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2022年6月

2022年6月28日 (火)

MADE IN JAPAN はどこへやら

あるお宅で新品のエアコン取り付け工事をしていると・・・
新品室内機の冷媒管接続部にキズがある
室内機の冷媒管接続部にキズがあります。

画像を拡大すると
キズの画像を拡大
変色しているだけのようにも見えますが爪で探ると明らかに線状の溝があります。

この部分は室外機につながる冷媒管(銅管)が接続されるのですが、その冷媒が漏れないように密着するところです。

ここにキズがあるとリークする可能性があります。

しかし確実に漏れるかどうかはある程度の期間(数か月から数年)使用してみなければわかりません。

そのことをお客さんへ伝えると「そのままで付けてください」とのことで作業は続行することになりました。

なにかあったときのためにこの状態をお客さんにも撮影保存していただきました。

このようなキズは日本メーカーが海外生産をするようになってから増えた感じがします。

工作技術も落ちているでしょうし、なにしろ部品工場で製作している人は自分が何を作っていてどのように機能するか理解していないと思われます。

そしてメーカーも下請け企業から来た部品を何も確認せずそのまま組み立てて出荷しているのではないでしょうか。

こうしたことは特定のメーカーや部品の話ではありません。

全体的に品質の低下を感じます。

この業界における”MADE IN JAPAN”は過去の栄光に過ぎません。

がっかりというか、やるせなさを感じます。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2022年6月24日 (金)

エアコン品薄、入替工事

およそ11年前、お引っ越しにより当店で移設し取り付けたエアコンを新品へ入れ替える工事に伺いました😊
(川崎市宮前区のマンションにて)

このたびも当店をご利用いただき有り難うございます😄

当時取り付けた時の壁の状況などは当然覚えていないため、まずは撤去工事を行い機種選定をする手順で行います。

こちらが撤去するエアコン
撤去するエアコン室内機
さすがに取り付けた時のことは覚えていませんね😅

この室内に使用している配管化粧カバーはパナソニック製。

現在当店で使用しているものとは異なります。

このパナソニック製のカバーは強度があり使用していたのですが、これを売っていた資材店が閉店してしまい使わなくなりました。
(現在は入手性のよい因幡電工製を使用)

室外側は
撤去を行うエアコン室外機とパイプ
テープ巻きの仕上げになっています。

紫外線による劣化はありますがまだ破れてはいません。

テープの巻き方やパイプの仕上げ方からまちがいなく当店の工事で当時からそのままです。

こちらのエアコン、取り替える理由は室内機のカビが多くなったことや音がうるさくなったためだそうです。

運転してみるとまだ問題なく冷房が効いています。

冷媒を室外機に回収するためポンプダウンを行います。
冷媒を室外機に回収するためポンプダウンを行う
電線の施工は現在と変わりませんね。

外装シースをむき過ぎて中身が見えているといったお粗末な施工は昔からしていません。

冷媒管を外します。
冷媒管のフレアに問題なし
フレア面はきれいでバリやカエリなどはありません。

撤去が終わりました。
室内の配管化粧カバーは再使用する
この室内の配管化粧カバーはまだまだ使えるので再使用します。

問題はこの壁
室内機の重みで壁が手前に変形している
室内機の重みで黄色の丸部分が手前に少し変形してきています。

中央の少し右に下地の木材が縦に入っているのでそこへは木ねじで固定してあったのですが両サイドは石膏ボードのみ。

室内機は12.5kgでそれほど重い機種ではありませんが長年の荷重には負けてしまったようです。

新しく取り付けるものはもっと軽い機種にした方がよさそうですね。

機種を検討してこの日の作業は終了。

後にお客さんからメールが届き、検討した機種は品薄で入手困難な状況だそうで別の軽めのものを発注されたとのこと。

今年はいろいろな原因でエアコンの生産が思うようにならないみたいですね。
困ったもんです🤔

そして取り付け工事に再訪問。
新しいエアコンの取り付け工事を開始
まず据付板を取り付け。

配管化粧カバーはそのまま利用するのでそこへ合わせて設置します。

ミリ単位で合わせますがミスは許されません😆

配管処理まで終わりました。
室内機設置と配管処理まで完了
一部配管化粧カバーが付いていませんが、ここは工事の最後のほうで取り付けます。

室外側のパイプを加工していきます。
室外側の配管加工をする
今回もテープ巻き仕上げです。

室外側の施工が完了
室外側の施工完了
真空引きには100V電動ツーステージ真空ポンプをいつも使用しています。

室外機裏のパイプは
ドレン勾配を確保するため斜めに配管
ドレン勾配を確保するため斜めに配管しました。
(ドレン排水管は水を流れやすくするため末端に向かい下っていく勾配が必要です)

これは撤去したエアコンでも同じ方法で施工してありました。

室外側の穴を埋める前に撮影した画像ですが
室外側から穴の中のドレン勾配を確認
配管穴内部のドレン勾配を確認します。

その後、内外共パテ埋めをしました。

最後にカバー内部も
配管化粧カバー内部もドレン勾配確認
ドレン勾配を確認してカバーします。

このようにエアコン工事は細かな部分もドレン勾配を気にする必要があります。

なぜこの部分を最後にするかというと外部の配管処理をする間に動くことがあるためです。

手間がかかりますね😆

取り付け工事が完了
取り付け工事が完了し試運転する
絶縁抵抗を測定後、試運転開始。

お客さん立ち合いのもとチェックを行い問題なく終了となりました😊

ちょっと残念なのはご希望の機種を購入できなかったことだと思います。

世の中グローバル化のおかげで何かと問題が起きますね。

人も社会も広くつながるということはそれだけリスクも多くなるということでしょうか。

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http://kato-aircon.com/

2022年6月22日 (水)

リモコンを受信しない原因は

川崎市宮前区にてエアコンがリモコンを受信しないという点検依頼をいただきました😊

当店をはじめてご利用のお客さんです。
ご依頼いただき有り難うございます。

事前には「リモコンに反応しないけれど本体の応急運転スイッチでは動く」とご報告いただいています。

こうなると本体側の受信部に問題がありそうです。

訪問してこちらがその室内機
リモコンを受信しなくなった室内機
左右下部分のカバーが付いていませんが・・・

お知り合いから譲っていただいたエアコンのようでなぜないのかは不明です。

ぱっと見でいろいろ施工に問題がありそうですが、今回の点検対象ではなのでスルーすることにします😅

リモコンの送信状態は
リモコンの赤外線送信を確認
問題ありません。

しかし本体へ向けて送信しても反応はありません。

室内機の応急運転スイッチを押すと運転ランプが点灯して動き出しました。

やはり受信側ですね。

本体の受光部は
室内機の赤外線受光部
ここにあります。

その右側には5つのLED表示ランプがあります。

ひとつの基板に受光部と表示部のついたもののようです。

内部を点検するために本体のカバー類を外しますが・・・
室内機のカバー類を外して点検する
ねじ類がばらばらに使用されていて長過ぎたり無くなっていたりと誰かが以前に開けたような形跡があります。

お客さんに尋ねると業者にエアコン洗浄をしてもらったとのこと。

当時は問題なく使用できていたがその後しばらくしてリモコンが反応しなくなったそうです。

もしかするとその時の薬品が基板を侵しているかもしれません。

受光部はここ
エアコン室内機のリモコン受光部
見た目では問題ありません。

マルチテスターで制御基板からの印加電圧と出力の変化をみるとこちらも問題ないように見えます。

しかしテスターでは詳しくまではわかりません。

反応が鈍くなっていることも大いに考えられるのでやはり受光部不良と判断し一旦室内機のカバーを戻しました。

カバーを戻して本体の応急運転スイッチを押すと・・・

あれ、うごかなくなった😱?

いや動いてる?

室内機は運転を開始しますが運転ランプが点かなくなりました🤔

再度カバーを開けて今度は基板のコネクタ類を点検します。
受光・表示部基板のコネクタを点検
青い部分が接続コネクタ。

洗浄時の薬品による腐食やピン折れなどがないかチェック。

こちらは問題なし。

次に制御基板側も見てみます。
制御基板側のコネクタを点検
あら?

これ・・・
制御基板に差さっているコネクタが傾いている
コネクタが傾いてますよ。

これか・・・

洗浄時に取り外したりしてちゃんと差し込まれていなかったと推測します。

まれに新品のエアコンでこのようなことも過去には遭遇しましたが滅多にありません。

一度コネクタを抜いて異常はないのできちんと差し込みました。

念のため他のコネクタも差し込み確認。
室内機制御基板のコネクタ差し込みを確認
他は問題ありませんでした。

これでリモコンを操作すると「ピピッ、ピッ、」と反応するようになり表示ランプも全部点灯を確認。

正常に使えるようになりました。

受光部部品を取り寄せなくてヨカッタ😅

危うく発注するところでした。

今回は点検と処置で完了となりました😊

不足や長すぎるねじは手持ちのものを使用し取り付けておきました。

エアコン洗浄をする業者さんは電気的、機械的なことには不慣れな方が多いので分解すると元通りに戻せないとか、壊してしまうことが多いですね。

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2022年6月20日 (月)

ガスが漏れてエアコン入替え

昨年こちらの記事でパテ埋め補修をしたエアコンなのですが・・・
(場所は横浜市都筑区)

その2か月後に今度は室内機から「チュルチュル」というような音がコンセントを抜いてもしているというお問い合わせをいただきました。

結果は室内機熱交換器からのガス漏れ。

音まで聞こえるのはめずらしい🤔

ある量販店で購入され10年保証に入っていたそうですが負担額が大きく断念されたとのこと。
(あるあるですね)

エアコンを買い替えることになり本格的な暑さの前に工事依頼をいただきました😊
(今回で2回目の訪問、ありがとうございます😄)

こちらがガス漏れを起こした室内機
ガス漏れを起こしたエアコン室内機
どこのメーカーと言わず室内機の熱交換器ガス漏れは多いですね。

200V機種で容量は大きめです。

パイプはテープ巻き仕上げになっているので今回も同じ方法で仕上げます。
パイプはテープ巻き仕上げになっている
テープの巻き方が上下逆になってました。

巻き方がわからない方はこちら(当店サイト)をどうぞ。

室外機
撤去する室外機
使用冷媒がR32のまだ新しめのエアコンでもったいない気がしますが仕方ありません。

昨年補修した穴埋めは
当方で昨年補修した穴埋めパテ
まったく動じることなく隙間がありません。

パテの上を薄くコーキングを塗っているので硬化したり隙間ができることはありません。

配管作業のため
配管作業のため梯子を掛けた
梯子を掛けました。

ここは2階なので
地面から2階へ二連梯子を使用
二連梯子を使用します。

撤去作業が終わって取り付け工事を始めます。
配管穴にスリーブを入れた
配管穴にはスリーブ(筒)が付いていなかったので入れました。

据付板を取り付けて
新しいエアコンの据付板を取り付ける
壁はエアコン用に合板を貼られていたのでねじだけで固定できました。

ここらへんからいつものように画像を撮り忘れて作業に集中🤣

工事完了、試運転中。
エアコンの設置が完了し試運転中
新たに設置したエアコンは100V機種のためコンセントの交換と分電盤で電圧の切り替えを行いました。

屋外のパイプと室外機の仕上がり
屋外側のパイプと室外機の仕上がり状況
テープはもちろん下から上へと巻き、穴のパテの上には薄くコーキングで仕上げました。

試運転結果もすべて正常で作業完了です😊

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http://kato-aircon.com/

2022年6月18日 (土)

エアコンを撤去し壁の状態確認

東京都稲城市にてエアコンの入れ替え工事の依頼をいただき、機種選定の前に壁の状況確認を行うため撤去工事に伺いました😊

当店をご指名いただき有り難うございます😄

室内機を取り付ける壁の強度が不足していれば重く奥行きのあるものは設置できません。

お客さんが本体を購入してから取り付けられないでは困るので先に撤去工事を行い状況を調べます。

いままで使われていたエアコンはこちら
故障し撤去するエアコン室内機
画像の明るさを補正したら変な色になってしまいました😅

おそらく量販店での購入設置で、すでに故障しており冷房は効かないそうです。

こちらの室内機の重さは16.5kgで奥行きも大きく壁の負担は大。

それが付いてるのであれば新しく設置するものも同じような重さであれば大丈夫だと思うでしょう?

しかしそれは撤去してみるまでわかりません。

室外機はこのように設置されています。
故障している室外機
お客さんの話では室外機から異音がするとのことです。

冷房運転をしてみるとたしかに室外機の中のコンプレッサー(圧縮機)から異音が。

まったく圧縮もしていないようです。

配管化粧カバーは再利用するのですが
配管化粧カバーが壁から浮いている
壁から浮いて外れてますね。

ねじが抜けてますけど・・・
配管化粧カバーを固定しているねじが抜けている
上から下までほどんど抜けてます😆

ねじを回してみると穴が大きくてズルズルでとまりません。

お客さんご自身で直されるそうなので対処方法をお伝えしました。

室内機と室外機を接続する電線は太さ直径2.0mmが指定です。
室内機と室外機を結ぶ電線は直径2.0mmが指定されている
でもなんだか細いような・・・

やっぱり😆
室内機と室外機を結ぶ電線にメーカー指定より細い1.6mmを使用している
下請け金額が安いからなんでしょうけれどこれはダメ。

あ、そうそうエアコンは購入するとメーカーからは室内機と室外機しか送られてこないのでパイプ、電線、ドレンホース、室外機の置台、その他細かなパーツは施工する人が調達するんですよ。

だから指定外の安い材料を使ってしまうわけです。

室外機からパイプを外すと
冷媒管の内面が黒い
冷媒管の内面が真っ黒。

バルブ側
バルブの内面が黒い
こちらも。

アップ
バルブの内面が真っ黒
真っ黒です。

これはコンプレッサーの故障によるものです。

もうこのエアコンは修理して再使用するレベルではありません。

配管化粧カバーを外してパイプを取り出すと
配管化粧カバーの中に逆止弁が隠れていた
ポコポコ音防止の逆止弁が隠れていました。

これ定期的な掃除が必要な部品なのでお客さん(ユーザー)のわからないところに設置してはだめなんですよ。

そのうち詰まって室内から大量の水漏れを起こします。

ドレン工事の施工不良(逆勾配)を誤魔化すために逆止弁の設置を勧めて取り付けまくっている業者さんがいますがどうかと思いますよ。

さていろいろありましたが取り外しが終わって壁の状況を確認です。

調べると室内機を設置するところの壁は石膏ボードの裏を金属板で補強されていることがわかりました。

しかーし!
室内機が設置されていた壁が手前に変形
(画像ではよくわからないのですが・・・)

壁が手前に少し変形しています。

やっぱり16.5kgは重すぎました。

今後も同程度の重さのものを設置するとますます変形してしまうでしょう。

ということで薄くて軽めの室内機を選定していただくことになりました。

壁が補強されているとはいえ安心はできません。

こういうことがエアコンメーカーではよくわかっていないようで省エネのためなら20kg越えなんて機種もありますからね。

家を守るのはお客さん自身です。

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2022年6月16日 (木)

将来を見据えて取り付ける

横浜市保土ヶ谷区にある一戸建ての1階にエアコン取り付け工事の依頼をいただきました😄

他の業者さんにて2階リビングへ取り付けを行い配管穴を開けた際に柱を切り込んでしまったとのことで今回は当店をご指名いただきました。
(ありがとうございます😊)

さっそく取り付け工事を行います。
柱の位置を確認しながら室内機設置位置を決定する
柱の位置を確認しながら室内機の設置位置を決めます。

右上に見える黒いものは磁石で柱の位置を探るのに使用します。

磁石で柱の位置がわかる???

室内の壁(石膏ボード)を固定している鉄のねじに吸着するのでわかるんですよ。

建物の図面を見させていただくと木造で壁構造になっておりツーバイフォーと同じような造りです。

柱というかこの場合はスタッドですね。

だからといって切っていいわけがありません。

据付板の取り付けと配管穴開け
柱の脇に配管穴を開けた
配管穴の位置はスタッドのすぐ左に開けました。

取り付ける室内機は通常のものより幅が少し小さくここまでスタッドぎりぎりに穴を開けなくても設置できます。

しかし将来エアコンを交換する際に一般的な幅の室内機を設置することを考慮しお客さんにご説明しこのようにしました。

室内機の高さも天井ぎりぎりいっぱいに付けるのではなく余裕をもっています。

よく上いっぱいに取り付けてしまう業者さんがいますが入れ替えの際に穴の高さが合わなくなってしまうことがあるのでだめですね。

吸気効率の低下や掃除がしづらいなどの問題も発生します。

開けた配管穴にはスリーブを挿入。
開けた配管穴にスリーブを挿入
これで室内、壁内、室外の空気の出入りを遮断。

虫の侵入のほかネズミなどによるかじりの被害も防止します。

その他にはドレン勾配の確保、ホース類のツブレ防止にもなります。

室内機取り付け
室内機の取り付け
左に出ている白い細い線はアース線です。

この機種は
室内機下部を据付板とねじ固定
室内機下部と据付板をねじ固定します。

フタを取り付けて
室内機下部をねじ固定しフタを取り付ける
以前は前面グリルを外して行っていましたが改良されて作業が容易になりました😄

屋外の工事も終わって試運転中。
エアコン設置後の試運転中
コンセントからコードが下がっていますが近くに設置されている冷蔵庫のアース線です。

よく見えませんがエアコンのアース線もつないであります。

外壁は配管化粧カバーで施工
外壁は配管化粧カバーで施工
使用しているのは因幡電工製のSDシリーズ。

当店では昔からあるSDシリーズを使用します。

同メーカー廉価版のLDシリーズは基本的に使用しません。

室外機は安定のブロック置き
室外機の台は安定性の高いブロックを使用
地面への沈み込みや傾きが起きにくいので安定しています。

周囲の他の業者さんで設置したものは簡易型のプラベースを使用してますね。

これはどうしても沈んだり傾いたりします。

手前と奥の室外機は簡易型プラベースで置かれています。
簡易型プラベースで置かれた室外機は傾いている
今回取り付けたのは真ん中の室外機で前後左右のレベル(水平)を測って設置しています。

手前と奥は大きく傾いているのがわかりますね。

温度測定、排水試験、その他をお客さんと確認して試運転は問題なく作業完了となりました😄

工事の仕上がりもご納得いただけたようでなによりです😊

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2022年6月 9日 (木)

温風は出るけど冷風出ない

冷房が効かないとの点検依頼をいただきました😊
(場所は東京都品川区、ありがとうございます😄)

お問い合わせをいただいた際、状況を聞いたところ、
・冷房にしてもただの風で冷たくない。
・暖房にすると暖かい風が出る。
・今年暖房は正常に使えていた。
・室外機のバルブの部分が細い管のほうだけ濡れている。(凍ってはいない)
・購入から6年程度経過している。

とこのような説明をいただきました。

この内容から推測するに室内機の熱交換器に穴が開いてガス漏れした可能性大ですね。

エアコンを買い替えることになるかもしれないことを伝えると、そのようなことになっても背中を押してもらえれば・・・と点検に伺うことになりました。

まずは室外機から
点検する日立のエアコン室外機
日立のエアコン。

なにこれ?
室外機のカバーに余計なねじが2本打たれている
カバーに余計なねじが2本打たれてますね。

タッピングねじと木工用のコースレッドでしょうか?

お客さんに尋ねると量販店で新品を購入し工事したときからこうなっていたとのこと。

余計なねじを打つと内部の配線や配管にあたる可能性があります。

カバーをあけると
室外機のカバーを開けた
2ヶ所穴が開いてます。

何のためにこのようにしたのかは不明です。

電線の施工も不完全🤔

冷房運転をしてバルブの様子を見たところお客さんの説明通り細い方の管だけ濡れていて太い方は乾いています。

この症状からガス漏れだとするとほとんど冷媒は残っていません。

ある程度残っていれば細い管は凍りますが、減り過ぎて凍りもしない状況です。

ガス圧を測ってみます。
圧力計で冷媒の圧力を測る
圧力計(ゲージマニホールド)を接続して。

停止時圧力は1MPa程度で気温からしてガス不足は間違いないです。

冷房運転で低圧圧力を見ます。
冷房運転で低圧圧力を見る
最大で0.65MPa程度。

内部の調整弁には異常はありません。

やはりガス漏れですね。

「じゃあ、なぜ暖房の温風はでるの?」
と疑問が湧きますが・・・
この説明は難しく長くなるのですみませんが省かせていただきます。

購入から6年とのことで冷媒管接続部(工事にかかわる部分)による漏れの可能性は低いと思います。

運転を停止し室内機のガス漏れを点検しました。

以前こちらでとり上げた半導体式のリークディテクタを使用しました。
赤外線式と半導体式のリークディテクタ
右側のものです。

結果はやはり室内機の熱交換器で冷媒の漏れ反応。

しかしこの少ない冷媒残量で一発で検知できるとは半導体式ディテクタもたいしたものです。

毎年センサー交換する必要はありますが赤外線式より返って高感度を持続できるかもしれません。

おっと少し話が逸れましたがこれでエアコン買い替えが決定。

冷媒サイクルのメーカー保証期間は5年で終了しており修理すると高額のため。

室内機の熱交換器は冷媒サイクルの中で一番弱い部品です。

特に現在使用されているR32(もしくはR410A)という冷媒は圧力が高いためどうしても肉薄の部品に穴や亀裂が入ってしまうんです。

早いと1~2年で穴が開くケースもありますからね。

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2022年6月 7日 (火)

重い室内機は危険

”室内機の上部が壁から離れてきた感じがする”との点検依頼をいただきました。
(東京都小平市へエリア外出張です)

当店をご指名いただき有り難うございます😊

その室内機がこちら
これから点検をおこなう室内機
ある量販店で購入、設置されたそうですが・・・

つい先日業者によるエアコンの洗浄もしたそうです。

まず気が付いたのがココ。
壁が歪んでいる
本体を下から見ています。

エアコンの仕様(シール)ではなく、壁が歪んでいるのわかりますかねぇ。

本体と壁が付いている部分と離れて隙間のあるところが確認できます。

なんらかの力が加わって変形してしまったものです。

この室内機の質量は
室内機の質量は16.5kg
16.5kgで重いほうの部類に入ります。

しかもかなり壁から出っ張っていて壁への負担は大きいでしょう。

そして右側面はというと
室内機の右側面上部は壁から離れている
おっと!上部がかなり壁から離れていますね😲

これは危険な感じがします。

できるだけ室内機に触れないように上部を見ると・・・
室内機背面は壁が変形しボードアンカーが抜けそうになっている
今にも落ちそうです😱

ボードアンカーの部分は盛り上がって抜けそう。

そして据付板を固定している左右両サイドは広範囲に壁が手前に浮き上がって変形しています。

天井の方まで変形が広がっています。
壁は天井あたりまで変形している
これはエアコン洗浄を行う前から長い時間をかけて変形したものと思われます。

本体下部分の壁の変形は上部から波及したものでしょう。

ボードアンカーの部分が盛り上がったのは洗浄作業によるものかもしれませんがその判断はできません。

使用されているボードアンカーはメーカーが推奨している金属製カサ式のようです。

なぜこのようなことが起きたのか・・・

まず工事の不備としては室内機中央付近にある柱にねじを固定していないこと。
(これはまずい)
もし固定してあればここまでひどくはならなかったでしょう。

しかしそこを固定していたとしても壁は多少の変形が起きていたと思われます。

それよりも一番の原因は現在メーカーが製造販売するエアコンが重くて奥行きの大きいことです。

日本の建築の壁に使用される石膏ボードはこれだけ重い室内機を支える強度はそもそもないんです。

それを考慮せず、やれ省エネだ。自動掃除機能だ。と優れているように宣伝し設計するメーカーにも問題があるのではないでしょうか。

壁の破損や室内機が落下しても施工不良にしてしまえばメーカーさんは痛くありませんからねぇ。

いまのエアコンはお客さんが機種を選ぶのではなく、エアコンが取り付けられる家を選ぶんですよ😞

私はお客さんに機種選定で質問されるとできるだけ軽い室内機を選定したほうがよいことを伝えます。

一度壁が変形してしまえば室内機を取り外しても元に戻ることはありません。

石膏ボードと壁紙は内装屋さんに依頼していただき張替えてもらうことになります。

こちらのエアコンはリビングのメイン機なのでこの時期に取り外しては困るということで修理のタイミングを検討することになりました。

落ちないようにつっかえ棒等で支えてしばらくは過ごされるそうです。

エアコンの選定は省エネ効率や機能ばかりに囚われずもっと広範囲に目を向けて検討する必要がありますね。

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2022年6月 5日 (日)

筋交いあって左後ろ配管

川崎市高津区にてエアコンの新設をとの依頼をいただき工事に伺いました。
いつも当店をご利用いただき有り難うございます😄

取り付けるのは一戸建(木造軸組み工法)2階の部屋で建物の端です。
一戸建て2階の部屋へエアコンを取り付ける
これを見て筋交いに干渉することを読み取れるとかなりのベテランさんです。

筋交いがシングルで入っている場合はこの場所だと右後ろ配管はムリっぽいですね。

お客さんが建築時の画像を保管されていたので見せてもらったところ
壁の中に筋交いがあるので左後ろ配管にした
やはり筋交いがあたるので左後ろに配管穴を開けることになりました😅
(エアコンは基本、右後ろに穴を開ける設計になっています)

外から見ると
外から開けた配管穴を見る
窓の左上にあるのが開けた配管穴です。

サッシの周囲に飾りの枠があるのでそこにあたらないように事前に確認してから開けました。

穴にスリーブ(筒)を取り付けます。
開けた配管穴にスリーブ(筒)を取り付ける
スリーブは壁の中との空気の出入りや虫の侵入を防いだり、配管保護、ドレン勾配確保の意味があります。

そして今回お客さんが購入されたエアコンは日立。
日立のエアコンに付属してくる補強用の断熱材
このメーカーには補強用の断熱材が付属しています。

ビニール袋の中には据付工事説明書も入っています。

この断熱材と工事説明書を持ち帰ってしまう工事屋さんがほんと多いですね。

部品を余らすとお客さんに指摘を受けたりするので工事説明書と一緒に処分して手抜きを誤魔化すためです。

補強の断熱材は室内機本体から出ている冷媒管(補助配管)の断熱材の上に巻きます。
付属の補強用断熱材を巻く
他のメーカーだと補強断熱材ではなく防湿テープを巻くようになっています。

さらに上からテーピング
補強断熱材の上にさらにテーピング
左後ろや左出しの場合、本体裏に冷媒管を通すので補強断熱材の方が防湿テープよりも優れていると思います。

余談ですが他のメーカー(一流)の中には補助配管の断熱材がペラペラに薄くて細いものを使用しているところがあり、しかも防湿テープしか付属しておらず心配になるところがあります。

そこのところ日立さんは補助配管の断熱材も厚みと太さに余裕があり、その上補強断熱材を巻くので安心感が違います。

ただし他の点においては劣るところもあり決してこのメーカーを推しているわけではありませんのでお間違いのないように。

外から差し込んだ冷媒管と接続して断熱。
外から差し込んだ冷媒管と本体裏で接続し断熱
またこの上にテーピングをします。

左後ろ配管の場合、部屋の外と中を行ったり来たり。
2階なので梯子と階段を登ったり下りたり体力を使います😅

室内機の取り付け完了
室内機(左後ろ配管)の取り付けが完了
アース線もこの時点でコンセント部分の端子へ接続します。

今回は外壁に配管化粧カバーを設置し
配管化粧カバーを設置し配管
配管しました。

2階の窓から垂れているコードは真空ポンプを回すために使用した延長コードです。

お客さんのご希望でボルト固定タイプの置台を事前に用意し取り付け。
お客さんのご希望で室外機の置台にボルト固定タイプを使用
通常のものより高価です。

フェンスと壁の間は狭いのですがこちらを新築時に室外機を設置できるようコンクリート基礎がブロック塀の高さまで打たれていたので問題なくセットできました。

この基礎もお客さん自ら申し出て設置してもらったそうです。
ふつうはそこまで気が付きませんね。

たまにエアコンの設置を考えられていない建物がありますがこのように施主がしっかりと現場管理できれば問題を回避できるのだと思います。

試運転チェックを立ち会いいただき完了となりました😄

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2022年6月 3日 (金)

化粧カバー付け直し、エアコン入替え

古くなったエアコンを新品へ入れ替える工事です。
ご依頼いただきありがとうございます😊
(東京都世田谷区)

先日こちらにアップした記事のお宅です。

じつは電源コード以外にもいろいろありまして・・・

設置されていたのはこのエアコン
古くなり撤去するエアコン室内機
室内はテープ巻き仕上げで配管されていました。

そしてこれ
室内機の左側面が1cmほど壁から離れている
室内機の左側面が1cmほど壁から離れています。

お客さんも気にされていましたが先日の記事でも触れているように固定方法に問題があったためです。

室内側でこのパテ埋め😆
穴のパテ埋めがザツ
素人さんでもここまでひどくはないと思いますけど。

外側は化粧カバーで配管されていました。
外部は配管化粧カバーが付けられていた

でもなんだか違和感が・・・
化粧カバーの取り付け方が変
穴の出口カバーは壁から浮いているし、45度の曲がり部品が傾いています。

下を見ると端末に部品がありません。
配管化粧カバーの端末に部品が付いていない
これだとカバーがズレたり外れたりします。

カバーを撤去すると・・・
配管化粧カバーを撤去すると・・・
45度に付けるべきものがこのようにずれてました。

それに加え穴のツバに出口カバーが干渉して壁から浮いていました。

今回、化粧カバーは撤去して新しいものに交換します。

日が変わりまして新しいエアコンを取り付けます。

お客さんのご希望で室内にも配管化粧カバーを取り付けます。
室内に配管化粧カバーを取り付ける
カバーの下地部品をねじやボードアンカーで固定。

据付板を設置
室内機の据付板を取り付ける

室内機用のボードアンカーには
室内機用には金属製カサ式ボードアンカーを使用
金属製カサ式ボードアンカーを使用。

加えて壁の下地木材には長めのねじで固定。

室外側の配管化粧カバーも取り付け
室外側配管化粧カバーを取り付け
出口カバーを45度で取り付けるので以前とはねじ穴の位置が変わるためドリルで開け直しました。

端末にもズレ防止と外れ止めに部品を取り付けました。
配管化粧カバーのズレ防止と外れ止めに部品を付けた

室内機の取り付けと配管
室内機を取り付けて配管
穴のパテ埋めは工事の最後に行います。

外に出た冷媒管、ドレン管、電線
穴から出た冷媒管、ドレン管、電線
室内から外に出るまでのドレン管には断熱ドレンホースを使用して結露防止をしています。

室外機まで設置完了。
室外の配管、室外機の設置が完了
カバーの45度もしっかり出ています。

出口カバーはツバまで覆う形のものを使用し壁にぴったり付けました。

カバーの頂部にねじが固定できるように
カバーの頂部にねじが固定できるように調整して取り付けた
タイルの目地にねじ穴がくるように事前に調整して取り付けてます。

室内の穴埋めと出口カバーの設置が終わって試運転。
工事が終わって試運転中
問題なく完了しました😄

取り付けたエアコンはダイキンのリソラです。

撤去時の調査で壁の強度上、重くて奥行きのある機種は設置できないことが判明していたのでこちらをお勧めしました。

リソラは薄くて軽いので壁への負担も軽く済みます。

デザインもすっきりしていますね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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