エアコンのコンプレッサー(2)
今回もコンプレッサー(圧縮)について・・・
日本語名”圧縮機”というように冷媒ガス(フロン類)を吸入管から低圧で吸い込んで、圧縮し吐出管から高圧で吐き出します。
(よく心臓に例えられてたりします)
早い話がポンプみたいなものです。
冷媒ガスを循環させるのもコンプレッサーの役目です。
でもその先の管の圧力が低ければいくら高圧で吐出したとしてもすぐに圧力が下がってしまいます。
なんで吐出したガスが高圧に保てるのかというと、ヒートポンプサイクル(コンプレッサーも含めた冷暖房サイクル全体の管路、冷媒サイクル)の中間に”膨張弁(ぼうちょうべん)”という部品があるから。
そこを境にこんどは逆に減圧します。(コンプレッサーと真逆の機能)
この膨張弁がないとほんとうにただのポンプになってしまい圧縮できないんですよ。
吐出したものがほとんど抵抗なく吸入管へ戻ってしまうのでスカスカ状態になってしまうんですね。(ただのイッテコイで吐出と吸入がほぼ同圧力)
吐出したガスのゆく先がある程度詰まっているからコンプレッサーとして機能してます。
なのでヒートポンプサイクルのコンプレッサーと膨張弁を境にして高圧部と低圧部が入れ替わります。
コンプレッサー吐出管から膨張弁まで高圧、膨張弁からコンプレッサー吸入管まで低圧ってぐあいです。
追記[膨張弁から下流が低圧になるのはコンプレッサー吸入力によるものです]
膨張弁については機会があったらまた書きたいと思います。
また、気体を圧縮すると熱が発生することは理科や実体験で知っている方が多いと思いますが、同じように圧縮して吐出されたガスは吸入側よりも80℃程度(コンプレッサーにもよります)高くなります。
詳しくは書きませんがこの圧力とともに温度が高くなるという現象がヒートポンプサイクルにおいて大切なことなんですよ。
(一方、逆に膨張弁を通過した冷媒は低圧になると同時に温度も下がります)
もしヒートポンプサイクルを詳しく知ろうとする方は各管路での冷媒の圧力、温度、そして状態(気相、液相)を同時に想像できるようになる必要があると思います。
なおコンプレッサーはエアコンの電力消費のほとんどを占めます。
ガスを圧縮するにはそれだけの力とエネルギーが必要です。
http://kato-aircon.com/
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