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2020年4月 4日 (土)

エアコンと壁を壊す工事とは・・・

”エアコンの室内機が落ちそうになっている”との点検依頼をいただきました。
ありがとうございます😊(川崎市内)

建物はコンクリートの集合住宅です。

現地に着いて側面を見ると
落ちそうになっているエアコン室内機
ひえ~😱、今にも落ちそうです。

このエアコンを取り付けたのはかなり有名大手量販店。
名誉のため店名は控えます。

当方「お店に言ってみました?」
お客さん「年数も経っているし落下は保証外になっているので・・・」

この量販店、以前にも落下したエアコンを修理しに行ったお宅で「うちの責任とは限らない、いままで付いていたんだから保証外」という理由で保証してませんでした。

こういうことがあったとき保証してもらえるという安心感から大きな量販店でエアコンを買っているのにこれはないですよね。

まずは点検に伺って見積もりを行い修理は後日になるという予定でいましたが・・・

これ
エアコンの配管穴が下にある
パイプを屋外へ出す配管穴が下の方にあります。

なにが言いたいかというと、もしエアコンが落下した場合には完全に床まで落ちてきます。

こちらのお宅には小さなお子さんが二人。
こりゃ人命に関わることが想像できますね。

エアコンも暖房で使用しているとのことで急遽修理することにしました😅

お客さんはすぐに躯体コンクリートへのアンカー打ち込み許可をとってくださいました。
無許可で躯体へアンカーは打てません。

コンセントを見ると
エアコンを差し込んであるコンセント
これは・・・

やっぱり
エアコンの電源を分岐回路からさらに分岐している
普通のコンセント(分岐回路)からさらに分岐してますね。

詳しくまでは調べませんでしたが多分そうでしょう。
だとしたらこのエアコンは電流容量20Aなのでかなりひどい工事です。

ではまず室内機を取り外します。

といってもこの状態なのでその間に落下することは十分に考えられます。
ひやひやしながらそーっとそーっと衝撃を与えないように慎重に外します。

配管化粧カバーを開けると
室内の配管化粧カバーを開けると
ドレンホースが断熱されてません。

拡大
ドレンホースに巻かれた防湿テープ
これは防湿テープというものが巻かれてます。

本来断熱材の上に巻くものでこのテープには断熱の効果はありません。

冷房除湿時にはカバーの中で結露していることと思います。

冷媒管の断熱材は
冷媒管の断熱材に隙間
縮んで隙間ができてます。

断熱材は縮むものなのでテープ巻きがセコイとこんなふうに隙間ができます。

室内機と室外機を結んでいる電線
室内機と室外機を結ぶ電線にVVF1.6mmが使われている
呆れますね。

20Aの機種にこの太さのケーブルは本来使えません。

しかし今回は電源やそのほかの問題についてはご検討いただくことにしてとにかく落下防止の修理に専念します。

なんとか落下せず室内機を外せました。

据付板の右側は
据付板のねじやボードアンカーが抜けている
ボードアンカーやねじが抜けてます。

ねじは手抜き工事屋さんお得意の斜め打ち。
これで強度が向上すると思っているようです。

石膏ボードにそんなことしても意味はありません。

そして左側
ボードアンカー、ねじは抜けていないが・・・
こちらは抜けてません。

でももっと悲惨なことになってました。

これ・・・
エアコンの荷重で壁が変形、浮き上がっている
エアコンの荷重で石膏ボードが変形して手前にふくらみ浮き上がっています。

まずこのエアコン、室内機が16kgと重く奥行きがあるため壁への負担が大きめ。
ボードアンカーだけで持たそうとするのがそもそものまちがい。

左側はボードアンカーが地付き(ネジの先端が躯体にぶつかる)して接着(GLボンド)をはがしてしまったのかもしれません。
その後の長期にわたる荷重で手前に浮き上がってしまいました。

赤い直線と見比べると
エアコンの荷重で壁が曲がった
壁が曲がっているのがわかると思います。

これが進むと石膏ボードごとはがれて室内機が落下することになります。

最近ではエアコンメーカーが重い室内機を発売してますがこういう問題もあるんですよ。
日本の建築構造やエアコン工事人の平均的技量も考えて設計しないとだめだと思うんですが。

躯体コンクリートへアンカーを打って据付板を固定
躯体コンクリートへアンカーを打って据付板を固定
これでがっちり。

ボルトナット、ワッシャー
室内機の据付板を固定したボルトナット
左の壁の変形を少しでも直そうとナットを締めましたが元の状態に戻ることはありませんでした。
これでも1cm位は引っ込みましたが。

ちゃんと直すには壁を貼り直すしかないでしょう。
エアコンの据付が不十分だったために壁がダメになってしまいました。

室内機を取り付け終わって
室内機本体に隙間がある
なんだか本体に隙間がありますね。

これはねじの抜けや壁の変形に伴い、長期間に渡る室内機への偏った力によって本体も変形してしまったんです。

室内機中央の引掛け部分を鏡で見ると
室内機の上部奥を鏡でみると
ここにも変形による隙間が・・・

拡大
長期間の偏った荷重で室内機にできた隙間と割れ
よく見ると割れてます。

左右両端が手前に出てきていた関係で中央のフックに過大な荷重がかかっていたようで割れてました。

室内機の落下防止措置は完了して試運転はとりあえず問題ありませんでした。
この先変形による不具合のないことを祈ります。

工事が不完全なためエアコンはおろか壁まで壊すという事例でした。

お客さんから帰りがけになんと貴重なマスクをいただきました。
本当に助かります。ありがたく使わせていただきます😊

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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