電波式リモコン、反応せず
台風の後、エアコンが動かなくなったとのことで点検を行ったところ本体のエラー表示から室内機リモコン送受信部と制御基板の通信異常と判明しました。
部品を取り寄せて交換修理です。
(川崎市宮前区)
このエアコンは電波式リモコンで一般に多く使用されている赤外線式とは違います。
赤外線式はリモコンをエアコンに向けて操作しますが電波式は無線なので電波の届く範囲であればどこに向けても操作可能です。
エアコンとリモコンが相互に通信できるので温度センサーがリモコンに付いている機種もあり、それは手元(リモコン)の温度を感知して室内機に自動で送信するようになっています。
このエアコンは部品点数が多くてここまで開けるのにも時間がかかります。
右に中継基板があるのですが、お客さんの話では去年か一昨年に中継基板が故障して今回と全く同じ症状になったそうです。
その話を聞いてから点検をしていたためすっかり中継基板がまた故障したものと思い込んでいましたが実は左のRFモジュールでした。
あぶないあぶない😅部品発注を間違えるところでした。
RFモジュールのRFはおそらく”Radio Frequency”の略だと思います。
日本語で言えば”無線周波数”、電波で使用する周波数ですね。
モジュールは構成部品といったところでしょうか。
無線というとアマチュア無線を思い浮かべたりするみたいですけど、電波で受信するテレビやラジオ、ラジコン、無線LAN、携帯電話、各種業務、航空機の誘導、防災・・・と幅広く使われています。
そしてこのリモコンも多分2.4GHz帯を使用したものと思います。
(メーカーさんに聞きましたが資料に出ていないとのことでした。)
しかしこの部品の配置がねぇ・・・
風の吹き出しの上に電子部品があったら結露で故障しやすいと思うんですけど。
限られたスペースを有効利用したのかもしれませんが寿命は短くなります。
今回も台風による高湿度で結露しやられたんではないかと・・・
取寄せた部品
出ている機種名は代表機種なので付いているものと異なります。
やはり古いほうは少し黄ばんでます。
取り付けました。
少し傾いてますけど収める場所の寸法より少し小さいのでこうなります。
脱着は簡単。
それよりも室内機をバラしたり組み立てたりの方が手間がかかります。
リモコンをエアコンに登録しようとしましたが受け付けません。
でもRFモジュールと制御基板の通信異常エラーは消えたので部品は正常。
何回かトライして・・・う~んわからん。
メーカー技術へ電話。
室内機やリモコンに表示されている登録方法ではだめだそうで。
あーして、こーして、こーやって・・・つながった!
やっと室内機とリモコンが通信できるようになりました。
いやいや手順が複雑。もう一回と言われてもムリ、覚えてません。
電波式なので混信による誤作動を防ぐためリモコンを室内機に登録するようになっているんですね。
室内機のカバーを戻して
絶縁抵抗測定、リモコン動作確認、ドレン排水試験をして異常なし。
修理完了しました。
上にある小さな方が本体になります。
近年はこうした小さなチップ部品が多く使用されてます。
全体を見たところでは異常はありません。
でも壊れています。
技適マークは電波法の技術基準に適合していることを表すものです。
このマークがない電波を放出する無線機器を使用すると電波法違反になることがあります。
現在は高い周波数帯がいろいろな機器で使用されて逼迫している状況なので余計な電波を出さないようにするためでもありますね。
今回電波式(無線式)リモコン関連の修理は初めてでしたが、これからは増えるかもしれませんね。
検波して電波の送出を確認できるメーターを作ろうかなぁ。もしくはオシロを使おうか・・・
http://kato-aircon.com/
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