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2023年2月

2023年2月26日 (日)

マルチ、修理断念

2室マルチ(日立製)のエアコンが動かなくなったとの点検依頼をいただきました😊

場所は世田谷区。

購入から10数年経過しているとのことで状況によっては修理ではなく本体の買い替えということになりますが、それをご承知いただいたうえでの点検です。

現地到着し室内機がまったく反応しないのを確認後、室外機へ
マルチ室外機を点検する

銘板を確認
マルチ室外機でも電源100V
おや?電源100Vとはめずらしい。

昔は100Vマルチもありましたが普通は200Vを想像しますね。

そして下のほうには製造年2005年となっています。

約18年ですか・・・こりゃ部品交換の必要な故障では補修パーツがなく修理不能の可能性が高いです。

カバーを外して端子台を確認
マルチ室外機の端子台
電源と室内機への配線が2系統。

ここであれ?と思ったかたはエアコンにお詳しい。

マルチといえば通常室外電源でそこから室内機へ電源供給します。

各室内機への配線は2心(2線)です。

そうなると信号線はどこにあるのか?

これ、以前の日立特有の配線方式でこの2心に室内への電源100Vとともに信号を重畳してやりとりしています。

ではまず室外機に電源100Vが供給されているか測定
室外機への供給電圧は102.9V
102.9Vで正常。

つぎに各室内機への供給電圧は
各室内機への供給電圧は0V
0Vです。

これではエアコンが反応するわけがありません。

室外機を開けて基板を確認することにします。
基板点検のため室外機を開ける

基板が見えました。
室外機の電装部品
さすがこの頃の製品はまだコストカットに傾注せず部品がしっかりしてますね。

インテリジェントパワーモジュール(コンプレッサー駆動部品)も基板とは別に搭載されています。

それに基板は、制御基板、電源基板、スイッチング電源基板と3つに分かれています。

初めに気になったのは電源基板上のこれ
周囲が黒く煤けた部品
おそらく高速スイッチングをおこなうパワー半導体ですが周囲が黒く煤けてます。

このエアコンはほとんど使用していなかったそうですが使用時はかなり発熱していたような感じです。

温度はどうか・・・
パワー半導体に発熱はない
この時の外気温とほぼ同じ5℃

回路図を見るとこれはインバーター系の回路とつながっているので室内の電源とは関係がないようです。

でもかなり怪しい状態。

それにすぐそばにある電解コンデンサは防爆弁が膨らんでます。
コンデンサの防爆弁が膨らんでいる
これでは中の電解液が蒸発して静電容量は少なくなっていると思われます。

この付近はすでに正常動作していないでしょう。

つぎにスイッチング基板
室内機のスイッチング電源基板
これも煤けてます。

温度は
スイッチング電源基板の温度は22℃
22℃でこちらは動作しているようです。

しかしこの基板から電源基板までのリード線は熱の影響からか被覆がカチカチに硬化して押しても動きません。

リード線を触ると表面はベトベトとしてかなりやられてますね。

制御基板
室外機の制御基板

マイコン部を温度測定
室外機のマイコン部は8℃
8℃で周囲より高く一応動作しているようです。

ただしこれらの基板部品は症状や目視の状況からすでに複数個所正常動作していません。

もし補修パーツがあったとしてもこの先、コンプレッサーや熱交換器、ファンモーターなど他のパーツがいつ壊れてもおかしくない年数となっています。

ということでお客さんには買い替えを検討いただくことになり点検終了です。
エアコンの点検が終了

ルームエアコンは製造から10年以上で故障したら寿命と考えたほうがいいでしょう。

補修パーツもそのあたりでなくなっていきますので。

例外としては入替にかなりのコストがかかる場合は修理という選択もあります。
(部品があればですが)

エアコンを新たに導入する際は、入れ替えが容易なように機種や施工方法を選ぶとよいと思います。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2023年2月22日 (水)

タテサンを久しぶりに使用

賃貸集合住宅へ新品のエアコンを設置する工事の依頼をいただきました😊
(横浜市都筑区にて)

室内機を取り付けるところはこちら
賃貸住宅に新品のエアコンを設置する
穴のフタを外してみましたがアンテナケーブルが貫通していて宙ぶらりん😅

こうしたアンテナケーブルや光ケーブルなどはよくエアコンの配管穴に通されてますが、本当は別に穴を開けて施工しないとだめですよね。

これでは穴にスリーブを入れることができません。

しかし外壁はメタルラス(金属のラス網)が入ったモルタルなので、外側から筒を割って差し込むことにします。

フタは邪魔になるのでお客さんと相談し切って外しました。
配管穴のフタを切って外した
左に見えるのは万能バサミ。

このハサミはラッキング(配管などの金属カバー)を施工する際に購入したものですがいろんなものが切れて便利😊

これで取り付けられます。
エアコンの設置作業を開始する
ですがこの壁・・・

いまではめずらしい京壁です。

そこへボードアンカーなどを打ち込むのはさすがに気が引けます。

部屋は木造で廻り縁なども飾りではないしっかりとしたもの。

ということで本当に久しぶり、タテサン(たて桟)を使うことにしました。

エアコンは富士通製。
取り付ける新品の室内機
今回、ある理由からこのメーカーをお勧めしました。
(その理由は後ほど)

箱にはこんな記載が
箱に「据付用たて桟は同梱していません」の文字
タテサンは付属していないので現地調達です。

なぜこんな記載がされているのか・・・

そのむかし、約30数年前まではエアコンにタテサンとアース棒が入っていたものでした。

これらの部材は使われることが少なくなり各メーカーはあるときから同梱をやめたのです。

さて当店の倉庫に眠っていたタテサンを持参してきましたが何年前に購入したものかすでに不明。

付属していたねじが六価クロムメッキなので相当前ですね😅

取り付け前にひと仕事。
タテサンをグラインダーで切断
グラインダーでタテサンを短く切断。

タテサンはスライドして伸び縮みするのですが、廻り縁と鴨居の間隔が狭く長すぎるため切りました。

そして据付板まで取り付け。
タテサンを使用し据付板を取り付け
これで壁には傷つけずに済みました。

目のいい方は据付板が周囲に比べ左下がりに見えるかもしれません。

実際は据付板はほぼ水平。

建物側が少し傾いているようです。

そして設置完了。
エアコン設置完了
天井と室内機のクリアランスを考慮し本体の高さは25cmのタイプを選定していただきました。

室外機側
室外機側の設置状況
バルコニーの床はプラスチックで室外機の振動が建物に響きやすい状況です。

そこで置台にはコンクリートブロックを使用し床との間に小さめの防振ゴムを入れました。

これだけでもプラスチックの台を使用するより音が静かになります。

それに加えてエアコンは富士通製。

全部ではないかもしれませんがこの機種は室外機が静か。

同クラスでは他のメーカーに比べてコンプレッサーの振動が少なくお客さんも喜んでおられました。

ということで作業、試運転は無事完了😊

しかしもう一組倉庫にタテサンの在庫が・・・

次はいつのことやら。

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2023年2月20日 (月)

雑というか手抜きというか・・・

引越しに伴いエアコンの移設をと依頼をいただきました😊

今回はその取り外し工事(横浜市の賃貸住宅)

現地へ到着したらまずは動作等の確認。
エアコンを取り外す前に動作確認
メーカーは日立製。

こちらのエアコンを設置したのは当店ではなくどこかの下請け業者。

ちなみにルームエアコン業界では販売店やメーカーの社員が設置工事を行うということはほとんどありません。

外注の下請け業者が行います。

室外側の状況。
室外機側の状況

しばらく暖房運転をして温風が出るまでの間、テープ類をはがしていくことにします。

やっぱりね。
テープの巻き方向が逆
テープの巻き方向が逆。

これは上から巻き始めているので雨水や結露水が溜まってカビが生えやすくなります。

下から上へと巻き上げるのが本当なんですが。

この施工をした人はとくに考えはなくいつもこうしてるのだと思います。

余計なことを・・・
必要のないところにパイプをサドル固定してある
賃貸住宅なのに重要でない部分を配管サドルで固定してありました。

持ち家であればいいんですが賃貸住宅では不要。

室外機を外すため側面のカバーのねじを外したところ・・・
ねじ穴がずれたまま固定されていた
ねじが45度近く上向きに付いていたので見たらカバーがしっかりついておらず、ねじ穴がずれているためでした。

ちょっと呆れますね。

室外機に冷媒を回収するポンプダウンを終えて端子台から電線を外します。
室外機端子台から電線を外す
とその前に・・・

電線の差し込み確認窓
差し込み確認窓に電線が見えない
ここに電線が見えないと差し込み不足ですがご覧の通り見えません。

日立は他の多くのメーカーと異なり電線の皮むき寸法が長めの18mm。
(他の多くは15mm、東芝の19mmというのもあります)

皮むき寸法が短くて奥まで入っていないようです。

端子台に記載されている寸法に合わせ被覆を剥ぐのが正しいやり方。

なにも考えず長さも測らず皮をむいてただ差し込んだだけ。

これでは接触不良になるかもしれません。

電線を抜きました。
電線の太さが1.6mmと細い
電線の太さが1.6mmと細い。

この機種を調べたところ指定は2.0mmでした。

たとえ1.6mmが使用できる機種だとしても電圧降下やその部分で生じる電力消費を考えれば2.0mmを使うのが当然と思います。

これは材料などの高騰を末端の下請け業者へ負担を強いる元請け企業側の体制も絡んでいるのかもしれません。

とにかく室外機を外して冷媒管接続部にはキャップを付けました。
室外機の冷媒管接続部にキャップを付けた
数日後に別のところで取り付けるのでガス抜け防止、ホコリなどの混入防止です。

このあと室内機を外すのですが冷媒管の中間接続部が壁の穴の中のためお客さんに外からパイプを押してもらいました。
(ありがとうございます😄)

中間接続部のテープをはがすと・・・
室内機を下ろした
日立のエアコンは取り付け時、ここに付属の補強用断熱材を巻くはずですがありません。

どこへいってしまったんでしょうか?

取付業者はそれがバレないようにするため使用せず余った補強用断熱材を持ち帰って捨ててますよ。

こういった工事屋さんは本来お客さんへ渡すはずの施工説明書も見られてはまずいので持ち帰ってポイ。

困ったもんですねぇ。

その後、取り外し工事は完了😊

他の工事業界もそうかもしれませんがエアコンは雑な工事が多いですね。

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2023年2月16日 (木)

短めのバーナー購入

新しくバーナーを購入しました。
新しくバーナーを購入
エアコン工事にバーナーなんて使うのか?と思われるかもしれません。

頻繁には使用しませんが今回購入した目的はこれ
バーナーを購入した目的は塩ビ管曲げ
硬質塩ビ管を曲げるため。

上には”各種ロウ付け”と書かれてますが、エアコンの冷媒管をロウ付けするには能力不足です。

じつは昔買ったバーナーは持ってます。
以前から持っているバーナー
この形状のバーナーは火炎温度が高くて細い冷媒管であれば時間をかければ何とか溶接できます。

でも実際にはロウのまわりがよくないのと、冬の気温では困難なことが多くバーナーではロウ付けせず、酸素を使った溶接器でおこなっています。

なのでこれも塩ビ管曲げに使っていたのですが何せこの形状。

バーナーが縦に長いので塩ビを片手で持ちながらくるくる回し、もう片方の手でバーナーを操るのは疲れるし炙りたいところに定まらない。

しかも安定性が悪く倒れやすい。

もっと扱いやすいものをということで購入に至りました。

パッケージには日本製
バーナーのパッケージには日本製の文字
なんだか期待しちゃいますね。

ボンベを付けてみました。
バーナーにボンベを付けた
お~、かなり扱いやすそうです。

それにこのボンベ、カセットボンベの形状です。

専用ガスには火力を強くするためブタンにプロパンも混ぜてあるようです。

試しに塩ビ管の端材を曲げてみました。
試しにバーナーで炙って塩ビ管を曲げてみた
形状としてはかなり扱いやすい。

しかしバルブの精度にはちょっと問題がありますね。

くわしくは書きませんが改良の余地があるのではないでしょうか。

まあ、しばらくは様子を見ながら使ってみることにします😊

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2023年2月14日 (火)

設計とは異なるところへ設置

本来エアコンを取り付ける位置とは別のところへ設置してほしいとの依頼をいただきました😊
(横浜市磯子区の木造一戸建て)

エアコンを購入される前に一度現地調査に伺い設置方法等は打ち合わせしてあります。

室内機を取り付けるところはこちら
室内機設置希望場所

本来は左側面の壁中央あたりにエアコン専用コンセントがあり、
エアコン専用コンセントのあるところには室内機が設置できない
ここが設計上の室内機設置位置ですが棚などがあり取り付けることができません。

では作業開始。

まずは据付板の取り付け
室内機の据付板を取り付けた
つぎに配管用の穴あけですが・・・

室内機を取り付ける壁は外壁がタイル。

しかもこの部分、壁の厚みが通常の2倍あって中になにが入っているか図面を見させてもらいましたがわかりません。

右側面は玄関側。

左の窓の上はドレン勾配が確保できず不可。

ということで窓の下へ穴を開けました。
配管穴を窓の下に開けた
この部分の外壁はモルタルなので難なく貫通。

穴にはスリーブ(養生管)を付けます。
開けた配管穴にスリーブを付けた

エアコンは新品のパナソニック製
室内機背面を通る冷媒管に防湿テープを巻く
本体背面を冷媒管が通るので防湿テープを表面に巻きます。

配管作業が終わって室内側が完了。
室内側の作業が完了
今回はお客さんと事前の打ち合わせでパイプはテープ巻き仕上げです。

外側
外側の配管作業を開始
室内から出てきたドレンホースはこのように外側へ出るまで断熱付きのものを使用します。

室内機から出るドレン排水は冷房、除湿時の熱交換器で冷却された結露水なので室内側は断熱していないとホース表面が結露するためです。

屋外用のドレンホースをそのまま断熱せずに使用したり、防湿テープで代用したりすると結露して水滴が落ちたりカビたりします。
(これ、よく見かけるんですよ)

要所をサドルで固定して配管。
要所をサドル固定し配管

室外機の台にはブロックを使用。
室外機の台にはブロックを使用
土の部分に採石がまかれてましたが手前のコンクリート部分が高いのでさらに採石を出してきてもらい追加します。

室外機設置完了。
室外機設置完了
ブロックにねじで固定したので動くことはありません。

さて次は電気工事。

もとのエアコン専用コンセントを撤去し電線を延長。
エアコン用コンセントを撤去し電線を延長
壁内のボックスで電線を圧着接続しています。

たまにケーブルにプラグを付けコンセントに差し込んで延長コードのようなことをしている工事を見かけますが、電圧降下が大きく発熱することもあるのでだめです。

隅をモールで配線
モール配線でコンセント移設

室内機の左にコンセントを設置
室内機の左にコンセントを移設
電気工事の各種検査をしてエアコンのアースも接続。

これで工事完了。

お客さん立会いで試運転も問題なく終了となりました😊

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2023年2月10日 (金)

今日は雪⛄

今日は雪
わーい!わーい!ゆきだー

なんて子供の頃はたのしかったんですけどねぇ。

いまでは恐怖でしかありません。

本日の現場はちょっと遠いところだったので帰りの積雪に備えて作業車にタイヤチェーンと雪用スコップを積んでいきましたがたいしたことはなくホッとしました😊

タイヤは一応マッド&スノーでここら辺の浅い積雪程度であればチェーンがなくてもほぼ大丈夫なんですが前回の交換から3年目ということもありすり減って雪道性能は落ちてると思います。

駐車場には雪が少し積もってましたがまったく滑るようなことはなかったのでまだグリップしているのでしょう。

以前、純正のサマータイヤのときはハンドルを回しても車がまっすぐ進むなんてこともありましたからね。

ことしの雪はこれで終わりだといいんですが。

3月上旬までは油断できません。

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2023年2月 9日 (木)

5階の階段往復はきつい😆

東京都稲城市でエアコン設置工事を行いました😊

建物はURの住宅です。

到着して・・・

えっと、建物の部屋番号は・・・”5××”、5階。

建物をよく見るとエレベーターなし。

あちゃー😅こりゃたいへんだ。

当店の工事はあらゆる状況に対応できるように工具や材料を現場へ運び込むので軽装備ではありません。

作業開始までには少なくとも往復3回は階段をあがらなければ。

荷物を持って何度もあがると息も切れてきます。

マスクも外してなんとか搬入完了。

少し休んで息を整え作業開始。

URといえば公団ボルト
室内機固定用の公団ボルト
室内機を掛ける据付板(鉄板)を固定するためのボルトです。

UR前身の旧住宅公団が決めた寸法(左右45cm間隔)になっており現在でも公団ボルトと呼ばれることが多いようです。

今回取り付けるエアコンは新品のパナソニック製。

いやな予感・・・

初めから建物に取り付けられているボルトは
公団ボルトが壁から16mm出ている
壁から16mm出ています。

室内機背面の懐(空間)寸法を測ると約11mm😲せま!

懐寸法は他のメーカーより少なく、これではボルトが室内機背面をへこませたり、割ったり、場合によっては室内機の引っ掛けフック(樹脂)が割れて本体が落下することがあります。

このような場合はボルトを別のものに交換して短くします。

それには作業車にボルトと切断工具を取りにいかなければ。

ということでいきなりまた階段往復😅ふぅ~

ついでに他の材料も抱えて”えっちらおっちら”上がってきました。

用意したボルトを寸法に合わせ切断し取り替えたのですが画像は取り忘れてありません。

壁から10mm程度で切断して据付板を取り付けました。

室内機を掛けて配管作業をしていると足りない部材が・・・
パナソニックには防湿テープが付属していない
パナソニックにはこの防湿テープが付属していないんです。(すっかりこのこと忘れてた)

ということでまたまた階段往復😅ひぃ~かんべんして~

室内機の背面に冷媒管を通す場合は結露することがあるので表面に防湿テープを巻くのですがこのメーカーだけはエアコンに付属してきません。

なお日立だけは防湿テープではなく補強用断熱材が付属しています。

なんやかんやで設置完了。
エアコン設置完了

側面から
室内機の奥行きが大きい
かなり奥行きがありますね。

でもボルトで固定されているので安心です。

試運転も終わって作業終了。

最後に工具などの搬出。

こんどは下りなので多めに抱え込んで3回でおろしました。(階段上りは2回)

合計すると7回上り、7×5階・・・全部で35階ですね😅

プラス工事作業でヘロヘロです。

昔(30年前)のルームエアコン工事はもっと楽だったんですよ。

冷媒管は配管セット(冷媒管、電線、ドレンホース、テープ類、パテがセット)というものでパイプカッターやフレアツールはいらない。

本体の冷媒でエアパージ(昔はこれが正しいやり方)をしていたので真空ポンプ、マニホールドもいらない。

現在と比べかなり軽装備、短時間で工事できたものです。

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2023年2月 6日 (月)

マンションへのエアコン設置

マンションの一室へエアコン工事に伺いました😊

場所は川崎市高津区。

室内機設置場所はこちら
室内機設置予定場所
左にエアコン専用コンセント、側面の壁に配管穴が設備されています。

室外機はすぐ外側の窓の下に設置するスペースがあります。
室外機設置予定場所
エアコンは箱に入った新品。

配管穴が壁ともうひとつ腰高の仕切り部分にもありパイプをこの2箇所通す必要があります。

では作業開始。

室内機の据付板から取り付け
室内機の据付板を取り付けた
室内機の重量からボードアンカー(金属製カサ式)などの本数を決めて強固に固定します。

ここの壁の下地は金属スタッドなのでそこにもねじを打ちました。

室内機下面左の配管取り出し口を切り取って
室内機下面左の配管取り出し口を切り取った
室内側の配管化粧カバーを取り付けるためここで一旦室内機を据付板へ掛けます。

今回、お客さんのご希望で室内、室外とも配管化粧カバーを取り付けます。

寸法を出して化粧カバーの下地を付けます。
配管化粧カバーの下地をつける
要所にねじ込み式ボードアンカーを使用。

室内機の据付板にはカサ式のボードアンカーを使用しますが、化粧カバーには荷重がほとんどかからないためねじ込み式を使います。

下地が付きました。
配管化粧カバーの下地が付いた

つづいて外側も化粧カバーを取り付けます。

腰高の仕切りにある穴の蓋を開けると・・・
スリーブと穴の蓋がずれている
あらまぁ😅、だいぶずれてますね。

これは建物建築時、コンクリート打設前のスリーブ(筒)入れの位置が間違っているためです。

おそらく工事をした人ではなく設備設計の寸法出しがあまかったためでしょう。

図面上でタイル等を含めた完成時を三次元で想像できないと設計にこのような不備が出ます。

むりに金属のつばを切断して付けているため切り口で配管や電線に傷をつけないように注意しなければなりません。

さて下側は
配管穴のふた
こっちはタイル分のずれがないためプラスチックの蓋を使用し、つばを切ることでスリーブに収まっているようです。

がしかしこちらもむりに入れてあるため変形して蓋が回らず取れません・・・

仕方ないのでお客さんに話して割りました。
穴の蓋を割って外した

取ったあと
配管穴

外も化粧カバー取り付け
外壁に化粧カバー取付
マンションの場合、タイルに穴を開けるのは通常禁止されているので目地にねじを固定します。

余談ですが外壁は共用部なので他のマンションでは化粧カバー取付自体が禁止されているところも中にはあります。

ようやく配管作業。
エアコンの配管作業
室内機の下面左からの配管取り出しの場合は銅管の荷重によりその部分が変形します。

それをできるだけ軽減するためスプリングベンダーを使用し限界近くまで曲げました。

化粧カバー内の配管
室内配管化粧カバー内の配管
今回、化粧カバーの横引きは水平に取り付けました。

ドレンホース(排水管)はカバーの中で外へ向かって下り勾配がつくように少しずつ捻っています。

こうして配管穴の外側まで勾配を確保しました。

テープを巻いたのは勾配がくずれないようにするため。

配管穴はパテでふさぎます。
配管穴をパテでふさぐ

カバーのふたをつけて室内完成。
室内側完成

今回初めてこの部品を使ってみました。
初めて使用した化粧カバーの部品
室内機が平面だときれいに密着します。

ただし使える機種は限定されると思いますが。

外側の配管、室外機の接続も終わりました。

外壁の化粧カバーは一部カットして寸法合わせ
化粧カバーは一部カットして寸法合わせ

全体
室外側全体
あとは試運転です。

絶縁抵抗、温度、音、振動、コンセントの状況等は問題なし。

ところが1点だけ問題発生😱

排水試験をすると画像にある排水レールが途中逆勾配(上り坂)になっていて、そこからあふれ出した水が玄関ドアのほうへとUターン。

これ、たまにあるんですよね。

排水レールはマンション建築時に施設されるものですが、コンクリートの打設時にしっかり勾配が付けられていないため発生します。

おそらく建設業者はそこまでチェックしてないのでしょう。

新築時であれば建設した業者で直してもらう場合もありますが年数が経っていると難しいかもしれません。
(過去に実際直してもらったことがあります)

お客さんと相談して後日塩ビ管で下り勾配のあるところまでドレン管を伸ばす方法で再訪問し施工することになりました。

試運転時に排水試験をするとよくお客さんから「こんなことまでするのはじめて見た」と言われますがやはり必要なんですよね。

エアコン工事は現場ごといろいろなことに直面するのでその都度判断し対処しなければなりません😅

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2023年2月 3日 (金)

エアコンに冷媒を追加チャージ

前回の隠蔽配管へのエアコン設置につづき、必要量の冷媒を追加チャージします😊
冷媒の追加チャージをおこなうエアコン
この作業は室外機側でおこないます。

今回使用する冷媒はR32。
追加チャージする冷媒R32のボンベ
”HFC-32”と表記されてますが一般にはR32と呼ばれます。

以前にはR410AやR22などもありましたが現在のルームエアコンではR32が標準となっています。

”こんな箱に入ってんの?”

いえ、一応中身はボンベです。
箱に入ったボンベ
このボンベには足がついてないので箱に入ってないと底が丸くてひっくり返っちゃうんですよ。

中身の冷媒を使い終わったらボンベ自体は返却するのですが、たしか箱から出してはいけないことになっていると思います。

同じR32でも以前(出始め)はしっかりとしたボンベだったんですけどいつのまにやらこんな缶みたいなものに変わってました😅

さて作業に移りますが、冷媒を追加するといってもいろいろな方法がありまして。

今回は設置後短期間エアコンを使えるようにバルブは開いてすでに冷媒が流れておりちょっと複雑です。

事前に3パターンほど考えた結果、あらかじめエアコンに入っている冷媒を少しも減らさず、空気も入れず、しかも正確な量を入れられる方法でいきます😎

ただしリスクもあり万一失敗すると全量入れ替えになったり、コンプレッサーを壊してしまう可能性があるのでその点は要注意。

ぬかりのないようしっかりやります。

まず室外機のサービス用ポートにはこのようなコントロールバルブを付けます。
室外機のサービスポートに接続するコントロールバルブ
これを使うとサービスポートのバルブコアの開閉度合を細かく調整できるようになります。

機材をセットしました。
冷媒追加チャージのための機材をセットした
室外機の上にはゲージマニホールド、真空計を付けた真空ポンプ。

床にはデジタル秤の上にR32ボンベ。

すべてチャージングホースで接続完了。

コントロールバルブはこのように接続。
接続したコントロールバルブ
いまは室外機のサービスポートは閉まっている状態。

接続したすべてのホース内には空気が入っているのでまずは真空ポンプで抜き去ります。

その後、空気はコントロールバルブ内にも残っているのでバルブをちょっとだけ回して真空ポンプの音で抜けたことを確認。
(このときバルブを回し過ぎるとサービスポートが開いて一気に冷媒が逆流してきます)

これで完全に空気は抜けました。

空気が冷媒内に混入するとその分、圧力が高くなり不具合の元になります。

真空ゲージは真空を指しています。
真空ゲージは真空を指している
このゲージは大気圧が右側で真空に近づくにつれ左に針が回ります。

ここで室内機へ、
エアコンを強制冷房運転モードへ
強制冷房運転モードへ入れ、温度に関係なく冷房します。

こうしないと追加する冷媒は入っていきません。

ヘタすると逆にエアコンからボンベに追加チャージ😆こりゃいかん。

昔、重力で冷媒が入っていくものと思い込んで高い位置にボンベを持ち上げているエアコン屋がいましたがちょっと考えればわかりますよね。

圧力差で高いほうから低いほうへと流れます。

エアコンを冷房サイクルにすることでサービスポート部分の圧力を低圧に下げることができます。

そうすればボンベからエアコンへ冷媒を流すことができるわけです。

つぎにボンベのバルブを開けて真空になったホースやコントロールバルブ内を冷媒で満たします。
(まだサービスポートは閉)

ここでボンベを載せたデジタル秤をリセットし”0.00kg”を表示させます。

今回の冷媒追加量は20×(冷媒管長12m-5)=140gです。
(この式はメーカーや機種ごとに異なります)

隠蔽配管が最短コースを配管されているものとして11.5m程度なので12mで算出しました。

あとはコントロールバルブを回してサービスポートを徐々に開き少しずつ冷媒をエアコンへ。
コントロールバルブを微妙に調整しながら冷媒を入れる
このとき一気に冷媒を流し込んではだめ。

接続したマニホールドの圧力計を見ながら、そして冷媒の流れる音やコントロールバルブに伝わる振動を感じ、流れ込む冷媒の状態を想像しながら微妙に加減します。

あまり流し過ぎるとコンプレッサーが液圧縮で破壊します。

無事に追加完了
冷媒の追加が完了した

アップ
追加冷媒量0.14kg
0.14kg=140gの追加です。
(左端にある”-”がボンベから冷媒が減ったことを表してます)

このエアコンに初めから封入されている量は
エアコンに封入されている冷媒量は0.42kg
たったの0.42kg(420g)

そこへ140gとはけっこうな割合ですね。

セットした機材を全部片づけて温度測定。

まったく問題なく正常です😄

かなりマニアックな内容になってしまいましたが端折って書いているのでチンプンカンプンかもしれませんね。

なお、冷媒が不足した状態で運転し続けるとどうなると思いますか。

もちろん冷房暖房能力が出きらず、立ち上がりも悪くなります。

コンプレッサーは過熱運転を継続するため寿命の短縮、冷凍機油の劣化促進や還流不足など不具合につながります。

かといえ、過充填はまた別の問題を起こします。

引っ越しなどでエアコンにガス補充をしてはいけないのはこれらの点にあります。

エアコンに入っている冷媒量は測りようがありません。

「圧力計で・・・」なんて簡単なことではないんですよねぇ。

万一、入っている冷媒量が曖昧になった場合は全量を入れ替えるしかありません。

みなさんお気を付けください😊

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