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2022年11月10日 (木)

天吊り室外機撤去と取付調査

相模原市南区でエアコン入れ替えの依頼をいただきました😊
ありがとうございます😄

室外機がベランダの天井に吊るされている”天吊り(公団吊)”になっておりその撤去と取り付けのための調査の模様です。

その室外機がこちら
撤去する天吊り室外機
かなり旧型のものになります。

冷媒もR22という現在では使用されていないもので、オゾン層を破壊する(真偽は不明)といわれていたガスです。

ではまずポンプダウン(室外機に冷媒を回収する)のためバルブのキャップを外しました。
ポンプダウンのためバルブのキャップを外す
ほうほう、やっぱりこのサイズか・・・

バルブを回すため六角レンチを差し込みますが
バルブを回すため六角レンチを差し込む
こちらのメーカー(東芝)の古い機種は他のメーカーとは異なり5mmのレンチ。

近頃ではあまり見かけなくなりましたが、たまにまだ使うことがあるので工具箱に用意してあります。

なお現在ではすべてのメーカー、4mmの六角レンチでバルブを操作します。

おっと、このエアコン4分か・・・
ガス管側が4分管
ガス管側の銅管は12.7mm(4分)というサイズ。

こちらのエアコンは冷房能力4.0kWで14畳用ですが、現在(9.52mm、3分管)よりも太い管が使用されています。

記憶が定かではありませんが、冷媒がR22の時代は冷房能力3.2kWクラスあたりから4分管だったような気がします。

新冷媒と呼ばれるR410AやR32では6.3kW以上が4分管です。

R22は圧力が低かったのでバルブに接続しているフレアナットは小さめ。

レンチのサイズが合わないので作業車へ取りにいきました😅

室外機に接続されているパイプ、電線類は外れたので室外機を下す作業にかかります。

担いで”ヨッコラショ”なんて危険なことはできません😆

これを使用します。
天吊り室外機昇降用の工具
たしか商品名は”たすかるくん”とかだったような気がしますが、これ本当にたすかります😄

が、残念ですがもう販売されてないみたいですね。

さて工具を取り付ける準備をしますがこれ・・・
天吊り金具を天井に固定しているボルトナットが・・・
天井に金具を固定しているボルトナットですがワッシャーが使われてませんね。

なぜこのような施工がされたのか・・・

天吊の金具にはこのボルトナット類が付属してこないんです。

それが悪いということではありません。

これを施工した業者が建物に初めから取り付けられているボルトナットをそのまま使用したことが問題です。

そのため平ワッシャー、スプリングワッシャーがない状態となっています。

いわゆる”手抜き工事”ですね。

昔(たしか30数年前まで)、天吊り金具には天井のインサートに使用するボルトナットとワッシャーが付属していました。

どうして付属しなくなったのか・・・これについてはあとでわかると思います。

工具を取り付けるための金具(アダプタ)を付けます。
天吊り室外機の昇降用工具を取り付けるための金具をつける
ナットを緩めて金具を差し込みますがボルトが一緒に緩んでこないか慎重にしました。

抜けたらたいへん😆

金具をつけてナットを再度締めますがこんどは狭くてレンチが回らないので
レンチが入らないのでディープソケットを使用
ディープソケットをドリルドライバーにつけて締めました。

金具がつきました。
天吊り室外機昇降用工具を取り付ける金具がついた
これは室外機背面側ですが正面側にも同じものをつけています。

金具と金具の間の寸法を測って
天吊り室外機昇降用工具のサイズを調整する
昇降用工具のサイズを調整します。

そして工具をセット
天吊り室外機昇降用工具をセット
室外機にはラチェット式の荷締め機のようなもので固定するようになっています。

室外機の足を固定しているボルトナットを外しますが
室外機を固定していたボルトは外す際折れた
錆で固着していて力で回したらボルトが折れました😅

このようなことから金具の再使用は無理ですね。

エアコンとともに金具も寿命を迎えます。

室外機を少し吊り上げて
室外機を少し吊り上げた
浮かします。

室外機が載っていた部分のバーを外して
室外機を下すため金具を外す
錆がひどく完全には外せませんでしたが。

あとはスルスルーと
天吊りの室外機を昇降用工具で降ろした
降ろしました。

無事に軟着陸😄
室外機が無事に着地
室外機を吊ったところが中央ではなく手前側にずれてますが、これで重心位置です。

室外機はコンプレッサー側が重いので勘で重心位置を見極めてベルトを固定します。

天井に固定していたボルト4本も抜き取りました。
室外機を天井に固定していた4本のボルトを抜き取った
天井側の受けはナットが埋め込まれているインサート。

もし、インサート(建設時、コンクリート打設前に埋め込まれた受け)ではなく後打ちのアンカーの場合は安全性の確認ができないため天吊りの取り付けはお断りしています。

インサートのサイズを調べるため10mmのボルトを入れてみます。
インサートのサイズを調べるためボルトを入れてみる
2箇所はすんなり入りましたが残り2箇所は手では回せずレンチで入りました。

受け側のインサートのナットは鉄で、ねじのサイズは10mm。

取り付ける際は同じく鉄の10mmで六角ボルト、ナット、平ワッシャー、スプリングワッシャーをこちらで用意します。

いままではステンレスでしたが鉄との相性はあまりよくないので鉄で統一することにします。

そしてこれ、いままで使われていたボルトナット
いままで使用されていたボルトナットは3/8インチ
3/8インチでした。

3/8インチは10mmより細いので10mmナット(インサート)に入ってしまうんです。

でもねじのピッチもちがうので点接触になり強く締め付けた際にねじ山を崩します。

それがさきほど手で入らなかった原因だと思います。

(建物に初めからついていたボルトだからといってそれを信用できるほど建築界はあまくありません)

またインサートが3/8インチという場合もあり、それでは10mmのボルトはまったく入りません。

このようなことから金具メーカーは天吊り金具に天井へ固定するボルトナットの同梱をやめたのだと思います。

10mmのボルトを同梱すると「入らない」と工事屋からクレーム。

3/8インチを入れれば10mmのインサートに使用される危険性。

これじゃ金具メーカーさんもやってられませんね。

このねじのサイズについては最近こちらでも取り上げています。

これで撤去と調査は完了です😊

天吊りの工事には事前の調査が必要になることもおわかりいただけたでしょうか。

調べもせず持ち合わせの材料でなんとかおさめてしまおうとすることは手抜き工事につながります。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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