ブラシレスDCモーター分解
先日こちらで取り上げた修理記事で取り外したモーターを分解してみます😊
室外機のファンモーターに使用されていました。
まずはその前に昔多く使われていた単相誘導モーターはというと・・・
このモーターは交流(AC)電源で回ります。
開けてみると
リード線は直接コイルの巻き線に接続され単純な造り(電気回路)です。
そして本題のブラシレスDCモーター。
ブラシレスではないDCモーターで身近なものは子供のころよく使ったマブチの130モーターなんかもそうですね。
でもそれらと異なる点は”ブラシレス”で文字通りブラシという消耗部品を使わずDCモーターの効率の良さを活かせるところ。
しかしブラシや整流子を無くしてDCモーターを回転させるにはそれに代わる機構が必要になります。
それを電子回路で行っています。
では分解してみましょう。
まずはカシメを起こして金属枠を外しました。
すると中にはリング状のゴムパッキンで防水されていました。
背面の金属カバーを外すためリード線引込口のプラスチックを割ると
さっそく基板が見えてます👀
室外機本体の制御基板だけではなくモーターの中にもまた制御基板。
リード線は巻き線ではなく基板につながってます。
そして金属カバーを外そうと力を加えますがまったく動じません。
モーター軸部分を小型の万力に挟みハンマーで叩いて外しました。
外周と軸受けのベアリングがカバーに圧入されて外れにくかった。
こちらがモーター内部の制御基板
部品点数が少なく単純に見えますね。
赤い丸いものはベアリングと金属カバーの間に入っていたものです。
上のほうに見えるのはモーター駆動用のICで内部回路のスイッチングでモーターの巻き線に電流を流します。
そのため熱が放出されるので白い放熱グリスがついてます。
さて単純そうな基板ですが裏側を見てみると
こっちのほうが部品点数が多いですね。
こちらが表側といった感じ。
モーター回転子の位置を正確に読み取り駆動用ICを制御しているものではないでしょうか。
位置検出にはモーター内部にホールセンサなどを使っているのかもしれません。
ブラシと整流子の代わりをする回路はこれだけ複雑になり故障が多くなるも頷けます。
昔から使われている単相誘導モーターのほうが構造が単純なため長持ちするのは当然ですね。
使用時に高効率、省エネというものは生産時の環境負荷、高コスト、そして短寿命で全体的には大した貢献はしていないのかもな・・・
などと考えながら分解はここまでにしてモーターは処分。
なお、このブラシレスDCモーターが故障するとそこに接続された本体側(室内機や室外機)の制御基板にも波及して一緒に壊れてしまうことがよくあります。
そのためモーターと本体の制御基板をセット交換することになるわけです。
http://kato-aircon.com/
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