エアコン専用コンセントと発熱
エアコン専用コンセントに差し込んだエアコンの電源プラグ
今回はこの部分の発熱についてです。
昨日のこと・・・
エアコンの取り付け工事がほぼ終わり、さてこれから試運転ということで
「今日は冷房と暖房どちらがいいですかねぇ」
などとお客さんと話をしながら絶縁抵抗を測定。
(測定結果は問題なし)
そしてエアコンのプラグをコンセントに差し込む前に・・・何も接続していない手持ちの延長コードのプラグでコンセントへ10回ほど差したり抜いたりを繰り返しました。
これを見ていたお客さん
「なにをしているんですか?」
奇妙な行動に見えたかもしれませんね😅
この行動の理由は・・・
コンセントとプラグは金属で電気的に接続されますが、その金属の表面に酸化被膜や汚れなどがあると接触面積が減って電気抵抗が大きくなります。
それらを削り落とすため。
※以下、計算をわかりやすくするため交流における力率は無視しています。
ルームエアコンは最大で15~20Aとけっこう多めの電流が流れます。
こんな式を学校時代に習ったと思いますが、
P=VI
P:電力[W]、V:電圧[V]、I:電流[A]
たとえば100Vで15A流れると1500Wになります。
そしてもう一つ
V=IR
R:抵抗[Ω]
オームの法則ですね。
これら2つの式から
P=VI=IR・I=I^2・R
となって電流の2乗に比例して電力が増加することがわかります。
例えばコンセントとプラグの間に1Ωの抵抗があったとしましょう。
10W程度の小さな電気製品で0.1Aしか電流が流れなければ、
そのとき1Ωの抵抗では0.1^2×1で0.01Wとなります。
これが・・・
1Aでは1W
5Aで25W
10Aで100W
15Aで225W
20Aともなれば400W
となります。
ここまで詳しくは話しませんでしたがお客さんからは
「その電気はどこかに飛んで消えるんですか?」
とすごくいいご質問をいただきました。
ここが問題なんです。
抵抗で消費される電気は熱に代わるんです。
もしさきほどの100Wや400Wなんてことが実際に起きたら完全に燃えてます😱
まあここまで抵抗が大きければエアコンも止まってしまいますけどね。
そこまでいかない中途半端な抵抗が一番危険でしょう。
コンセントとプラグ本体が面している見えない部分では熱により樹脂が徐々に変色、そのうち焦げてカーボン化。
電極と電極の間が完全にカーボン化するとそこで電流が流れ始めさらに発熱し発火します。
(こういった事故は実際に存在します)
そんなことが起きないようにするには電気抵抗をできる限り低くする以外方法はありません。
とくにエアコンは長時間、大きめの電流を流すことがあり発熱しやすい傾向にあります。
そのため差したり抜いたり何回もして接触をよくするわけです。
これをすると多くの場合温度が下がります。
接触抵抗が少なくなったということですね。
当店でエアコン工事を依頼された方は試運転時にコンセント部分の温度も測定しているところを見たことがあるでしょう。
この程度なら大丈夫、これは危険と、周囲温度と比べて判断しています。
これからの季節、エアコン暖房時はとくに電流量が多くなるので、たまに熱くなっていないか確認するといいですよ。
もしご自身でプラグを差したり抜いたりする場合は、なにもつながっていない延長コード等を使用するか、プラグの形状が合わなければエアコンのブレーカーを落として電気を停めてから本体のプラグでおこないます。
(ただしそれによる事故等があった場合でも当方では一切責任を負いかねますのですべてご自身の責任で行ってください)
http://kato-aircon.com/
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