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2022年3月 3日 (木)

室外機の音が室内に響く

東京都目黒区にて地面に置かれた室外機の音が室内に響くとのことで現地調査および改修工事に伺いました。

当店をご利用いただきありがとうございます😄

まずは現地調査に伺うと
地面に設置された室外機
このようにお隣との境付近に室外機が設置されています。

購入と施工はつい最近で某量販店だそうです。

室外機の型式から量販店がわかるので銘板部分はわからないようにしています😅

量販店仕様のエアコンはそのお店のイニシャルなどが型式に入っていたりしますので。

そして室外機につながったパイプが
室外機から出たパイプが壁にあたっている
壁にあたっています。

お客さんはこのパイプを伝わって壁を振動させて音が響いてくるのでは?とすでに原因をある程度特定されていました。

確かにこれが一番あやしいですね。

量販店等ではやはり数をこなすこと、その場で終わらすことが一番なので現場に応じた施工は難しいのだと思います。

また作業車をみるとあらゆる状況に対応する工具や材料が載っていません。
(きれいなもんです)

さて、室外機と壁に挟まれてパイプの加工はほぼ不可能なので室外機を壁から離すしかなさそうですね🤔

しかし・・・
室外機が壁とブロックの間にぎりぎり入っている
室外機は境界のブロックとの間に挟まっています。

台になっているベースも前後を切り取ってぎりぎり収まっています。

しかも
室外機の前面吹き出しグリルがブロックにあたっている
前面の吹き出しグリルがブロックにあたっています。

これでは壁側へ室外機を押さえる形になっているので余計に音が響くのかもしれません。

問題なのはこちらのエアコン、冷房能力が7.1kWと大きいため室外機に接続されているパイプ(冷媒管)のガス管側(太い方)がΦ12.7mmと太いんです。

そのため冷媒管(銅管)が硬く簡単に曲げ加工できません。

しかも一度加工された銅管は余計に硬化して再加工時に折れたり、場合によっては既に折れ潰れていることも考えられます。

改修工事が可能か、またどのように施工するか検討します。
基礎とブロックの間の寸法を計測
基礎とブロックの間を計測。

ブロックの高さを計測
お隣との境にあるブロックの高さを計測
幸いにもこのブロックの外側がお隣との境界とのことで室外機を少し壁から離すことができます。

寸法的にも地面にブロックを積めばいけそうです。

しかしよく収めたもんだ。
ブロックと室外機が完全にあたっている
このままでは今後室外機のベースが地面に沈み始めると余計に壁側へパイプを押し付けるようになります。

見積もりを出して後日改修工事を行うことになりました。

― 施工開始 ―

まずは絶縁抵抗測定とガス漏れがないか温度測定を行いました。

う~ん・・・なんか立ち上がりがよくありませんがなにせ量販店仕様なのでよくわかりません。

しばらく運転を続けてなんとか温度も出て施工を始めます(ちょっと気になりますが🤔こんなものなのかもしれません)。

ポンプダウン(室外機へガス回収)を行うため室外機のカバーを外します。
カバーから電線の心線がはみ出ている
あら恥ずかしい(*ノωノ)いつものように電線の心線がカバーからはみ出ています😆

量販店ではこれが普通です。

金属カバーを外して
電線のムキが長い
これだけ長くむいていればそりゃはみ出ちゃいますね。

端子台に力が加わらないように金属カバーの下部が電線の外皮(シース)を押さえるようになっているのですが・・・

可能であればここは直します。

バルブのキャップが固いなと思ったら
バルブキャップのねじ山が潰れている
ねじ山が潰れていました。

多分、ブレアナットを締め付ける際にここにおさえのレンチをかけてますね。

ここにレンチを掛けるとねじ山だけでなく場合によってはバルブを変形させてガスが漏れることがあります。

室外機取外し完了。
室外機の取り外しが完了
パイプを触ってみてこの部分の銅管はそのまま使用できそうです。

室外機との接続に使用されていたフレアナットは再使用のため
フレアナットは再使用する
銅管を切って取り外します。

先ほど触れたように銅管が太くすでに硬化しているため手で曲げると確実にパイプが折れます。

そこで使用するのが
銅管用パイプベンダー
銅管用のパイプベンダー

これを使用すれば硬くなった銅管も簡単に曲げることができます。

寸法をきっちり測って曲げます。
パイプベンダーで冷媒管を曲げる
使い慣れないと曲げた時の寸法が合いません。

手曲げとは異なりベンダーを使用して曲げた銅管はもう元には戻らないので一発勝負。

もし失敗するとその部分は切って新しい銅管を溶接接続などして直すことになります。

まあこの日は銅管が使えないことも想定して溶接工具も一式持ってきてますけど😅

もうすでに室外機を置くためのブロックを敷いてあります。

フレア加工まで終わって
フレア加工が終わった
今回室外機の移動はスペース的に一人では困難だったのでお客さんに手をお借りしました(ありがとうございます😄)。

室外機をセットし接続完了。
室外機の設置と接続完了
ブロックでかさ上げして少し前へ出すことで背面の吸気効率も向上しました。

パイプは接触なし。
壁へのパイプの接触は改善された
一番の改修目的もクリア。

1cmほどブロックから足がはみ出てますが・・・
1cmほど室外機の足がはみ出ているが安定性には問題なし
安定性には問題ありませんでした。

本当は境界のブロックと敷いたブロックの高さを合わせようと思ったんですが境界ブロックに敷かれたモルタルで無理でした。

その分背面側には
ブロックに室外機を固定
ブロックにねじでしっかり固定。

揺すっても動きません。

銅管は20cmほど短くなりました。
切り取った銅管
これで電線の長さに余裕ができます。

ということで今度は
電線のシース(外皮)部分で押さえができる
電線のシース(外皮)で押さえができました。

再度、絶縁抵抗測定、温度測定をして作業完了。

後日メールをいただき音は半分程度に緩和されたとのこと。

近頃、音のうるさい室外機(コンプレッサー)が増えてきたので困ったもんです。

特に暖房のフル回転時ではブーン・・・と大きな音がします。

中には低回転でも常時うるさい室外機があるのでそれを買ってしまうと最悪です。

Katoairconservice_mark160
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