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2022年6月 7日 (火)

重い室内機は危険

”室内機の上部が壁から離れてきた感じがする”との点検依頼をいただきました。
(東京都小平市へエリア外出張です)

当店をご指名いただき有り難うございます😊

その室内機がこちら
これから点検をおこなう室内機
ある量販店で購入、設置されたそうですが・・・

つい先日業者によるエアコンの洗浄もしたそうです。

まず気が付いたのがココ。
壁が歪んでいる
本体を下から見ています。

エアコンの仕様(シール)ではなく、壁が歪んでいるのわかりますかねぇ。

本体と壁が付いている部分と離れて隙間のあるところが確認できます。

なんらかの力が加わって変形してしまったものです。

この室内機の質量は
室内機の質量は16.5kg
16.5kgで重いほうの部類に入ります。

しかもかなり壁から出っ張っていて壁への負担は大きいでしょう。

そして右側面はというと
室内機の右側面上部は壁から離れている
おっと!上部がかなり壁から離れていますね😲

これは危険な感じがします。

できるだけ室内機に触れないように上部を見ると・・・
室内機背面は壁が変形しボードアンカーが抜けそうになっている
今にも落ちそうです😱

ボードアンカーの部分は盛り上がって抜けそう。

そして据付板を固定している左右両サイドは広範囲に壁が手前に浮き上がって変形しています。

天井の方まで変形が広がっています。
壁は天井あたりまで変形している
これはエアコン洗浄を行う前から長い時間をかけて変形したものと思われます。

本体下部分の壁の変形は上部から波及したものでしょう。

ボードアンカーの部分が盛り上がったのは洗浄作業によるものかもしれませんがその判断はできません。

使用されているボードアンカーはメーカーが推奨している金属製カサ式のようです。

なぜこのようなことが起きたのか・・・

まず工事の不備としては室内機中央付近にある柱にねじを固定していないこと。
(これはまずい)
もし固定してあればここまでひどくはならなかったでしょう。

しかしそこを固定していたとしても壁は多少の変形が起きていたと思われます。

それよりも一番の原因は現在メーカーが製造販売するエアコンが重くて奥行きの大きいことです。

日本の建築の壁に使用される石膏ボードはこれだけ重い室内機を支える強度はそもそもないんです。

それを考慮せず、やれ省エネだ。自動掃除機能だ。と優れているように宣伝し設計するメーカーにも問題があるのではないでしょうか。

壁の破損や室内機が落下しても施工不良にしてしまえばメーカーさんは痛くありませんからねぇ。

いまのエアコンはお客さんが機種を選ぶのではなく、エアコンが取り付けられる家を選ぶんですよ😞

私はお客さんに機種選定で質問されるとできるだけ軽い室内機を選定したほうがよいことを伝えます。

一度壁が変形してしまえば室内機を取り外しても元に戻ることはありません。

石膏ボードと壁紙は内装屋さんに依頼していただき張替えてもらうことになります。

こちらのエアコンはリビングのメイン機なのでこの時期に取り外しては困るということで修理のタイミングを検討することになりました。

落ちないようにつっかえ棒等で支えてしばらくは過ごされるそうです。

エアコンの選定は省エネ効率や機能ばかりに囚われずもっと広範囲に目を向けて検討する必要がありますね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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