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2022年9月 6日 (火)

化粧カバーから水が垂れる

川崎市幸区のマンションで室内の配管化粧カバーから水が垂れるとの点検、修理の依頼をいただきました😊(ありがとうございます)

エアコンを施工したのは関東以西で広範囲にネット上で集客している業者のようです。

とは言っても量販店だろうが工事会社であろうがどこに依頼してもルームエアコンの工事に来るのは基本、個人の外注末端業者ですので変わりありません。

こちらがそのエアコン
室内の配管化粧カバーから水が垂れるというエアコン
本体左から壁の配管穴まで化粧カバーが付けられています。

なぜそこから水が垂れてくるのかというと中にある冷媒管の結露によるもの。

その結露の原因を直す必要があります。

壁の配管穴に入ったパイプ類は
パイプが壁内を配管されている
壁の中を通って屋外へ出ています。

その途中には配管のための点検口が設置されています。

室内配管穴のところのカバーを外すと
室内側の配管穴は埋められていない
パテ埋めがされておらず壁内とツーツー状態😆

室外側へまわって配管穴をみると
外側の配管穴にもパテがない
こちらもパテがありません。

埋めた後は残ってますが・・・

下を見ると
パテが取れて下に落ちていた
落ちてます~😆

パテは時間がたつと硬くなってしまい粘着力も低下するのでこのようになることがあります。

現在では常時換気扇が回っているお宅が多く、このような状態では外気が配管穴を通って室内へ入ることになります。

夏の冷房時には熱く湿った外気が室内の配管化粧カバー内にまで入り、冷えた冷媒管周囲の結露量を増やしてしまいます。

それが配管化粧カバーから水が垂れた原因ですね。

冷媒管には断熱材が被せてあっても周囲の雰囲気によっては結露を起こしてしまいます。

室内外共、配管穴のパテがあれば防ぐことができたでしょう。

とりあえず穴埋めをすることにより今回の問題は解決することができそうです。

そのほか点検時に気になる部分を指摘させていただきました。

まずはこれ
室内機わきに余分な横引き
室内機わきで余分な横引き。

室内機から出たパイプは排水の関係ですぐに下方向へ落としたいところですが意味なく横引きされています。

排水が滞留するため異音などの原因になります。

これを直すには室内機を一旦取り外して付け直す必要があります。

次にこちら
エアコンにアースが接続されていない
アース線が接続されていません。

エアコンにはアースの接続が義務付けられていますが、コンセントにアース端子があるにもかかわらず接続しないのは手抜き工事です。

そしてこれ、
ドレンホースが途中で持ち上がっている
ドレンホースがカバーの中で持ち上がって逆勾配になっています。

お客さんからは、たまに”カンッ!”と音がするとのことでしたがこれが原因でしょう。

ホースがトラップのようになっている部分に水が溜まり、空気が通過することでこのような単発の音が出ます。

お客さんのご希望でこれら全部を直すことになりました。

それでは作業開始😃

室内機を取り外すため試運転後にポンプダウン(冷媒を室外機に回収)しました。

そして電線を取り外そうと電装カバーを外すと、
室内外機連絡線が1.6mm
あら~、室内機と室外機を結ぶ連絡線に直径1.6mmの電線が使われてました。

ノギスでは3mmを指していますがこの場合、内部銅線の直径は1.6mmです。

お客さんが据付工事説明書を持っていました。
エアコンの据付工事説明書
これを見ると・・・

基本は2.0mmを使用することになってますが、エアコンの最大電流が15A以下でかつ連絡線の長さが10m以内の場合は1.6mmも使用できるとなってます。

このエアコンは定格15Aのプラグなのでとりあえずそこまでは問題ありませんね。

しかし、移設の場合は必ず2.0mmを使用することと書かれています。

これは一度使用した接続端子台は再使用時には1.6mmを使ってはいけないと読めます。

差し込み式の端子台はスプリングで電線を押さえるので緩くなるからでしょう。

ということは、室内機を取り外して再設置の際は2.0mmを使うことになりますね。

ここまで行うと費用も高くなってしまいます。

1.6mmを使用する場面は隠ぺい配管などで交換ができないなどの場合に限ると思います。

施工者の都合(材料費削減)で使用するものではありません。

またこのような施工が行われているということは見れば見るほど不具合が見つかってしまいキリがない状況になるかもしれません。

お客さんと相談し今回は室内機の脱着はせず、できる範囲での修理に留めることになりました。

先ほどの説明書を見ているとバンド(コードクランプ)がないことに気づきました。
電線を押さえるバンドがない
この部分をバンドで押さえて電線を動かないようにする部品です。

ねじ穴を調べるとねじが付いていた跡が残っているのでエアコンを設置するときに外して捨てられてます😌

そこまでして時間を節約する必要があったんでしょうかねぇ。

ドレンホースの勾配を直して
ドレンホースの勾配を修正した
水たまり(トラップ)をなくします。

配管穴は
室内側の配管穴をパテ埋め
パテで隙間のないように埋めました。

室外側
アースは室外機に接続する
今回はアース線を室外機に接続します。

アース線をパイプにテープで巻きこむため触っていると変な感触が・・・
パイプの途中に変な感触が
何かあります。

はがしてみると
ドレン逆止弁が付いていた
ドレン逆止弁がありました。

この逆止弁はドレンホース内を空気が逆流するのを抑え、水がはじけて室内機からポンポン音が聞こえるのを防止するものです。

エアコンを取り付けた業者から勧められたそうですが、これ多くはドレン逆勾配の施工不備で音が出てしまうことをごまかすことに利用されてます。

それで支払った領収書を見せてもらうとずいぶん高価な価格で取り付けられたことがわかりましたョ。

そしてこの逆止弁は定期的な掃除やメンテナンスが必要になることが施工者から説明されておらず、どこに付けられているかも知らなかったそうです。
(そりゃ見えないところに隠されてますからねぇ、まったく・・・)

逆止弁の掃除を怠ると詰まって室内に水漏れすることがあります。

メンテナンスしやすいように
ドレン逆止弁をメンテナンスできるようにした
テープから出しました。

はじめにポンプダウンしたので管内には空気が入っているため真空引きしてバルブを開け
室外側完了
室外側が完了

外側の配管穴は
外側の配管穴はパテの上にコーキング
パテの上に薄くコーキングを塗りました。

こうするとパテの硬化防止と、はがれ防止になるので隙間もできず確実です。

室内のコンセントにもアース線を接続して
試運転開始
絶縁抵抗測定したら試運転開始。

窓を閉め切り、レンジフードを強く回していただき外気が化粧カバー内や壁内に入ってこないことを確認。

ドレン排水と異音が出ないかチェックして作業完了となりました😊

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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