シリアル信号異常・・・
エアコンの表示ランプが点滅して動かなくなったとの点検依頼をいただきました😊
場所は横浜市神奈川区の一戸建て。
ご依頼いただきありがとうございます😄
表示ランプの点滅回数でシリアル信号異常(エラー)ということがわかりました。
近頃はネットなどで調べると各メーカーのエラーコード表などが出ていて簡単に調べることができます。
しかしこれで何の異常かわかったとしてもそれはまだ入り口に立っただけに過ぎません。
これから点検をするための方向性が見えた程度です。
本で例えると目次を見ている状態。
シリアル信号異常は室内機と室外機のコントロール(制御)基板同士が通信できないことを表しているのでそこを重点に点検してみます。
まずは室外機へ
バルコニーですが室外機は壁面に金具で付いているというちょっと変わった設置がされてますね。
ま、それはどうでもよいのですが。
室外機側面のカバーを開けて
端子台で信号の状態を測定することにします。
シリアル信号を見るにはアナログテスター(回路計)が活躍
理由は省きます😅
異常がある場合、室内機から短時間しか室外機に電源投入されないためお客さんの手をお借りしてエアコンのスイッチを入れてもらいました。
ありがとうございます!
結果は室内機からの信号はOK。
室外機からの信号は出ずNG。
なので室外機の基板不良、基板交換すれば直ります。
などと安易な判断は禁物。
なぜ信号が出ていないのか、それを調べるのも点検です。
ここでご注意。
DIYでエアコンを分解するのは危険なのでメーカーが禁止してますがやってしまう人が中にはいますね。
とくに電気部品は高電圧⚡のところがあるので危ないですよ。
エアコンの電源を切ってもDC300V程度の電圧が残っていることがあります。
また点検以前に変にいじられていると修理はお断りすることがあります。
過電流が流れたようですね。
これによりシリアル信号が出なくなってしまったと考えられます。
やはり基板がだめなので交換して修理しましょう。
と、これもまだ判断が早すぎます。
このICの破壊した理由が気になります。
基板上の位置関係を見ると
破壊したICの上のほうにファンコネクタがあります。
このコネクタは室外機のファンを回すためのファンモーターにつながっています。
もしこのモーター故障によりヒューズが切れ、ICが破壊したとしたら基板交換をしてもまた同じことが起きますね。
しかし基板のパターンを見るとICとファンモーターがつながっているようには見えません。
ここは念のためメーカーの技術部へ電話。
回答は「ファンモーター故障とヒューズ切れ、IC破壊は関連している」とのこと。
(見た目ではわからないものです)
なのでファンモーター故障が基板を壊し結果、シリアル信号異常の原因になったということが考えられます。
このファンモーターがここ十数年、効率向上のためブラシレスDCモーターという厄介なものが使われてます。
そのため今回の機種はモーターの良否が判断できないんですよ。
巻き線の抵抗を測ることもできません。
それはモーター内部にも制御回路が入っているため。
修理はファンモーターと制御基板のセット交換になります。
メーカーに在庫状況と価格を問い合わせて見積もりを出しお客さんへ提示。
エアコンを新品に買い替えるのもありですが、設置された状況がちょっと特殊なため修理を行うことになりました。
ついでにファン(モーターではなく)も調べました。
エアコンは製造から10年程度経過しており制御基板とファンは在庫僅少。
プラスチックのファンは固着によりモーターから取り外す時に割れてしまうケースもあります。
ファンは安価なため一緒に交換することにしました。
こんな感じでエラーコードを額面通りに受け取っては点検にはなりません。
基板だけ交換し運転した途端にまたヒューズとICが飛んでしまい、部品の在庫がなくなっていたら最悪ですからね。
次回、修理の模様をアップする予定です😊
http://kato-aircon.com/
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