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2022年5月 8日 (日)

”クリコン”を撤去

今回は東京都世田谷区にてクリコン撤去の依頼をいただきました😄
(当店初めてご利用のお客さんです。ありがとうございます😊)

”クリコン・・・” コンクリートの業界用語ではありませんよ😅

クリーンヒーターエアコンの略称です。

こちらがその室内機
クリーンヒーターエアコンの室内機
床置き形で冷房は普通のエアコンと同じ室外機が接続されています。

そして暖房はガスや灯油を燃やすファンヒーターになっています。

これは都市ガス用のタイプです。

なぜクリーンヒーターなのかというと燃料と共に燃やす空気は外気から取り入れ、排気も屋外へ出すようになっているから。

室内の空気は汚れません。

ずいぶん久しぶりにクリコンを目にしました😅

さわるのも30年ぶりくらいでしょうか。

お客さんは当初、電気屋さんに依頼したところ「ガス屋さんへ・・・」と断られ、ガス屋さんへ依頼すると「電気屋さんへ・・・」と、たらい回しにされたそうです。

ネットで検索して当店のブログのどこかにそのクリコンの名が出ていたらしく(覚えてない😆)ご連絡をいただいたとのこと。

給排気管と冷媒管
クリーンヒーターエアコンの給排気管と冷媒管
このように暖房用と冷房用との2つの穴で屋外へ配管されてます。

室内機から出た2本の給排気管は壁部分で二重管になり1本で配管穴を貫通してます。

クリコン末期(30年位前?)の頃は1つの穴で給排気管と冷媒管を通すタイプもありました。

昔、工事に携わった方は覚えていると思いますが給排気管には機種により配管径の異なるAタイプ、Bタイプと呼ばれるものがあったと記憶しています。

給排気トップと室外機
クリーンヒーターエアコンの給排気トップと室外機
この給排気トップは見たことある方も多いのではないでしょうか。

室外機は冷房専用のものが接続されています。

この頃の電気エアコン(ヒートポンプ)の暖房は使い物にならずほとんど効きませんでした。

そこでこのクリコンが活躍していたわけです。

室外機には霧ヶ峰のマーク
室外機のマークは霧ヶ峰
三菱電機製です。

室外機に冷媒管の接続口がないので”あるもの”を探します。

現在主流のフレア接続ではありません。

このボロボロになったところかな?
冷媒管の周囲がボロボロになっている
長年直射日光と風雨にさらされ崩れています。

ナイフで裂いて・・・

あった。
冷媒管の接続部分が見つかった
これが冷媒管の接続部分です。

断熱材をはがして
三菱電機のセルフシールカップリング
三菱電機のセルフシールカップリング接続です。

これをワンショット接続と呼ぶ人がいますが別のものです。

ポンプダウン(室外機へのガス回収)は必要ありません。
セルフシールカップリング接続を外す
スパナで外すだけです。

セルフシールなので冷媒は漏れてきません。

まちがえてワンショット接続を外すとえらいこと😱になるので見分けのつかない方は要注意。

外したカップリングは
オスねじ側
セルフシールカップリングのオスねじ側

メスねじ側
セルフシールカップリングのメスねじ側
こんなかんじ。

このタイプは過去にヒートポンプ冷暖房(普通の電気エアコン)でも採用されていました。

取り付けるときもスパナで接続するだけ。

エアパージ(真空引き等)もいらないので施工は簡単。

難点としては冷媒管を任意の長さに切断できない。(長いと室外機の裏でグルグル巻き)
そして長尺にする場合はオプションの冷媒管セットを別途購入(高価)する必要があるという点。

やっぱりフレア接続へと変わり次第に消えていきました。

つづいて給排気トップを外します。
給排気トップを外す
六角部分でロックされているので緩めて外します。

あとは引き抜くだけ
給排気トップと冷媒管を壁から引き抜く

撤去完了
クリーンヒーターエアコンの撤去が完了

穴にはお客さんのご希望でフタを取り付けました。
配管穴にフタを取り付けた

屋外側
穴2つにフタを取り付け周囲をコーキング
周囲をコーキングして雨水などが入らないようにしました。

室内機の銘板
室内機の銘板
なんと1984年製のようです。

製造から約38年ですね。

私が空調業界に入って36年なので2年も先輩か😆

室外機銘板(てか、なにこの銘板の耐久性😲文字がくっきり)
室外機の銘板
型式VGU-22NRからすると冷房能力は22型です。

しかし現在の2.2kWとは異なります。

この時代は単位がkcal/hなので2240kcal/hを表しています。

現代ではひとクラス上の2.6kW程度の能力となっています。

ただしインバーター機ではないため50Hz地域では低めの能力2.3kW程度になります。
(この時にはまだインバーター機が存在していないか出はじめの頃です)

いろいろと思い出させてくれる撤去工事でした。

さすがにもう現存するものはほとんどないと思われます。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

 

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