室外電源機の設置(2)
前回に引き続き室外電源機の設置です。
(横浜市西区)
エアコンに電源をつなぎます。
でもその前にこれを撤去。
冷暖房の効かなくなった天井埋込型エアコンの室外機。
このエアコンも室外電源機で電源容量が新しく設置したものと同じなので電源はここから延長します。
というのも分電盤(ブレーカー)から室内機または室外機に専用回路を増設するには配線ルートに無理があり費用も高くなるため。
ここから室外機までは約5mほどと近くです。
もしここから延長して室内に専用コンセントを設け普通の室内電源機を付けるとなると無駄が多くなります。
エアコンの電気はそのほとんどを室外機内のコンプレッサーが使用するため、室内のコンセントまでいってそこから室外機へ連絡線で戻ってきては電圧降下が大きくなり使用中に電圧不足で停止する可能性も出てきます。
しかも工事料金が高くなります。
なので今回お客さんに室外電源機をお勧めし購入していただきました。
(当店ではエアコン販売はしておりません)
撤去する室外機の端子台
左の2本線が電源。右の3本線は室内外連絡線。
いまのエアコンと変わりありません。
ただつなぎ方がねぇ
電線をそのまま差し込んでねじ止めしてありました。
ブレーカーなどの押しねじ式の端子台であればこれでもいいんですが・・・
これではねじの片方にだけ力がかかるので端子台が傷みます。
それと電線押さえの部分
絶縁物が薄くなって銅線が透けて見えてますね。
もうすぐ漏電しそうです。
電線押さえはケーブルの外皮(シース)の部分でするもので、これは電気工事的にはバツ。
おそらくエアコン工事屋さんが接続したのかな?
昔からエアコン工事人には電気とは畑違いの人がなっているケースがほとんどなので・・・
― 撤去が終わって本題へ入ります。 ―
管内に水などが溜まらないように所々水抜きの穴を開けてあります。
(下側なので見えません)
ここにも水抜き穴を開けました。
雨水は入らないとしても断熱されているわけではないので条件によっては結露することがあるため。
電線はケーブルを使用しました。屋外なので管内でもケーブルが安心です。
歴史もあって安心確実な方法です。
電線をボックス内に収めて
接続部分が上向きになるようにしました。
この部分はこれで完了。
次は室外機への接続。
でも実際は作業の流れ、他との兼ね合い、影響なども考慮するのでこの順番通りではありません。
室外機には
電源線、内外連絡線、アース線の3つがつながります。
今回室内機側ではアースをつなげられないため室外機脇にアース工事しました。
電線類は画像にあるバルブに触れないように施工します。
暖房時に熱の影響を受けるため。
撤去したエアコンのように真っ直ぐのままでは接触不良のもと。
それとこのようにリングは右巻きでつなぎます。
ねじを右回りで締めるのでそのほうが理にかなっています。左巻きでつなぐと電気工事士試験では減点されます。(試験に落ちるかどうかはわかりません)
念のため電線に余長をとっておきました。
漏電がないか絶縁抵抗計で測定して問題なし。
200V丁度じゃないの?
はい、普通は公称の電圧より少し高めになっています。
近隣のお宅を含めて同時に多くの電気を使用したり、このエアコンを使用すると電圧は途中の電線で降下して下がってきます。
はじめから低めの電圧だと電圧不足になるためです。
エアコンの試運転結果もすべてOK。
久しぶりの室外電源機でしたが発売しているメーカーはあまりないようです。
でもダイキンさんにはいろんなシリーズに採用されていて選べますね。
これからもこのような案件で必要となるケースが出てくると思います。
http://kato-aircon.com/
« 室外電源機の設置(1) | トップページ | 電波式リモコン、反応せず »
「エアコン電気工事」カテゴリの記事
- エアコン専用回路増設(2024.08.12)
- コンセント100Vから200Vへ(2024.08.04)
- エアコンに漏電遮断器を設置(2024.07.20)
- エアコン4台の接地(アース)工事(2024.05.30)
- 接地(アース)工事の準備(2024.05.27)