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2019年12月20日 (金)

配管用の穴あけ

新築一戸建てなどのお家でエアコンを取り付ける際におこなう穴あけ。

どんなふうにやっているか基本的な手順をご紹介します。

ただし建物の構造によってその方法が変わることもあるので参考程度と思ってください。

まず建物の図面があれば壁の構造を確認します。
やみくもに穴を開けたらたいへんなことになりますので。

作業に入る前に外壁の状況も見ます。
これをしないでうっかり雨戸に穴を開けたなんてことを聞いたことがあります。

いまではシャッターなどに要注意。
とある量販店さんの工事で新築のシャッター部に穴を開けられたというのがありました。

据付板の位置を決めて
室内機用据付板
穴の位置を測って決めます。

ここでいきなりコアドリルで穴あけはしません。
あまりにも危険です。

そのまえに壁の内部を探って
穴あけ前に壁の中を探る
障害になるものがないか確認。

もし筋交い、動かない電線類などがあれば穴の位置をずらすなり対処をします。

壁内の安全が確認できたらここで据付板を固定します。

ようやくコアドリルを使っての穴あけ
穴あけに使用するコアドリル
これは直径65mm

センタードリルが穴の中心となります。

このセンタードリルは単なる心出しというだけではありません。
これがないとドリルを回した際に円周の刃が壁を駆けずり回ってえらいこっちゃ😱になります。

穴あけ開始
石膏ボードを開けきる前に一旦停止
すぐに停止。

内壁の石膏ボードをあけきる前にドリルを止めます。

なぜかというと電線が石膏ボードの内側に貼り付いていることがあるんですよ。
一気に開けてしまうと電線まで切ってしまうことがあります。

石膏ボードを手で取ります。
石膏ボードを手で撤去
ビニールがありますね。

これは断熱材の袋のようなもの。
このビニールと石膏ボードの間に電線が挟まっていることがあります。

ビニールを切って
壁の内部を確認
断熱材をかき分け内部を確認します。

電線、ガス管、アンテナ線などが付近に隠れていないかよく調べます。

断熱材もしっかりよけます。
適当にこれをやるとドリルに断熱材が巻き込まれてごっそり取れてしまうことがあるため。

ここまできたら再度コアドリルで外壁側を開けます。

しかしセンタードリルが外壁を貫通したと感じたらまたストップ。
センタードリルが外壁を貫通したらストップ
何度も止めてめんどくさいですね😅

ドリルはこのままにして外壁を見に行きます。

貫通したセンタードリル
貫通したセンタードリル
この時点で再度外壁側に問題ないか見ます。

大丈夫ですね。(外壁はサイディング)

でもここで一気に外壁まで開けません。

外壁側構造用合板に円周の溝が掘れた時点で再度コアドリルを抜きます。
再度コアドリルを引き抜く
なんで?と思われることでしょう。

これをせず一気に穴を開けようとするとコアドリルが壁に食い込んでロックしてしまう恐れがあります。
ロックしてしまうとドリルを逆転させようが簡単には抜けなくなります。

それを回避するためセンタードリルを外します。
コアドリルのロックを防ぐためセンタードリルを外す
これでロックしません。

先ほど構造用合板に円周の溝を掘っておいたのはセンタードリルがなくてもドリルが踊らずに済むため。

これで構造用合板、サイディングをまとめて貫通
外壁まで貫通
開きました。

外壁側は
外壁側の穴
こんな感じ。

周囲のねずみ色っぽいのは飛んだ粉なので払えば簡単に落ちます。

あとは養生管を入れます。
貫通した穴に養生管を入れて
これで穴あけ終了。

こちらのお宅では6台設置したので穴あけも6つ。
刃のチップを研いで伺いましたがサイディングの外壁は硬いので6本目はさすがに切れ味が落ちていました。

また研がないと😅

先ほどコアドリルの刃が壁に食い込んでロックすることがあると言いましたが昔はこれでみんな苦労してました。

いまのドリル本体(私はボッシュ)の多くは安全クラッチが付いているので空回りして問題になりませんが、昔は変速なし(オンとオフしかない)、クラッチなしがあたりまえ。

ロックするとどのようなことが起きるかというと、突然ドンッ!というものすごい衝撃と痛みを感じ恐怖を覚えます。
このとき絶対に手を離してはいけません。ドリル本体側が回転しようとするのを押さえながらトリガースイッチを放します。

なので全神経を集中していつロックが起きてもいいように構えていました。

衝撃の瞬間に運悪く手がドリルの回転保持ボタン(回りっぱなしになるボタン)にあたって押されてしまうと、場合によってはパニックになって誰かに電源プラグを抜いてもらうまで回転トルクと戦うことになります。

その間、ドリル本体は”ブーン・・・”と唸り続けます。

手を緩めるとドリル本体が回転して更なる被害を及ぼします。

また当時はドリルは絶対右側に構えないとだめでした。
左に構えると左手でドリルのトリガー部をつかむことになり、ドリルがロックした際にそのトリガー部分に入っていた指が回転力によって折れてしまうため。

これで指を折った人はたくさんいましたね。
だいたいは初心者の人でしたが。

まえはこんなに危険な作業だったんですよ。

こうした中、ドリルの流れを変えたのはヒルティとボッシュだったんじゃないかと思います。
日本のメーカーじゃないんですよね。
当時の日本メーカーは努力と根性の振動ドリル😅

海外製でははじめにヒルティを使いましたが無段変速、正逆転、強力なハンマー機構、クラッチ付き、脱着容易なシャンク形状と驚きました。

日本は遅れてるな~と思いましたね。

やはり安全な工具が一番です。

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http://kato-aircon.com/

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