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2023年1月 3日 (火)

エアコン回路が突如漏電、原因は?

エアコンを使用していたところ突然、漏電遮断器(漏電ブレーカー)が作動して電気が消えたとの点検依頼をいただきました。

場所は当店エリア外だったのですが、この日は休日でメインに使用しているエアコンということもあり緊急で訪問することになりました。

事前に漏電しているのはエアコンの回路と判明し当該ブレーカーは切っているそうです。

到着して電源プラグをコンセントから抜き絶縁抵抗計で調べるとエアコン本体から漏電しています。

たまに電源側(屋内配線)の漏電なんてこともありますので。

では室外機側で調査を始めます。
漏電調査をするエアコン室外機

側面のカバーを外して
調査のため室外機の側面カバーを外す
ここにある室内機と室外機を結ぶ連絡配線の端子台で計測しながら調べることにします。

天板を外しても
室外機の天板を外して
端子台しか確認できず内部までは見えません。

前面側も外しました。
漏電調査のため室外機の前面側も開けた
前には塀があり見えないねじを外すのに一苦労😅

これで制御基板で調べることができる・・・

と思いきや基板がほぼ全周、金属ボックスに入っていてだめでした。

この金属ボックスも外していきます。
制御基板の入っている金属ボックスを外す

上部の蓋を開けて基板を少し持ち上げることができました。

その隙間から各電装品のコネクタを抜いて調べることができそうです。

ん?なにこの汚れ
金属ボックスにスパーク痕
金属ボックス底面になにやら付いてます。

こりゃ汚れじゃなくてスパーク痕だ!

持ち上げた基板側を見ると
コンデンサの防爆弁が開いている
あちゃー、コンデンサの防爆弁がぱっくり開いてます😅

チューリップ?
コンデンサの防爆弁がチューリップのように
この開いたコンデンサの先端が金属外箱に接触して漏電したというものです。

基板をこのように浮かした状態では漏電はなくなり、ボックスへ戻すとまた漏電。

コンデンサは直流平滑用のもので奥のものと2つありそのうちの1つがこのような状態になってました。

しかしこんなに派手に開いているものを久しぶりに見ましたョ。

防爆弁はコンデンサの内圧上昇による爆発を防ぐため圧力抜きとしてありますが、これじゃほぼ爆発💥ですね。

この状況で内部の電解液がほとんど散乱していないのがちょっと気になりますが・・・

まあ、基板交換で直りそうですね。

ここで「コンデンサだけを交換すれば・・・」なんて考える方がいるようですがエアコンのパワー系統でそのような修理をすることは危険行為です。

そのような安易な修理は火災になる可能性があります。

今回も防爆弁が外箱に触れて漏電遮断器が作動したのでこの程度で済んだのかもしれません。

エアコンは購入から1年半ほどだそうで、通常使用でこのようになることは異例とも言えます。

メーカー保証期間は過ぎてますが状況から無償修理になる可能性があるかもしれないのでそちらへ一度相談されることをお勧めし点検終了となりました😊

インバーターエアコンには280Vの直流を作るコンバーター部にこの平滑用コンデンサ(電解コンデンサ)があります。

昔はコンデンサが直径5cm程度、長さ10cm以上の大きなものが基板とは別の場所に2つ搭載されてました。

現在ではそれを小さく、基板上に配置されるようになり容量(静電容量やその他)がぎりぎりで余裕のない設計がされているのかもしれませんね。

いろいろと製造コストの削減が行われ全体的に寿命が短くなっている印象です。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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