あやしいアース
エアコンの工事をしていたところ、室外機の脇にある既設のアース線(接地線)を軽く引っ張ったら
接地極(アース棒?)が抜けてきました😅
線がちょっと短くて室外機のアース端子に届かないので”もう少し”と引いてみたところこれ。
接地極は地面に埋め込まれて簡単には抜けてこないものですが、棒の乾き具合からして砕石の下に置いてあったという程度です。
これではアースとしての働きはありません。
しかもこれアース棒ではなくてエアコンの冷媒管(銅管)端材を20cm位に切ったもの。
そこにこれまた端材のケーブルを外装を剥いで使用したと思われる電線がつながれていました。
これで接地工事(D種接地工事)になるとでも施工した人は思ったのでしょうかねぇ?
もちろんこれをしたのは以前ここにエアコンを取り付けたエアコン設置業者。
このエアコンに関しては他の方法でアースを接続できるので後に施工することにしました。
こちらのお宅にはこのほかに2台、同じ業者が取り付けたエアコンがありそちらも”心配なので点検を”と依頼をいただきました。
試しにこのまま接地抵抗計でアースの抵抗値を調べてみると指針の針が思いっきり右に振り切り計測不能。
振り切った状態を長く続けるのはまずいので画像はありません。
バチンッ!と音がするほどの勢いで振り切るので少なくとも数kΩ以上ある感じ。
こちらの家の電気設備の場合、多くとも500Ω以下にする必要があります。
アース線を引っ張るとやはりスルリと地面から銅管が出てきたので地表面に置いて土をかぶせたような状況でした。
このまがいものの銅管アースは撤去して捨てます。
では新たに接地極の埋設工事が必要かというとその必要はありません。
なぜかというとこちらにはエアコン用のコンセントに接地端子が初めから設備されていました。
(室内機はアース線接続のためすでに開けてます)
この接地端子から室内機のアース端子へ接続すればよいだけ。
さきほどの1台目も同じです。
なんでわざわざあんなヘンテコリンな手作りアース棒を作ったのか意味不明。
コンセントにある接地端子へ接続
これでエアコンのアースが接続されました。
「室外機はどうするの?」
大丈夫ですよ、室内機と室外機の金属部はエアコンが設置されると電気的に接続されているのでどちらか片方だけでいいんです。
とっととまがいものアースは撤去。
こちらはこれで完了になります。
なぜ?
現在の単相200V、室内電源(プラグ接続)の機種は電源プラグの形状が3極になっており、そのうち1つはアースです。
なので2台目と同じくアースがコンセントにきていればプラグを差し込むだけで接地されます。
エアコン工事した人はわけがわからず余計なことをしていったんですね。
まがいものアースを撤去した状態で接地抵抗計で計測。
約200Ωで500Ω以下に収まっているので問題ありません。
このあと試しにお客さんに電源プラグを抜いてもらうとアースも切れて接地抵抗計の針は振り切り、コンセントのアースがちゃんと機能していることが確認できました。
なお、アースは室内機もしくは室外機のどちらか片方で接続するのが基本です。
両方で別のアースに接続するのはよいことではありません。
しかし今回のように頓珍漢な施工というのはよく見かけます😅
http://kato-aircon.com/
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