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2023年6月

2023年6月30日 (金)

エアコン設置、冷媒管10m

横浜市青葉区にある一戸建てへのエアコン工事依頼をいただきました😊

しかしその内容は室内機を2階へ取り付け、室外機は1階地面へ。

しかも横引きを含め冷媒配管長10mというものです。

電気工事を含め2日に分けて施工しました。

こちらは室内機設置場所
室内機設置場所
配管穴はすでにあり、右にエアコン専用コンセント100Vも設置されてます。

室内機は配管穴を隠すように取り付けます。

配管穴にある蓋のツバは厚みがあって室内機が壁から浮いてしまうので取り去ります。
穴蓋のツバを取り去る
これを取らないと室内機が歪みます。

養生管と壁に隙間があるのでパテで埋めました。
壁穴と養生管の隙間をパテで埋めた

そしてさらにその内部へスリーブを挿入。
穴にスリーブを挿入
ドレン勾配確保とエアコン本体下に少し穴がはみ出るため。

設置するのは新品のエアコン
箱に入った新品のエアコン
ダイキンのrisoraです。

18畳用で電源電圧は200Vなのでコンセントの交換と電圧の切り替えが必要ですね。

箱から出しました。
室内機を箱から出した
risoraは厚みが小さくデザインが人気。

据付板を取り付けました。
据付板を付けた
この金属の板に引っ掛けるように室内機は付きます。

電線接続など準備ができたら室内機を掛けて
室内機を据付板へ掛けた

いったんパネルを外してダイキンさん特有の補強ねじで室内機と据付板をねじ固定。
室内機パネルを外して補強ねじ固定

パネルを戻したら別梱包の前面のグリルを取り付けます。
risoraの前面グリルを取り付ける
今回はシルバー。

かっこいいですね😄

いろいろ選べるのもrisoraの特長。

取り付けました。
risoraの前面グリルを取り付けた
フラップやグリルは中途半端に開いてますが試運転までそのままにしておきます。

次は屋外の工事。

配管穴からすぐに横引き4m
配管穴から4m横引き
配管化粧カバーの下地を付けました。

ドレン管(排水管)も一緒なので下り勾配をつけておきます。

水平にすると詰まって室内に水漏れするようになってしまいますので。

この外壁は金属なのでカバー固定には下穴を開けてコーキングを施しねじ止めするという工程で行いました。

コーキングはねじ穴のサビ防止です。

横引きはカバーがたるみやすいので固定数も多めにしています。

立下り部分の施工。(左のカバーは既設機のもの)
立下り部分の施工
カバーの取り付けは横引き部分も含めチョークライン(粉チョークの墨つぼ)を使い直線を出しています。

横引き部分のドレンホースは塩ビ管の中へ入れました。
横引き部分のドレンホースは塩ビ管に入れた
ドレンホースは柔らかいためそのまま長い横引き部分に入れてしまうと冷媒管や電線に押されたりしてたるんでしまうのでそれを防止し勾配を確保するためです。

また、1階へ下りた冷媒管などの重さで角部分のホースのつぶれを防止することもできます。

カバーをかけ終わりました。
配管化粧カバーをかけ終わった

室外機周りの配管作業。
室外機周りの配管作業

ブロックを台にして室外機を載せ接続作業。
室外機の設置作業
左にあるのは既設の室外機。

室内のコンセントを見て気づいた方もいるかもしれませんがアース端子がありませんでした。

コンセントには接地線が敷設されていないので室外機で接地工事(D種接地工事)を行うことにします。

なお、エアコンは室内機または室外機のどちらか片方でアースを接続します。

しかし地面のあっちを掘ってもこっちを掘っても地中の石にぶつかってアース棒が入っていきません😅

何度もトライして深くはありませんがここだけ入りました。
アース棒を地面に埋める
ふぅ、問題は接地抵抗値です。

アース棒の埋め込みが浅いと接地抵抗値も高くなってしまいます。

こちらの建物の場合、接地抵抗値は500Ω以下でなければなりません。

さて結果は
接地抵抗値は140Ω
指針は1.4を指してレンジが×100Ωなので140Ω

おお、ラッキー😄

ちょうどいい感じの抵抗値。

掘った穴を埋め戻して接地線を室外機へ接続しました。

室外機周り終了
室外機周辺の工事が完了

残るは電源工事。
コンセント交換を行う
今ついているコンセントは定格20A125V(IL形)。

エアコンの電源プラグは定格20A250V(エルバー形)接地端子付き。

この形状にあうよう交換します。

ただし接地端子はダミー(未接続)となります。
(そのために室外で接地工事をした)

用意したコンセントとプレート。
用意したコンセントと金属プレート
プレートは建物についているものに合わせて金属を準備してきました。

これら周囲に合わせて室内機もシルバーにされたのかもしれませんね。

コンセント交換完了
コンセントの交換が完了
「おじさん、コンセントひっくり返ってるよ😆」

お、ほんとだ・・・

いえいえ、そうではありません。

エアコンのプラグ方向に合わせてわざと上下逆に取り付けました。
(はじめうっかり普通に付けてしまい、その後逆にしました😅)

分電盤のバスバーで電圧の切り替え完了。
分電盤で電圧切替
切り替え時はブレーカーを切って全室一時停電となります。

ブレーカーは100V/200V兼用(2P2E20A)だったのでそのまま使用。

切り替えた回路の線間・対地間の絶縁抵抗を測定したらブレーカーON。

コンセントで電圧測定
コンセント電圧209V
209VでOK。

これはブレーカー以降の無負荷電圧なので実際はエアコンを運転すると少し下がります。

エアコンの絶縁抵抗も測定して運転開始。
エアコン運転開始

risoraは薄くてかっこいい😄
risoraは薄くてかっこいい
お客さんとともに試運転チェックを行い問題なく作業終了😊

運転を停止すると
risoraの停止状態
グリルやルーバーが閉まってさらにすっきり。

フィルター自動掃除機能は付いておらず、そのため熱交換器やファンは汚れにくいのもいいですね。

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http://kato-aircon.com/

2023年6月27日 (火)

停電?→ 漏電

「エアコンで漏電しているので点検を」との依頼をいただきました😊

突然電気が消えて電力会社に調べてもらったところエアコンからと判明したそうです。

さっそくエアコンを絶縁抵抗計で計測。

しかし絶縁抵抗値は100MΩ程度ありすでに漏電していません🤔

なんか嫌な予感が・・・なにか生物の影響?
漏電の原因を探すため室外機を調べる
不具合の可能性が高い室外機を調べることにします。

恐る恐る側面カバーを開けました(何か居るかもしれない恐怖😅)
室外機の側面カバーを開けて端子台を調べる
ホッ、なにもいなかった

でもよく見ると
端子台にねばねばした糸のようなものが付着
ねばねばした糸のようなものが付いてます。

ナメクジのような虫が這った跡でしょうか。

天板を開けて
点検のため室外機の天板を開けた

上部からも見てみます。
端子台を上部から見てみる
やっぱり何か居たことがうかがえます。

ここにいた虫で漏電した可能性が高いですね。

端子台は電気の配線が露出しているので、そこと室外機の金属部がつながるように虫などが這うと漏電します。
(露出した電線と端子台を固定しているねじに接触すると漏電します)

虫はその後どこかへいってしまったようです。

端子台に付着したねばねばを拭き取って
端子台に付着したねばねばを拭き取った
奥の制御基板や周囲の電気部品も確認し問題はありませんでした。

再度絶縁抵抗を測定しやはり100MΩ以上でOK。

異常は見られず電源を投入し運転開始。

漏電遮断器は作動することなくエアコンは正常運転で点検完了となりました😊

隣地を見ると
隣地は雑草が多い
雑草がたくさん生えていて虫も多く発生する環境です。

もしかするとまた室外機に入られて漏電や不具合を起こすかもしれません。

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2023年6月23日 (金)

エアフィルターと汚れ

いつも工事依頼をくださる賃貸住宅の大家さんからエアコン撤去の依頼をいただきました😊
(東京都世田谷区)

(※なお現在、新規の賃貸住宅オーナーさんや不動産会社さんからの依頼は受け付けておりません)

こちらの住宅に住んでいた方が退去され、リフォームにあわせてエアコンの入れ替えを行うためまずは撤去へ。

こちらがそのエアコン
17年前のエアコンを撤去する
約17年前に取り付けられたもののようです。

室外機
撤去する室外機
ちょっと変わった向きに置かれてますね。

その理由は
室外機の後ろに洗濯機置場
室外機のすぐ後ろが洗濯機置場だったからです。

取り外し工事を行いながら見ていると「あれ?これもしかして・・・」

こちらで約17年前に取り付けたものでした😅

現在使用している業務データベースには16年前に切り替えたのでそこにはデータがなく別の業者が取り付けたものと思っていました。

それでも施工の仕方をみればわかります。

室内機のエアフィルターは外されていました。
室内機のエアフィルターが取り外されている
大家さんが外したみたいですね。

ベランダに置いてありましたが・・・
エアコンのフィルターが絨毯のようになっている
まるで絨毯のよう😆

これはもしかすると入居から一度も掃除をしたことがないレベルですね。

これでは冷暖房ともにほとんど効きません。

でも室内機の熱交換器は
室内機の熱交換器はきれい
すごくきれいです。

送風ファンは・・・
室内機ファンの汚れ具合を見る

アップ
室内機の送風ファンはきれい
こちらもきれいです。

フィルターでしっかりホコリをキャッチしていることがわかりますね。

フィルターのホコリをとれば冷暖房はしっかり効くようになります。

でもこれは人気の自動フィルター掃除機能がついてないからなんですよ。

自動フィルター掃除が付いているほうが熱交換器やファンが汚れないと思われがちですが実は逆。

この機能があるとブラッシングなどにより数年で室内機の内部にホコリが入り積もって業者による洗浄が必要になります。

しかも製品も洗浄代も割高。

みなさん宣伝にだまされないようにしましょうね。

さて取り外し工事は完了😊
エアコン取り外し工事が完了

こちらには年配の方が住んでいたとのことでエアコンの使用に不慣れだったのでしょう。

おそらくフィルター掃除の必要性を知らなかったか、その他の理由でできなかったのではと思います。

当然エアコンは効かないので冬も寒かったのではないかとちょっと悲しい気分になりました。

年配の方だけで生活している身内や知り合いがいたら訪問の際にエアコンのフィルターや効き具合を点検してあげましょう。

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2023年6月19日 (月)

冷えない、これはレアケース

エアコンが冷えないとの点検依頼をいただき伺いました😊
(東京都大田区内の一戸建て)

到着してさっそく点検を行います。

冷えないと言えばまずは定番のガス漏れからチェック。
リークディテクターで冷媒漏れのチェック
しかしまったく反応なし。

では運転してみて状況を確認することにします。
エアコンを運転して点検
その後しばらく経っても室外機が動かず。

室内機のランプは正常でエアコンに異常はないようです。

何か不具合があれば点滅してエラーコードを表示します。

一度コンセントから電源プラグを抜いてリセットしてから再度運転。

室外機の動きを見てみます。
室外機を点検する
上に載っているのは計測用に持ってきたテスター。

少し待っていると室外機から”コンッ”と音がして電源が投入されたことを確認。

次に”カチャカチャカチャ・・・・”と膨張弁のイニシャライズ音が聞こえました。

お、動くんじゃないの?

と思いましたがその後はうんともすんともなくコンプレッサーやファンは作動せず。
室外機のファンやコンプレッサーが動かない
室内機を見ても正常運転でエラー出ず。

室外機の側面カバーを開けて端子台でシリアル信号を見ることに。
室外機の端子台
この機種は黒と白で室外機の100V電源。

白と赤で室内機と室外機のシリアル信号が流れます。

テスターでみます。
アナログテスターでシリアル信号をみる
「いまどきアナログテスター使ってんの?」

そうなんですよ。

シリアルを見るときはデジタルテスターではムリ。

なぜかは省略。

肝心の結果は内外機ともに正常に信号のやりとりをしています。

室内機はエラーを出さず室外機を含め正常に冷房運転していることになっています。

強制冷房運転モードに入れても同じ。

うーん、これはおかしい🤔

室外機の外板を外して基板上のコンバーター出力電圧を見ても280V程度ありこちらも正常。

室内機がエラーを読み取っていないのか確認するため赤い線を外しました。
室内機の制御基板が正常か調べるため線を外した
これで再度運転してみるとまもなくランプが点滅しエラー。

シリアル信号異常を発出しました。

ということは室外機が動かないのはその中の制御基板不良の可能性が最も高いですね。

しかしこのエアコンは製造から約8年。

しかも去年の夏頃から冷えない症状が出ていたということで、もしかすると基板を交換しても他の不具合が隠れている可能性もあります。

お客さんと相談してこれを機に修理せず買い替えることになり点検終了。

途中でメーカー技術部にも症状を確認しましたがエラーが出ないのはレアケースでどこが悪いか判断できないとのことでした。

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2023年6月15日 (木)

作業車、ディーラーで修理

先日、お客さん宅へ向かう途中の渋滞で「ギアが入らない😱」まずい・・・(MT車)
車の動力伝達部分
(今回はMT車を知らないとわけがわからない内容😅)

しばらくクラッチペダルとシフトレバーで格闘していると後ろの車から”プッ!”とクラクションを鳴らされてしまいました😰

”ゴキッ!”(やばい手ごたえ)なんとかギアが入って発進。

その後も1、2速は入らず3速でむりやり発進したり、3速のシンクロへあてると1速へは入ったりしたのでしばらくそれで走行。

使用している作業車は積算走行距離137000kmほど。

停止時にギアが入らなくなることは以前からわかっており、積算40000km前後と70000km前後の過去2回、同じ症状でクラッチ全交換をディーラーで行っています。

その後もしばらくすると再発していましたが、エンジンをアイドリングして暖機し過ぎると必ず起こる症状とわかり、その場合はクラッチを3秒以上踏むとすんなりギアが入ることもわかって今までなんとか凌いできました。

なお発進してしまえば他のギアへはすんなりとチェンジできます。

どうやらミッション側より先にエンジンが暖まるとクラッチペダルを踏んでもすぐに切れなくなるようです。
(ペダルを踏んだ後に遅れてゆっくり切れる感じ)

ミッション側も暖まると症状は消えます。

ディーラーへは以前から何度か部品の改良がされていないか確認していましたがそれはありませんでした。

その日もエンジン水温が暖まる前に発進したのですが、渋滞にハマっているうちにエンジンの暖機が進んでしまい症状再発。

しかしこの日はクラッチを3秒踏んでも10秒踏んでもまったくギアが入らず💦

さすがにこれはメーカーの見解を聞きたいと思いディーラー訪問・・・

すると「去年の暮れ辺りにクラッチの部品番号が以前と変わっている、なにか改良された可能性が高いので交換してみてはどうか」とのこと。

クラッチに関する部品全7点の交換見積もりを出してもらい修理することに。

修理が終わってこれが取り外した部品たち。
交換して取り外したクラッチ部品
丸い大きいのがクラッチカバーでクラッチペダルを踏んだ際に押されるダイヤフラムスプリングが見えます。

症状が出ていた時はこのスプリングを押しきれなくなっていたものと推測。

裏側はクラッチディスク
取り外したクラッチディスク
これがエンジン側のフライホイールに密着(クラッチをつなぐ)することで動力をミッション側へと伝え、離れる(ダイアフラムスプリングを押してクラッチを切る)ことで停止時にエンストせずギアを入れることができます。

サービス担当の方からは外したクラッチディスクに異常はなくまだ使える状態とのこと。

費用の支払いを終わってディーラーをあとにしました。

さてそのクラッチの状態は・・・

「軽い・・・」

ペダルが以前より軽くなって感覚的には7割程度の力で踏み込めます。

もしかするとクラッチの改良によるものかもしれません。

単にグリスで動きが良くなっただけかもしれませんが。

症状が再発しないことを願ってしばらく様子見します😊
(20000km程度走らないと結果はわかりませんけど)

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2023年6月12日 (月)

隠蔽配管されたエアコン撤去

パイプが隠蔽配管されているエアコンの撤去と取り付け調査に伺いました😊
(東京都大田区内の一戸建て)

隠蔽配管とは建物が建築時に壁や天井内、床下などへ冷媒管、ドレン管、電線などを埋め込んでおく方式で先行配管とも呼ばれます。

業務用エアコンではあたりまえの施工法ですがルームエアコンではよほどの理由がない限り現在では行いません。

その理由は隠蔽されたパイプ類はいつか使用できなくなることや施工する業者が激減していることなどです。

そもそも壁掛け形のルームエアコンは隠蔽配管用に設計されているわけではないので本体交換時に問題になることが多いんですよ。

さて設置されている状況は
隠蔽配管に接続されたエアコン室内機
こちらが室内機。

建物が一戸建てなのでマンションなどと異なりパイプ類は背面で接続され見えません。

室外機
隠蔽配管に接続された室外機
パイプが壁から出てすぐに接続されてます。

新しく取り付けるものに長さなどが合えばいいのですが・・・🤔

パイプ電線類は短いと接続延長する必要があります。

今回、もう1台と計2台の撤去・調査を行いますがほぼ同じ状況で設置されています。

隠蔽配管は再使用できない可能性や施工不可になることがあるのでお客さんに再確認して撤去を開始しました。

まずは絶縁抵抗測定して壁内などに埋め込まれている電線に漏電がないことを確認し冷房運転。
室外機のバルブで冷房運転状態を確認
室外機のバルブ温度で冷房が正常に機能していることを確認。

室内機の吸い込み・吹き出し温度を測定してこちらも正常。

この時点で異常があると冷媒管などに不具合が生じているかもしれないので取り付けを辞退することもあります。

古い冷凍機油(コンプレッサーオイル)が管内になるべく残らないように長めに運転してからポンプダウン(冷媒を室外機に戻す)をしました。

おっと電線が・・・
室内機と室外機の連絡電線が4心
4心(4本)です。

このエアコン、日立の旧型で当時はこのメーカーだけ室内外機の連絡電線が4心だったんですよ。

現在はどこのメーカーも3心です。
(インバーター機ではない機種などを除く)

使われているのはVVFケーブルで2.0mmの2心と1.6mmの2心。

取り付け工事する場合は機器側配線に注意をして接続する必要があります。

室外機を取り外して冷媒管の先端にユニオンでキャップ。
冷媒管の先端はユニオンでキャップ
ビニルテープで巻いておく方法もありますが、冷媒管が壁から下向きに出ているので残留している冷凍機油が流れ出てしまうのを防止するためです。

またテープよりも気密性が高いため、このあとすぐに新しいエアコンを取り付けなくてもパイプ内面の劣化を防ぐこともできます。

では今度は室内機の撤去。
隠蔽配管に接続された室内機の撤去を始める
本体下部を浮かせると左の壁穴から冷媒管と電線、右にはドレン管が見えます。

一戸建ての隠蔽配管ではこれがもっとも多く行われる方式。

冷媒管は室内機背面中央付近で室内機と接続されています。

室内機右下に電線の接続端子台。
室内機の電線接続端子台
昔の日立はこの位置にありました。

今のエアコンはほとんど室内機右側前面に位置しているので電線の長さは足りなくなります。

なので接続延長する必要がありますね。

この電線接続延長が元受け会社などから禁止されている業者はこれが理由で設置ができません。

しかし単に接続して室内機の裏に収めるのは事故のもと。

ボックスなどの内部で確実につなぐ必要があります。

室内機を下し、コンセントを外して
壁のコンセントを外して通線の確認
配管の穴から電線が通せるか確認しました。

コンセント背部には太い金属ブレース(建物の構造物)がありました。

建物は鉄骨構造です。

壁内を調べたところコンセント右側にボックスを取り付けられそうです。
電線の接続用ボックスを取り付ける予定位置
取り付けの際も再度確認しながら作業することになります。

壁内ドレン管の状況も確認。
壁内のドレン管はVP25が使われている
竹やりのように斜めカットされた塩ビ管が見えます。

先端処理は悪くないのですが問題はその太さ。

”25”という数字は太さを表してますが、このサイズではドレンホースの断熱材をはがさないと塩ビ管に差し込めません。

よくわかっている業者であればここはVP30にサイズアップして施工するものです。

でもまだVP管(塩ビ管)で配管されているだけマシ。

ひどいのは壁内を断熱ドレンホースで配管してしまい、再利用不可なんてこともたまにあります。

室内側も冷媒管は天井から下りてきているのでユニオンでキャップ。
冷媒管の先端をユニオンでキャップ

先端にはボンネット(銅のふた)を付けています。
ユニオンにはボンネット(銅のふた)を付けてキャップ

もう1台もほぼ同じ撤去・調査をして完了😊

状況的にはまだ隠蔽配管は使用可能。

設置施工もできそうなので今後取り付けの見積もりを出してご検討いただく流れとなります。

機種に関しても隠蔽配管では設置できるものが露出配管より限られるのでよく調べる必要がありますね。

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2023年6月 9日 (金)

エアコンの点検と修理

そろそろ冷房や除湿を使い始める季節になってきました。

久しぶりにエアコンを運転してみたらなんだか吹き出す風が冷たくない・・・🙁

部屋がぜんぜん冷えない・・・🤔

なんてことがあるかもしれません。

一般によく知られているのはガス漏れ(冷媒漏れ)。
冷媒漏れなどによるバルブの凍りつき
画像はガス不足による室外機バルブの凍りつきです。

このような場合、ガスを補充すれば直ると思っている方が多いと感じますが、それでは直したのではなく一時的にごまかしただけ。

ヒートポンプサイクルの冷媒は消費しないので漏れなければなくなることはありません。

なので漏れているところを修理しなければまたしばらくして同じ症状が再発します。

それに漏れによりガス不足になったエアコンへ冷媒を補充することはヒートポンプサイクルの不安定化につながるためある程度の知識をもった者であれば避けると思います。

またそのほかに冷房などが効かない原因にどんなものがあるかというと・・・

・本体の能力不足
・部屋(家)の形状によるもの。
・室内機送風経路の汚れ、詰まり。
・室外機送風経路の汚れ、詰まり、ショートサイクル。
・膨張弁動作不良。
・四方弁動作不良。
・コンプレッサー圧縮不良。

とちょっと考えただけでこんなにも。

一言に冷えないといってもいろいろな原因があります。

これらのようにガスが不足しているわけでもないのに冷媒を補充してしまうと余計におかしなことになります。

なので単に「ガス補充しておきました」は点検でも修理でもありません。

点検はどこがどのように不具合を出しているのか調査すること。

修理は不具合を取り除き正常な状態に戻すこと。

だと思います。

これからの時期に多くなる、ガスを補充するだけの業者には注意した方がいいですね。

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2023年6月 6日 (火)

隠れた故障

エアコンのランプが点滅して冷えないとの点検依頼をいただきました😊
(川崎市川崎区)

訪問して運転していただくとタイマーランプが点滅。
エアコンのランプが点滅
その点滅回数から室内機と室外機のシリアル通信異常と判明。

室内機が室外機からの信号を受け取れないことを表していました。

室外機の制御基板不良の可能性が高いのですが、このような場合は他にも複数の原因が考えられます。

それを調べるのが点検です。

ということでまずは室外機の端子台のところで調査。
室外機の端子台で点検を行うためカバーを開けた
またまた手抜き工事を発見😆

まずはこれ
電線押さえのバンドの外側を配線している手抜き
ねじ1本外すのも惜しんで電線押さえのバンドの上を配線してますね。

それに加えてケーブルの外装シースを長くむき過ぎているので、たとえバンドを使用しても押さえにはなりません。

そしてその下
電線のバンドに通さず配線している手抜き
こちらもバンドに通していない。

この工事をした人の仕事に対する姿勢が見えますね。

手を抜けるところはすべて抜いてとにかく早く終わらすことだけに執心していることがうかがえます。

なんの仕事でもそうだと思いますが数をこなすことにウエイトを置くとこういうことになります。

おっとそれはさておき点検ですね😅

デジタルとアナログの回路計を使用してシリアル信号を見ますがどうもエアコンの動作がおかしい。

室内機からのシグナルも拾えない。

これはもしかして・・・

エアコンのマイコンをリセットさせて再度運転すると普通に動き出しました。

あれ、直っちゃった?

そのまましばらく調子を観察していると・・・
しばらく運転するとバルブが凍り始めた
バルブが凍り始めました。

お客さんからこのエアコンは長期使用せずにいて久しぶりに運転したらランプが点滅して動かなくなっていたとのこと。

冷媒サイクルが安定するまでの一時的な凍り付きかもしれないのでもう少し様子をみます。

そろそろどうかな?
バルブの凍りつきが増している
増してるよー😆

症状からしてガス(冷媒)漏れの可能性が高いです。

ちなみにバルブが凍るといってもその場所や凍り方によってガス漏れなのか、そのほかの不具合なのか異なります。

凍ったらなんでもガス漏れと思ったらいけません。

エアコン本体も10年超えなのでこの際、買い替えですね。

しかし制御基板不良でなくてよかったです。

もし基板を取り寄せて修理したらガス漏れ発覚となったら目もあてられません。

何年も長期使用していないエアコンはこのように隠れた故障もあり得るのでこわいですね。

今回は不幸中の幸いといったところでしょうか。

そしてこのエアコンの入替工事の依頼を合わせていただきました。
ありがとうございます😄

施工方法等の確認のため室内機の設置状況を調べます。

室内機を浮かせて据付板の取り付け確認
室内機の設置状況確認
据付板は公団ボルトで固定されてます。

電源コードが据付板と室内機の間に挟まってました。
電源コードが据付板と室内機の間に挟まっていた
これもだめな施工。

コードが傷んだり、室内機背面は結露水が流れるため伝って水漏れしたりします。

こういう施工が多いため現在の据付工事説明書には手取り足取り、これでもかというほど細かく施工方法が書かれています。

エアコン工事はちゃんとやろうとすると時間が掛かるものなんです。

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2023年6月 3日 (土)

パイプ類延長して室外機移設

室外機を移動する工事の依頼をいただき伺いました😊
(川崎市高津区、当店初めてご依頼のお客さん宅)

打ち合わせと見積もりのため事前に現地調査を行いその内容は・・・
室外機を移設する
左の室外機をもう1台の右側へ移動します。

室外機から壁面を見上げると
パイプは2階の室内機から下りてきている
配管化粧カバーに入ったパイプが2階の室内機から下りてきています。

パイプ電線類は長くなる方向への移設なので、冷媒管は接続延長します。

電線は以下の2通り方法があります。
方式A:室内機から電線をすべて入れ替える方法。
方式B:電線を接続延長する方法。

方式Aは電線を入れ替えるために梯子作業やその他工賃等で高くなります。

方式Bは電線を途中で接続するためボックスの設置が必要となります。

両方の見積もりを出してご検討いただき方式Bで施工することでご依頼いただきました。
(ありがとうございます😄)

― 移設工事 ―

まずは室外機を取り外す前に試運転を行い異常がないか確認。

冷媒を室外機に回収するポンプダウンを行います。
冷媒を室外機に回収するためポンプダウンを行う
電線の接続順も間違わないように外す前に覚えておきます。

間違えると多くの場合制御基板が壊れます。

端子台から電線も抜きました。
室外機の端子台から電線を抜いた
しかしこれがなかなか抜けず切断して1本ずつ外しました。

理由はこれ
電線が曲がったまま差し込まれていた
銅線が曲がったまま差し込まれていたのが原因。

エアコンなどの差し込み式端子台は電線がまっすぐでないと接触も悪くなるのでダメなんですよ。

室外機の取り外し完了。
室外機の取り外しが完了

配管作業へ・・・

建物の角の部分まで1mほど配管化粧カバーも延長します。

カバーはねじで壁に固定しますがサイディングなので隅に近いところは割れ防止のため下穴を開けます。
サイディングの割れ防止のためねじの下穴を開ける

下穴を開けた場合は念のためコーキングで穴をシールします。
ねじ穴をコーキングでシール
特にここは建物の土台部分ですからね。

そのほかも同じようにしてカバーの受け側を取り付け。
配管化粧カバーの受け側を取り付け
ここから先、室外機までの基礎部分を配管するところはテープで仕上げます。

カバーの部品にコアドリルで穴を開けます。
配管化粧カバーの部品にコアドリルで穴を開ける
こちらは電線取り出し用。

もう1つ
配管化粧カバーに2つ穴を開けた
こちらはドレンホース取り出し用。

そしてバリ取り。
開けた穴の端面を滑らかにするためバリ取り

冷媒管の作業に入りますがその前に2階から下りてきているパイプ類をコーテープでテーピング。
パイプをテーピング
なんのためかというと、2階の穴出口付近で接続されているドレンホースはどのような施工がされているかわかりません。

施工中にホースが引っ張られて抜けてしまうことも考えられるのでそれを防止する目的です。

延長用の新しい冷媒管を基礎と雨どいの間(ぎりぎり寸法😅)に通しました。
延長用の新しい冷媒管を通した
これを既設のものと接続します。

接続は今回”ユニオン”を使用します。
冷媒管をユニオン接続する
メカニカル接続です。

溶接する方法もありますが今回のケースではそこまで必要ありません。

古い方の銅管は真っ黒ですね😅
古い銅管は表面が真っ黒

でも切断してフレア加工すると肝心の内部はきれいなものです。
冷媒管の内面は汚れない
内面は冷媒と冷凍機油が流れるので黒くなりません。

フレアナット4つ締め付け完了。
フレアナット4つを締め付け完了
古い冷媒管での接続やユニオン接続ではとくにトルクレンチを信用してはいけません。

古い冷媒管は硬化していること、そしてユニオンはエアコン本体の真鍮接続部より硬くできているのでトルクレンチでは締め付け不足によるガス漏れが多く発生します。

接続部に断熱材を巻きます。
ユニオン接続部に断熱材を巻く
太い管と細い管は分離して巻きます。

これも一緒に巻いてしまう業者さんが多いのですがあまりよくありません。
(機種によってはとくによくない)

そしてビニルテープとコーテープで隙間の無いように仕上げます。
断熱に隙間ができないようにビニルテープとコーテープで巻く

さて次は電線の延長接続です。

エアコンのこの電線には電源(100Vまたは200V)と室内機・室外機間のシリアル信号が流れます。

接続用にボックスを取り付けます。
電線の接続ボックスを取り付けた

現在エアコンの電線途中接続を会社などからの指示でできない業者さんが増えてますが、それは過去にテキトーなつなぎ方をして、テープで冷媒管と一緒に巻いてしまうという杜撰な工事をしたため事故や故障が多発したからです。

いいかげんなことをされると余計な規則ができたりするので無関係の人までみんなが迷惑します。
(これ世の中のいろんなことにも言えますね🤔)

ボックスの固定のねじ部にはコーキング
電線接続ボックスの固定ねじ部にはコーキング
ここもサイディングに下穴を開けたのでそちらもコーキングでシールしています。

電線は圧着接続。
電線を圧着接続
安心な接続方法です。

近頃では電気屋さんでも差し込み形コネクタという差し込むだけの簡単接続をする方がいますね。

差し込み形コネクタは長期の耐久性が不明なので当店では使用しません。

蓋をして接続完了。
防水の接続ボックスに蓋を付けて電線接続完了
このボックスは防水で蓋にパッキンがついているタイプです。

室外機側の配管接続も終わって真空引き。
エアコンの真空引き
真空引きとはよく聞くけど何のことかわかりませんよね。

室外機を取り外す際にはポンプダウンをして冷媒を室外機の中に戻しました。

これは新品のエアコンと同様の状態です。

室内機とパイプを接続してもその冷媒管内には空気(大気)が入っていてそのまま室外機のバルブを開けてしまうと、
・冷媒サイクルの圧力が異常に高くなる。
・空気中の水分量によっては凍って詰まる(効かない、圧力低下)。
などの不具合が起きます。

そのため真空ポンプで空気を抜き取るわけです。

2000年頃以前のエアコンでは真空ポンプではなく本体の冷媒を使って空気を追い出す方式が正しいやり方だったのですが今では禁止されてますね。

さて、真空引きが終わってバルブを開けると”シュー”とサービスポートから少し漏れる音が・・・
サービスポートのバルブコア不良
少しコアの先端をいじると漏れが止まったりします。

これはバルブコアの不良です。

最近なんだか多いですね。

再度ポンプダウンを行いバルブコアを外しました。
バルブコアのパッキンが変形
パッキンが変形してます。

材質がよくないのかもしれません。

作業車から新品を出しました。
新冷媒用の新品バルブコア
新冷媒用(R410A、R32用)です。

これからは移設するエアコンのバルブコアは基本的に交換したほうがいいようです。

再度真空引きして漏電がないか絶縁抵抗を測定したら運転開始。
室外機の移設が終わって試運転
温度測定結果は問題なし。

異常音、振動もなく正常。

配管などの仕上がり。
室外機移設、配管の仕上がり
2階の配管穴付近のドレンホースに抜けがないか排水試験もして問題ありませんでした。

これで移設作業完了です😊

ひとくちに室外機の移設といっても配管が短くなるか長くなるかによってその内容、使用材料、作業時間は大きく異なります。

配管が長くなる場合の多くは事前の現地調査が必要になります。

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http://kato-aircon.com/

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