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2021年11月19日 (金)

リモコン受信部の検証

前回こちらで取り上げたエアコン修理ですが、点検時の回路計(デジタルテスター、三和電気PC500)での確認作業では赤外線センサーの異常まではわかりませんでした。

そこで引き上げてきた部品を処分する前に今回はオシロスコープで検証作業をしてみたいと思います😊

まず手始めに回路計(アナログテスター、三和電気CX506a)で正常な赤外線センサーを調べます。
回路計で赤外線センサーの動作を調べる
作業車からデジタルテスターを持ってくるのが面倒なので・・・😆

左の安定化電源からDC5Vを供給。

真ん中にあるまな板みたいなものは実験などに使用されるブレッドボードと呼ばれる接続用の器具です。

そこに赤外線センサーを接続して
ブレッドボードに接続した赤外線センサー
ここへ赤外線リモコンを送信してみます。

リモコンを送信しないときのセンサーからの出力電圧は
赤外線センサーからの出力は約4.6V
約4.6Vです。

左に40という数字がありますがここが4Vになります。
(右の60が6V)

このようになにも受信していないときには電圧が出力されています。

ではここへリモコン送信すると
回路計では瞬時の変化は読み取れない
あら~、ちょっとしか動きませんね😅

4.5V位でしょうか。

実際には信号を受けたとき0V程度まで落ちているはずですが回路計では読み取ることができないんですよ。

これについてはデジタルテスターも同様で反応していることがわかる程度です。

そこで登場するのがオシロスコープ
オシロスコープを使って波形をみる
この安物😅オシロでみてみましょう。

なにも入力していないときのオシロは
なにも入力していないオシロスコープの画面
このような状態になっています。

横一直線の水色の線が信号を表してます。

よくみると画面が方眼のようになってますね。

縦軸は電圧の大きさで中央が0V。
今は1マスが2Vになるように設定しています。

横軸は時間。
時間の経過は左から右へ流れます。

とりあえず時間の設定は1マス10msにして
(10ms(ミリセカンド)は0.01秒)

時間設定は画面の上中央に黄色で表示されています。

正常な赤外線センサーに電圧を加えてリモコン送信すると
リモコンを受信したときの波形
このようにパルス状の波形が現れます。

信号を受ける以前は一定の電圧が出力されてますが信号を受けたときだけ0Vへ落ちています。

では今度はセンサー不良として引き上げてきたもので同じことをしてみましょう。
動作不良の赤外線センサーを調べる
うぉ~、基板上の端子間が狭くてショートしそうだな~。

回路計で短絡がないかチェックしてから電源オン。

リモコン送信!
動作不良の赤外線センサー出力波形
あら?

まったく同じ波形?😵

でもこのセンサーではエアコンが受信しないことはわかっています。

う~ん何が違うのか・・・

もしやと思い1マスの時間を短くしてみます。

まずは正常なものを1マス5μs(マイクロセカンド)0.000005秒では
正常な赤外線センサー5μs
電圧の落ち方が直角ではなく少し斜めになりました。

実際にはこのようにタイムラグが生じるということですね。

一方動作不良の方は
動作不良の赤外線センサー5μs
ありゃ~ずいぶんと斜めです。

それだけ時間を要していることがわかります。

約20~25μsです。

もっと時間を短くして1μsでは・・・

正常なセンサー
正常な赤外線センサー1μs
1μsで電圧が落ちてますね。

ということは動作不良のものは正常のものより20~25倍の時間がかかっています。

もしかすると常時通電されている部品なので普段はもっとかかっているかもしれません。

同じ1μsで動作不良のほうは
動作不良の赤外線センサー1μs
だめだこりゃ~😆

画面からはみ出てます。

この反応の悪さで受信不良を起こしていたのではないでしょうか。

やっぱり経年劣化なんでしょうね。
動作不良の赤外線センサー基板
こればかりは避けようがありません。

ということで終了。

このようにオシロスコープは便利な計測器ですが現場で使うことは危険なのでできません。

まあ外した部品を調べる程度にしか使えませんね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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