり
2階の配管穴付近のドレンホースに抜けがないか排水試験もして問題ありませんでした。

これで移設作業完了です😊

ひとくちに室外機の移設といっても配管が短くなるか長くなるかによってその内容、使用材料、作業時間は大きく異なります。

配管が長くなる場合の多くは事前の現地調査が必要になります。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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