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2023年2月26日 (日)

マルチ、修理断念

2室マルチ(日立製)のエアコンが動かなくなったとの点検依頼をいただきました😊

場所は世田谷区。

購入から10数年経過しているとのことで状況によっては修理ではなく本体の買い替えということになりますが、それをご承知いただいたうえでの点検です。

現地到着し室内機がまったく反応しないのを確認後、室外機へ
マルチ室外機を点検する

銘板を確認
マルチ室外機でも電源100V
おや?電源100Vとはめずらしい。

昔は100Vマルチもありましたが普通は200Vを想像しますね。

そして下のほうには製造年2005年となっています。

約18年ですか・・・こりゃ部品交換の必要な故障では補修パーツがなく修理不能の可能性が高いです。

カバーを外して端子台を確認
マルチ室外機の端子台
電源と室内機への配線が2系統。

ここであれ?と思ったかたはエアコンにお詳しい。

マルチといえば通常室外電源でそこから室内機へ電源供給します。

各室内機への配線は2心(2線)です。

そうなると信号線はどこにあるのか?

これ、以前の日立特有の配線方式でこの2心に室内への電源100Vとともに信号を重畳してやりとりしています。

ではまず室外機に電源100Vが供給されているか測定
室外機への供給電圧は102.9V
102.9Vで正常。

つぎに各室内機への供給電圧は
各室内機への供給電圧は0V
0Vです。

これではエアコンが反応するわけがありません。

室外機を開けて基板を確認することにします。
基板点検のため室外機を開ける

基板が見えました。
室外機の電装部品
さすがこの頃の製品はまだコストカットに傾注せず部品がしっかりしてますね。

インテリジェントパワーモジュール(コンプレッサー駆動部品)も基板とは別に搭載されています。

それに基板は、制御基板、電源基板、スイッチング電源基板と3つに分かれています。

初めに気になったのは電源基板上のこれ
周囲が黒く煤けた部品
おそらく高速スイッチングをおこなうパワー半導体ですが周囲が黒く煤けてます。

このエアコンはほとんど使用していなかったそうですが使用時はかなり発熱していたような感じです。

温度はどうか・・・
パワー半導体に発熱はない
この時の外気温とほぼ同じ5℃

回路図を見るとこれはインバーター系の回路とつながっているので室内の電源とは関係がないようです。

でもかなり怪しい状態。

それにすぐそばにある電解コンデンサは防爆弁が膨らんでます。
コンデンサの防爆弁が膨らんでいる
これでは中の電解液が蒸発して静電容量は少なくなっていると思われます。

この付近はすでに正常動作していないでしょう。

つぎにスイッチング基板
室内機のスイッチング電源基板
これも煤けてます。

温度は
スイッチング電源基板の温度は22℃
22℃でこちらは動作しているようです。

しかしこの基板から電源基板までのリード線は熱の影響からか被覆がカチカチに硬化して押しても動きません。

リード線を触ると表面はベトベトとしてかなりやられてますね。

制御基板
室外機の制御基板

マイコン部を温度測定
室外機のマイコン部は8℃
8℃で周囲より高く一応動作しているようです。

ただしこれらの基板部品は症状や目視の状況からすでに複数個所正常動作していません。

もし補修パーツがあったとしてもこの先、コンプレッサーや熱交換器、ファンモーターなど他のパーツがいつ壊れてもおかしくない年数となっています。

ということでお客さんには買い替えを検討いただくことになり点検終了です。
エアコンの点検が終了

ルームエアコンは製造から10年以上で故障したら寿命と考えたほうがいいでしょう。

補修パーツもそのあたりでなくなっていきますので。

例外としては入替にかなりのコストがかかる場合は修理という選択もあります。
(部品があればですが)

エアコンを新たに導入する際は、入れ替えが容易なように機種や施工方法を選ぶとよいと思います。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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