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2023年3月

2023年3月31日 (金)

ちょっとレアな試運転

いつもお仕事をいただいている賃貸住宅の大家さんからの依頼でエアコンの取り付け工事です😊

取り付けるところはここ
室内機を設置する場所
正面の壁へ取り付けます。

左のタイルがひじょうに印象的な部屋で、今回の居住者入れ替わりのタイミングで施工されていました。

これは壁紙ではなく上質な本物のタイルです。

お隣との遮音性にもよいのかもしれません。

さて取り付け工事を開始します。

10年ほど前に当方で取り付けたものを先日撤去したところなので穴はすでに開いており新たに張り替えられた壁紙クロスを切るだけ
既設配管穴
穴用のスリーブ(筒)は取り外し時に保管していたので再度取り付けます。

スリーブと据付板取り付け
穴用スリーブと据付板を取り付け

そして設置完了😄
エアコンの取り付けが完了した
ちょっと端折り過ぎ😅

さて次は試運転ですが・・・
コンセントが200V
あらら、コンセントは200Vです。

新しく設置したエアコンは100V。

これでは運転できません。

コンセントと電圧切替は電気工事担当の方がいるためそちらへお願いしてもらうことになりました。

でも試運転をして正常に動くことを確認しなければ作業完了にはなりません。

しかし延長コードを使って仮に動かそうにもエアコンのプラグが定格20Aで普通(15A)のコンセントの形状とは異なります。

ということでホームセンターへ・・・

100Vで15Aと20Aの形状変換するための材料を買って制作。

最寄りの100Vコンセントから延長コードを使い形状変換してエアコンのプラグを接続。
仮に試運転のため延長コードでエアコンを動作させる
安全のため形状変換の電線にクランプメーターを取り付けて電流を監視します。

運転開始してしばらくすると室外機が回り始めました。
室外機が回り始めて4.8A
クランプメーターの電流値は4.8Aです。

このあとインバーターの働きで徐々に電流が増します。

電流値を監視していると13A前後で安定。
13A前後で一旦安定
コンセントや延長コードは15A定格なのでこれ以上あがる前にエアコンの吹き出し温度など動作確認をしました。

エアコンは正常で試運転完了。

これで作業終了です。

後日、電気屋さんが専用回路のコンセントの交換と電圧切替をしてくれます。

エアコンのアース線も接続できるようにコンセントのところまで延ばしておきました。

ついでにコード類の温度を測っていると
温度が高い
この付近だけ異常に高い。

そこは
壁コンセント付近の温度が高い
延長コードを差し込んだ壁のコンセント付近です。

室温20℃に対し最高で35℃位ありました。

定格電流以下に収まっていてもこのようなことになります。

抜き差しの多い”分岐回路”のコンセント(普通のコンセント)はどうしても接触不良などで発熱しやすくなります。

エアコンを延長コードで使用して火災になったということをたまに聞きますがまさにこういったことが原因です。

なので必ず専用回路(エアコン専用コンセント)を使用しましょう。

あと、短時間の試運転だとしても危険なので皆さんはマネをしないように😊

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年3月28日 (火)

スクレーパーを手入れ

いつも使用しているスクレーパー
使用しているスクレーパー
エアコン工事にスクレーパーなんて何に使うの?と思われることでしょう。

それがけっこう使うんですよ。

これ、
ぼてっと盛られた配管パテ
このぼてっと盛られたパテ。

かっこわるいですね~。

以前、パテの埋め直しの工事に伺った際のものですが、この余計なところまで盛られたパテを剥がすためによく使います。

パテを手で剥がすとこんな感じ。
配管パテを剥がしても穴のつばに取りきれず残ってしまう
配管穴のつばにこびり着いて取れません。

そこでスクレーパーの出番。
こびり着いたパテをスクレーパーで取り去る
きれいに剥がしとることができます。

エアコンの取り外しの際にも使用します。

パテを埋めなおすとこうなります。
パテを埋めなおした仕上がり
つばの部分はパテを付けないほうがきれいでしょ。

スクレーパーの話に戻りまして・・・

しかしだいぶ使い込んで刃の部分が傷んできました。
スクレーパーの刃が傷んできた
これではうまく剥がれないこともあります。

いつも電工ナイフを研いでいる砥石を使って
砥石でスクレーパーを研ぐ
シューッ、シューッと研ぎました。

仕上がり
スクレーパーを研ぎ終えた
少し刃が欠けている部分もありますがこれくらいはOK。

あまり研ぎすぎるとナイフのように鋭利になってあぶないのでこの程度でいいでしょう。

道具は手入れをしてできるだけ長く使うようにしています😊

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http://kato-aircon.com/

2023年3月24日 (金)

落ちそうなエアコンを取り外し

こちらで点検したエアコンの取り外し工事を行います。
落ちそうなエアコンの取り外し工事を行う
1年半前に量販店で購入設置とのことでついでにどのような施工が行われているのか見ていきましょう。

(今回も辛口😄)

まずは室外機へ冷媒(ガス)を戻すためポンプダウンという作業をします。
冷媒を室外機へ戻すためポンプダウンを行う

おっといきなり電線のはみ出し
カバーから電線の中身がはみ出している
外装シース(被覆)のむき過ぎですね。

本来は電線を押さえるところまでシースに入っていないといけません。

カバーを外すとこんな感じ
外装シースのむき過ぎ
なぜこんなに長くむいてしまうのかというと、ケーブルストリッパーというワンタッチで電線をむき取ることができる工具を使うからです。

まずシースをワンタッチではぎとり、次に心線も3本まとめてワンタッチ。

速いし楽ですね~。

でもこれでは3本の先端の長さが同じになってしまうのでシースを短くむいた場合、端子台に合わせて心線を広げると中央の1本だけ長くなってしまいます。

それをさけるため長めにシースをはぎ取る。

そのため電線押さえにシースが収まらないわけです。

要は手抜き工事です。

下を見るとバルブ部分に電線が強く接触
バルブに電線が強く接触
これも褒められたことではありません。

バルブは状況により60℃を超えてしまうこともあります。

配管に巻かれたテープは上下逆さ
配管に巻かれたテープが上下逆さ
作業能率を重視して施工され、これでは雨水や結露水が中に溜まり乾くことがありません。

冷媒管を外すと接続面に黄色いものが付着
冷媒管接続面に黄色いものが付着
これ何かというと冷媒漏れ防止の粘着剤。

こんなもの使わないと冷媒漏れするようではエアコンの技術屋とはいえませんね。

トルクレンチに頼るからこういうものが必要になるんです。

室外機のカバーをつけてねじを締めようとねじ穴を見ると
カバーのねじ穴が広がっている
下にねじ穴が広がってます。

しかも固定面はねじの締め過ぎでペラペラです。

ねじ穴をよく確認せず電動インパクトドライバーを使ったのでしょう。

このようなところは力の弱い電動ドライバーや手締めが基本。

インパクトドライバーのような加減ができないものを使ってはだめ。

このあと室内機を取り外しますが落下の危険性が高いため万一に備え、お客さんに手をそえていただき作業しました。

据付板の設置状況
据付板の設置状況
画像ではよくわかりませんが直接見ると壁が曲がっているのが確認できます。

上部の固定ねじは金属製かさ式ボードアンカーですね。
室内機上部の固定は金属製かさ式ボードアンカー
でも通常とは異なるねじが使用されています。
(これについては後ほど)

ねじより左にある固定用の穴と壁の間に隙間がありますがボードアンカーが抜けてきているのかもしれませんね。

右下はどういうわけか初めからねじが抜けてますけど・・・
ねじが抜けている
ぐらぐらしてますが引っ張ってもとれません。

どうしてこうなった?・・・

据付板を外したらこれ
ねじ込み式ボードアンカーが抜けていた
ねじ込み式ボードアンカーが抜けてました。

壁の穴を見ると奥にGLボンド(壁の石膏ボードを躯体に貼り付ける練物のボンド)のようなものが見え、そこへムリにねじ込んだようです。

抜けてぐらぐらになってました。

その他の部分に使用されていた金属製かさ式ボードアンカーですが、
ボードアンカーのねじ
これ、下穴いらずでいきなりねじ込んでそのまま壁内で傘が開く作業速度重視のタイプです。
(ねじ先端が尖っているのが特徴)

これの危険性をわかってませんね。

下穴を開けずに内部空間寸法不明の状態でこのようなアンカーを使用すると空間寸法が足りず躯体コンクリートにねじ先端が着きボードを剥がすことになりかねません。

その他には電線などが壁内にあると刺さります。

画像に見えるノギスの寸法は躯体コンクリートから石膏ボード(壁)表面までの寸法です。

ねじの長さと見比べると少しの余裕しかありませんね。

でもすでにこちらの壁は手前にはがれて浮いてきているので、もしかしたらボードアンカー打ち込みの際にはがれたのかもしれません。

しかし以前にもこちらにはエアコン設置跡があるのでどの段階でこのようになったのかは不明です。

室内機を取り外した壁
室内機を取り外し終わった壁

下から見上げてみます。
室内機の重みで曲がった壁を下から見る
天井と接触しているところが曲がっています。

もう少し角度を変えて
壁の曲がり具合
このほうがわかりやすいですかね。

壁は剥がして貼り直さないとエアコンは設置できません。

もう少し詳しくボードアンカー部分を見てみます。
ボードアンカーの部分の壁が膨らんでいる
スケールを縦にあててますがボードアンカーの部分だけ壁に接触し他のところは離れています。

エアコンの荷重により壁が曲がったこともありますが、おそらくボードアンカーが石膏ボードを破壊して部分的に膨らんだことも原因でしょう。

荷重が掛ったままだとそのうち抜けて落ちます。

ボードアンカーの穴をのぞいてみます。
かさ式ボードアンカーが壁内部で開ききっている
ボードアンカーのかさが完全に開ききって石膏ボードを破壊しているようです。

インパクトドライバーで勢いよく回して止まるまで締めこんだことがうかがえます。

ボードアンカーは止まるところまで締めてはだめなんです。

どの程度かさが開いているか想像しながら力加減をしなければこのようなことになります。

いろいろ見てきましたが、これらは工事の能率そして効率を求めて施工されていますね。

しかしそれらは必ず手抜きとなり事故や不具合に発展します。

まあ、それ以前に今回のような重くて厚み(壁からの奥行き)のある機種をこのような壁へ設置してはだめということを施工者が認識する必要があります。

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2023年3月20日 (月)

賃貸住宅のエアコン入替え

賃貸住宅のエアコン入替工事の依頼をいただきました😊
(建物の大家さんからの依頼です)

今回はその室内での作業です。

撤去するエアコンはこちら
エアコン入替のため撤去する室内機
この建物が新築された10年ほど前に当方が取り付けたものです。

設置から10年経って居住者が入れ替わるタイミングでエアコンも新しいものへ交換します。

こちらの大家さんとのお付き合いはすでに20年近くなります。

なお現在では大家さんや管理会社さんなどからの新規依頼(契約)は受け付けておりません。

なぜかというと作業日程が限定されることが多くなかなか難しいためです。

撤去が終わりました
エアコンの撤去が完了
建築中から見ていたので覚えているのですが、エアコンを取り付けている壁は石膏ボードが2重に貼られています。

こちらの部屋は壁紙クロスはきれいなので張り替えずそのままということで取り付け工事へ
室内機取り付け準備へ
化粧カバーを仮付けして室内機の位置を決定します。

据付板のねじ穴に合わせてボードアンカー用の下穴をドリルで開口
ボードアンカー用の下穴を開ける
石膏ボードが2重に貼られているということは12.5mm厚×2で25mm。
(もちろん実測もしています)

そこへクロスの厚みも若干加わります。

選定したボードアンカー
室内機固定に使用するボードアンカー
いつも使用するものよりロングです。

刻まれている数字は427
ボードアンカーに刻まれている数字
この数字はねじ径4mmで板厚27mm位まで使用できます。

ボードアンカーは短すぎると傘が開くときに石膏ボードを破壊して強度が落ちます。

また長すぎるとぐらぐらになったり傘が開ききって強度が落ちます。

適切な長さのものを選ぶことが肝心。

そのためねじ箱には4種類の長さを用意してあります。
(作業車にはもう1つあるので計5種類ですね)

ボードの板厚を調べずになんでも同じ長さのボードアンカーを使用してる業者さんが多いですがあれはいけませんねぇ。

ボードアンカーと柱には木ねじを打ち込んで据付板を固定
据付板を固定
まえの機種より高さが小さいタイプになり、上に古いアンカーが見えますが室内機を設置すると背面に隠れて見えなくなります。

今回選んでいただいた機種は価格の割に冷暖房の効きや室外機の静粛性に優れる富士通のあるシリーズ。

室内機の厚みはありますが質量が小さく落下や壁の変形の恐れも少ないものになります。

冷媒管を外から差し込み室内機を引っ掛けました。
室内機を据付板に掛けた
配管の接続作業を行います。

ここは2階で外部は高所梯子作業をおこなっています。

化粧カバーも取り付けて設置完了
室内機の設置完了

アース線も接続しています。
エアコンのアース線を接続

室外作業も終わって試運転。
取り付けたエアコンを試運転中
この日、大家さんは立会いされないのでひとりで行います。

試運転結果を記録して問題なく作業完了となりました😊

ブレーカーを落とし、カギをかけて退出です。

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2023年3月17日 (金)

室内機の重さと能力

近年、室内機の傾きや壁の変形に関する点検や調査依頼が増えています。

室内機は据付板という鉄板を壁に取り付けてそこへ引っ掛けるかたちで付きます。
室内機を取り付ける据付板
そのため上部の引っ掛け部には下方向への荷重とともに室内機の厚み(奥行き)による据付板を手前にはがそうとする力が加わります。

なので質量が大きく、厚みのあるエアコンではそれらの力も大きくなりしっかりした壁へ強固に固定しないといけません。

そうでないとねじなどが抜けて落下したり弱い壁では変形して次第に傾いてきます。

軽い室内機であれば住宅の壁に使用されている石膏ボードの変形も防ぐことができ落下の危険も少なくなります。

機種選定でお客さんから
「小さい冷暖房能力のエアコンを選べば軽いから大丈夫ですか?」
と聞かれます。

6畳用の小さな容量であれば軽いと思われるかもしれませんがそうではありません。

室内機の重さは冷暖房能力ではなくシリーズ(モデル)によります。

高機能な上位機種のシリーズは6畳用(冷房能力2.2kW)であろうと18畳用(冷房能力5.6kW)であっても大して質量は変わらず大きくて重いものです。

スタンダードモデルであればだいたいは能力に関係なく軽く造られています。

性能ばかりに目を向けず、建物(壁)の状況も考慮して機種選定することが大切です。

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2023年3月15日 (水)

エアコン撤去と調査

横浜市鶴見区のマンションへエアコンの撤去と取り付けのための調査に伺いました😊

今回、取り付け前の調査を行う理由は主に機種選定にあたり室内機を付ける壁がどの程度の重さに耐えられるか調べるためです。

それにはエアコンを取り外さなければ正確なことはわかりません。

撤去するエアコンは10年ほど前に量販店で購入設置されたもの。
撤去するエアコン
室外機に冷媒を回収(ポンプダウン)するため運転中です。

銘板には
室内機の質量は16kg
質量16kg

この室内機は重いほうの部類に入ります。

そして奥行きが大きめ。

高機能で省エネ性能の高い機種ほどこうした傾向があります。

いままで重い機種がついていたなら新しいものもその程度であれば大丈夫ではないか?

と思うのが普通ですね。

それはさておき室外機のバルブ操作でポンプダウン中。
室外機のバルブ操作でポンプダウン中

この室外機がやたらと大きく背面の足は台からはみ出してます。
室外機が大きく台からはみ出している
そのための金具が取り付けられてますが台が小さすぎです。

室内の化粧カバーを開けてパイプの取り外し準備
室内の化粧カバーを開けてパイプの取り外し準備
内部のパイプ類はどうしても黒ずんでくるものです。

使用されていたドレンホース(排水ホース)は耐候性ではなく安価なもの。
耐候性のないドレンホース
屋外側の露出した部分ではボロボロになってしまいます。

さて撤去がおわりコンセント形状もチェック。
エアコン専用コンセントの形状を確認
これは100/200Vどちらも使用できるように2つ差込口があるタイプ。

気が利いてますね~。

とは言うものの、これ問題点もあるんですよ。

200Vの機種(電源プラグはアース極付きの3極)では問題ないのですが、100V機種は電源プラグがアースなしの2極のためこのままではアース線が接続できません。

コンセントを交換するか工夫しないとだめなんです。

こちらの建物の電気設計をした人はこういうことがわかってないんですね。

さて今回調査の主目的である壁の状況はというと・・・
室内機を取り付ける壁の状況を調査する
表面の壁の材質は通常の石膏ボード。

その裏には壁(梁型)を支える木材が約30cm間隔で配置され、いままでの室内機もそこをメインに固定されていました。

マンションのエアコン設置仕様書を見せていただくとやはりそこへ固定するように書かれています。

なので次も重い機種でOK・・・

ではありませんでした。

壁の表面をよく見ると室内機を固定していた部分が手前に膨らみ変形していました。

目ではよく見ないとわからないのですが、手で壁表面をスライドするとはっきりわかります。

室内機の重さで徐々に下地の木材ごと曲がって手前に変形してしまったようです。

この木材の下地はあくまでも壁材を固定するものでエアコンを設置するために組まれているものではありません。

お客さんも壁を拭くため触ったら変形を確認できたとのこと。

でもまだ壁を修理するほどの曲がり方ではありませんでした。

できるだけ軽めの室内機を選定したほうがいいですね。

各メーカーや販売店もこういうことをよくわかっていない(?)ので売り文句となる高機能や高い省エネ性能ばかりを謳い宣伝します。

メーカー問わずこれらの機種の多くは室内機が重く、奥行きが大きくなります。

ここ10年ほどこのような機種が増えているので今後この問題が増加してくるのだと思います。

補強が入っていようが重いタイプの室内機を10年も取り付けていれば壁は変形してしまう可能性が大です。

正直なところ省エネ性能の高い機種を選ぶ目的はエコではなく電気代を安くするためですよね。

もしその結果、壁が変形しエアコン交換時に内装工事となればイニシャルコストと合わせマイナスになることも考えられます。

メーカーには軽くて性能の高いものを設計してもらいたいものですね。
(ムリでしょうけど)

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2023年3月11日 (土)

ベースを切って室外機設置

東京都世田谷区の一戸建てでエアコンの入替工事を行いました😊

いままで使われてきた室外機は
いままで使われてきた室外機
ベランダの隅に置かれてますがすぐ前を雨どいが横切っています。

かなりぎりぎりの寸法です。

背後の壁と雨どいまでの間隔を測定
室外機背後の壁と雨どいまでの間隔を測定

350mm程度
壁と雨どいの間隔は350mm
新しく取り付ける室外機は厚みが増して収まりません。

そこで今回はベース(置台)を半分に切断
室外機の置台を切断
雨どいを跨いで置くことにしました。
(このベースはボルト固定仕様の新品取寄せ品です)

室外機設置、接続完了
室外機を設置し接続
ベランダの排水勾配が大きく、室外機の右下がりが気になります。

そこで右のベースと床との間に防振ゴムを入れて高さ調整
防振ゴムでレベル調整
水平に近くなりました。

左の雨どいと右の壁に挟まれ数センチの余裕しかありませんがうまく収まりました。

こちらのエアコンはリビングに取り付けた冷房能力5.6kWと大きいものです。

その分、室外機の風量も多いのですが以前より背面のスペースが広くなり吸気しやすくなったので冷暖房効率が向上します。

試運転はいつも通り問題なく作業完了となりました😊

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2023年3月 8日 (水)

室内機の背面に隙間が・・・

室内機と壁の間に隙間ができてきた、との点検依頼をいただきました😊

場所は横浜市栄区のマンションで、どこかの量販店で購入設置後約1年半だそうです。

さて到着。
室内機の設置状態を点検する
お部屋に案内され正面から見た時点でおかしなところに気が付きました。

つぎに横から
横から見ると室内機が前下がり
壁と室内機上部との間の隙間が数ミリほど。

それにしてはやけに室内機が前下がりです。
(画像ではちょっとわかりにくいかもしれません)

反対側からも
室内機と壁との隙間
こちらも同じ程度の隙間があります。

やけに前下がりの原因は
室内機が前下がりの原因は
壁(石膏ボードと思われる)が曲がってしまったためです。

上部は室内機の重さで引っ張られて膨らみ、下部は押されて引っ込んでます。

しかも左上部は壁がはがれかけているようで全体に手前に浮き上がっています。
壁が手前に浮き上がってきている

周囲の壁を叩くと壁材は部分的に躯体へGLボンドで接着されたいわゆる団子貼り。

そこへ重く奥行きの大きい室内機を取り付けてしまったため壁が耐えられずこのような状況になってしまったようです。

いつ壁材ごとはがれて落下するかわかりません。

下にはソファーが置かれていましたが、そこに居るのは避けていただくようお話しし後日エアコン取外しに伺うことになりました。

今回のような重く、奥行きの大きい室内機は設置できる壁(家)を選びます。

現在ではこのようなお宅が他にもたくさんあると思います。

事故などにならなければよいのですが・・・

エアコンの機種選定は建物の壁強度にもよります。

単に省エネ性能がよい(電気代が安い)からと選んでしまうと壁を壊してかえって多額の費用がかかってしまうことがあります。

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2023年3月 4日 (土)

これも隠蔽配管の欠点

エアコンの配管穴が塞がれておらず冷たい風が入ってくると点検の依頼をいただきました😊
(横浜市都筑区)

建物は賃貸集合住宅ですが予め壁内などに冷媒管やドレン管、電線が埋め込まれている隠蔽配管。

こちらがそのエアコン
これから点検を行うエアコン室内機
引っ越し時に前の住居から移設されたもの。

取り付けたのは引越しの下請け業者さんだそうです。

本体裏の壁からパイプ電線類が出ているので見えません。

本体左側から見ると
移設された室内機で左側の配管取り出し口が切り取られている
配管取出し口が切り取られているので移設する前は左配管で設置されていたことがわかります。

そこから中をみると
室内機背面の壁から出ている配管電線類
冷媒管、電線、ドレン管が壁から出ているのを確認できます。

この壁の穴から冷たい風が入ってくるそうです。

それに夏が近づくと虫の出入りも心配ですね。

これも隠蔽配管の欠点で本体裏からパイプが出ている場合、穴の隙間を埋められないことが多いんです。

そのためこのような方式の場合では穴を埋めないのが通例となっています。

しかしこの機種はラッキーなことに本体のグリルなどを取り外せばパテで埋められそうです😄

グリルを外して
室内機のグリルを外した
いかにもマシンといった感じですね😅

パテで隙間を埋めました。
パテで配管穴の隙間を埋めた

さてこれでグリルを戻したら完了
室内機のグリルを付けたら完了?
と思ったら

見ちゃった😅
エアコンにアース線が接続されてない
エアコンとコンセントにあるアース端子が接続されてません。

エアコンには安全上アースを接続することが必要です。
(手を抜かれてしまいましたね)

お客さんにお話しし接続することにしました。

1.6mmのIV線を使います。
アース用にIV線を通して
白色を使うのは目立たないようにするため。

一目でアースとわかるので緑色は不要です。

電線の先端はリングを作って
電線の先端をリングにする

ねじ止め端子台に接続
ねじ止め端子台に電線を接続

グリルを戻してコンセントのアース端子にも接続しました。
室内機のグリルをつけてコンセントのアース端子に電線を接続
この後はドレン排水試験、絶縁抵抗等を測定して運転開始。

いったんすべての窓を閉めてキッチンの換気扇を回していただき配管穴から風が入ってこないことを確認できました。

これで安心して使えます😊
エアコン試運転中

今回はグリルを外せたため穴埋めができましたが、機種によってはできないこともあります。

昔流行った隠蔽配管は現在ではいろいろと問題になっています。

家を建てる方は工務店や設計士などに勧められても断ったほうがのちのち無難です。

見た目にこだわると後悔します。

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2023年3月 1日 (水)

ドレンが流れるように塩ビ管施工

今回はこちらで取り付けたエアコン工事の続きとなります。

建物に備え付けの排水レールの勾配が途中で逆になっていてエアコンから出るドレン排水試験を行った結果、玄関側へと逆流していました。

では作業開始
エアコン排水用に塩ビ管を加工
バーナーを使って塩ビ管を曲げました。

室外機置場が斜めに配置されているためその角度に合わせて曲げてます。

このバーナーも先日記事にアップしたものですが純正のガスボンベでは火力が強すぎるため、そこら辺で売っている安いブタンボンベを使って火力を落としました。
(使用にあたっては自己責任😅)

各部接着して形ができました。
塩ビ管の加工が接続がおわった
長すぎる部分を切断し、室外機の裏へ配置します。

お客さんが用意したポコポコ音防止の逆止弁
エアコンドレン用逆止弁
商品名は「おとめちゃん」(笑😅

これも取り付けます。

ドレンホースの接続も終わって室内機と室外機から排水試験
排水試験して正常に流れることを確認
こんどはちゃんと排水レールを流れるようになりました。

その後、水漏れ箇所がないかチェック。

室内機からのドレンホース接続部周辺
室内機からの排水ホース接続部
ここに付けたドレン用の逆止弁や防虫網などは使用者自身で定期的な掃除が必要です。

それを怠ると詰まって室内に水漏れすることがあるので要注意。

室外機の接続も
室外機のドレン確認
水漏れ等なくOKです。

エアコンの排水は冷房除湿時は主に室内機から(室外機からも少し出ることがあります)、暖房時は室外機から出てきます。

これで一通りエアコン設置工事が完了しました😊

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