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2023年1月

2023年1月31日 (火)

隠蔽配管へエアコン取り付け

12月に撤去工事を行ったこちらのお宅へ新品エアコンの取り付け工事に伺いました😊

室内機と室外機をつなぐパイプ電線類は隠蔽配管といって壁や天井の中に予め埋め込まれています。

今回室内機を取り付けるのは以前とは別の壁面。
室内機設置予定場所
お部屋の配置上こちらがご希望。

以前取り付けてあったところのねじ穴がきれいに塞がれているのでお聞きしたところ壁クロスは全面張り替えたそうで。

新しく取り付ける室内機
これから取り付ける新品の室内機
三菱電機の設備用モデル。

エアコンはメーカーにもよりますが量販店用モデルと設備用モデルがあります。

お客さんと設置位置を決めて据付板を取り付けます。
室内機設置位置を決める

そして取り付け
据付板を取り付けた
壁は石膏ボードで壁内に補強板はなく、ボードアンカーと壁を支える金属スタッドにねじで固定。

点検口内に丸めてある電線(室内機と室外機を結ぶ連絡電線)を引き出してみると
点検口内に丸めてある電線を引き出した
これだけ長さがあれば途中接続しなくても室内機の端子台まで届きます。

以前取り付けられていたエアコンなら更に余裕があったはず。

なのになぜ点検口内で接続し延長していたのでしょう。

理由は撤去の記事を見ていただくとわかりますが延長した電線は1.6mmという細いものが使用されていたところから、太くて硬い電線を加工するのが嫌で、ラクをするため本来使用してはいけない細いものを使ったということになりますね。

作業に戻って室内機を掛ける準備が完了。
室内機を据付板に掛ける準備が完了
据付板へ掛けたら冷媒管などの接続準備に移ります。

点検口内の隠蔽部の冷媒管は長年の使用などで硬くてカチカチでムリに曲げると折れます。

なのでそのままの形状を維持しユニオンを使用して延長します。
冷媒管接続用のユニオン
両端にフレアナットがあり、この部分で4つのフレア加工が必要になります。

フレア加工
フレア加工をした
銅管が上向きになっているためフレア加工前の銅管切断面のバリ取りは管内にバリが落ちないようにしなければなりません。

どのようにしたのかは内緒😊

延長用の銅管は曲げによる折れを防止するためスプリングベンダーを使用しました。
スプリングベンダーを使用して銅管を曲げた

そして接続
冷媒管をユニオン接続
このようなところでは火器は使用できないため溶接ではなくユニオン接続(メカニカル接続)を行います。

フレア加工と接続が連続する場面では締め忘れを防止するためフレアナット1つずつ手締めが終わったら即工具を使用し本締めします。

断熱材を巻いてテープ巻き。
ユニオンに断熱材を巻いてそのうえにテープ巻き
テープはビニルテープ、コーテープ(非粘着)、防湿テープで3重に巻きました。

両方とも防湿テープで仕上げて断熱完了。
ユニオン接続の断熱完了

さてつぎはドレン管(室内機から出る排水管)の接続。
パイプスペース内のドレン塩ビ管に室内機のドレンホースを接続
これが結構大変でした😅

パイプスペース内にはドレン接続用の塩ビ管が立っているのですが・・・

その位置は奥のほうで手が入りにくい。

しかも本来であればVP30で立ち上げておくべきところをVP25と細い。

これでは断熱の巻かれたドレンホースは入りません。

試行錯誤してようやく接続。

片手で接続部にビニルテープ巻き固定(ふぅ・・・)

室内機まで設置完了。
室内機の設置が完了
今回パイプはテープ巻き仕上げです。

室外側の作業へ
室外側の作業へ
こちらには上部にユニオン接続があります。

延長された冷媒管はそのまま使用しますがどんな工事されているのか不明なのでユニオンとフレアナットを新品に交換します。
古いユニオンを外して新しいものに交換する

断熱をとってフレアナットを外すと
フレアナットを外すと段つきのフレア
かなりの段つきフレアです。

やっぱり交換して正解ですね。

ユニオン接続は上にも書いた通りメカニカル接続なので簡単なように思えますが長期の圧力変化や金属伸縮により漏れを発生する恐れがありシビアな加工接続が要求されます。

このあと断熱や配管加工等が終わり室外機の設置まで完了しました。
室外機設置完了

ここでふと室内機と室外機を結ぶ冷媒管の長さが気になり計測。

隠蔽部が最短のルートを通してあると見込んで約11.5m。

他のメーカーであれば15mや20mは気にしなくてよいのですが・・・
冷媒管長10mを超えると追加冷媒を補充する
なんとこのメーカーは10mを超えたら冷媒を追加しなければなりません。

もうちょっと長めにしてくれるといいんですが。

本日はここまでで冷媒追加は後日行います。

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2023年1月27日 (金)

バッテリー保管用に金属ケース

ときおり耳にするバッテリーの発火による火災。

その最たるものはリチウムイオンバッテリー。

携帯電話、タブレット、電動工具、その他諸々・・・とたくさんのものに使用されてます。

それが充電中や使用中だけでなく放置していたら自然に発火💥したなんてことも😳

やっぱり便利なものほど危険を伴いますね。

以前よりときどき気になってホームセンターで金属製の工具箱をバッテリー保管用にと見ていたのですがいまいち大きさや形状がしっくりせず購入はしませんでした。

しかし自然発火装置ともいえるリチウムイオンバッテリー。

作業車で火事にでもなったらそれこそリアル”火の車”😆

そこでネット通販で調べるとよさそうな金属ケースを発見。

さっそく購入。
バッテリーを保管するため購入した金属ケース
だいたいの大きさは高さ18cm、幅9cm、奥行き30cm位だと思います。

購入後初めてふたを開けると”プシュー”と音がして内外に気圧差が生じていたことがわかりました。

ふたの周囲にパッキンがあって気密を保持しているのでかなり密閉度が高めです。
金属ケースの気密性
ケース本体に変形はなかったのでそれなりに鉄板に厚みもあるようです。

万一の発火の際には気密性の高さゆえかえって破裂なんてことが起きないことを祈ります😅

そのときはパッキンが溶けて圧抜きされるのか・・・不明。

電動工具と照明のリチウムイオンバッテリーを入れて
金属ケースにバッテリーを入れる

ふたのロック機構
金属ケースのふたのロック機構
容器密閉のためロックするにはちょっと力がいります。

とりあえずこれで一安心。

ただしこれが正解とは言えないので皆さんご自身で判断し対策してくださいね。

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2023年1月25日 (水)

2階ロフトにエアコン新設

一戸建て2階のロフトへエアコンを設置する工事を行います😊

場所は東京都内。

室内機はここへ取り付けます。
ロフトへエアコンを取り付ける
ロフトへは梯子で上るのですが天井が低いため脚立等は必要ありません。

しかし直立することができないため床には踏み台を置いて座って作業することにしました。

こちらが取り付ける新品の室内機。
これから取り付ける新品のエアコン室内機
ダイキン製。

ロフトは建物の最上部に位置し夏はかなり暑くなるため部屋の面積に対し冷房能力は大きめのもの。

まずは据付板の取り付けと配管穴の位置決め。
据付板の取り付けと配管穴の位置を決める
こちらの建物は在来軸組工法。

事前に図面を見させていただき筋交いなど穴を開けるにあたり障害となるものがないことを確認済みです。

ただし念のため内部を探りながら位置を決めました。

配管穴が開きスリーブ(養生管)取り付け。
配管穴を開けてスリーブを取り付けた
スリーブは室内機設置後では取り付けられないためこの段階でいれます。

電線などを接続、配管加工し室内機設置完了。
室内機設置完了

続いて屋外側の作業へ
屋外側の作業へ
ここは2階のバルコニー。

ロフトは高い位置にあるためバルコニー床から梯子を掛けました。

そして配管と室外機接続まで完了。
配管と室外機接続まで完了
パイプは配管化粧カバーでの仕上げです。

工事はまだ終わりではありません。
バルコニーから下したドレンホース
1階(地上)に下りてきました。

バルコニーの床下にドレンホースがぶらぶらしてますが・・・

こちらのバルコニーは床がグレーチングのような格子状のためそのままドレン排水が流せません。

そこで塩ビ管を使用し地面まで下します。

なお1階に見えている配管化粧カバー(エアコンのパイプ)は当店の施工ではありません。

塩ビ管加工中。
ドレン排水用に塩ビ管を加工中
寸法計測、切断、面取り、接着を繰り返し形作ります。

このとき切断面取り後はすぐに接着剤を塗って接続します。

角度や寸法が合っているか確認するため接着剤を塗る前にエルボなどの曲がり部品を差し込む人がいますが、これをやっているといつか必ず接着剤を塗り忘れます。
(特に業務用エアコンではこのミスで天井や壁内で漏水する事故が多い)

塩ビ管の設置完了。
ドレン用の塩ビ管設置完了
サドルで固定しました。

バルコニーの床を見上げて
ドレンの施工状態を見る
室内機からと室外機からの2本あります。

次回エアコン交換時に施工しやすいように塩ビ管の上端はバルコニー床の上面程度にしました。

さてこれで試運転・・・ではありません。

まだやることがあります。

初めの画像を見るとわかりますがロフトにはエアコン用のコンセントがありません。

ロフトの下にある2階リビングには2つエアコン用コンセントがあり、1つは使用していないためそこから延長移設しました。

元コンセントから電線を圧着接続し
エアコン用コンセントを延長移設
モール(ケース)で配線。

そこから傾斜の天井に沿ってロフトへ
電線を天井に沿ってロフトへ

取り付け面が変わるのでちょっと迂回。
モールの取り付け面が変わるのでちょっと迂回

エアコンの左横にコンセントを設置。
エアコンの左横にコンセントを設置

電気工事後は必要な計測を行い、帳簿保存用に施工内容をチェック。

エアコンのアースを接続しました。
エアコンのアースを接続
これでようやくエアコンが運転できるようになりました。

お客さんとともに動作確認を行いすべて問題なし😄

今回はけっこう濃い内容でしたが滞りなく終了です😊

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2023年1月21日 (土)

新しく塩ビカッターを購入

20年以上使用している塩ビカッター
20年以上使用している塩ビカッター
なかなか壊れるものではないのでいまも現役😅

樹脂の塩ビ管などを切断するのに使用しています。

ところがですねぇ、

電線を入れるモールを切断する際に使用するアダプタがずいぶんと前から行方不明。

でも切れなくもないのでそのまま使っていました。

しかしこのたび行う電気工事でアダプタがないと不便なことが判明したため新しく調達。
新しく購入した塩ビカッター

中身
塩ビカッターを包装から出した
赤いアダプタを装着すると電線モールがきれいに切断できるようになります。

装着
塩ビカッターにアダプタを装着
アダプタが樹脂なので簡単に外れてしまうところがちょっと・・・

古いカッターのアダプタは金属だったのでそう簡単には外れませんでしたが。

まあ仕方ないでしょう。

でも赤いアダプタは目立つので紛失のおそれが少なくなりますね。

こんな感じで切断します。
塩ビカッターでモールを切断する
でもこれはアダプタなしでも切れますので。

カッターを買った目的はこれ
モールを斜めに切断する
斜めに任意の角度で切断すること。

これはアダプタがないとなかなかうまくいきません。

切断後
モールを斜め45度に切断した
45度に切りました。

実際にはこの場合90度の曲がりに相当し”マガリ”のモール部品が存在するため角度切りする必要はありません。

このたび行う電気工事では40度位の曲がりがあるのでそれに合わせた切断をすることになります。

使用して驚いたのは力いらずでワンタッチで刃が開くこと。

いままではヨッコラショってハンドルを開かないとだめでしたから。

購入したカッターは日本のメーカー製。

やっぱり安心感がちがいます😊

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2023年1月17日 (火)

室外機を二段置きで

既設の室外機と新たに取り付ける新品の室外機を上下2段で設置したいとのご希望で工事に伺いました😊

場所は東京都内の一戸建て。

さて既設の室外機はこちら
既設の室外機
10年ほど使用されているようです。
(取り付けたのは当店ではありません)

新しく設置するエアコン室内機はこのすぐ後ろの部屋に取り付けるのですが他に室外機の置場がなく2段にすることにしたそうです。

まずは既設の室外機を一度取り外して二段置き金具を組み、その後また室外機を取り付けます。

既設のエアコンが正常稼働するか絶縁抵抗測定、温度測定を行い問題ないのでポンプダウン(室外機にガス回収)を行います。

配線を取り外す前に色の順番を確認。
室外機の端子台から配線を外す前に色を確認
再取り付けの際に配線の順番を間違えるとエアコンを壊してしまうことがあるのでしっかりと。

あら、割れてる
電線を押さえるバンドが割れている
電線を押さえるバンドが割れてますね。

このメーカーのバンドは硬質のプラスチックなので古くなると割れるんですよ。

他の金属製のサドルで代用するか・・・

まてよ・・・何年か前にこのバンド余分に(メーカーから)仕入れたような・・・

作業車をゴソゴソ・・・あった!
割れたバンドと新しいバンド
未使用の袋に入ったバンドが出てきました😄ラッキー

冷媒管も外します。
室外機から冷媒管を外す

ずいぶんとかわいらしいフレアで
フレアが小さい
こんなに小さいとガス漏れとか、ヘタすると銅管がすっぽ抜けてものすごい勢いで冷媒が噴出し事故になることもあるのでダメなんですよねェー。

ここから久しぶりの二段置き金具の組み立てに熱中して撮影を完全に忘れてました😅

突然ですが下段の室外機を載せるところまで完了。
二段置き金具を組み、下段の室外機を載せた
金具の錆を防ぎ寿命を延ばす目的と安定性向上のため地面との間にはコンクリート製の台を置きました。

金具は室外機が水平になるように微調整し各ボルトを本締めしてあります。

では室外機に冷媒管などの接続をします。

冷媒管のフレアは再使用できないので必ず作りなおします。
冷媒管のフレア加工をした
表面に傷などがないか必ず確認。

この大きさであれば大丈夫。
フレアの大きさを確認

さて10年も使用した冷媒管は硬化してカチカチです。

室外機へ接続するため無理に曲げるとカクッと折れてパイプが潰れます。

そんなときにはスプリングベンダー。
スプリングベンダーを使用して古い冷媒管を曲げる
これを差し込んで曲げるとそう簡単には折れません。

しかし無理しすぎて万が一折れるとスプリングが抜けなくなるので手ごたえを感じながら曲げて。

冷媒管と電線を接続
室外機に冷媒管と電線を接続
電線押さえのバンドは新品でしっかり固定。

管内の真空引きをしてバルブを開け、試運転は問題なく既設の室外機はこれで完了。

ここで転倒防止の金具を取り付けました。
二段置き金具に転倒防止の金具を付けた
室外機が2段に積まれるとやはり少し不安定な感じがします。

二段置き金具に付属していた転倒防止金具で今回は固定できました。
(状況によっては別に用意した金具が必要になることもあります)

建物の柱へコーチボルトで固定し雨水が入らないようにコーキング。
転倒防止金具の取り付け
余った金具は邪魔にならないように折り曲げます。

では次に新品のエアコンを取り付けます。

室内機設置予定場所はここ
室内機設置予定場所
左にある専用コンセントから少し離れますが、左寄りに棚を設置するのだそうでこの位置がお客さんのご希望。

今回、配管穴は本体左後ろに開けますが事前に見せてもらった図面には筋交いマークが記載されていたのでちょうど穴を開けようとしている付近にあります。

エアコンは基本、右後ろに穴を開けるのですがなぜそうしないかというと窓の上には外側にシャッターがあるため。

まちがってもそこへ穴を開けてはいけません。(開かないし・・・)

筋交いの位置を念入りに確認しながら据付板を取り付けコアドリルで開口
据付板を取り付け、コアドリルで穴開け

たまに筋交いに穴を開けて設置されているエアコンを見ますが建物の強度が落ちますよ。

開けた穴の中は
筋交いをよけて配管穴を開けた
右横に筋交いがありますが無傷です。

穴にスリーブ(養生管)を入れて冷媒管を差し込みました。
穴にスリーブをつけてから冷媒管を差し込んだ
穴が本体の裏になるため室内機をかける前に冷媒管を入れておきます。

またこのあと撮影を忘れてエアコン設置完了😅(またやってもうた)
エアコン設置完了し試運転中
すでに試運転中です。

室外機は二段置き金具の上段へ設置
室外機設置状況
配管穴から室外機裏まではパイプに化粧カバーを付けました。

試運転結果も問題なく完了です😊

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2023年1月13日 (金)

あやしいアース

エアコンの工事をしていたところ、室外機の脇にある既設のアース線(接地線)を軽く引っ張ったら
アース線を軽く引っ張ったら接地極が抜けてきた
接地極(アース棒?)が抜けてきました😅

線がちょっと短くて室外機のアース端子に届かないので”もう少し”と引いてみたところこれ。

接地極は地面に埋め込まれて簡単には抜けてこないものですが、棒の乾き具合からして砕石の下に置いてあったという程度です。

これではアースとしての働きはありません。

しかもこれアース棒ではなくてエアコンの冷媒管(銅管)端材を20cm位に切ったもの。

そこにこれまた端材のケーブルを外装を剥いで使用したと思われる電線がつながれていました。

これで接地工事(D種接地工事)になるとでも施工した人は思ったのでしょうかねぇ?

もちろんこれをしたのは以前ここにエアコンを取り付けたエアコン設置業者。

このエアコンに関しては他の方法でアースを接続できるので後に施工することにしました。

こちらのお宅にはこのほかに2台、同じ業者が取り付けたエアコンがありそちらも”心配なので点検を”と依頼をいただきました。

2台目の室外機
アースの点検を行う2台目の室外機
これまたあやしい感じの電線ですね。

試しにこのまま接地抵抗計でアースの抵抗値を調べてみると指針の針が思いっきり右に振り切り計測不能。
エアコンの既設のアースを計測すると接地抵抗計の針が思いっきり振り切った
振り切った状態を長く続けるのはまずいので画像はありません。

バチンッ!と音がするほどの勢いで振り切るので少なくとも数kΩ以上ある感じ。

こちらの家の電気設備の場合、多くとも500Ω以下にする必要があります。

アース線を引っ張るとやはりスルリと地面から銅管が出てきたので地表面に置いて土をかぶせたような状況でした。

このまがいものの銅管アースは撤去して捨てます。

では新たに接地極の埋設工事が必要かというとその必要はありません。

なぜかというとこちらにはエアコン用のコンセントに接地端子が初めから設備されていました。
エアコン用のコンセントに接地端子があるのに接続されていない
(室内機はアース線接続のためすでに開けてます)

この接地端子から室内機のアース端子へ接続すればよいだけ。

さきほどの1台目も同じです。

なんでわざわざあんなヘンテコリンな手作りアース棒を作ったのか意味不明。

室内機の端子はここ
室内機のアース端子

電線を接続して
室内機のアース端子に電線を接続

コンセントにある接地端子へ接続
コンセントの接地端子へ電線を接続
これでエアコンのアースが接続されました。

「室外機はどうするの?」

大丈夫ですよ、室内機と室外機の金属部はエアコンが設置されると電気的に接続されているのでどちらか片方だけでいいんです。

さて3台目。
室外機に接続されているアース、3台目
これも同じ状況です。

とっととまがいものアースは撤去。

こちらはこれで完了になります。

なぜ?

室外機の銘板をみると
室外機の銘板を見ると単相200V
単相200Vとありますね。

現在の単相200V、室内電源(プラグ接続)の機種は電源プラグの形状が3極になっており、そのうち1つはアースです。

なので2台目と同じくアースがコンセントにきていればプラグを差し込むだけで接地されます。

エアコン工事した人はわけがわからず余計なことをしていったんですね。

まがいものアースを撤去した状態で接地抵抗計で計測。
接地抵抗は約200Ω
約200Ωで500Ω以下に収まっているので問題ありません。

このあと試しにお客さんに電源プラグを抜いてもらうとアースも切れて接地抵抗計の針は振り切り、コンセントのアースがちゃんと機能していることが確認できました。

なお、アースは室内機もしくは室外機のどちらか片方で接続するのが基本です。

両方で別のアースに接続するのはよいことではありません。

しかし今回のように頓珍漢な施工というのはよく見かけます😅

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2023年1月10日 (火)

発電には負荷に応じた力がいる

前回の記事でも取り上げましたが近年では電気の使用量が発電能力の限界近くまで上昇することがあり「エアコンの温度を控えめに・・・」なんて呼びかけもたまに聞きます。

じゃあ発電の限界ってなに?といわれるといまひとつピンとこないですよね。

まず電気は発電する量と使用する量が常時一致(同時同量)していなければならないという基本があります。

そのために発電所では使用量に応じて発電量を調整しています。

この調整は太陽光や風力が不得意とするところなので火力や水力など昔からある発電所で行っていると思います。

もしその需給バランスが崩れるとどのようなことが起こるかというと、

火力や水力などの発電機は1秒間に50回転や60回転という速さを維持して回っています。

それがいわゆる周波数と呼ばれる50Hzや60Hz(地域によって日本では2つにわかれています)になっているんですね。

しかし使用量より発電量が多いと発電機の回転が速くなり周波数が高くなってしまいます。

逆に使用量が増加し発電量が不足すると回転が下がり周波数が低くなります。

周波数の乱高下は特に産業用のシステムに悪影響を与えるのでご法度。

使用量が発電能力の限界を超えて周波数が下がると保護装置が働き連鎖的に発電所が停止して広域停電(ブラックアウト)なんてことになりかねません。

それを防止するため電力会社同士で電力を融通しあったり、ある地域を停電(これも困りますが)させて発電を維持するようになっています。

ここでふと「なんで発電量が不足すると周波数(回転)が下がるの?」「発電機は一定に回るように一定の燃料や水を供給すればいいのでは?」という疑問を持たれるかもしれません。

ということで、

ここに磁石と電線の図を用意しました。
銅電線と磁石
磁石の磁界は手前のN極からS極へと向っています。(理科で習いますね)

その磁界中へ銅の電線を配置していますが、その両端には何も接続されていないため銅電線は磁石に吸い寄せられることもなく自由に動かすことができます。

次に銅電線の両端から配線を伸ばして電球を取り付け上方向へ移動させると
磁石の間の電線を移動させると電気が起きる
このように電流が流れ電気が起きます。

これも立派な発電ですね。

実際にはこの程度で電球が点くこともないでしょうが😅

このときの電流の向きは学校で習ったことがあるかもしれませんが”フレミング右手の法則”
フレミング右手の法則
これでわかります。

力は電線を動かす方向、磁界はN極からS極への磁界の向き、電流は発生した電気が流れる方向。

電線を上下方向ににあげたりさげたりすると電流の向きが反転して交流が発生します。

1秒間に50回できれば50Hzですね😆そりゃ無理だ。

発電機はこれをもっと複雑にして回転運動で連続しているわけです。

それはさておき、先ほど上方向へ電線を移動したときに電気が発生し電流が1方向へ流れたわけですがここでもう一つ忘れていはいけません。

それは”フレミング左手の法則”
フレミング左手の法則
もしかしたらこちらのほうが一般の方でも知っているかもしれませんねぇ。

これは磁界中の電線に電流を流すとその電線に発生する力の方向を表しています。

要はモーターの原理のことです。

この法則を先ほどの電気を起こした図に当てはめてみると
発電しようとする力とは反対方向の力が発生する
このように上方向へ移動する電線を下方向へ妨げようとする反対方向の力になって働き移動が重くなります。

発電に力がいるのはこのためです。

電流(発電量=電気の消費量)が多くなればなるほどその力もどんどん増してきます。

発電機はただ単に回していればよいというわけではなく、その発電量に応じて燃料を増やしたり、その他の制御で一定の回転を保つ(発電量と使用量が同量で釣り合っている)必要があります。

いくら燃料などを投入しても逆方向に発生する力に負けて回転が落ち始め周波数が下がったときは発電能力の限界を超えたということでしょう。

そうならないためには電力融通や節電要請、長期には発電所の増設などを行う必要があります。

しかしあまり太陽光や風力による発電を増やすと気象による乱高下で制御不能になり電力の安定供給に支障が出るかもしれませんね。

話は変わりますが、よく車などでいろいろな電装品の使用やスマホの充電などをして電気代がタダと思っている方がいるかもしれません。

効率は別にして車(ガソリン車など)もエンジンで発電機を回しているので電気負荷を接続すればそれだけエンジンに負荷がかかり燃料を多く消費することになります。

停止中のアイドリング時にヘッドライトなどを点灯するとエンジンの回転が一瞬落ち、その後燃料を増やして戻るのが回転計でわかります。

都合の良い永久機関は世の中に存在しないということですね。

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2023年1月 6日 (金)

エアコン暖房の電気消費

冬は電気代が高くなりますね。

エアコンの暖房は効率がいいとよく言われますが、それでも電力消費が気になります。

夏に冷房を使うよりも電気代が高いと感じることが多いのではないでしょうか。

その理由のひとつとして考えられるのが温度差。

ここからは東京、神奈川の平野部での話になります。

多くのエアコンは冷房も暖房も同じヒートポンプという方式で熱を運ぶことで部屋を冷やしたり暖めたりします。

真夏の部屋の温度は30~32℃程度になりますが、冷房で27度前後まで冷やすと湿度も下がり涼しく感じますね。

下げた温度は3~5℃前後。

しかし真冬には室温が10~15℃のところから24℃程度までと、9~14℃も上げなければなりません。

外気温との差も大きいため部屋の熱もどんどん外へ放出していきます。

それだけヒートポンプ能力も必要になり時間もかかります。

これでは電気の消費量が増えるのも当然。

さらに部屋の大きさに対してエアコンの暖房能力が不足していると常時室外機のコンプレッサーがフル回転して電気を大食いします。

しかも短時間で室外機が凍り付いて”プシュー・・・(最近この音しないか😅)”と除霜運転になり室温低下😱

せっかく途中まで上がってきた室温がまた3~5℃ほど下がってしまうというループ。

エアコンは部屋に見合った能力と、可能であれば部屋(窓)の断熱性能を上げることが肝心です。

それと風量設定なんかも自動ではなく強めにしたほうが天井付近に暖気が溜まらず足元まで下りてくるので部屋全体が暖まることが多いようです。

また逆に強制的に微風を使ったり、フィルター掃除を怠ったり自動掃除に任せたままにして風量が落ちてくると暖房時は部屋全体が暖まらないだけでなく冷媒(ヒートポンプサイクル)の圧力が高くなります。

そうなるとどうなるか・・・

冷媒を圧縮するコンプレッサーはモーターで回転しているので圧力が高いと回転を維持しようと余計に力が必要になります。

するとその分電流が増大して電気を多く消費するようになります。

どのように使用するのがベストなのかいろいろ考える余地がありそうですね😊

さて近年では電気の需要に対し、発電所の発電量が限界近くまでなることがあります。

「節電を・・・」なんてよく聞くフレーズです。

融通してなんとか凌いでいるようですが、今後もしEV(電気自動車)などが急激に普及し始めたらブラックアウト(広域に及ぶ大停電)が起きるかもしれません。

もしそんなことになったらエアコンも使えず凍えてしまいますね。

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2023年1月 3日 (火)

エアコン回路が突如漏電、原因は?

エアコンを使用していたところ突然、漏電遮断器(漏電ブレーカー)が作動して電気が消えたとの点検依頼をいただきました。

場所は当店エリア外だったのですが、この日は休日でメインに使用しているエアコンということもあり緊急で訪問することになりました。

事前に漏電しているのはエアコンの回路と判明し当該ブレーカーは切っているそうです。

到着して電源プラグをコンセントから抜き絶縁抵抗計で調べるとエアコン本体から漏電しています。

たまに電源側(屋内配線)の漏電なんてこともありますので。

では室外機側で調査を始めます。
漏電調査をするエアコン室外機

側面のカバーを外して
調査のため室外機の側面カバーを外す
ここにある室内機と室外機を結ぶ連絡配線の端子台で計測しながら調べることにします。

天板を外しても
室外機の天板を外して
端子台しか確認できず内部までは見えません。

前面側も外しました。
漏電調査のため室外機の前面側も開けた
前には塀があり見えないねじを外すのに一苦労😅

これで制御基板で調べることができる・・・

と思いきや基板がほぼ全周、金属ボックスに入っていてだめでした。

この金属ボックスも外していきます。
制御基板の入っている金属ボックスを外す

上部の蓋を開けて基板を少し持ち上げることができました。

その隙間から各電装品のコネクタを抜いて調べることができそうです。

ん?なにこの汚れ
金属ボックスにスパーク痕
金属ボックス底面になにやら付いてます。

こりゃ汚れじゃなくてスパーク痕だ!

持ち上げた基板側を見ると
コンデンサの防爆弁が開いている
あちゃー、コンデンサの防爆弁がぱっくり開いてます😅

チューリップ?
コンデンサの防爆弁がチューリップのように
この開いたコンデンサの先端が金属外箱に接触して漏電したというものです。

基板をこのように浮かした状態では漏電はなくなり、ボックスへ戻すとまた漏電。

コンデンサは直流平滑用のもので奥のものと2つありそのうちの1つがこのような状態になってました。

しかしこんなに派手に開いているものを久しぶりに見ましたョ。

防爆弁はコンデンサの内圧上昇による爆発を防ぐため圧力抜きとしてありますが、これじゃほぼ爆発💥ですね。

この状況で内部の電解液がほとんど散乱していないのがちょっと気になりますが・・・

まあ、基板交換で直りそうですね。

ここで「コンデンサだけを交換すれば・・・」なんて考える方がいるようですがエアコンのパワー系統でそのような修理をすることは危険行為です。

そのような安易な修理は火災になる可能性があります。

今回も防爆弁が外箱に触れて漏電遮断器が作動したのでこの程度で済んだのかもしれません。

エアコンは購入から1年半ほどだそうで、通常使用でこのようになることは異例とも言えます。

メーカー保証期間は過ぎてますが状況から無償修理になる可能性があるかもしれないのでそちらへ一度相談されることをお勧めし点検終了となりました😊

インバーターエアコンには280Vの直流を作るコンバーター部にこの平滑用コンデンサ(電解コンデンサ)があります。

昔はコンデンサが直径5cm程度、長さ10cm以上の大きなものが基板とは別の場所に2つ搭載されてました。

現在ではそれを小さく、基板上に配置されるようになり容量(静電容量やその他)がぎりぎりで余裕のない設計がされているのかもしれませんね。

いろいろと製造コストの削減が行われ全体的に寿命が短くなっている印象です。

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2023年1月 1日 (日)

謹賀新年

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令和五年元旦

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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