エアコンのコンプレッサー(1)
エアコンの中にはコンプレッサーがあって・・・という話を聞いたことがあると思います。
お客さんと話をしているときに”コンプレッサーが・・・”というとキョトン(?)とされることもしばしば。
でもそれはしかたありません。エアコン工事をしている人でもコンプレッサーが付いていることは知っているが、それが何のためにあるのかわからないということも珍しくありません。
詳しく知りたい場合はヒートポンプサイクル(冷暖房の仕組み全体)を理解する必要があるのでそこまでは書けませんが、どんなものか紹介したいと思います。
ルームエアコンの室外機内部
これは他の修理時に分解した際の画像です。
ちなみにコンプレッサーは室外機に付いているものだと思う方もいるかもしれませんが、業務用エアコンでは室内機に付いているタイプもあります。(リモートコンデンサ形など)
コンプレッサーは日本語名”圧縮機”でその名の通り冷媒ガスを吸入し圧縮して吐出します。
主な種類としてレシプロ、ロータリー、スクロールなどのコンプレッサーがあります。
○レシプロ圧縮機・・・圧縮部が車のピストンエンジンと同じような形状をしていてモーターでクランクを回してピストンで吸入圧縮します。回転を上げても能力が頭打ちになるのでインバーターエアコンには向かず現在ではあまり使われていません。
○ロータリー圧縮機・・・ローターの中をローラーが偏心して回転することで吸入圧縮します。構造が割と簡単で回転を上げるとその分能力が出るので現在の主流となっています。ただし振動騒音が大きいので対策が必要。
○スクロール圧縮機・・・渦巻き状の圧縮機で吸入圧縮します。滑らかな圧縮が可能なため振動騒音が小さく静粛性に優れています。高価なためか現在では一部機種にしか搭載されていません。
スクロールコンプレッサーはその静粛性ゆえに当店のお客さんにはこれを搭載した機種を選定して購入される方もおられます。
このほかにも業務用などを含めればターボ圧縮機、スクリュー圧縮機などもあります。
そしてルームエアコン、業務用パッケージエアコンに使われているコンプレッサーは密閉型といってモーターごとケースの中に収められています。
メンテナンス不要の使い捨てとでもいいましょうか・・・壊れるとまちがいなく高額修理です😱
はっきりいってルームエアコンでコンプレッサーが壊れるとほぼ交換修理はしません。
費用が見合わずエアコン買い替えってパターンですね。
業務用エアコンであれば割と小さくても30万円コースがあたりまえでそれ以上もめずらしくありません。
今回はここまで
http://kato-aircon.com/
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