工事の質はパテにでる。
昔からエアコン工事の質はパテにでるということが言われています。
(パテとはエアコンの場合、壁などにあるパイプを通す穴を埋める粘土のようなものです)
どういうことかというと、パテの仕上がりをみればその工事をした人の技術や心意気までもがわかるというものです。
パテ埋めはエアコン工事の最後の方で行うので精神状態などが特に出やすいのかもしれませんね。
あるエアコン取り外し工事でのこと・・・
ミミズが這ったような字、ではなく配管😅
新品で買ってこの付け方ですか・・・
これまたいろいろ出てきそうな予感。
この場合壁紙がパテと共にはがれないように要注意です。
ゴムパッキンもめんどくさがって付けたまま。
パテをはがしてパイプのテープも取ると
ドレンホース(排水用)に断熱材が巻かれていません。
このホースに流れる水は室内機で除湿した冷たい水。
室温の方が高いので周囲が結露でびっしょりになります。
もちろん穴の中も断熱材が必要ですよ。
さらにテープを取ると
冷媒管の断熱材がビニルテープできつく締められてペッタンコ。
エアコンに使用される断熱材は気泡断熱でスポンジみたいなものなのでテープをきつく巻くとつぶれてしまいます。
そうなると断熱効果が薄れてこれまた結露します。
長期間このような状態だったのでビニルテープをはがしてもまったく元には戻りませんでした。
取り付けの際には断熱補強の必要があります。
(後日取り付け工事で補強しました)
冷媒管(冷暖房のためのフロン類が流れる管)を外し接続面を切り取ってみました。
この部分はフレアと言います。
エアコンを付けるたびに成形し直すので切り取っても問題ありません。
キズやカエリが多いですね。
あまりまともな加工ではありません。
このような傷はスローリーク(ガスがゆっくり漏れる)につながるので漏れていてもなかなか気づかず厄介なんです。
次に室内機から連絡線(室内機と室外機を結び電源供給、信号のやりとりする線)を取り外すため端子台カバーを開けると
端子台にある差し込み確認窓に電線が見えていません。
この確認窓にしっかり電線(銅線)が見えて差し込み完了となるのですが・・・
もうなにも考えてないとしか・・・
最後まで押し込まず途中でやめたみたいですね。
たしかにこの機種は電線の差し込みがしにくいのですが、だからといってこれでいいわけありません。
電気の怖さを知らないんでしょう。
室内機の据付板は壁に5本のボードアンカーでとまっていました。
主に荷重のかかる上部左右の部分は1本ずつで強度は弱め。
もしどちらか1本が抜けると連鎖し中央も抜けて室内機が落ちる可能性があります。
ボードアンカーのねじの締め付けがかなりきつかったので覗くと
内部で広がる傘が完全に開き切ってつぶれています。
こりゃボードの裏側は破壊されて崩れてますね。
落ちる前に取り外しになってよかったと思います。
加減が必要だということをご存じないようで・・・
屋外側もいろいろありましたがきりがないので省略します。
穴のツバにこびりついたパテをはがして
スクレーパーなどを使用します。
エアコン設置の際、これらの部材はなくならないように保管しておきましょう。
このねじは米粒のような大きさ(ちょっと大袈裟かな)なのでエアコン設置でフタを外した際失くしてしまったのでしょう。
このようなことがしょっちゅうなので準備してあります。
取り外し工事は無事(?)おわりました。
一部(パテ)をみれば全部がわかるという典型例でしたね。
工事をした人の心が形に表れているようです。
”めんどくさいから早く終わらせてとっとと帰ろー”とか”材料もったいないからこれぐらいなくてもいいべ” なんてね
いくら販売店がいい工事を謳ってみても下請け業者をないがしろにして安く請負わすような行為をしていればこうなるのは至極当然。
下請けという時点でまともな工事を期待するのが無理ってものです。
ヘタすりゃ”孫請け”でピンはねされてありえない金額なんてことも。
こうなりゃ数をこなして稼ぎます。
現代の経済、社会構造がエアコンに限らず末端の業者の気力を削ぎ、手抜き、安物部材の使用、技術力低下を招きますます拡大しています。
こんな家庭用エアコン工事業界・・・これからどうなっていくんでしょうかねぇ
結局その負担はお客さんが被るわけですが・・・
http://kato-aircon.com/
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