ユニオン接続を溶接接続へ
川崎市多摩区にて冷媒管の「ユニオン接続(機械的接続)を溶接接続へ変更を」と修理依頼をいただきました😊
取り付け工事をしたのは当店ではありません。
今年、冷房が効かなくなりメーカーへ点検依頼したところ室内機の熱交換器よりガス漏れとの判断でその修理を行ったそうです。
(メーカー保証期間で無償修理)
その後また冷えなくなってしまい、再度メーカーサービスマンが訪問。
室外のパイプの途中でユニオン接続があり、そこでガスが漏れていると診断されました。
ユニオンではなく溶接で接続するように勧められたとのこと。
室内機と室外機を結んでいる冷媒管はメーカーが修理する部分ではないため当店へ依頼があり伺った次第です。
ちょっと施工に慣れていない人が取り付けたようで、通常このようなところに接続部を設けることはしません。
すでにメーカーさんで点検しているためテープ類がはがされていました。
組付け時に付けるオイル量と比べ多く周囲まで広がっているので間違いなくここで漏れてますね。
でもユニオンを使用してもきちんと接続すれば漏れることはありませんので誤解のないように。
外してフレアを見ると
接触の弱い部分があるので締め付け不足です。
近頃トルクレンチを使用する業者が多くなりましたが、実はこれが締め付け不足を誘発するんですよ。
微妙に締め付けが弱いと何年もかけてガスが漏れて発覚した頃には今回のように保証切れ😱→自腹で修理となります。
溶接するためフレア部分は切断。
これは2本あるうちの細い方(2分管、外径6.35mm)
この細い管、溶接する場合は要注意なんです。
火炎で炙ると細いため熱のまわりが早く、流し込むロウ材で管を塞いでしまったり狭くしてしまう恐れがあります。
パイプカッターで切断した切り口はすでに狭くなっているので、
リーマーを使い面取り(バリ取り)を行います。
そして銅管同士を接続するためにはこれ
セージングツールを使います。
セージングツールで拡管中
これは太い管(外径12.7mm)の方ですが、内側にそれが入るように広げます。
終わったら銅管を差し込みセット
今回は銅管の重さで抜けてしまうので固定金具を使います。
この溶接器、小型で持ち運びがすごく便利。
ただ欠点は吹管の形状がすごく使いにくい😅
火炎のコントロールがしにくいんです。
溶接をする前には窒素を流します。
一旦管内を窒素で満たすため勢いよく吹かしてからその後ごく少量を流しながら行います。(窒素ブロー)
溶接は銅管が赤く光るまで熱を加えるので、空気中の酸素があると管の内面に真っ黒な煤が付くのでそれを防止するため。
[溶接中](画像はありません)
溶接完了
この場所は出窓などでコの字に囲まれているので裏側の具合が見えず、また火炎で周囲を焦がさないようにするためちょっと気を使いました。
裏側は鏡を使って点検してOK。
表面は真っ黒ですが、内部は窒素で置換されているのでピカピカ✨なんですよ。
断熱、テーピング、室外機も接続したら真空引き。
室外機の内部も真空にするため時間がかかります。
今回は45分ほどで真空に到達(到達度はポンプ能力)しました。
3.5MPa(メガパスカル)というとピンとこないですよね。
乗用車のタイヤの空気圧がだいたい0.2MPa(200kPa)程度なのでその15倍以上の高圧力です。
だから締め付けが弱いと高圧力時や温度変化による金属の伸縮により漏れてしまうんです。
ただし締め過ぎもダメですよ。
”ちょうどよい加減” これが大切。
問題ありません。
温度測定もOK。
これで安心して冬が迎えられますね😊
http://kato-aircon.com/
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