取り付け直し工事→中止!?
今回は他社で設置したエアコンの取り付け直し工事です。
(東京都八王子市へエリア外出張です)
今年5月頃に新品のエアコンを購入して設置してもらったそうです。
しかし、その工事が納得いかないとのことでお問い合わせをいただきました。
点検を行い状態を説明し取り付け直すことに決定。
初めて見ました。
もちろんテープは内部に水の溜まる上下逆巻きでした。
ではまずエアコンを取り外します。
基本は2.0mmですが材料費の節約ですかねぇ。
電線が細いということはその分、電圧降下が起きて熱となって電気が消費されます。
室内機のパイプジョイントを外そうと断熱材を取ると
銅管が折れてつぶれてます。
これじゃ本来の冷暖房能力は出ません。
この工事屋さんはテープの巻き方からして、室内機を床に置いた状態で銅管を接続してその後壁に取り付けてますね。
これをするとパイプが折れても気が付かないんですよ。
それより気になったのはこのジョイント部分にオイルが多量に付着。
間違いなく接続部分でガス漏れしてますね。
試運転では完全なガス不足という感じは受けませんでしたが、正規の封入量よりは減っていることは確実です。
壁から3cm位出てます。
このエアコンの場合は計測すると最長で壁から2cm。
本体背面に傷が付いてましたが割れ等はなくまだ大丈夫でした。
エアコン工事はこういうところも気を使わないといけません。
「建物に初めから付いていたボルトが長いんだからしょうがない・・・」
これは理由になりません。
交換用のボルトや工具を持っていない業者も多数います。
公団系の建物ではボルトと共に見た目をよくするために初めから取り付けられているものです。
これは付けたまま設置するものではありません。
滑って室内機が傾いたり、プラワッシャーが割れてしまいます。
パイプに傷が付きます。
電線の接続は
押さえのバンド部分はケーブルのシース(外皮)が長く剥ぎ取られているため固定になっていません。
しかも余長を取らずにパイプと共にテーピングしているので動いたときに引っ張られて接触不良する恐れもあります。
取り外しも終わってようやく取り付け工事に移ります。
ボルト交換から始めます。
10mmの全ネジボルトを壁内の”インサートナット”に挿入。
長さをマーキングしたら切断
切り終わったらまた壁へ取り付けます。
切断する道具は全ネジカッターと呼ばれる専用の電動工具です。
ナットにはワッシャーも入れてます。
長さは壁から15mmに設定しました。
さて今度は室内機の取り付け準備にかかります。
先ほどのガス漏れしていたであろうジョイント部分です。
これ変形してますよ。
そのため膨らんだ部分とその反対側は銅管のフレア面が接触した跡が残ってますが両サイドは接触していません。
正常な形のフレアを当ててみるとガタガタして明らかに歪んでいることがわかります。
ガス漏れの原因はこれです。
取り外した銅管フレアを見ると
あまりきれいなフレア加工ではありませんがそれはさておき・・・
やっぱり両サイドの接触が悪いことが確認できます。
これでは取り付けてもガス漏れするので工事中止としました。
まだ購入から数か月しか経っていないのでお客さんからメーカーへ修理を依頼。
翌日にはサービスマンがきたそうです。
ところが・・・
そのサービスマン曰く、
「圧力をかけたが漏れている様子はない(←これ考えが浅いです)、ナイログを使用して接続すれば大丈夫」
という説明だったそうです。
オイオイ、メーカーさん、ナイログを使えば大丈夫って自分ところの製品を否定しているようなもんでしょ。
こういうのイメージ悪くなりますよ。
ちなみにナイログとは製品名で漏れを防止する接着剤みたいなもの。
近頃ではやたらガス漏れの多い量販店などは使用を強制しているところもあるみたいです。
ふつうは古くて傷が入ったり変形して、他にやりようのない場合などに使用するものでしょう。
それを新品のエアコンで歪んでいるものに使用しろとはなんとも・・・
メーカーサービスマンといえどもレベルは工事と同じくバラバラです。
だからといって”はいそうですか”と折れるわけにはいきません。
お客さんには再度メーカーへ交渉してもらいました。
結果はメーカーにて引き上げて修理対応となりました。
ふつうどこのメーカーでも初めからそうしますがねぇ。
あとは減ったガスをどうするのか知りませんが、修理が終わったら再度取り付け工事に伺います。
http://kato-aircon.com/
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