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2021年12月 5日 (日)

リモコンに反応しない(フリービルトイン)

リモコンを送信してもエアコンが反応しないという点検依頼をいただきました。

当店を始めてご利用いただくお客さんのお宅です(ありがとうございます😄)

神奈川県逗子市へエリア外出張をしました。

エアコンはフリービルトイン形
フリービルトイン形エアコン
室内機は天井の中にあります。

このエアコンは本体を壁や天井の中に設置できるため見た目重視の建築設計士に好まれてます。

オプションパーツでいろいろな設置方法ができるためフリービルトインという名称になっています。

しかし本体が故障して入れ替えるとなるとそのコストが😱

普通の壁掛け形エアコンの比ではありません。

致命的な故障でなければなんとか直して使い続けたいところです。

他の業者さんに診てもらったらしいのですが製造から27年経過しており部品の供給もないそうです。

そこで当店へなんとかならないかとの依頼が入りました。

本体があるのは吸い込み口側
フリービルトインの吸い込み口(本体側)
このパネルの中にリモコン受信部もあります。

パネルを開けてはめ込まれた受信部を引き出します。
エアコンのリモコン受信部
この中に赤外線受光部がありそれが故障していると思われます。

おっと、その前にリモコンが送信しているか確認
リモコンの赤外線送信確認
電池が新品のようで強力に発光しています。
(ちなみにこれを目で見ても見えません)

やはり受光部側の不良ですね。

受信部の基板を外して受光モジュールの半田を吸い取り外します。
リモコン受信部の基板から受光モジュールを外した

受光モジュールがでかい😅
受光モジュールが大きい
隙間から中を覗くと電界コンデンサが2個くらい見えます。

こちらで用意した汎用品の受光モジュール
新品で用意した赤外線受光モジュール
5mm角くらいの小さなもの。

それを基板に半田付けして(モジュールは裏側面)
こちらで用意した新しい受光モジュールを基板に取り付け
リモコンを受信するか確かめます。

しかしこの基板、アンプ回路が付いているようですね。
チップトランジスタが2個ほど付いてます。

なんかイヤな予感がしますが・・・

本体側と接続してリモコンをプッシュ!

”・・・・・”(無反応)

やっぱりだめか(-_-);

基板に付いたアンプ回路が気になります。

この回路についてメーカー技術部に聞いてもわかる人はいないと思います。
(設計した人もすでにいないでしょう)

ここで念のためメーカーへ部品の在庫がないか調べてもらいます。

しかしもう部品リストにも無いようで入手は困難(やっぱり)

いろいろ考えて・・・

最終手段、基板の回路を通さず直接コネクタラインに新しい受光モジュールを仮接続します。

リモコンプッシュ!

ピッ、ピピッ!
リモコンに反応するようになった
なんと!

諦めかけていたところで元気復活😆

コネクタのラインに直接受光モジュールを半田付けします。
余計な回路を通さず受光モジュールを取り付け

このようになりました。
基板に取り付けた受光モジュール
以前のモジュールよりかなり小さいのでスペースには余裕があります。

配線が1本クロスになったのは極性を合わせるため。

基板にうっすらとボールペンの文字が見えるのは間違えないようにするためです。

余計な回路は基板のパターンを削って切断しました。

コネクタに仮付けして受信確認。
リモコンの受信を確認
大丈夫ですね。

念のため電圧測定と熱などが発生していないか調べましたが問題なし。

こちらで用意した受光モジュールの資料を見ると中にアンプも内蔵されています。

基板上の回路は不要でした。

27年前では基板も合わせたあの大きさが必要だったということかもしれません。

受信部のケースに収めて
受光基板を受信部ケースに収めて
フタをします。

元の位置に戻して
受信部を元の位置に戻して
吸込みパネルも元通りにしたら再度リモコン送信してOK。

手こずりましたが使えるようになって完了😅

エアコンを延命することができました。

古めのエアコンでは現在と異なるところがあり判断の難しいことがありますね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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