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2020年1月23日 (木)

突然エアコンが停止→基板交換

エアコンを使用していたら突然暖房が効かなくなったとのことで点検に伺いました。(川崎市内)

リモコンで運転すると室外機が起動しようとするような音はしますがファンすら回りません。

メーカーはシャープ

室内機の点検モードでエラーを見ると
エアコン室内機のエラーコード表
”PAM電圧/電源電圧異常”です。

”PAM”(パム)ってなに?
PAMはインバーター制御方式の一種です。
パルス・アンプリチュード・モジュレーションの略で要は効率がいい方式とでも思ってください。

(ちなみにインバーター制御はモーターの回転数制御に使われます。一定速ではなく可変速で能力を上げたり下げたりできます。)

このPAMと言えば室外機内のコンプレッサーに使われているものと考えがちですが、もしかしたらファン制御用だったりするかもしれません。
いちおうメーカーに確認するとコンプレッサー制御用でした。

ここで安易に”ならば室外機の基板交換”と判断するとたまに痛い目をみるので注意。
エラーコードはあくまでなんのエラーを出しているかであって、故障個所を指しているわけではありません。

エラーコードで故障個所を判定するのは点検ではありませんからね。

ということで室外機を開けて点検。
室外機の外板を外して点検
なんか白い棒みたいなものがありますがカバーに貼り付けてあった発泡スチロールが劣化ではがれてました。

一番あやしい基板とその周辺を点検します。
エアコン室外機に搭載されている基板
コーティングされてますね。

基板の表面が薄く膜をはったように保護されています。
計測するにはこのコーティングをはがさないとできないので部分的に削り取ります。

エラーには”電源電圧異常”ともありますが基板の入力電圧に問題なし。

コンバーター(AC-DC変換部)の出力電圧は283V。(電源100V機なので倍電圧整流の通常値)
コンプレッサーが起動しようとするときも281Vとさほど変化がありません。
基板からはキーン・・・というインバーターの音が微かに出たり消えたりしています。

本来の純粋なPAM制御であれば起動時に280Vを直接パワーモジュール(コンプレッサーを駆動する部品・インバーター部)にかけることはないと思います。

ただこれ以上は基板の裏面(部品の実装側)回路が見れないですし設計もわかりません。

このへんになるとメーカーさんへ聞いても”資料がなくわかりません”と言われるのがオチなので。

PAMの電圧が指定値にならないのでしょう。
今回はエラー表示通りの結果ですね。

ただし基板交換したらコンプレッサーもでした⤵なんてことのないように念のためモーター巻き線の抵抗測定し正常。
リアクタにも異変は見られず問題なし。

ということで見積もりを出して基板交換修理となりました。

部品を発注しメーカーさんからは明後日到着予定と聞いてましたが次の日には到着(はやっ!)

すぐにお客さんへ連絡するとこれからでOKとのことで早速交換修理へ・・・

また室外機を開けて
基板交換のため室外機を開けた
基板交換前にはコンデンサに電気が蓄えられていないかテスターで確認。

コンバーターのコンデンサは高電圧なので危険です。

お客さんの計らいで地面にゴザが敷かれてました。
お気遣いありがとうございます。

基板を外す前に
室外機制御基板下側の配線
これらの配線を全部外します。

配線の取り回しや差し込み位置を間違えないようにマークをつけたり覚えたりします。

取り外した基板
室外機から取り外した基板
中央下寄りにある2つの円筒形の周囲が黒い部品がコンバーター部のコンデンサ。

左の銀色の部分はインバーターのパワーモジュールやコンバーターのダイオードスタックを冷却する放熱器です。

近頃の交換部品は放熱器が付けられた組品がほとんどなのでおそらくこれを外す必要はないでしょう。

昔はパワーモジュールとダイオードスタック、そしてコンデンサも別部品でしたから点検修理も簡単になりました。

樹脂ケースは取り外して・・・
基板を樹脂ケースから外して
新しい交換基板に付け替えます。

ところが

新しい部品の箱を開けると
新しい交換部品には樹脂ケースまで付けられていた
あらま、樹脂ケースまで付いてましたよ。

しかもコード類の結束バンドまで付属して。

急いて来たので部品を確認しませんでした。
以前に一度、メーカーから受け取った部品がエアコン用ではなく冷蔵庫用だったなんてことがありましたからね。
注意せねば・・・

ただノイズ防止のフェライトコアが付いてないのでこれは壊れた基板から外して流用です。
これ知らない人だと付けなかったり、巻き数や巻方向を間違える可能性があるので、これも付属していた方がいいと思いますがねぇ。

そして基板を取り付け
室外機に新しい基板を取り付け
傾き等ないようにしっかりはめ込みます。

配線類も元通り戻して
基板の配線類を接続、固定して
要所には結束バンドで固定。

差し込み忘れがないように注意するとともに熱を持つ部品にはコードが接触しないようにします。

右下のコードの後ろ側に見える部品は冷暖房のガスの流れを切り替える四方切替弁(通称:しほうべん)です。

左下はリアクタ。
リアクタは基板に搭載できないので別置きですね。

室内機へつながる端子台
室外機端子台のファストン端子も接続
ファストン端子も接続。

差し込みの向き(表裏)は外した時と同じになるようにしてます。
裏返しにすると酸化被膜などの影響で抵抗が増し熱の発生と損失などになるため。

放熱器の位置もずれがないか確認
基板の放熱器の位置にずれがないか確認
しっかりはまってます。

外板を元に戻していきますが・・・
配線類が挟まっていないか確認
配線類が挟まらないか確認しながら行います。

これも大切なことで、コードが挟まったまま閉めてねじを固定してしまうと後に漏電やショートの元になります。

基板の金属カバーも戻して
基板の金属カバーを取り付けて
外した部品はネジ一本残らないように元へ戻します。

かと思えばたまにいますよね。どこかに余計にネジを付けてしまって逆に足らなくなる人・・・
穴があるとネジつけちゃう😆

それとついでに電線を補修しました。
電線のむきが長かったので補修
補修前との違いは上の方の端子台の画像と見比べてください。

このエアコンを工事した人、電気工事の基本がわかってませんね。

外板を元通り戻したら絶縁抵抗を測定して良好。

リモコンで暖房運転を開始し室外機は無事起動しました。

ここで忘れてはいけないのが冷房運転。
上で四方切替弁にふれましたがこれにつながる配線をつなぎ忘れてもエラーが出ず冷房、暖房のどちらかは正常に動いてしまうことがあります。
そのためこの弁の動作も確認します。

温度も問題なくすべて正常運転です。

これで修理完了
室外機基板の交換修理完了

早く修理できてお客さんにも喜んでいただけました。

基板交換は難しくないという人もいますが、それはわかっていないとか知らないからでしょう。
たまたま事故に至らず救われているという車の未熟運転と一緒ですね。

通り一遍やってハイサヨウナラ!💨ではなく、多少効率が悪くとも確実な方法をとるのが事故を起こさない手段だと思います。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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