バルブのキャップ
エアコンの室外機には冷媒を止めたり流したりできるバルブ(弁)が付いています。
(参考画像)
新品の室外機には冷媒が予め規定量封入されています。
そのため設置工事では室内機を冷媒管で室外機に接続して真空引きをし、このバルブを開くだけでヒートポンプサイクル管内が冷媒で満たされます。
もし真空引きをせず大気が入ったままバルブを開けてエアコンを使用すると圧力が異常上昇したり空気中の水分が氷結して管路を詰まらせ能力低下の原因になるんですよ。
それはさておき先日新築のお宅でエアコンを設置していると、
「別の業者に2台の工事をしてもらったところバルブのキャップを手で締めただけだったが大丈夫か?」というような質問をいただきました。
バルブはキャップを外すとこのようになっています。
(参考画像)
六角レンチを使用して回転させることによりバルブを開閉できるようになっています。
回転するということはそこに隙間があるので内部はシールパッキンで冷媒が漏れないような構造になっています。
しかし・・・
冷媒は圧力変化が大きく冷房時は0.3MPa(3kg/c㎡)くらいまで下がることがあり、暖房時は逆に4MPa(40kg/c㎡)近くまで上昇することがあります。
この圧力変化や圧力そのものでどうしても少しずつ冷媒が漏れたり、時にはパッキンがズレて漏れが多くなることもあります。
その時にキャップがあれば漏れ量は最小限にできます。
キャップ内の圧力も高くなるので一層漏れにくくなるわけです。
なので単なるホコリよけとか腐食防止ではありません。
取り外し工事でバルブキャップをレンチで緩めると必ず”プシュッ!”と圧力の抜ける音がします。
キャップ内に冷媒が漏れてきている証拠です。
手締めではダメなことは明らか。
お客さんへはレンチで締めなければならない旨伝えました。
「できれば点検してほしい」とのことで帰り際に見てみると、
ほんとうに2台とも手締めでしたよ😆
真空を引いたり冷媒を入れたりするサービスポートのキャップも手締め。
こりゃ単に忘れたのではなく知らないんでしょうね。
(こわいこわい)
お客さん立ち合いでサービスポートも含め計6つのキャップをレンチで締めました。
これでひと安心😊
設置工事をしたのはまだ若い人だったようなので教えた人が同じことをしていたんでしょう。
手抜きの伝統が脈々と受け継がれています😆
http://kato-aircon.com/
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